<?xml version="1.0" encoding="utf-8" ?><rdf:RDF xmlns:rdf="http://www.w3.org/1999/02/22-rdf-syntax-ns#" xmlns="http://purl.org/rss/1.0/" 
			xmlns:dc="http://purl.org/dc/elements/1.1/" xmlns:content="http://purl.org/rss/1.0/modules/content/" 
			xmlns:cc="http://web.resource.org/cc/" xml:lang="ja">
<channel rdf:about="http://kamenoashioto.blog52.fc2.com/?xml">
<title>心に響く本・詩歌・言葉・音楽・風景</title>
<link>http://kamenoashioto.blog52.fc2.com/</link>
<description>私の読んだ本や聴いた音楽、出会った風景の中から心に響いたものを紹介します。</description>
<dc:language>ja</dc:language>
<items>
<rdf:Seq>
<rdf:li rdf:resource="http://kamenoashioto.blog52.fc2.com/blog-entry-377.html" />
<rdf:li rdf:resource="http://kamenoashioto.blog52.fc2.com/blog-entry-376.html" />
<rdf:li rdf:resource="http://kamenoashioto.blog52.fc2.com/blog-entry-372.html" />
<rdf:li rdf:resource="http://kamenoashioto.blog52.fc2.com/blog-entry-369.html" />
<rdf:li rdf:resource="http://kamenoashioto.blog52.fc2.com/blog-entry-371.html" />
</rdf:Seq>
</items>
</channel>
<item rdf:about="http://kamenoashioto.blog52.fc2.com/blog-entry-377.html">
<link>http://kamenoashioto.blog52.fc2.com/blog-entry-377.html</link>
<title>心に響く風景－秋の奈良公園</title>
<description> 11月中旬、秋の奈良公園に行ってきました。11月23日まで興福寺の仮金堂で、生の（ガラス越しでない）阿修羅像を見ることができるというので、出かけました。10時前に着いたのですが、既に長蛇の列、210分待ちとあったので、即、諦めて奈良公園をふらりふらりと気の向くままに、というか、お気に入りの公孫樹を目指して散策してきました。今回は、その時の写真から。【大仏殿を裏手から。表は大変な人出でしたが、裏に回ると人が少
 </description>
<content:encoded>
<![CDATA[ <img src="http://blog-imgs-1-origin.fc2.com/image/v/34.gif"  class="emoji" style="border:none;" />  <strong>11月中旬、秋の奈良公園に行ってきました。</strong><br /><br />11月23日まで興福寺の仮金堂で、生の（ガラス越しでない）阿修羅像を見ることができるというので、出かけました。10時前に着いたのですが、既に長蛇の列、210分待ちとあったので、即、諦めて奈良公園をふらりふらりと気の向くままに、というか、お気に入りの公孫樹を目指して散策してきました。今回は、その時の写真から。<br /><br /><a href="http://blog-imgs-38-origin.fc2.com/k/a/m/kamenoashioto/IMG_5298091115.jpg" target="_blank"><img src="http://blog-imgs-38-origin.fc2.com/k/a/m/kamenoashioto/IMG_5298091115.jpg" alt="IMG_5298091115.jpg" border="0" width="548" height="411" /></a><br />【大仏殿を裏手から。表は大変な人出でしたが、裏に回ると人が少なくなるのが、ここのいいところ。】<br /><br />　　　　　　　　<a href="http://blog-imgs-38-origin.fc2.com/k/a/m/kamenoashioto/IMG_5177091115.jpg" target="_blank"><img src="http://blog-imgs-38-origin.fc2.com/k/a/m/kamenoashioto/IMG_5177091115.jpg" alt="IMG_5177091115.jpg" border="0" width="411" height="548" /></a><br />　　　　　　　　【飛び火野の大木と鹿。ホルンを吹いて、青年がエサの椎の実を与えていました。】<br /><br /><a href="http://blog-imgs-38-origin.fc2.com/k/a/m/kamenoashioto/IMG_5227091115.jpg" target="_blank"><img src="http://blog-imgs-38-origin.fc2.com/k/a/m/kamenoashioto/IMG_5227091115.jpg" alt="IMG_5227091115.jpg" border="0" width="548" height="411" /></a><br />【奈良公園は、楓・ナンキンハゼ・桜・公孫樹の紅葉・黄葉がいたる所にあり、とても美しいです。】<br /><br />　　　　　　　　<a href="http://blog-imgs-38-origin.fc2.com/k/a/m/kamenoashioto/IMG_5336091115.jpg" target="_blank"><img src="http://blog-imgs-38-origin.fc2.com/k/a/m/kamenoashioto/IMG_5336091115.jpg" alt="IMG_5336091115.jpg" border="0" width="411" height="548" /></a><br />　　　　　　　　【奈良市内が一望できる二月堂に上がる階段。お水取りで有名。】<br /><br /><a href="http://blog-imgs-38-origin.fc2.com/k/a/m/kamenoashioto/IMG_5234091115.jpg" target="_blank"><img src="http://blog-imgs-38-origin.fc2.com/k/a/m/kamenoashioto/IMG_5234091115.jpg" alt="IMG_5234091115.jpg" border="0" width="548" height="411" /></a><br />【この二頭の鹿、角はもうないのですが、互いに頭を付き合わせて闘って？いました。】