心に響く本・詩歌・言葉・音楽・風景
私の読んだ本や聴いた音楽、出会った風景の中から心に響いたものを紹介します。
心に響く本-「三浦しをん」さんの本3冊
「楽しむ読書ならこれ!」という「三浦しをん」さんの本3冊

  31687972[2].jpg  31773871[1].jpg 【少しだけ拡大可】

 1.『三四郎はそれから門を出た』 (ポプラ社)

「読書が好きだ。 いや、もはや好きとか嫌いとかいう範囲を超えて、読書は私の生活に密着している。私が一日のうちにすることといったら、『起きる。なにかを読む。食べる。なにかを読む。食べる。仕事をしてみる。食べる。なにかを読む。食べる。なにかを読む。寝る』である。ちょっと食べすぎじゃないか。もちろん食べているときにも、なにかを読んでいる。本が手近にないときは、郵便受けに投げこまれたマンションのチラシを読みながら食べる。」というような筆者が、本や漫画に関するエッセイをまとめたのが、この本です。お勧め度は、三重丸。

この本の中で、書名にもなっている「二章 三四郎はそれから門を出た」は、朝日新聞に月1回連載されていたもので、文章に気合いが入っています。お気に入りの本を紹介できる喜びに満ちた文章が面白く、また、そこに書かれた箴言(しんげん)めいた言葉がかっこいいので、私は、第二章が一番気に入りました。それらの言葉のいくつかをご紹介します。本に入り込み、書き手と一体化している三浦しをんさんが見えるようです。

☆ 読書が、悩める人を救うのではない。静かに本を読み、自分を見つめた者自身が、自分を救うしかないのだ。

☆ 寺山修司は、「どんな鳥だって想像力より高く飛ぶことはできない」と書いた。それは真理で、文系理系に関係なく、ただ人間の想像力と、真実を知りたいという欲求こそが、私たちの前に新しい世界を切り拓くのだ。 

☆ 自分と異質なものの存在を認識せよ。人は国家や主義によって成り立つのではなく、ただ、自分とそれ以外の人との関係によって、幸せを感じる生き物なのだから。

☆ だれかを深く愛するというのは、愛を与えられることではなく、『愛したい』と思う気持ちを、その相手から与えられる、ということなのだ。

☆ 妖怪にもロックスターにも、日常生活ではなかなかお目にかかれない。もし身近にいたら、かなり迷惑するだろう。だが、「常識」から逸脱した彼らのような存在が許されない世界なんて、とても味気なく、つまらないものに違いない、とも思うのだ。

☆ 日記や自伝を読むとわかる。毎日が波瀾万丈なのではない。なんでもない毎日を送っていたはずなのに、積み重なるといつのまにか、波瀾万丈な一生になっているものなのだ。

☆ すべてを手に入れ、なにもかもを愛することなど、人間にはできない。自分が欲するもの、自分が大切にしたいと思うものを、自分自身で選び、愛することこそが、満足と幸せに至る道なのだ。

☆ 恐るべき思考停止状態に陥らないためには、想像力をもって他者と接すること。そして自分の心が、常に愛と残酷の二面性をはらみ、断絶の危機に直面する可能性の高いもろいものだと自覚し、客観視すること。実践するのは難しいが、それしかないと思う。

 2.『まほろ駅前多田便利軒』 (文藝春秋)

直木賞受賞作。現代世相を上手に織り交ぜてあり、大変面白く読めました。五重丸です。
「だれかに必要とされるってことは、だれかの希望になるってことだ。」
かっこいい言葉です。作者は、文章を書いているうちに、自己陶酔する癖がありそうですね。

 3.『風が強く吹いている』 (新潮社)

500ページもあるのに、一気に読んでしまいました。箱根駅伝を題材にしているのですが、「走る」=「生きる」と置き換えて読んでいる自分がいました。往路と復路と二日かけて読むことをお勧めします。詳しく書くと読む楽しみがなくなるので…。五重花丸です。
漫画オタクの作者らしく、人物も展開もメリハリがきいて、とても面白かったです。最初から最後まで、一緒に走り、一緒に応援し、爽快感がありました。ちなみに、作者は「走る」のが大の苦手。10人の駅伝メンバーの1人は、作者に似ている気がします。

