心に響く本・詩歌・言葉・音楽・風景
私の読んだ本や聴いた音楽、出会った風景の中から心に響いたものを紹介します。
心に響く本-頑張れ!若者
         071031_133133sora.jpg  【10月31日の空/携帯】

 1ヶ月前の2007年10月1日郵便局が民営化されました。皆さんは、そのことで何か恩恵を受けましたか?私は、すご~く損をしました。時々購入する「定額小為替1000円」の手数料が、今まで10円だったのですが、なんと!100円に!10倍ですよ!1割も手数料を取るなんて、高利貸しのようではありませんか!
その上、帰宅するとポストに、年賀状の広告が真新しい封筒に入れられて、配ってあるではありませんか。私の余分にとられた90円が、こんなぜいたくな宣伝に使われていたのかと思うと、またも腹立たしくなってくるのでした。とにかく、この手数料はショックで、次からどうやって送ろうと悩んでいます。(違うところで、無駄遣いしているでしょ…と、言わないで下さいね。)
追記:11月1日の朝刊・テレビと、膨大なお金をかけた年賀状のCM。一方で、過疎地の不便になった郵便事情。無邪気に年賀状を書く気が失せてしまいそうです…。

それでもまあ、私の悩みは知れていますが、世の中は、おかしいことが次々と!倫理観も正義感もないの?と思える出来事ばかりが続き、大人の一人として、私は恥ずかしさと情けなさでいっぱいです。
周りの若者は、優秀で素敵な人がたくさんなのに、正式採用が相変わらずない…、正社員になったらハードな勤務…、教育は上の方針が混迷状態…。こんな閉ざされた現状の中でも、諦めず頑張っている若者たちにエールを送りたく、今回は誠実な取り組みが素晴らしい、ルポジュタージュ本の紹介です。
私もだいぶ前に読んだ本なので、皆さん、既にお読みかも知れませんが…。

 松宮健一著『フリーター漂流』 (旬報社/1400円/2006年刊)

著者は、NHKスペシャル「フリーター漂流」制作ディレクター。工場で働く若者たちの声が、フリーターの取材を続ける原動力になったそうで、この本には、著者の温かく誠実な眼差しが感じられます。
P200から
人に負けないことを見つけ、そのことを徹底的に学ぶことで道を切り開いてきた千田さん。彼の生き方に、フリーターから抜け出すヒントが隠されていた。
亀~9人の若者の、厳しい生活や考え方を紹介しながらも、将来に展望を感じさせる書き方がしてあり、好感が持てました。

p202「おわりに」から
大人たちは「フリーターはいけない」と否定的に論じる一方で、正社員の採用数を減らし、フリーターを雇い続けてきた。国もこうした企業の動きを本気で止めようとはせず、フリーターを企業に供給するシステムだけが、合法的に整えられてきた。この矛盾が、若者たちを追いつめていた。(2004年に労働者派遣法が改正され、これまで請負会社の独擅場だったモノづくりの現場に、人材派遣業者も参入できるようになった。)

亀~少しずつ矛盾に気づき、今のこの働きにくさが個人的な原因ではなく、社会の仕組みにあることに憤りを覚える若者が、行動を始めました。働いても働いても貧しさから抜け出せない原因をきちんと学び、新たな一歩を踏み出すことが、今の生きづらい世の中を変えるためには必要です。

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雨宮処凛著『生きさせろ!難民化する若者たち』(太田出版/1300円/2007年)

プレカリアートという言葉を知って、自分の生きにくさの原因がわかった著者の本。非常に真剣に物事を考え、追求し、取材を続ける中で、どんどん頑張るようになっていった著者。この本の出版以降、彼女はさらに「行動する人」になり、若者が立ち上がるのを支援し続けています。
内田樹著『下流志向 学ばない子どもたち 働かない若者たち』を読んだとき、この人は分析はしているけれど、上の立場から若者たちの現実を見下ろしていて、何も解決はできないのではないかと、学者の限界を感じました。
しかし、この『生きさせろ!』を読んだとき、まさに泥沼からはい上がってきた著者であるが故に、熱い思いが伝わり、若者への希望を抱くことができました。若者にも親の世代にも、現実を知り、考え、行動するために、ぜひ読んでほしい1冊です。11月13日(火)18:30~、メイシアターで彼女の講演会があるそうです。

