心に響く本・詩歌・言葉・音楽・風景
私の読んだ本や聴いた音楽、出会った風景の中から心に響いたものを紹介します。
聞こえに関する本2冊
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【久しぶりにマンションベランダからの空。やっぱり広くて気持ちいいなあ。】

皆さん、若い時に比べて耳の聞こえが悪くなっていませんか?
何年前だったか、テレビで鈴虫の声が流れているのに、夫と私は全く聞こえなくて愕然としたのが、耳の老化を自覚した始まりです。
幼児の時の病気が原因で耳が聞こえなくなった親戚がいたり、友人が要約筆記や手話をやっていたり、短歌の会でスクリーンに文字が映し出されているのを見たりで、関心があり、町であった啓発講座をきっかけに「要約筆記」のボランティアサークルに入りました。ようやく1年の新米ですが、毎週1回3時間ほどの活動で多くのことを学びました。ここで紹介する2冊は、その学びを補強してくれた素晴らしい本です。

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松森果林著『音のない世界と音のある世界をつなぐ』
 -ユニバーサルデザインで世界を変えたい-
(岩波ジュニア新書/2014年/860円)
著者は小学4年で右耳を失聴・中学から高校にかけて左耳も失聴。
筑波技術短期大学在学中に、TDLのバリアフリーの研究をしたことがきっかけで、今の仕事に。
・・・ユニバーサルデザインとは決して難しいことではなく、まずは自分とは違った他者に目を向け、話を聞き、困っていることや嬉しいことを共有していくことから始まります。障害を障害と感じさせない社会になったらどんなにか良いでしょう。・・・(「おわりに」から)

入谷仙介・林瓢介編『音から隔てられて』-難聴者の声-
(岩波新書/1975年第1刷・2015年第5刷/720円)
・・・この本の刊行の目的は、ともすれば社会の片隅に埋もれがちであった中途失聴・難聴者問題を、みんなで大きく掘り起し、社会の認識や理解を少しでも高めたいということ、そして同障者の自覚を促したいということにほかならなかった。・・・(「あとがき」から)

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【今日はぽかぽか陽気でしたが、一昨日は池が凍って上に雪が積もっていました。】

耳の老化は30代から始まり、50代では高い音・小さい音・早口などが聞き取りにくくなります。誰もがたどる道ですが、年だからと諦めないで、周りの理解を得ることや補聴器の使用を考えることが大切です。欧米に比べ、日本では難聴の基準が厳しく補聴器の使用も少ないのが現状ですが、きちんと聞くことは認知症の予防にもなると言われているので、聞こえにくいことについては、もっと学んで知っていく必要があると思います。

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【スピーカー側。反対側はテレビの電波を受信します。】

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【上から見たところ。】

わが家では最近、写真の「手元スピーカー」を買いました。遠くからだと、テレビの音量を大きくしないと聞こえず、夫婦で困っていました。18,000円はちょっと高いかなとも思ったのですが、これは買って大正解。充電式で、小さな弁当箱くらいの大きさなので、どこにでも持って行けます。

 長い間お世話になっている体。耳も目も血管も内臓も(その他もろもろ)、年相応にくたびれてきています。同年配の皆さん、お互いいたわって生きていきましょう。
根を詰めるタイプの私、気がついたら全然休憩してなかった!ということがよくあります。
なので、今年は自戒をこめて、1時間に1回は休憩をして、「水分をとる・体を動かす・目を休める」を心がけています。
皆さんも、じゅうぶん気をつけてくださいね。

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心に響く本-再び、森まゆみ
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神戸の阪急御影駅近くにある「弓弦羽(ゆづるは)神社」の本殿です。1月2日お参りに。
羽生結弦くんの怪我の完治とオリンピックでの活躍を祈る絵馬がたくさんかかっていました。

 再び、森まゆみ

昨年読んだ森まゆみ著『子規の音』がとてもよかったので、図書館で彼女の本(エッセイ2冊)を借り、年末・年始に読みました。
著者は1954年生まれで、ほぼ同世代なので、体験した世界が重なり、共感を覚えながら読みました。一つ一つの話が短いのも、読みやすくて楽しめました。
性格は似ている気がしましたが、行動力が違います。大きな病気をされたことや、働きながらの子育てなど、その時その時を悔いのないように生きてこられて、今があると思いました。
反骨精神もあって、自分の頭でしっかり考えて実行していく、魅力的な人で、このエネルギーが、いい本を書かせているのだと感じました。

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森まゆみ著『おたがいさま』 (ポプラ社・2011年・1,400円)
森まゆみ著『昭和の親が教えてくれたこと』 (大和書房・2016年・1,500円)