007kireinakumonoito.jpg 【蜘蛛の糸】


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あんなことこんなこと-“若者は幻を見、老人は夢を見る”
0830706banpaku.jpg 【万博公園】

1ヶ月前、従兄のT兄(30歳も年が離れているので、叔父のような存在です。)が、5年間の闘病生活の末、亡くなりました。ずっと心を尽くして世話をしていた奥さんから、写真や資料を送ってもらい、初めてT兄の心の中を知りました。
ずっと牧師をしていて、早く両親を亡くした私たちのことも、いつも気にかけてくれていたT兄が、信者さんたちに配っていたプリントから、一部引用します。戦争を体験した人たちがどんな思いで、その後を送ったのか、身近にいたのに、関心も持たず、知らずに過ごしてきた自分の愚かさが悔やまれます。

“若者は幻を見、老人は夢を見る”(使徒二の17)
ここでの「老人の夢」とは、おそらく年寄りにつきものの「昔話」のことであろうと思われる。私もそういう域に達したことをしみじみ思いつつ、若者の見えない夢(昔話)を語ることにしよう。

私の入信は、昭和二四年の春まだ浅き頃のこと、天皇の為に生命を捧げ、志願してまで軍隊に入り、祖国の不敗を信じて戦った戦争が、惨めな敗戦に終わり、生きる目標を喪失した虚脱状態から未だ覚めやらぬ頃のことであった。
「新日本建設キリスト教運動」という賀川伝道のポスターに引き寄せられて(キリスト教には何の関心も興味もなかったが、「新日本建設」という文字に心捉えられて)というのが、生きて再び帰らぬ故郷に、敗残の恥を忍んで復員しえたのは、「お互いは国家再建の捨て石になろう。戦争に捧げた以上の努力を再建の為に捧げよう。」という、戦友と交わした誓いの故であり、「国家再建」こそが私共の生の至上命題であったから-生まれて初めてキリスト教の集会に出席したことから始まったのである。
その集会で私は、賀川先生を通し、創造主なる神の在すことと、人間が神の御旨により、一人一人その人でなければ果たせない使命(役目)を与えられて存在していることを悟らされ、敗戦国日本を再建する為に、各自が神を信じ、キリストの十字架の精神、尻ぬぐいの精神で、その使命を果たしていかなければならないと知らされました。
「その十字架の精神、キリストを知る為に教会に行け!」とのお勧めは、行き悩んでいた私にとって正に天の声でした。
導かれた教会生活と聖書を通し、自分の罪の本性を知り、悔い改めて十字架を仰ぎ、罪許され救われる経験を与えられて知り得た真理は、国家再建の最短の道は「人の心の生まれ変わり」であり、「人の心の変わるまでは、地に良きことは芽生え出でじ」ということであった。 …以下、省略…


私にとって、驚きだったのは、ごく普通に暮らしていたと思うT兄の中に、こんな志があったことでした。宗教は、なんでもござれで、深い考えのない私ゆえ、この文章を読んで、「では、クリスチャンに。」とはならないでしょうが、当時の心ある多くの人が、「国家再建」を、自分たちの命題として持っていたということに、今という時代との差を感じ、いろんなことを考えさせられました。
また、国家再建の最短の道は「人の心の生まれ変わり」であるという部分を読んだとき、私の頭の中に、中国の小説家、魯迅のことが浮かびました。魯迅は、中国の民衆を救いたいと、日本に医学留学したのですが、祖国のことを報じる映像で、精神の未熟な民衆を見て、「中国の民衆を救うには、体からではなく、心のほうから立て直す必要がある。」と考え、文学に転科し、大きな影響力を持つに至りました。