センセーショナルな書き方ですが、「はじめに」に、彼女の思いがこもっていますので、少し引用します。
我々は反撃を開始する。
若者を低賃金で使い捨て、それによって利益を上げながら若者をバッシングするすべての者に対して。
我々は反撃を開始する。
「自己責任」の名のもとに人々を追いつめる言説に対して。
我々は反撃を開始する。
経済至上主義、市場原理主義の下、自己に投資し、能力開発し、強烈な生存競争に勝ち抜いて勝ち抜いて、やっと「生き残る」程度の自由しか与えられないことに対して。
フリーター200万人、パート、派遣、請負など正社員以外の働き方をする人は1600万人。いまや日本で働く人の3人に1人が非正規雇用だ。24歳以下では2人に1人。なぜか?それは若者に「やる気がない」からでも「だらしない」からでも「能力がない」からでもなんでもない。ただたんに、企業は金のかかる正社員など雇いたくないからだ。好きなときに使い、いらなくなったら廃棄し、それによって人件費を安く抑え、利潤を追求したいからだ。国際競争に勝つためなら、若者の未来が奪われようと、食えない賃金であろうと、不安定な働き方が原因で心を病もうと、ホームレスになろうと、そんなことはどうでもいいからである。


亀~昔、大学受験を済ませた私に、兄が「帰りの汽車で読んでみろ。」と、金子ハルオ著『経済学』の本をくれました。詩と哲学書が好きな文学少女?だった私に、その本は今まで全然知らなかった世界を教えてくれました。父が一生懸命働いても、ある時から商売が上手く行かなくなったのは、個人の努力を超え、経済の大きい仕組みの中の一員であったから。初めて知った理由が、ストンと胃の腑に落ちていったことを、今でもはっきりと思い出すことができます。
雨宮処凛さんのこの本を読んだとき、「ああ、彼女も、あのときの私と同じように、プレカリアートという言葉が、ストンと胃の腑に落ち、経済の仕組みが見えてきたんだな。」と思いました。

テーマ:オススメの本の紹介 - ジャンル:本・雑誌

お知らせ&心に響く風景-よいお知らせ&万博公園のコスモス
万博公園コスモスの丘、今年は珍しいものを中心にアップしました。
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優しい感じのオレンジキャンパス。(ピンクのセピア色?)

1.新しいリンク先です。-「MYSPACE MUSIC」内の「aoki takuto」コーナー
応援しているaoki takuto(青木拓人)が、やっと自分のコーナーを作りました。
まだまだ発展途上で、不備な部分が多いですが、一応ライブ情報などが手に入ります。
曲は、1曲目のドラム(友人が演奏)以外は、作曲なども含め、すべて自作だそうです。
お時間とご興味がございましたら、右リンク先「aoki takutoのコーナー」 http://www.myspace.com/aokitakuto
よりお入り下さい。まだ始めたところのようで…、コーナーの今後の充実を期待します。

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折り紙で作ったようなのは、「シーシェル混合種」。

2.リンクをしている「bianca」さんが、受賞されました。おめでとうございます!
biancaさん作品(ブログ「Inspired Sense」7月3日掲載のブルーの美しい写真)が、『女子カメラ』主催、タムロン協賛の『タムロンマクロコンテスト』において山本正樹賞を受賞されました。
10月20日発売の『女子カメラ』にも、Blog&写真が女子30人のプロファイルに掲載されているそうです。
私は、本屋さんで見つけられなくて、残念ながらまだ見ることができていないのですが、いつも素敵な写真を載せている「biancaさんのブログ」の写真が、こんなふうに評価されて、とっても嬉しいです。

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3.花屋の「はなの」さんの奥さんが、23日の朝日新聞「ひと」欄に載りました。  
地域で文庫活動を34年間続けている「正置友子」さん(67歳)。54歳からイギリスに留学、6年かけて博士号を取り、一昨年、大学教授に。
(亀~スタートは何歳からでもいいんですよね。要は、やるかやらないか。そんなことを思いました。)
記事の中に「10歳の頃から、『なぜ人は生きるのか』と悩み、文学書や哲学書を読みあさった。」とありました。
(亀~自分の昔のようで、親近感を覚えました。私は15歳からですけれど…)
毎週水曜日にご主人がお花を届けてくださるので、「よかったですね。」と、お話ししたところ、「何とか形になりました。」と、にこにこ顔で言われました。とても優しく大らかなご主人です。