題名が押しつけがましい感じがするので、もっと楽しく軽いものの方が手に取る人が多くなったのではと、内容がよかっただけにちょっと残念でした。

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近くの池。今年も鴨がやってきました。遠くて写真では見えませんが…。
今のところ、上池に10羽。中池に6羽。下池に1羽。その1羽が心配です。

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森まゆみ著『子規の音』
森まゆみ著『子規の音』 2017年4月発行/新潮社/2,100円

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表紙の絵は、子規の友人、中村不折画「朝顔を持つ少女」

 正岡子規について書いてある本は、今までにも何冊か読んだことがあるが、これは、東京生まれの著者ならでの土地勘が効いた一冊で、とても良かった。子規の足跡を膨大な資料と現地訪問とで丹念にたどった力作で、子規や周りの人たちの声が聞こえるような親近感を覚えた。

  たくさん引用されている俳句や短歌も、その背景とともに読むと更なる面白さがあり、魅力が増すと思った。ただ、松尾芭蕉の「奥の細道」を、1ヶ月ほどかけてたどった時の子規の句には、やたら「涼し」が多くて笑ってしまったけれど…。

 肺を病んで喀血してからも、子規は恐ろしく行動的で実にたくさん旅をしている。文章中に「見たがりの子規、新し物好きの子規、競争心の強い子規」とあったが、ほんとにその通りで、頭の元気に体の元気が追いつかず、生き急いでしまったのだと思った。

 子規の支援者であった「日本」新聞社主の陸羯南(くがかつなん)、叔父の大原恒徳と加藤拓川、母の八重と妹の律、親友の夏目漱石、門人の高浜虚子・河東碧梧桐・伊藤左千夫・長塚節、寒川鼠骨など、最期まで人に恵まれていた子規である。

 病床についてから七年、体に出来た穴から出る膿とその痛みに耐えながら、「墨汁一滴」「仰臥漫録」「病牀六尺」と書き綴っていった、子規の気力と明晰さは驚異的だ。「日本」新聞の同僚古島氏の言葉「骨盤は減ってほとんどなくなっている。脊髄はグチャグチャに壊れて居る、ソシテ片っ方の肺が無くなり片っ方は七分通り腐っている。八年も持ったということは実に不思議だ実に豪傑だね」

  「悟りという事は如何なる場合にも平気で死ぬる事かと思って居たのは間違いで、悟りとはいう事は如何なる場合にも平気で生きて居る事であった」という子規の言葉は、何回出会っても心に突き刺さる。こんなに辛い状況であるのに、読後感が明るかったのは、「生ききった」子規を感じたからでしょうか。

PS:図書館で借りて読んだのですが、やっぱり手元に欲しくて買いました。

 12月14日、この冬二度目の雪です。
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早速デッキに出て、足跡を付けたのは雄猫のミュー。

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毎朝ストーブの前に陣取るのは、雌猫のハオ。

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恩田陸著『蜜蜂と遠雷』
恩田陸著『蜜蜂と遠雷』 (幻冬舎/2017年第10刷/1,800円)

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だいぶ前に図書館に予約していた本が、やっと手元に届きました。
2段組の500ページで、時間がかかりそうだなと覚悟したのですが、読み始めてすぐにはまってしまい、一日で読み終えました。
クラシック音楽を、こんなにも豊かに、言葉だけで表現できるのかという驚きと、人物描写の面白さに、ぐいぐい読み進みました。
読後感もさわやかで、読了後、ネットで音源を探しました。ほんとうは、もっとゆったりと、本の中に出てきた曲をBGMにして読み進めると、相乗効果で最高に楽しめるだろうなと思います。
今までも、クラシックを聴くときは、自分の頭の中に勝手に情景を想像していたのですが、この本を読んで、そういうふうに楽しんでいいのだと、正直ほっとし、うれしくなりました。

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散歩をしていたら、大きなカボチャを玄関先に飾ったお家を発見!収穫の秋ですね。
雨が続き、台風も心配。大きな被害が出ませんように…。

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図書館のリサイクル本
 図書館のリサイクル本2冊
 
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町の図書館でいただきました。どちらもとてもきれいで、内容もとてもよかったです。

永田萠対談集『絵本、好きですか?』
 
絵本作家五人と永田萠との対談集。それぞれに個性的でこだわりがあって、大変興味深かったです。皆さん、妥協せず自分を貫かれているのが、凡人と違うところなんだろうなあ。
杉田豊「絵本づくりは共同作業」 杉浦範茂「絵本は連続するイラストレーション」
五味太郎「絵本が背負いこんでしまったもの」 黒井健「一日じゅう絵を描いていたい」
葉祥明「絵本で表現したいこと」
やなせたかしさんが「詩とメルヘン」を始めたとき、永田萠さん、黒井健さん、葉祥明さんそれぞれに、「あなたはいい人みたいだから」と誘ったというエピソードが面白かったです。お三方とも優しい絵ですもんねえ。