終戦当時20歳だったT兄たちが、戦争の中で見聞きしたものを思い、「戦争に捧げた以上の努力を再建の為に捧げよう。」と戦友と誓ったという決意を知り、私は胸が詰まりました。終戦から60年たった今、平和を享受してきた私たちが、当時の教育のせいだと言い、様々な愚かさを指摘するのは簡単ですが、もっと深い、人間としての尊厳の部分を見ておかなくてはいけない気がするのです。
宗教へ、政治へ、学問へ…、新たな決意を抱いた人たちが進む方向は様々だったでしょうが、明らかに、今の私たちが持ち得ない大志を抱いた時代があったのだと思います。これらの善意の人々の大志を、危険な方向に利用しようとする動きも見える昨今ですが、ごく普通の人間が、私欲を離れ、まじめに生きようとした気持ちを無にしてはならないと、T兄の心を改めて知った今、思っています。

T兄は、今、若くして亡くなった愛娘のMと、天国で再会していることでしょう。Mは、待望の看護婦になった喜びも束の間、過労で亡くなりました。夜勤の折、ナースステーションのカーテンを閉めると、患者さんが不安だろうからと、開けたままにし、あまり眠らずに居たと聞きました。T兄そっくりの娘だったなと思います。

018toukaede070727.jpg 【三色彩道】

高校時代の同級生が、また一人亡くなりました。3年間ほとんど同じメンバーで過ごした30人のクラスから、3年前にF・Tさんが、1週間前にF・O君が、この世に居ない人になりました。伝え聞きなので、詳しい事情は分かりませんが、F・Tさんと同じく癌だったようです。青春時代の一時期を、ともに過ごした仲間を、まさかこんなに早く失うとは、思ってもいませんでした。寂しいことです。ご冥福をお祈りします。

テーマ:ひとりごとのようなもの - ジャンル:日記

心に響く詩歌-高千夏子さんの第二句集『底紅』より
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【左から『底紅』本カバー、『底紅』布表紙、近くの公園の木槿(むくげ)底紅の花/少し拡大できます】

 私が、俳句結社「空」に入るきっかけを作って下さった高千夏子さんの第二句集『底紅』が、この六月に刊行されました。以前に、角川俳句賞受賞後の第一句集『眞中』を紹介しましたので、皆さん、覚えておられるかと思います。今回は、体調を崩されていたため、妹さんやそのご家族、俳句仲間の中田みなみさん、柴田佐知子さん、高倉和子さんらのご尽力で、素晴らしい句集ができあがり、嬉しいことに私にも贈って下さいました。
変幻自在の作風は、今回も健在で、また、深い思いの伝わる、いい句ばかりで、大変心引かれました。ご病気の身に、句集の刊行が、大変励みになったと聞いております。さらに、体力が回復されることを祈って、その内のいくつかを、みなさんにご紹介したいと思います。句集は制作年順に並んでいるのですが、私なりの読みに合わせて並べ替えてあります。ご了承下さい。(読み仮名は私が加えました。)

目借時波もなまけてゐたりけり
あふ向けにうつ伏せに波氷りゐる

「目借時」とは「かえるのめかりどき」のことで、「春の眠くてたまらない時期」を言います。蕪村の句に「春の海終日のたりのたりかな」というのがありますが、そんな春ののんびりした海の様子を「なまけて」と擬人化したところに、波と一体化した作者が見えて、面白い句だなと思いました。
二句目は、波がその形のままに氷っている様子をよく観察されているだけでなく、氷る前の波の動きが見え、素晴らしいと思います。また、作者の気持ちが波に寄り添っているのまでが感じられます。


遠足の子に扁額の一字読め
校長に切株ゆづり遠足子

遠足に出掛けた子どもの浮き浮きとした様子が、映像のようにはっきり見えます。とても生き生きとした句で、子どもの愛らしい様子を、微笑みながら見ている作者の目も嬉しい句です。

黄泉路にもぬかるみあるやひきがえる
いいお風呂いただきました遠蛙

どちらも「蛙」がいい味を出している句です。一句目は、死に至る道の辛さを想像させる重い内容なのですが、「ひきがえる」に問い掛けることで、軽みと親しみが出、諧謔性のある句となっています。二句目は、話し言葉が、お風呂上がりの心地よさを余すところなく伝え、蛙の声に旅心を刺激されました。もらい湯という懐かしい時代にも戻れる句です。