<br /><br />　　　　　　　　<a href="http://blog-imgs-38-origin.fc2.com/k/a/m/kamenoashioto/IMG_5316091115.jpg" target="_blank"><img src="http://blog-imgs-38-origin.fc2.com/k/a/m/kamenoashioto/IMG_5316091115.jpg" alt="IMG_5316091115.jpg" border="0" width="411" height="548" /></a><br />　　　　　　　　【正倉院の近くを歩いていると、こんなステキな塀に出会えました。】<br /><br /><a href="http://blog-imgs-38-origin.fc2.com/k/a/m/kamenoashioto/IMG_5204091115.jpg" target="_blank"><img src="http://blog-imgs-38-origin.fc2.com/k/a/m/kamenoashioto/IMG_5204091115.jpg" alt="IMG_5204091115.jpg" border="0" width="548" height="411" /></a><br />【春日大社に向かう参道の途中で。鹿はどこでも賢くモデルになってくれます。アップのもあるのですが…。】<br /><br />　　　　　　　　<a href="http://blog-imgs-38-origin.fc2.com/k/a/m/kamenoashioto/IMG_5269091115.jpg" target="_blank"><img src="http://blog-imgs-38-origin.fc2.com/k/a/m/kamenoashioto/IMG_5269091115.jpg" alt="IMG_5269091115.jpg" border="0" width="411" height="548" /></a><br />　　　　　　　【大仏殿の裏手には、池もあり、鹿たちがたくさん休んでいます。公孫樹も大木多し。】<br /><br />　　　　　　　　<a href="http://blog-imgs-38-origin.fc2.com/k/a/m/kamenoashioto/IMG_5355091115.jpg" target="_blank"><img src="http://blog-imgs-38-origin.fc2.com/k/a/m/kamenoashioto/IMG_5355091115.jpg" alt="IMG_5355091115.jpg" border="0" width="411" height="548" /></a><br />　　　　　　　【午後からやっと晴れてきて、手向山神社に着いた時、ちょうど日が射してきました。】<br /><br /><img src="http://blog-imgs-1-origin.fc2.com/image/v/209.gif"  class="emoji" style="border:none;" />　手向山神社は、「このたびは幣も取りあへず手向山紅葉の錦神のまにまに」と歌に詠まれたところで、昔は境内に1000本もの紅葉があったそうです。今は、少し。<br />来年の遷都1300年祭を前に、道路が整備されたり、新しいお店ができていたりで、変わらないと思っていた奈良にも変化の兆しが見えていました。観光客も、今までになく多く、ちょっとびっくりした一日でした。<br /><br /><br /><img src="http://blog-imgs-1-origin.fc2.com/image/v/22.gif"  class="emoji" style="border:none;" /> 　こんな景色を楽しめるのも平和なればこそ。少しでもましな世の中にという思いを込め、詠んだ短歌の連作を載せます。何事もまずは知るところから。少しでもそのお役に立てば、私が歌を詠む意味もあるかなと考えています。<br /><br />     　　　　　　　　　　　　　　　　　<span style="font-size:large;"> 黄なる粉「イエローケーキ」　</span>　<br />　　　　　　　　<br />（9月11日、フォトジャーナリスト森住卓氏の講演「イラクリポート」を聴く。劣化ウラン弾が使われた湾岸戦争の後、イラクでは子どもたちに白血病、ガン、奇形が多発しているという。）<br /><br /><br />　　　　　会場の席みな埋まり静けさのなかスライドは映し出される<br /><br />　　　　　　　　　　　　日本とイラクはアジアの東西に位置することを改めて聴く<br /><br />　　　　　　　　　　　　　　　　　　写真家の深く澄みたる目の奥にイラクの子らの眼差しがある<br /><br />　　　　　チグリスとユーフラテス川合ふ町に子ども専用墓地<span style="font-size:x-small;">（ぼち）</span>があるとぞ<br /><br />　　　　　　　　　　　　「写真にてこの現実を知らせよ」とイラクの医師は強く頼みき<br /><br />　　　　　　　　　　　　　　　　　　「伝はればこの子の生まれた意味はある」無脳症の子半時の命<br /><br />　　　　　戦争のあと癌の子の増えしこと数字に示すイラクの医師は<br /><br />　　　　　　　　　　　　病院に白血病の薬尽き退院させらる少女サファも<br /><br />　　　　　　　　　　　　　　　　　　放置されし施設に残るドラム缶「イエローケーキ」はその中にある<br /><br />　　　　　ドラム缶欲しさに中の粉を捨つ　そを劣化ウランと知らぬ村人<br /><br />　　　　　　　　　　　　村人は辺りに黄なる粉を捨て缶に貯めたり尊き飲み水<br /><br />　　　　　　　　　　　　　　　　　　黄なる粉劣化ウランは風に舞ひ土埃のなかボール蹴る子ら<br />　<br />　　　　放射線測定器の針振り切らる人も家畜も暮らす村にて<br /><br />　　　　　　　　　　　　劣化ウラン弾が貫きしといふ戦車　丘に見立てて子どもら遊ぶ<br /><br />　　　　　　　　　　　　　　　　　　四十五億年　劣化ウランの半減期見届けるヒト残つてゐるか<br /><br /> ]]>
</content:encoded>
<dc:subject>心に響く風景</dc:subject>
<dc:date>2009-11-22T17:16:57+09:00</dc:date>
<dc:creator>大空の亀</dc:creator>
<dc:publisher>FC2-BLOG</dc:publisher>
</item>
<item rdf:about="http://kamenoashioto.blog52.fc2.com/blog-entry-376.html">
<link>http://kamenoashioto.blog52.fc2.com/blog-entry-376.html</link>
<title>あんなことこんなこと－収穫の秋</title>
<description> 　　　　　　　　　　　　　　　　【兄にもらった渋柿を干しました…ただいま十日ほど経ち順調に干し柿に変身中】  11月15日午後9時から⑩チャンネルで放送された「死ぬとき後悔する２５のこと」より番組欄を見て興味を持ち「エチカの鏡　ココロニキクＴＶ」というのを、メモを取りながら見ました。終末医療のお医者さんである大津秀一氏が、1000人の死を看取った体験に基づいてお話しされていました。　　　　　　　　　　１．健康
 </description>
<content:encoded>