なかでも、葉祥明さんの言葉が印象的で、共感を覚えました。
p208~
「人間」って何だろう?「文明」って何だろう?僕は若い時からそれらのことを考えてきて、最近ようやく、ひとつの答が出ました。
 この世で大切なことは、老人、子ども、女性、苦しんでいる人達、人間以外の生き物、植物……そういう弱い立場にあるものを守ってあげること。「文明」って、そのためにあったのではないか、と。人が生きる目的のひとつは、そこにあるんだな、と。強い人は、それぞれの持っている生命力というか力を、何に使うべきかっていうと、そういう人たちを守るために使うべきなんだなと。じゃあ、こんな簡単なことだったのか。国家も政治も経済も、人間の文明も、そのために在るんだって。こんなシンプルなことなのに、人間達は今まで何をしてきたんだろう?むしろ、その逆ばっかし。

いくつか絵本の名前が出てくる中で、特に谷内こうた『なつのあさ』、黒井健『あめってあめ』、葉祥明『ぼくのべんちにしろいとり』を読みたいと思ったのですが、中古で大変高価なものしかなかったので、図書館で借りることにしました。

同じく紹介してあった
永田萠著『てのひらの虹-とても私的な〈いわさきちひろ〉論』
は、中古で見つけて購入。いわさきちひろも永田萠も好きな私にとって、とても素敵な本でした。

特に、ちひろさんの卒業した「東京府第六高等女学校」の章と、ちひろさんが好きだった画家「ケーテ・コルヴィッツ」(近代ドイツの女流版画家)の章は、ちひろさんの原点を知るようで、印象的でした。

P154コルヴィッツの石版画、題『種を粉にひいてはならない』
中年の母親の太くたくましい腕が、三人の子どもを抱きしめ、何かから必死で守ろうとしている絵だ。・・・この絵の題は、ゲーテの文からの引用だ。この作品、青少年を戦士として動員する政策に反対して発表された。種として地にまけば、芽を出し実を結ぶ。若者たちをみすみす粉にひくような、無意味な死に追いやるなという抗議をこめたものだ。

私は、ちひろさんの『戦火のなかの子どもたち』と『ひさの星』が一番好きなのですが、この本を読んで、その訳が分かった気がしました。ちひろさんの他の本も改めて読みたくなりました。家族はもちろん、編集者さんとの関係も素晴らしく、本を作ることへの情熱を感じました。


阪田寛夫・聞き手/工藤直子『ど♫れみそら-書いて創って歌って聴いて』
(河出書房新社・1995年・1,600円)
日本のわらべ歌の音階は、「ドレミソラ」。戦後の新しい童謡でも、よく歌われた作品は、近代的な和音に日本のわらべうたの音階がのっかっている。阪田さん作詞で有名な「サッちゃん」(大中恩作曲)も。中田喜直作曲の「めだかの学校」も團伊玖磨作曲「ぞうさん」も。

といった、わらべうた・童謡・唱歌・今の子どもの歌の話をしながら、阪田さんの生い立ちから今までを、作品とともにたどった本で、懐かしい詩(歌詞)がたくさん出てきて嬉しくなりました。
私が特に印象に残ったのは、第七章「うたに現れたそれぞれのふるさと」で、犬童球渓作詞「旅愁」と、 高野辰之作詞「故郷」と、北原白秋の「ふるさと」観を比較した文章でした。生い立ちやその後の人生によって、ふるさとに対する思いがこんなにも違ってくるという考察は、興味深いものでした。

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去年は古くなった大きな枝を伐ったせいで、少しも実がならなかったスモモですが、今年は若い枝に甘くて大きな実をつけてくれました。数はまだ以前ほどとれませんが、徐々に増えていくことでしょう。
  
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冷蔵庫で芽を出していたジャガイモを植えたら、こんなふうに収穫できました。自然の力って、すごい!昨日、第二弾で同じくらいの量、収穫できました。

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プロフィール

大空の亀 

Author:大空の亀 
写真の猫は姉のハオと弟のミュー。
ハオは2006年5月5日生(伝)。
ミューは2008年10月10日生(伝)。

空と言葉と草木花が好き。
趣味は読書・文芸。

読書ノート歴34年。
年間読書冊数の平均は、学生時代は
300冊、就職後は100冊~150冊。

ブログ歴 11年10カ月
2006年 3月17日から始めました。
2006年 9月 9日カウンター22222通過
2007年10月24日カウンター77777通過
2008年 5月23日カウンター100000突破 !
2008年 9月 8日カウンター111111通過
2011年 5月 4日カウンター200000突破 !
2012年 1月10日カウンター222222通過
2014年 9月15日カウンター300000突破 !
2017年 9月26日カウンター343434通過



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