秋の日や鳩の豊胸うべなふまで
えごの花主治醫を訪ふは戀に似て

同じ乳ガンの手術をした者として、共感を覚えました。私は、手術直後、裸婦像などを見るのが嫌でたまりませんでした。胸の豊かな存在を、抵抗なく見られるようになるには、時間が必要でした。作者もそうだったのでしょう。他人は、まさか「鳩の豊胸」までと思うでしょうけれど…。私は、今でも胸の辺りが痛むと不安が募りますが、不思議なことに、主治医を訪ねると、ほっとします。二句目はそんな気持ちを詠まれていて、親近感を覚えました。

ふらここを漕ぐやしだいに雲に穴
抜襟の中が真つ暗雪女郎

「ふらここ」とは、「ぶらんこ」のことで、春の季語です。あり得そうであり得ない、でも、言われると、確かにあると思う。そういう、言葉が醸し出す不思議な世界が、この二つの句にはあります。高さんの句には、こういう、現実なんだけれども異界に飛んでいくような面白さがあって、それが魅力の一つでもあります。


ある時は天にのけぞり松手入
實直に釦(ぼたん)はめをる案山子かな

観察力の鋭さとユーモアを感じる心がよく出ていて、高さんの面目躍如という気がします。

祭来る昆布屋つねの昏さにて
春愁や人形の手の置きどころ

これもまた「上手い!」と唸りたい句です。普通は見逃しそうな情景ですが、こう詠まれると、生活している人の様子やその場の空気まで伝わってきます。


淡雪や小筥(こばこ)に戻す古代裂(ぎれ)
石垣の目のひとつづつ小春かな

さりげなく詠まれている句ですが、季語との取り合わせが絶妙で、柔らかい雰囲気が漂い、うっとりしました。

底紅やけふ為すことの今日出来て
戒名は短きがよし草の花

「底紅」というのは、句集の題にもなっていますが、「木槿(むくげ)」の花の中でも特に、花片の付け根に紅のさしたものをいいます。朝開き、夕には凋むことから、儚さを表したりもします。淡々と無欲に生を重ねる作者の、悟った姿勢が見え、潔い印象の両句です。


竹の子のゑぐみほどなり母の誡(かい)
小さき諍ひ母と楽しむ冷奴

高齢のお母様との暮らしには、ここには語れないご苦労がおありでしょうが、これらの句には、それを越えた落ち着きが感じられます。

句に生を遺すほかなし青山椒
生きるべし真冬を垂れる蜘蛛の糸

生きることの重み・深さ、いっぱい抱えてこられたであろう思いがひしひしと伝わってきます。繊細で鋭い感性を持っておられたがゆえに、生きづらかったのではないかと、「青山椒」「蜘蛛の糸」という言葉に、感じています。しかし、ここには強い覚悟も見え、高さんのしっかりした意志を感じました。


たんぽぽの絮(わた)の数ほど便り得し
心ある優しい方々と知り合えた喜びに、心を馳せておられる、このほっとする句が、句集の最後にあることに、私は、とても嬉しい思いがしました。どうか、体力を回復されて、素晴らしい句を、また詠んでいただきたいと願っております。

テーマ:短歌 - ジャンル:小説・文学

心に響く言葉-河瀬直美監督の言葉より
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 この連休は、台風、地震と続き、大変でした。皆さんの所は、大丈夫でしたか。新潟は、連続して大きな地震に遭い、しかも犠牲者が出てしまい、なんと申していいか…。
一日も早く、平常の生活が戻ってくることをお祈りいたします。

 今日は、最近心に残った言葉をご紹介します。
今年で第60回というカンヌ映画祭で、河瀬直美監督最新作『殯の森(もがりのもり)』がグランプリ(審査員特別賞)を受賞しました。先日見に出掛けたのですが、初日で舞台挨拶もある日だったため満員で入れず、後日再挑戦と相成りました。それ以来、河瀬直美監督関係の記事が目につき、しかも「いいこと言ってはる!同感!」と思うことが何回かありましたので、いくつか引用してみます。