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4.10月24日、このブログのカウンターが77777を越えました。  
いつも見に来てくださる皆さんのおかげです。次は88888を目標に、ぼちぼち無理のないように続けたいと思います。アクセス、ありがとうございました。
77777にちょうど当たった方、よろしければこっそりお教え下さい。住所がわかりましたら、次男作成の「ハオの絵葉書」差し上げます。(いらないか…)

028071025.jpg 縁取りのあるピコティ。


5.前にこのブログでご紹介した「原田繁昭氏」の記事が朝刊に。 (10月26日追記)
今朝、新聞を開いたら、北摂版に次のような記事が出ていました。「いくつか新聞社が取材に来られたので、出るかも…。」と言われていたのですが、改めて、このような大きな記事で取り上げられると、ビックリ&とても嬉しいです。インドでの個展の成功&おみやげ話を楽しみにしています。

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テーマ:花の写真 - ジャンル:写真

猫日記「好(hao3)の日々」第27回
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【皆が食卓につくと、ハオも自分の食事場所にとんできて、こちらをじっと見つめてご飯を要求します。】

 2007年10月21日(日)
2ヶ月ぶりの日記です。すっかり秋も深まってきましたが、みなさんお元気ですか?
この週末は、お客さんが多く、楽しい時間を過ごしました。おかげで部屋もきれいに片付きました。
土曜日は、近くの公園でやる「竹あかり」を見に、昔ここに住んでいたお友達が二人、手作りのお料理持参で来られました。テーブルに並びきらないほどの夕食をとったあと、腹ごなしを兼ねて、夜道を「竹あかり」の会場まで往復しました。3500本もの竹筒にろうそくを浮かべ、竹藪に天の川のように並べてある様は、とても幻想的でした。

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日曜日は、退院した義姉と兄、下宿している長男と、偶然身内が揃い、たくさんのご馳走?を、皆で食べました。

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【シャワーの後ハオの体を拭くタオルと長男の古いTシャツが大好きで、いつもこの写真のようになります。】

ハオの寝場所は、日に日に変わり、トランポリンの上→洋服かけの棚の上→人間母の布団の上と、着実に冬に向かっています。素足の時は見向きもしなかった皆の足、靴下をはき始めた途端、闘いモード全開で、ハオは蹴ったり噛んだり大忙しです。もちろん、ひもや鳥の羽、ぬいぐるみとの闘いも好き!(見られるとやめる…)

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 今回の中国語のレッスンは、今時のことばをちょっぴりご紹介します。
伊妹儿(yi1 me4 ir)=Eメール  電脳(dian4 nao3)=コンピュータ  電子詞典(dian4 zi3 ci2 dian3)=電子辞書

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 最後の写真は、「いぬ・ねこなかよし憲法9条カレンダー」(労働教育センター:発行/1000円)です。動物写真家として、また猫好きの写真家として有名な「岩合光昭」さんの写真が、抜群に可愛くて、一目見るなり買ってしまいました。月ごとに、お国言葉で語ってある9条も温かくて魅力的な2008年のカレンダーです。

テーマ:愛猫との日々 - ジャンル:ペット

心に響く詩歌-黒田三郎の詩と空の写真
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ある日ある時

秋の空が青く美しいという
ただそれだけで
何かしらいいことがありそうな気のする
そんなときはないか
空高く噴き上げては
むなしく地に落ちる噴水の水も
わびしく梢をはなれる一枚の落葉さえ
何かしら喜びに踊っているように見える
そんなときが

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紙風船

落ちてきたら
今度は
もっと高く
もっともっと高く
何度でも
打ち上げよう
美しい
願いごとのように

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駆け出し
叫び
笑い
手をふりまわし
砂をけり

飼いならされた
小さな心を
海は
荒々しい自然へ
かえしてくれる

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出発

どこか遠くの方から見ていたい
感動している自分を
感動して我を忘れてとんでゆく自分を
どこか遠くの方から見ていたい

息を切らしてしまってはいけない
よそ見をしてはいけない
心ひそかにそう念じながら
どこか遠くの方から見ていたい

あおいじつにあおい
その遠くの空の彼方へ
今はそれだけが私の仕事だ
荒々しく私は私を投げつける
紋白蝶のようにかるがると行ってしまうようにと
眼をとじながら私は私を投げつける
足元に落ちて高雅な陶器のように砕けないようにと