<![CDATA[ 　　　　　　　　<a href="http://blog-imgs-38-origin.fc2.com/k/a/m/kamenoashioto/IMG_49691011.jpg" target="_blank"><img src="http://blog-imgs-38-origin.fc2.com/k/a/m/kamenoashioto/IMG_49691011.jpg" alt="IMG_49691011.jpg" border="0" width="411" height="548" /></a><br />　　　　　　　　【兄にもらった渋柿を干しました…ただいま十日ほど経ち順調に干し柿に変身中】<br /><br /><img src="http://blog-imgs-1-origin.fc2.com/image/v/55.gif"  class="emoji" style="border:none;" />  11月15日午後9時から⑩チャンネルで放送された<strong>「死ぬとき後悔する２５のこと」</strong>より<br /><br />番組欄を見て興味を持ち「エチカの鏡　ココロニキクＴＶ」というのを、メモを取りながら見ました。<br />終末医療のお医者さんである大津秀一氏が、1000人の死を看取った体験に基づいてお話しされていました。<br /><br />　　　　　　　　　　１．健康を大切にしなかったこと<br />　　　　　　　　　　２．遺産をどうするか決めなかったこと<br />　　　　　　　　　　３．夢を叶えられなかったこと<br />　　　　　　　　　　４．故郷に帰らなかったこと（お墓参りなど）<br />　　　　　　　　　　５．（行きたいところに）旅行しなかったこと<br />　　　　　　　　　　６．（元気なうちに）美味しいものを食べなかったこと<br />　　　　　　　　　　７．趣味に時間を割かなかったこと<br />　　　　　　　　　　８．会いたい人に会わなかったこと<br />　　　　　　　　　　９．自分の葬儀を考えなかったこと<br />　　　　　　　　　１０．（我慢に我慢を重ねて）やりたいことをやらなかったこと<br />　　　　　　　　　１１．人に優しくしなかったこと（人のために一生懸命になりたかった…）<br />　　　　　　　　　１２．心に残る恋愛をしなかったこと<br />　　　　　　　　　１３．結婚をしなかったこと<br />　　　　　　　　　１４．子供を産み育てなかったこと（→無理な場合もありますよね。by亀）<br />　　　　　　　　　１５．子供を結婚させなかったこと<br />　　　　　　　　　１６．悪事に手をそめてしまったこと<br />　　　　　　　　　１７．（リスクを知っていながら）タバコをやめなかったこと<br />　　　　　　　　　１８．感情に振り回された一生を過ごしてしまったこと<br />　　　　　　　　　１９．自分が一番だと信じて疑わず生きてしまったこと<br />　　　　　　　　　２０．死を不幸だと思ってしまったこと（ポジティブに生きる大切さ）<br />　　　　　　　　　２１．神仏の教えを知らなかったこと<br />　　　　　　　　　２２．生前の意思を示さなかったこと（延命治療のことなど）<br />　　　　　　　　　２３．残された時間を大切に過ごさなかったこと<br />　　　　　　　　　２４．自分の生きた証を残さなかったこと<br />　　　　　　　　　２５．愛する人に「ありがとう」と伝えなかったこと<br />　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　<br /><br /><img src="http://blog-imgs-1-origin.fc2.com/image/v/209.gif"  class="emoji" style="border:none;" />　十五歳で、母が亡くなったあと「人はどうせ死ぬのに、なぜしんどい思いをしてまで生きるのか？生きなくてはいけないのか？」ということを長い間悩み考え続けました。<br />そして、出した結論は「どうせ死ぬのだから、死ぬとき悔いのないように生きよう。いつ死ぬか分からないのだから、毎日毎日が自分の人生、一瞬一瞬を大切に生きよう。自分の生きた証を残そう。生まれてきてよかったと思える人生にしよう。」ということでした。だから、ここに書いたことは、どれも共感を覚えることばかりでした。死ぬ直前でなく、早くに気づけたのは、母の最後の愛だったのだと思います。<br /><br />義姉の最期のことも思われます。番組の最後の方で、「限られた時間をよりよい時間にすることが大切だ。」「（誰かの言葉ですが…）明日死ぬように生きなさい、そして、永遠に生きるように生きなさい。」と言われていました。家族や周りの者に一生懸命いい思い出を残していってくれた義姉。義姉に悔いが残らないよう、一生懸命尽くしていた家族。短かったけど、いい人生だったなと思います。<br /><br /><a href="http://blog-imgs-38-origin.fc2.com/k/a/m/kamenoashioto/IMG_49711011.jpg" target="_blank"><img src="http://blog-imgs-38-origin.fc2.com/k/a/m/kamenoashioto/IMG_49711011.jpg" alt="IMG_49711011.jpg" border="0" width="548" height="411" /></a><br />【GANKOちゃんの愛情こもった手作り野菜が届き、鍋物にサラダに煮物に、美味しく美味しく頂きました。】<br /><br /> ]]>
</content:encoded>
<dc:subject>あんなことこんなこと</dc:subject>
<dc:date>2009-11-18T22:12:56+09:00</dc:date>
<dc:creator>大空の亀</dc:creator>
<dc:publisher>FC2-BLOG</dc:publisher>
</item>
<item rdf:about="http://kamenoashioto.blog52.fc2.com/blog-entry-372.html">
<link>http://kamenoashioto.blog52.fc2.com/blog-entry-372.html</link>
<title>心に響く詩歌－久保茂樹歌集『ゆきがかり』</title>
<description> 　今回は、久保茂樹さんの第一歌集『ゆきがかり』をご紹介します。 　　    　久保茂樹歌集『ゆきがかり』（砂子屋書房・2009年・3000円）「塔」の北摂歌会・大阪歌会でご一緒させて頂いている久保茂樹さんの第一歌集。「ゆきがかり上、出しましてん。」と頭をかき照れる姿が見えそうな、いかにも久保さんらしい題名の歌集です。ずっと30代だと思っていた久保さんが、実は私と1歳違いの50代と知って驚いたのは数ヶ月前のこと。二次
 </description>
<content:encoded>