【受賞コメントより】
映画を作り続けてきていて良かった。それは人生にとても似ていると思う。混乱、とまどうこと、色んなことがある中で、心に拠り所を人は求める。でもその心の拠り所は、形あるものに求めてしまう。お金とか、いい服とか、いい車とか…。 でも目に見えないもの、たとえば光とか風とか、なくなった人の面影であるとか、そういったものに人がなにかの支えを見つけたときに、その人は、真に豊かな心を持って生きていくことが出来るのだと思います。そんな想いをこめたこの映画を、評価して下さってありがとうございます。この世界に希望をこめてこの映画を届けます。

【7月13日の新聞広告より】
脳科学者茂木健一郎氏との対談
河瀬監督 : 私たちはつい形あるものばかり追いかけてしまいますが、見えないものにも心の目を向けると、きっと目の前にある具体的なものの見え方も変わってくるのではないでしょうか。
茂木氏 : よくわかります。そもそも人間の脳自体が森のようなもので、神経細胞も木の葉がさざめくように音楽を奏でています。普段、気づかないものにいかに意識を向けられるか。それによって、人間の感覚も行動も、どんどん開かれていくものです。
河瀬監督 : たしかにそのことに気づくと、世界の見え方はだいぶ変わってくると思います。


 濃い字にしたところは、特に共感を覚える部分です。両方とも同じことを言われています。監督が映画を作るときのテーマなのだろうと思います。レベルは全然違いますが、私も俳句や短歌を作っているときに、こんなことをよく感じます。人の詩歌や小説などを読んでいるときや、人と話をしているときにも、こういうことを大切にしている人だなとと思うと、親近感が湧きます。どうせ生きるなら、こういうふうに生きていきたい、この頃特に強く感じます。

0360706banpaku.jpg【写真は2枚とも万博公園】

テーマ:日々のつれづれ - ジャンル:日記

猫日記「好(hao3)の日々」第25回
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 【6月30日ハオは避妊手術をしました。】

 7月12日(木)皆さん、今晩は。今回は、母さんからです。

6月下旬、ついにハオに発情期が訪れました。突然の「恋鳴き」。夜も寝ず大声でオスを求め続け、腰を床にこすりつけんばかりに身をよじり、可哀想でなりません。子孫を残したいという本能に涙が出そうで、こちらも辛くて申し訳なくて、でも、この発情期をずっと続けさせるのは忍びなく、ついに避妊手術をしました。
家に飼うことで、ねぐらと食事は安心な身にしてやったわけですが、一方で猫としての生殖本能や野生の自由さは奪ってしまいました。仕方ないけれど、人間である我が身の傲慢さに心が痛みます。

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【枯れた猫草の上が落ち着くらしい・今まで飲まなかった水入れから初めて飲む・少しずつ食欲も回復】

本当は、3ヶ月前に避妊手術を予定していたのですが、先生の「困ったら、いらっしゃい。」という言葉に甘え、先延ばしにしていたのです。そうか、「困る」とは、こういうことかと、初めて気づきました。
猫を飼っている先輩の方々からは、「早く行った方がいいわよ。」と言われながら、「まだまだ子供」と思いたくて、結局、可哀想なことをしてしまいました。

それまで元気いっぱいに暴れ回っているハオでしたが、さすがにこの手術はショックだったようで、痛みもまだあるのでしょう、静かな静かな週末でした。今やすっかり赤ちゃん返りをし、すりすりべたべた。夜も私の腕を枕にして、体を密着させて眠っています。明日は、いよいよ抜糸をします。また、野生児丸出し&ご近所の方への愛想振りまきのハオに戻ってくれると嬉しいのですが…。

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【手術前-家具を動かしたら、ネズミのおもちゃが7匹も!・お風呂のふたからチョチョイチョイ・箱が大好き!】

 ところで、ご近所に、「ハオ」をとても気に入っておられる方がいて、いつも「この猫は賢い!」と言って下さいます。「小型の座敷犬は、脳みそが2gしかないけど、猫は3gもあって、トイレの失敗もない。」等々、小型犬(飼っている方、ご免なさい。)と比べながらの猫ほめ談義です。
加えて、友人より借りた、米原万里さんの本『終生ヒトのオスは飼わず』(文藝春秋)に、猫の賢さについて、興味ある内容がありましたので、引用します。