*最近撮った空の写真と、黒田三郎さんの詩をアップしました。
 秋の空の美しさに、一日に何度も空を見上げているこの頃です。

テーマ: - ジャンル:小説・文学

心に響く本-宮本輝著『ひとたびはポプラに臥す』
036071011.jpg 【近くの公園】

宮本輝著『ひとたびはポプラに臥す』全6巻 (講談社文庫・2002年刊)

1995年10月10日~1999年11月9日まで週1回203回にわたって新聞に連載されたもので、原稿用紙1400枚の大作です。シルクロード西安~パキスタンのイスラマバードまで、鳩摩羅什(くまらじゅう)という人物の足跡を訪ねて、6700キロを旅したときの紀行文です。鳩摩羅什は、350年~409年頃の人で、7歳で出家し、大乗仏教の経典を、サンスクリット語から漢語に訳した人物です。
筆者は、27歳の時、彼の存在や偉業を知り感銘を受け、20年後に、北日本新聞社の記者・カメラマン・秘書・次男を加えて計5人+現地ガイドで、車による旅を実現しました。この本は、この夏ウルムチに行かれた、中国語仲間のTさんが、旅の予習に読んだとかで、貸していただきました。

不毛の地の砂漠、中国国内での賄賂(煙草など)の横行、水の悪さと不衛生が原因の下痢・腹痛、人々の貧しい暮らしと厳しい眼差し等々で、今まで、井上靖、司馬遼太郎、椎名誠の本などで憧れていたシルクロードのイメージが、この本で吹っ飛んでしまいました。
唯一の緑がポプラ並木だけという乾いた環境になじめなくて、なかなか読み進まなかったのですが、Tさんから旅行の写真を見せてもらい、イメージが鮮明になったせいでしょう、突然スピードアップし、結局3日間で読み終わりました。先を急ぐ筆者の思いにも影響を受けたのでしょう。
中国を出、パキスタンに入ると、人々の目も和らいで、緑も豊かになり、人々の暮らしぶりもゆったりとした感じで、読み手の私もやっと人心地つきました。中国国内では、筆者の愚痴が多く、思わず、中国語を勉強している我が身まで、情けなく感じるほどでしたけれど。

内容的には、砂漠の連続で景色の変化も少なく、名所旧跡に興味もない筆者ゆえ、ちっとも紀行文という感じがしませんでした。心身ともに厳しい旅を続けて行くうちに、筆者が、自分の内面や人生を見つめ、深く考えざるを得なくなる、そういう課程を書いた文章でした。
振り返れば、それが取りも直さず、「鳩摩羅什の跡を訪ねてシルクロードを旅する」ということだったのだと思えます。筆者の好きな文章が、たくさん引用してあって、一種のアンソロジーのようでもありました。私は、更に、この本から自分用に、印象的な言葉をたくさん抜き出しましたので、一部ご紹介します。

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第1巻より
P7[旅の始まりに]日本の殺伐としたシステムと生活にあって、私たちは多くのものを失いつづけているが、「静かに深く考える時間、静かに深く感じる時間」の喪失は、極めて重要な問題だと思う。
P111 この世界は虚偽に満ちています。私利私欲の海のようです。政治の虚偽による災厄を政治家が責任をとったことは一度もありませんでした。(亀…まるで今書かれたようですね。)
P149 〈待つ〉。〈待ってあげる〉。胆力のない現代には、そんなことすらできない。
(亀…最近のベンジャミンさんのブログにも、〈待てない・待つ〉の特集がありましたね。)

第3巻より(表紙の少女が美しい!)
P58 そのロバに乗ったウイグル人の家族たちを見ていると、三好達治の詩が思い浮かんだ。
(亀…筆者は、旅の途中でいろんな文学作品の言葉を思い出しています。)
静かな眼  平和な心  その外に何の宝が世にあろう
P186 筆者のホームドクターの後藤氏は、阪大大学院で博士号も取得し、大企業への就職も決まっていたのに、27歳で阪大医学部を受験し浪人。筆者も同じ頃、作家を志し、妻子も居るのに、会社を辞め、家に籠もって小説を書いていた。28歳の頃、強度のノイローゼで発狂の恐怖の中にあった。5,6年後、二人が再会した時には、宮本氏は既に芥川賞・太宰治賞を受賞していた。
(亀…「30にして立つ」と言いますが、一人前になるまで、多くの人がもがくのですね。)