<![CDATA[ <img src="http://blog-imgs-1-origin.fc2.com/image/v/87.gif"  class="emoji" style="border:none;" />　今回は、<span style="font-size:x-large;">久保茂樹さんの第一歌集『ゆきがかり』</span>をご紹介します。<br /><br /><a href="http://blog-imgs-38-origin.fc2.com/k/a/m/kamenoashioto/yukigakariobi.jpg" target="_blank"><img src="http://blog-imgs-38-origin.fc2.com/k/a/m/kamenoashioto/yukigakariobis.jpg" alt="yukigakariobi.jpg" border="0" width="108" height="150" /></a> 　　    <a href="http://blog-imgs-38-origin.fc2.com/k/a/m/kamenoashioto/yukigakarinaka.jpg" target="_blank"><img src="http://blog-imgs-38-origin.fc2.com/k/a/m/kamenoashioto/yukigakarinakas.jpg" alt="yukigakarinaka.jpg" border="0" width="104" height="150" /></a>　久保茂樹歌集『ゆきがかり』（砂子屋書房・2009年・3000円）<br /><br />「塔」の北摂歌会・大阪歌会でご一緒させて頂いている久保茂樹さんの第一歌集。<br />「ゆきがかり上、出しましてん。」と頭をかき照れる姿が見えそうな、いかにも久保さんらしい題名の歌集です。<br /><br />ずっと30代だと思っていた久保さんが、実は私と1歳違いの50代と知って驚いたのは数ヶ月前のこと。二次会の席で、私の歌を「どれも皆お日様の匂いがしますね。」と言われ、「暗く寂しい歌ではなく、明るく元気の出る歌を詠みたいな。」と思っていた私は、とても嬉しく思いました。でも、ある有名な歌人が「歌というのは、どろどろとして辛いもの。」というようなことを書かれた文章を、その何日か前に読んだところでしたので、もしかしたら久保さんは「あなたの歌は文学まで昇華してないよ。」と暗に言われたのかも知れないなとも、ちらっと思いましたが、いい方にとるのが私の傾向なので…。<br /><br />さて、この歌集、歌会や二次会でのご本人の口調を彷彿とさせる個性的で面白い歌集で、日頃から、歌会や毎月の「塔」誌で強い印象を受けていた歌もたくさんあり、大変親しみを感じました。言葉の細かい部分にまでこだわりのある作者の特徴が随所に見られ、言葉がそれぞれの持ち場で喜んでいるようで、作者の、歌を詠むのが楽しくてたまらないという気分が歌集からあふれていました。<br /><br />　　　　　　　　<a href="http://blog-imgs-35-origin.fc2.com/k/a/m/kamenoashioto/IMG_48420910.jpg" target="_blank"><img src="http://blog-imgs-35-origin.fc2.com/k/a/m/kamenoashioto/IMG_48420910.jpg" alt="IMG_48420910.jpg" border="0" width="411" height="548" /></a><br /><br /><span style="font-size:x-large;">〈家族との関係は…〉</span><br /><br />何といっても、久保さんの歌で印象的なのは、奥さまを詠まれた歌の数々。<br /><br /><span style="font-size:large;">子のわれとおとなの妻が泣いてゐた夢の不思議に半日が過ぐ<br /><br />ラーメンを直<span style="font-size:x-small;">（ただ）</span>に鍋からたべをれば扉に倚りて妻ゐたりけり<br /><br />とほ花火こたへはいつも遅れつつきみは話題をかへてしまへり<br /><br />書き留める言葉は死んでゆくものと濃いめに眉を引きつつ言へり<br /><br />コンサートに妻ら行きけむ味の素の壜を重石<span style="font-size:x-small;">（おもし）</span>にメモはありたり<br /><br />わたくしのことは今日からぜつたいに歌にしないで　今朝言はれたり</span><br /><br />最後の歌は、「塔」誌で見つけた時、「あらまあ、もう読めなくなるの？」と思わず言ってしまったインパクトの強い一首。最初の歌に見えるご夫妻の力関係が、奥さまを詠まれたどの歌にも伺え、微苦笑を誘う。他の身内を詠まれた歌もそうなのだが、自意識による照れが、ご自身を戯画化させ、それが、読者に、漫画や映画を見るような面白さを感じさせるのだろう。といっても、詠まれる家族にとっては、恥ずかしく照れくさく、かなり迷惑･･･、といった心境なのかもしれない。すべてが事実というわけではないのだろうけれど･･･。<br /><br /><span style="font-size:large;">編み棒を毛糸の玉に刺したまま子はふたつめの恋ををはれり<br /><br />スピッツをこの子は好きで少しばかり大人しすぎるとおもふも云はず</span><br /><br />子どもさんのことを詠まれた歌は、かなり遠慮がちであるが、魅力的である。男親というのは、気軽に声を掛けられない哀しさを抱えているのだろう。「スピッツ」は犬種ではなくて、歌のグループの「スピッツ」だろう。私も好きなグループだが、まじめな曲が多く、確かに大人しい。<br /><br /><a href="http://blog-imgs-35-origin.fc2.com/k/a/m/kamenoashioto/0910sansiki.jpg" target="_blank"><img src="http://blog-imgs-35-origin.fc2.com/k/a/m/kamenoashioto/0910sansiki.jpg" alt="0910sansiki.jpg" border="0" width="534" height="397" /></a><br /><br /><span style="font-size:x-large;">〈音に言葉を聞く耳〉</span><br /><br /><span style="font-size:large;">音がすぐ言葉にかはるゆふぐれだ喇叭吹きつつ豆腐屋がくる<br /><br />円居<span style="font-size:x-small;">（まどゐ）</span>といふ死語に句点を打つ如し電子レンジのその終止音<br /><br />はじまりはええんかいなといふ風<span style="font-size:x-small;">（ふう）</span>で高らかにいま笛吹きケトル<br /><br />暑いなかを来てよかつたと思はせるかなかなに似たこゑこんにちは</span><br /><br />こんな歌を読むと、久保さんの耳のよさと言葉へのこだわりを思う。そして、言葉と音が離れがたく結びついていることに改めて気付く。生活のなかの音が詩情を伴って聞こえてくる日々は、なんだかメルヘンのようだ。<br /><br />一首目、豆腐屋の「と～ふぃ～」というラッパの音を、「音がすぐ言葉にかはる」と詠まれたところに、作者の歌の力を感じた。「ゆふぐれ」の切なさが歌全体に流れ、大好きな一首である。<br />二首目、電子レンジの「チン」という音は、単に「出来上がりましたよ」という合図だけではなく、昔からの家族団らんへの決別を示す音も暗示しているようだ。<br />三首目、「笛吹きケトル」のためらいがちに鳴り始め、思いきり沸点に達するあの音を、なんと上手に表現されたこと！<br />四首目の上の句のように思ってもらえる声を、私も出せるような人でいたいなと思う。声には、感情も人柄も、思っている以上に込められる。だから、受け取る側も敏感になる。