「脳の構造が驚くほど人間のそれに似ている、という話は、以前、
マイケル・W・フォックス著『ネコのこころがわかる本』(朝日文庫)で読んだことがある。
人間の脳から前頭葉を取り除いた脳が、そのまま猫の脳である。あるいは、猫の脳プラス前頭葉イコール人間の脳である。だからこそ、人間の大脳生理学は、脳のおかげでこの間長足の進歩を遂げた、つまりはたくさんの猫たちの脳が実験に供された、ということだ。
・・・(中略)・・・猫と脳の構造が似ているおかげで、人間は言葉が通じなくても猫の心の動きが手に取るように分かるし、猫も人間の心が読める。」


この本、猫だけでなく、犬への愛も深く強く感じられる本で、今更ながら、才能ある人の早世を惜しむ気持ちでいっぱいになりました。ハオそっくりの赤ちゃん猫の写真が何枚もあって、そんな楽しみ方もできた本でした。
他にも、何冊か猫関連の本を読みましたので、以下に紹介します。

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『海ちゃん』 (岩合光昭・写真/岩合日出子・文)新潮文庫-とっても美人猫の雑種の海ちゃん。赤ちゃんを産んだときの写真も素晴らしいです。
『綿の国星』全4巻 (大島弓子)白泉社文庫-何年ぶりに読む漫画でしょう。とても可愛い猫の女の子が主人公です。後の解説も楽しめます。
『作家の猫』 平凡社コロナ・ブックス-1997年の別冊『太陽』特集「猫と作家の物語」に加筆し再構成したもの。表紙は「中島らものとらちゃん」。

 本文が長くなりましたので、今回の中国語のレッスンは、一文だけ。
祝大家周末愉快!」(zhu4 da4 jia1 zhou1 mo4 yu2 kuai4)→「皆さん、よい週末を!」

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【明日からは、包帯がなくなりこんなふうに戻るはず・中国語&猫仲間のTさんちのテッちゃん】
【小さい写真は、どれも拡大できます。】

 7月14日追記
昨日、ハオは「傷口、きれいに治ってますよ。」と、優しい美人の先生に抜糸してもらいました。全身包帯をとってもらって伸び伸びしたのでしょう、すっかり元のハオに戻り、またもや家の中を子馬のように駆け回っています。

テーマ:猫のいる生活 - ジャンル:ペット

あんなことこんなこと-ちょっとしたことですが…
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【初夏の万博公園/クチナシの花】

ちょっとしたことが、心を浮き浮きさせてくれ、楽しくなることってありますね。例えば、こんな空を見たとき。

《その1》 「ありがとう」
帰り道、大学生の野球サークルで練習中のボールが、グランドの外に転がってきました。ちょうど目の前で止まったので、拾って渡してあげました。投げる自信はなかったので、転がして…。この場面で「ありがとうございます。」は当たり前の言葉なのですが、それでも、自分がすごくいいことをした気分になりました。


《その2》 所変われば
今年は、家の前の森から鶯の声がよく聞こえ、ちょっとした高原気分を味わっています。先日、マンションの玄関で、管理人の奥さんが嬉しそうにこんな話をしてくれました。
「ここの横断歩道のところにいるカラスは、優しい声で『お早う、お早う』って鳴くのよ。時々『早う、早う』とも聞こえるけど。」信号のところで通学時にボランティアの方が声を掛けているのを、覚えたみたいです。
別のところでは、可哀想なことに、「馬鹿野郎!殺すぞ!」と朝早くから大声で鳴くカラスがいるそうです。
「所変われば…」は、「品」だけではないようで。


《その3》 空あり
職場の近くに、「空あり」という看板が掲げてありました。駐車場の前ですから、「空きあり」ということなのですが、思わず空を見上げてしまいました。
確かに、建物のない駐車場の上に広がる空は、「空あり」と言いたくなる感じで、物語の一つもできそうでした。