<br /><br />　　　　　　　　　<a href="http://blog-imgs-35-origin.fc2.com/k/a/m/kamenoashioto/0910batta.jpg" target="_blank"><img src="http://blog-imgs-35-origin.fc2.com/k/a/m/kamenoashioto/0910batta.jpg" alt="0910batta.jpg" border="0" width="389" height="553" /></a><br /><br /><span style="font-size:x-large;">〈自分自身を見つめる〉</span><br /><br /><span style="font-size:large;">唐突に電話は切られわたなか<span style="font-size:x-small;">（＝海中）</span>の海月<span style="font-size:x-small;">（くらげ）</span>のやうにぽわぽわとせり<br /><br />無精ヒゲ生やして人を追い払ふ鬼の気持ちがわかりかけてる<br /><br />階下より呼ぶ声のしてこたふるときわれはカラスとどこがちがふか</span><br /><br />男女の違いはあるけれど、同じような気持ちを抱いたことのある人は結構いるのではないかしら？自分の気持ちを「海月」や「鬼」「カラス」に喩えたり比べてみたりすることで、より見えてくるということがある。というか、理屈や言葉で説明できない気持ちだからこそ、歌になるのだと思う。<br /><br /><span style="font-size:large;">他人<span style="font-size:x-small;">（ひと）</span>の死にひとは怯えて生きるゆゑわが死は誰を怯えさすらむ<br /><br />海の香のつよきにわれはなぶられて言葉少なくなりてゆきたり<br /><br />いもうとをみるときの目に取り替へるわれに妹は居ないけれども</span><br /><br />こんなふうに自分を客観視できるのは、心に余裕があるからだ。自分を見つめることは、自分を愛さないとできない。冷たく突き放しても大丈夫だという、自分自身への信頼がないと詠めない歌だ。ここには、作者の人間性が強く出ていて、好ましい。<br /><br />　　　　　　　<br /><a href="http://blog-imgs-35-origin.fc2.com/k/a/m/kamenoashioto/IMG_48390910.jpg" target="_blank"><img src="http://blog-imgs-35-origin.fc2.com/k/a/m/kamenoashioto/IMG_48390910.jpg" alt="IMG_48390910.jpg" border="0" width="548" height="411" /></a><br /><br /><span style="font-size:x-large;">〈優れた観察力と表現力〉</span><br /><br /><span style="font-size:large;">ふとぶとと縦一文字書き初めぬまだもじになるまへのたて棒<br /><br />モロッコの牛乳売りは朝やけをわれは夕日をいまともに見き</span><br /><br />当たり前のことなのだけれど、そう言われると確かにそうだ！と、読み手の心に引っかかる歌を詠むのが、久保さんは上手い。<br />一首目の歌も、下の句で感心させられた。まんまと作者の術中に陥ったわけだが、それが妙に心地いい。実は、「縦一文字」から始まる字は意外と少ない。「口」「日」「目」か「門」か…、一画目を太く書く文字を考えるのも面白い。私は「日の出」や「門出」を思った。<br />二首目の茫洋とした詠みぶりの中に真実があり、「モロッコ」の位置を頭に描かせるところが、先に述べた歌同様、二度楽しめる味わいがあって、いかにも久保さんらしい。<br /><br /><span style="font-size:large;">せはしさはわが内にあり庭すみのつゆ草の上を飛ぶせせりてふ<span style="font-size:x-small;">（蝶）</span><br /><br />ゆふやけはまぶたの内のあかるみに熾火<span style="font-size:x-small;">（おきび）</span>のごとくしばらくはあり<br /><br />うしろから背中を押されしかたなくここにゐますといふふうに雲<br /><br />濃き青を押しのけながら来し月のひとりぽつちを連れて帰りぬ<br /><br />ていねいに筋<span style="font-size:x-small;">（すぢ）</span>剥き終へしひと房をみつめたるままはなしはじめぬ</span><br /><br />外の景色と自分の心情との取り合わせが絶妙で、「付きすぎず離れすぎず」が素晴らしい。<br />一首目、蝶の飛び方は恐らくせわしないのだろう。「せせりてふ」という名が、そんな印象を与える。でも、そのせわしさは自分の内にあるのだという感じ方が、優しく詩的だ。<br />二首目、夕焼けの色とあたたかさを、「熾火」に喩えるとは、さすが！まぶたを閉じて思う夕焼け。<br />三首目、四首目、「雲」も「月」も、人格があるように見えるときがある。それは、自分の心が、「雲」や「月」に重なってしまったとき。人は生きる孤独を、時々自然と同化させる。<br />ぽつぽつと大事なことを話し始めるとき、人は最後の歌のような動作をしているな、確かに。筋を剥きながら、考えるともなく、出だしの言葉を考えたり、頭の中を整理したりしているのかもしれない。<br /><br />＊言葉にこだわり、言葉にできない思いを表現しようとこだわった歌集に、久保さんの意欲を感じました。<br /><br /><a href="http://blog-imgs-35-origin.fc2.com/k/a/m/kamenoashioto/IMG_48180910.jpg" target="_blank"><img src="http://blog-imgs-35-origin.fc2.com/k/a/m/kamenoashioto/IMG_48180910.jpg" alt="IMG_48180910.jpg" border="0" width="548" height="411" /></a><br />　　　　　　<br /> ]]>
</content:encoded>
<dc:subject>心に響く詩歌</dc:subject>
<dc:date>2009-11-13T08:38:28+09:00</dc:date>
<dc:creator>大空の亀</dc:creator>
<dc:publisher>FC2-BLOG</dc:publisher>
</item>
<item rdf:about="http://kamenoashioto.blog52.fc2.com/blog-entry-369.html">
<link>http://kamenoashioto.blog52.fc2.com/blog-entry-369.html</link>
<title>猫日記「ハオ＆ミューの日々」40回－T　さん家の猫たちも</title>
<description> 　猫日記40回　　写真で知っていただけの、Ｔさん宅の愛猫「テッちゃん、モモちゃん」に会ってきました。　真っ黒でりりしいのが雄猫の「テッちゃん」。１枚目、『魔女の宅急便』のジジみたいでしょ？　優しい色合いのカーテンがよく似合う雌猫の「モモちゃん」。見た目そのままのおっとりさんでした。　　　　　　　　相変わらずやんちゃで甘えん坊の、我が家の雄猫「ミュー」。毎朝「おはよ～」と鼻を合わせてご挨拶。　　　　　
 </description>
<content:encoded>
<![CDATA[ <img src="http://blog-imgs-1-origin.fc2.com/image/v/283.gif"  class="emoji" style="border:none;" />　<strong>猫日記40回</strong>　　写真で知っていただけの、Ｔさん宅の愛猫「テッちゃん、モモちゃん」に会ってきました。<br /><br /><img src="http://blog-imgs-1-origin.fc2.com/image/v/17.gif"  class="emoji" style="border:none;" />　真っ黒でりりしいのが雄猫の「テッちゃん」。１枚目、『魔女の宅急便』のジジみたいでしょ？<br /><br /><a href="http://blog-imgs-15-origin.fc2.com/k/a/m/kamenoashioto/IMG_47031010.jpg" target="_blank"><img src="http://blog-imgs-15-origin.fc2.com/k/a/m/kamenoashioto/IMG_47031010.jpg" alt="IMG_47031010.jpg" border="0" width="548" height="411" /></a><br /><br /><a href="http://blog-imgs-15-origin.fc2.com/k/a/m/kamenoashioto/IMG_47101010.jpg" target="_blank"><img src="http://blog-imgs-15-origin.fc2.com/k/a/m/kamenoashioto/IMG_47101010.jpg" alt="IMG_47101010.jpg" border="0" width="548" height="411" /></a><br /><br /><img src="http://blog-imgs-1-origin.fc2.com/image/v/254.gif"  class="emoji" style="border:none;" />　優しい色合いのカーテンがよく似合う雌猫の「モモちゃん」。見た目そのままのおっとりさんでした。<br /><br /><a href="http://blog-imgs-15-origin.fc2.com/k/a/m/kamenoashioto/IMG_46941010.jpg" target="_blank"><img src="http://blog-imgs-15-origin.fc2.com/k/a/m/kamenoashioto/IMG_46941010.jpg" alt="IMG_46941010.jpg" border="0" width="548" height="411" /></a><br /><br />　　　　　　　<a href="http://blog-imgs-15-origin.fc2.com/k/a/m/kamenoashioto/IMG_46961010.jpg" target="_blank"><img src="http://blog-imgs-15-origin.fc2.com/k/a/m/kamenoashioto/IMG_46961010.jpg" alt="IMG_46961010.jpg" border="0" width="411" height="548" /></a><br /><br /><img src="http://blog-imgs-1-origin.fc2.com/image/v/291.gif"  class="emoji" style="border:none;" />　相変わらずやんちゃで甘えん坊の、我が家の雄猫「ミュー」。毎朝「おはよ～」と鼻を合わせてご挨拶。<br /><br />　　　　　　　<a href="http://blog-imgs-35-origin.fc2.com/k/a/m/kamenoashioto/IMG_47650910.jpg" target="_blank"><img src="http://blog-imgs-35-origin.fc2.com/k/a/m/kamenoashioto/IMG_47650910.jpg" alt="IMG_47650910.jpg" border="0" width="411" height="548" /></a><br /><br /><a href="http://blog-imgs-35-origin.fc2.com/k/a/m/kamenoashioto/IMG_49020910.jpg" target="_blank"><img src="http://blog-imgs-35-origin.fc2.com/k/a/m/kamenoashioto/IMG_49020910.jpg" alt="IMG_49020910.jpg" border="0" width="548" height="411" /></a><br /><br /><img src="http://blog-imgs-1-origin.fc2.com/image/v/365.gif"  class="emoji" style="border:none;" />　無口の「ハオ」は、目で物を言うのが得意。よく食べよく寝てどっしり姉御になったのに、狭い所が好き。<br /><br /><a href="http://blog-imgs-35-origin.fc2.com/k/a/m/kamenoashioto/IMG_47720910.jpg" target="_blank"><img src="http://blog-imgs-35-origin.fc2.com/k/a/m/kamenoashioto/IMG_47720910.jpg" alt="IMG_47720910.jpg" border="0" width="548" height="411" /></a><br /><br /><a href="http://blog-imgs-35-origin.fc2.com/k/a/m/kamenoashioto/IMG_48000910.jpg" target="_blank"><img src="http://blog-imgs-35-origin.fc2.com/k/a/m/kamenoashioto/IMG_48000910.jpg" alt="IMG_48000910.jpg" border="0" width="548" height="411" /></a><br /><br /> ]]>
</content:encoded>
<dc:subject>猫日記「ハオ＆ミューの日々」</dc:subject>
<dc:date>2009-11-06T08:59:06+09:00</dc:date>
<dc:creator>大空の亀</dc:creator>
<dc:publisher>FC2-BLOG</dc:publisher>
</item>
<item rdf:about="http://kamenoashioto.blog52.fc2.com/blog-entry-371.html">
<link>http://kamenoashioto.blog52.fc2.com/blog-entry-371.html</link>
<title>心に響く詩歌－季節の詩歌(13)～霧の中～</title>