070622sora1.jpg 20070706143511.jpg 070622sora2.jpg  【 3枚とも携帯で撮影 】

《その4》 飴ちゃん
夕方、電車を待っていると、隣に座られた二人連れの中年女性が、「飴ちゃん、どうぞ。」と、飴を下さいました。
自分たちだけ食べるのは心苦しかったのでしょうが、「さすが大阪のおばちゃん!」この親しみやすさが、大好きです。ちなみに、大阪のおばちゃんは、飴を「飴ちゃん」と言い、バックに必ず飴を入れています。かく言う私も…。


《お知らせ》 ロバート・ウェストールの本
去年の秋、出版されたロバート・ウェストールの『ブラッカムの爆撃機』を、やっと読むことができました。
詳しくは、前回の「心に響く本-ロバート・ウェストールの本」に追加してアップしました。
気になっていた彼の経歴や小説の背景を、この本で知ることができ、すっきりしました。

【2007年7月7日の追加】今日、とてもステキな「葱坊主」の俳句を見つけましたので、だいぶ前の「葱坊主」の写真の下に、三句追加しました。
5月30日アップの「心に響く詩歌―恩師の俳句[4]とKANEGON撮影の写真&コメント」のところです。


テーマ:ひとりごとのようなもの - ジャンル:日記

手作りが好き!-掛け軸
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 久しぶりの「手作りが好き!」今回は、手製の掛け軸をアップしました。
表装サークルを、今は、時間と体力不足のため、ちょっとお休みしていますが、2年間(月1~2回)で10本あまり作りました。おかげで、半紙に書いただけで眠っていた書を、季節に合わせて飾ることができるようになりました。祇園祭の手ぬぐいも、こうすると、1000円のものには見えないでしょ?
古い着物地などを利用して、いろいろオリジナルの物をと構想はあるのですが、正直、大変な手間がかかり、場所も道具も要りますので、プロにお願いする方が賢い気がします。
【写真は左から「雨過土生香」、祇園祭の和手ぬぐい、「春秋多佳日」】

 TVの「世界一受けたい授業」が結構好きで、よく見ます。なかでも、「アハ体験」の茂木健一郎さんが面白く、理系の苦手な私がついに、『脳のからくり』(竹内薫・茂木健一郎/新潮文庫)などという本を読みました。
その中に、興味深い文章がありましたので、少しだけ引用します。

P261
小説家や映画監督やゲーム・クリエイターになりたい人が多いのはなぜでしょう?
音楽会や歌舞伎や映画といった創作物を鑑賞すると楽しいのはなぜでしょう?
それは、もともと人間の脳が「創る」ようにできているからです。
それが脳本来の仕事なのです。
創作物を鑑賞する行為も、また、あらたな「創る」行為にほかなりません。
それに対して、会社で上司の嫌みを聞くことも、売り上げ全国一になることも、脳本来の仕事ではありません。
子供が積み木をバラバラにして、ふたたび創りますね?人間の脳は、大人になっても、そういうことが楽しいのです。
でも、人生は、そういった「楽しく創る」仕事とは無縁のことがらが多く、人間を苦しめます。
いったい、どこでボタンをかけちがえてしまったのでしょう?


 私は、物を作るのが好きですが、それは特別なことではなく、みんな、そういう脳を持っているというところ、納得しました。私の周りには、物を作るのが好きな人ばかりいるなあと思っていたのですが、これって、すごく普通の、そして、すごく人間的なことだったんですね。


テーマ:こんなの作りました♪ - ジャンル:趣味・実用



プロフィール

大空の亀 

Author:大空の亀 
写真の猫は姉のハオと弟のミュー。
ハオは2006年5月5日生(伝)。
ミューは2008年10月10日生(伝)。

空と言葉と草木花が好き。
趣味は読書・文芸。

読書ノート歴33年。
年間読書冊数の平均は、学生時代は
300冊、就職後は100冊~150冊。

ブログ歴 11年1月
2006年 3月17日から始めました。
2006年 9月 9日カウンター22222通過
2007年10月24日カウンター77777通過
2008年 5月23日カウンター100000突破 !
2008年 9月 8日カウンター111111通過
2011年 5月 4日カウンター200000突破 !
2012年 1月10日カウンター222222通過
2014年 9月15日カウンター300000突破 !



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