<description> 　　「空」誌27号（2009年9月）に載せて頂いた拙文です。長いですので、お時間のあるときにでも…。　　　　　　　　　　　季節の詩歌(13)　　～霧の中～　　　　　　　　　　　　　　　　　【信楽】村雨の露もまだ干ぬ槇の葉に霧立ちのぼる秋の夕暮　　　　　　　　　　   　　　 寂　蓮　　　　　　　白埴(しらはに)の瓶(かめ)こそよけれ霧ながら朝はつめたき水くみにけり　　　　長塚　節たちまちに君の姿を霧とざし或る楽章をわ
 </description>
<content:encoded>
<![CDATA[ <img src="http://blog-imgs-1-origin.fc2.com/image/v/87.gif"  class="emoji" style="border:none;" />　　「空」誌27号（2009年9月）に載せて頂いた拙文です。長いですので、お時間のあるときにでも…。<br /><br />　　　　　　　　　　　<span style="font-size:large;">季節の詩歌(13)　　～霧の中～</span><br /><br />　　　　　　　　<a href="http://blog-imgs-35-origin.fc2.com/k/a/m/kamenoashioto/IMG_47920910.jpg" target="_blank"><img src="http://blog-imgs-35-origin.fc2.com/k/a/m/kamenoashioto/IMG_47920910.jpg" alt="IMG_47920910.jpg" border="0" width="411" height="548" /></a><br />　　　　　　　　　【信楽】<br /><br /><strong>村雨の露もまだ干ぬ槇の葉に霧立ちのぼる秋の夕暮　　　　　　　　　　   　　　 寂　蓮</strong><br />　　　　　　　<br /><strong>白埴<span style="font-size:x-small;">(しらはに)</span>の瓶<span style="font-size:x-small;">(かめ)</span>こそよけれ霧ながら朝はつめたき水くみにけり　　　　長塚　節</strong><br /><br /><strong>たちまちに君の姿を霧とざし或る楽章をわれは思ひき　　　　　　　　　    　　　　近藤芳美</strong><br /><br /><strong>マッチ擦るつかのま海に霧ふかし身捨つるほどの祖国はありや　　　　　　　　寺山修司</strong><br /><br />冒頭の四首は、国語の便覧や教科書に必ず載っている「霧」を詠んだ名歌で、それぞれの歌人の代表歌でもある。霧は一年中発生するが、秋が一番多い。細かな水蒸気が地に触れるように這うのが霧、高く上ったら雲である。<br /><br />一首目、にわか雨が通り過ぎたあと、その滴の残る槇（杉や檜などの常緑樹）の葉をはじめ、地面からも周りを囲む山並みからも、一斉に霧が立ち上る夕暮の景。眼前の露から周りの様子に目を転じることで奥行きが生まれ、時間の経過も想像できる。山深く棲む作者の心も、読む者の心も、浄化されていくようである。<br /><br />二首目は、「秋海棠の画に」という詞書きがあるが、画讃とは関係なく読みたい気がする。早朝の霧に包まれた中で、清冽な水を汲むには、白磁の瓶こそがふさわしいという、作者の美意識ならびに価値観が表れている歌である。清楚な印象の白い瓶、生命を思わせる清澄な水、朝霧には、神聖な緊張感がある。<br /><br />三首目、あまりのかっこよさにドキドキし、作者名を見てさらに驚いた記憶がある。社会派の印象が強い近藤芳美だが、こんなロマンチックな歌もある。逢瀬のあと帰って行く恋人を見送る場面。彼女は、あっという間に霧の中に消え、作者の脳裏には交響曲のある楽章が浮かんだという。映画のワンシーンを見るような美しさで、一読忘れられない歌となった。『早春賦』（昭和23年刊）に収められたこの歌は、昭和12年の作で、3年後に恋人と結婚し、その前後の初々しい歌を残している。戦争を批判的に見ていた若者だったからこそ、大切に守ってきた愛があることを歌にとどめたかったのだと思う。<br /><br />四首目の寺山修司の歌は、次の俳句に影響を受けたのではないかと思えるほど似ている。<br /><br /><strong>一本のマッチをすれば湖は霧　　　　　　　　富沢赤黄男</strong><br /><br />俳句・短歌・詩・脚本と多才ぶりを発揮した寺山には、俳句から触発されて詠んだ短歌がたくさんある。寺山の歌は、上の句だけで十分俳句として成り立つが、それだけだと、赤黄男の俳句と世界が似通ってしまう。恐らく煙草を喫うために擦ったマッチ、それにより手元が明るくなった分、海(湖)上に広がっている霧の深さが際立つ。暗くて先を見えなくさせている霧は、「僕の将来に対する唯ぼんやりした不安」(芥川龍之介の遺書の言葉）をも思わせる。赤黄男の句の方が、「湖」という閉じられた場所であるため、芥川の気持ちに近いように思われる。寺山の歌は、場面を「海」に設定したことによって、視点が外国に広がり、下の句につながった。生きるよりどころにはなり得ない祖国、そこには、今の若者につながる虚しさがある。<br /><br /><a href="http://blog-imgs-35-origin.fc2.com/k/a/m/kamenoashioto/IMG_46860910.jpg" target="_blank"><img src="http://blog-imgs-35-origin.fc2.com/k/a/m/kamenoashioto/IMG_46860910.jpg" alt="IMG_46860910.jpg" border="0" width="548" height="411" /></a><br />【京都】<br /><br />霧は、朝・夕・夜などの時間帯、盆地・高原・海・川・人里・都会などの場所の違いによって、印象が異なる。次に、似たような条件下で詠まれた短歌と俳句を並べ、読んでみたい。<br /><br /><strong>朝の霧ふかかりければ霧ぬちにかすかに牛の動けるが見ゆ　　　　　　　半田良平<br /><br />牧牛にながめられたる狭霧かな　　　　　　芝不器男</strong><br /><br />視界の悪い霧の中では、見ることに一生懸命で、ややもすると見られていることを忘れがちである。短歌とは視点を逆にした不器男の句によって、俳諧味のある世界が現出した。<br /><br /><strong>トレーラーに千個の南瓜と妻を積み霧に濡れつつ野をもどりきぬ　　　　時田則雄<br /><br />樵夫二人だまつて霧を現はるる　　　　　　正岡子規</strong><br /><br />農作業を終え、霧の中を戻ってくる自分たち夫婦を詠んだ歌。霧の中から現れてくる二人の樵夫を見ている子規。歌の方に「黙って」とは書かれていないが、「霧」に包まれると、それに圧倒されるのだろうか、人はなぜか無口になる。どちらも労働を伴う静かな世界だ。<br /><br /><strong>夜すがらの霧いちじるみ宿院に朝あくる障子みな濡れてあり　　　　　　中村憲吉<br /><br />秋霧のしづく落して晴れにけり　　　　　　　前田普羅</strong><br /><br />お寺の建物は木造で障子が多く使われている。宿坊に泊まった夜は、一晩中ずっと濃い霧に覆われていたが、朝起きてみると、部屋の障子はすべて霧に濡れていたという歌。俳句の方の霧も、雫するほどだから濃かったのだろう。木や草から落ちる雫に朝日が当たり、美しく輝く様が想像される。晴れた一日になったことだろう。<br /><br /><strong>戸を開けてまあどうしませうと案内の尼僧は言へり一面の霧　　　　　　　酒井久美子<br /><br />霧の中声あたたかき人とゐて　　　　　　　　西村和子</strong><br /><br />先の歌と同じく、宿坊に泊まった翌朝を詠んだ歌。尼僧が困惑しつつも、一面霧に覆われた別世界に興奮し華やぎまで感じられるのは、柔らかな話し言葉の効果だ。句の方は、室内ではなく外。霧の中、大切な人と一緒にいるのだが、表情が見えない分、声の温かさが心に染みる。<br /><br /><strong>いまだこの生になじめぬもののごと試しつつ啼く朝霧の奥　　　　　　　　久我田鶴子<br /><br />霧の奥より母の声谿の声　　　　　　　　　　　原　裕</strong><br /><br />先ほどの句もそうだが、視界が遮られると、聴覚が冴える。遠くから聞こえてくる声に耳を澄まし、作者はきちんと聞き分けている。幼い鳥の啼き声、母親の本当の声とその谺、そこには確かな違いがある。すぐ近くではなく「霧の奥」と捉えたことで、霧の深さが表現できた。<br /><br />　　　　　　　　<a href="http://blog-imgs-35-origin.fc2.com/k/a/m/kamenoashioto/IMG_46540910.jpg" target="_blank"><img src="http://blog-imgs-35-origin.fc2.com/k/a/m/kamenoashioto/IMG_46540910.jpg" alt="IMG_46540910.jpg" border="0" width="411" height="548" /></a><br />　　　　　　　　　【万博】<br /><br /><strong>やはらかに芽ぐめるものら朝夕のこの山峡のさ霧まとふも　　　　　　　　小野興二郎<br /><br />山裾のほのかに灯る霧の村　　　　　　　　　岡本　正</strong><br /><br />小野興二郎は、愛媛県面河<span style="font-size:x-small;">(おもご)</span>村の出身。故郷の風土に根ざした歌も多いと聞く。同じように、愛媛の盆地に生まれ育った私には、この歌も句も近しい。霧に含まれる水分が、自然を育み、そこに暮らす人たちに恵みをもたらす。山峡の生活は寂しく厳しい面もあるだろうが、「やはらかに」「ほのかに」という形容動詞が、優しい。<br /><br /><strong>夜の霧小さき路地に立ちながら憩ひのごとく灯る窓々　　　　　　　　　　扇畑忠雄<br /><br />赤黄の点滅霧の交叉点　　　　　　　　　　　児玉一心</strong><br /><br />こちらは一転、町の霧である。暗くて見通しのきかない夜霧の中にあって、家々の窓の灯りや交叉点の信号は、生を感じさせ、孤独な人間をほっとさせてくれる。<br /><br /><strong>夕霧が灯を潤まするこの街を諜報部員のように歩めり　　　　　　　　　　三井　修<br /><br />夕霧を来る人遠きほど親し　　　　　　　　　野沢節子</strong><br /><br />夕霧に包まれ灯りの滲んだ街は、いつもと違う顔をしていて、何か事件でも起きそうな不気味な気配がする。霧によって他と隔てられたことにより、疎外感や心細さが生じているのだろう。自身をスパイに見立てたり、遠い人を親しく感じたりすることで、無事にこの場所を通り過ぎようとする意識が働いていそうだ。<br /><br /><strong>白き霧ながるる夜の草の園に自転車はほそきつばさ濡れたり　　　　　　　高野公彦<br /><br />かたまりて通る霧あり霧の中　　　　　　　　高野素十</strong><br /><br />この歌の自転車の持ち主が、少年だといい。そう思うのは、「つばさ」という想像にロマンがあるからだ。一面の霧は、一見静止しているようだが、目を凝らすと「ながれている」。さらに「かたまって通っている」という観察がいい。<br /><br /><a href="http://blog-imgs-35-origin.fc2.com/k/a/m/kamenoashioto/IMG_47420910.jpg" target="_blank"><img src="http://blog-imgs-35-origin.fc2.com/k/a/m/kamenoashioto/IMG_47420910.jpg" alt="IMG_47420910.jpg" border="0" width="548" height="411" /></a><br />【滋賀】<br /><br /><strong>前髪も睫毛も濡れて自転車の中学生来る霧の中より　　　　　　　　　　　酒井久美子<br /><br />見えざれば霧の中では霧を見る　　　　　　　折笠美秋</strong><br /><br />高校時代の通学路には、川霧で有名な肱川（愛媛県大洲市）があった。橋にさしかかると、突然、繭の中に入ったようになる。濃い霧のせいで、隣を歩く友だちすら見えない。不安感と同時に、包まれる心地よさを覚えたものだ。車道を走る自転車通学の級友たちは、さぞ怖かったろうと、この短歌の中学生の必死さと重ねて思う。霧から抜け出たとき、皆の眉が真っ白で、濡れた顔や髪の毛を拭ったことも懐かしい。<br /><br /><strong>おお退屈きはまる風景掻<span style="font-size:x-small;">(か)</span>き消してふる霧のなか走れ樹木は　　　　　　　　前　登志夫<br /><br />霧深き楡の一樹に出会ひけり　　　　　　　　名和未知男</strong><br /><br />霧は、日常の風景を幻想的なものに変える。「走れ」と命令された山の木々が一斉に、霧の流れに従って映画のコマ送りのように動く景が、私には見える。句の楡の木は、深い霧の中でも存在感のある、樹齢を重ねた大木だろう。「一樹に出会ひけり」という表現に、作者の安堵感が伺える。道を見失っていたのかもしれない。<br /><br /><strong>明けわたる山もと深くゐる霧の底の心よをちこちの里　　　　　　　　　　　正　徹<br /><br />罠もろとも獣がうごく霧の底　　　　　　　　　桂　信子</strong><br /><br />「霧の底」は、盆地の底であり谷の底。そこには人々の暮らしがあり、動物たちも生息している。霧は谷を這い、やがて空へと上昇していくが、人は地に足をつけて生きていくしかない。<br /><br /><strong>静かなり耳底に霧の音澄むは　　　　　　　　富安風生</strong><br /><br />霧に包まれたときの静寂を美しく表現した句。「霧」は詩情豊かに、私たちを包んでくれる。<br /><br />　　　　　　　　<a href="http://blog-imgs-35-origin.fc2.com/k/a/m/kamenoashioto/IMG_46370910.jpg" target="_blank"><img src="http://blog-imgs-35-origin.fc2.com/k/a/m/kamenoashioto/IMG_46370910.jpg" alt="IMG_46370910.jpg" border="0" width="411" height="548" /></a><br />　　　　　　　　　【万博】<br /> ]]>
</content:encoded>
<dc:subject>心に響く詩歌</dc:subject>
<dc:date>2009-10-30T15:50:57+09:00</dc:date>
<dc:creator>大空の亀</dc:creator>
<dc:publisher>FC2-BLOG</dc:publisher>
</item>
</rdf:RDF>