第4巻より
P216 焼け野原となった日本を実質的に統治したマッカーサーが極めて重要視したのは、「日本人に道徳教育を与えない。」という一点であったのだと、某出版社の役員が教えてくれた。それが何を意味しているかは、明らかである。中国の文化大革命もしかり。自分を超える優秀な人材を処刑し、精神的衰退を目指し、支配しやすくするため。(亀…若干、要約)

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第5巻より
P37 「俺は、お前には、何か人より秀でたものがあると思ってきた。…お前に過剰な期待を寄せた。…お前はさぞかし重荷だったことだろう。…俺を許してくれ。」亡くなる3ヶ月前の父親のことば。筆者は、20歳。雨の中を泣きながら歩いた。
P50 19世紀末~のハンガリーの詩人、アディ・エンドレの詩「ひとり海辺で」(徳永氏・池田氏訳)
「海辺、たそがれ、ホテルの小部屋/あの人は行ってしまった/もう会うことはない」
(亀…似てますよねえ。五木ひろしの「よこはまたそがれ」に。)
P118 自分はどこへ行くのだろうという不思議なせつなさが、長く長く続いた。
P172 ロシアの作家チェーホフが死ぬ少し前に、かつての恋人に送った手紙の一節。
「ごきげんよう。なによりも、快活でいらっしゃるように。人生をあまりむずかしく考えてはいけません。おそらく、ほんとうはもっとずっと簡単なものでしょうから。」
P236 俺にはできない、俺には無理だ。…実際に小説を書く苦労よりも、そのような恐怖を乗り越えることのほうが、はるかに大きな闘いを必要とした。…五行書き、十行書き、二十行書きしているうちに、私の恐怖心は消えていったのだった。「書く」という行為が「書くという恐怖」を消したのだ。

第6巻より
P135 さまざまな障害や難関や自らの壁に懊悩呻吟しながらも、ひとつの事柄を好きで好きでたまらないということ自体が、才能である。並外れて、あることが好きだということが、すでに才能なのだと私は思っている。それほどまでに「好き」であることは、もはやその人を成す生命の核のようなところからほとばしり出る何物かであって、その人だけの快楽と同義である。快楽に向かって突き進もうとする力は、誰も止めることができない。
(亀…Tさんが、私と私の息子たちのことを思って、付箋を挟んでくれていたところです。感謝。)
P165 父は、私が大学3年生のときに精神病院で死んだ。脳軟化症→失語症→治療費の不要な病院と紹介され、1週間後に危篤。あの精神病院の大部屋の…父のベッドまでの二、三十歩…、それなくして、作家としての私など存在しない。(亀…若干、要約)

砂漠の砂が絶えず立ちこめているような印象の、この本を読み終わった翌朝、いつもの通勤の道に、露草があふれるほど咲いていました。緑豊かな国に生まれた幸せを、しみじみと感じた朝でした。「緑と水がないと、人は殺伐とするのだなあ…。」と、争いの多い国のことを改めて思ったりしました。

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                                                      【毎朝の通勤路】

テーマ:オススメの本の紹介 - ジャンル:本・雑誌

お知らせ-10月31日~11月8日、インドにて「原田繁昭 水彩画展」開催
10月31日~11月8日、インドにて「原田繁昭 水彩画展」開催

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1年半ほど前、姪の就職祝いで、隣の市の有名な食事処に出掛けました。予約時間まで少し間があったので、近くを皆で散歩していたところ、「亀さ~ん」と声を掛けてくる方が…。昔の職場で大変お世話になった原田氏!思いがけない場所で、ほんとに久しぶりの再会でした。その時、「今度、インドで個展をする予定だ。」と言われていたのですが、ついに、この秋(2007年10月31日~11月8日)、開催されることとなりました。
先月お電話を頂き、実現に至るまでのいきさつなどを伺いました。「拙いブログですが、皆さんにご紹介しましょうか?」と申したところ、たくさんの資料を送って頂きました。それらのいくつかを最後に載せますので、よろしければご覧下さい。(ごめんなさい。絵が入りきらず、端が切れています。)

原田繁昭(HARADA SHIGEAKI)氏は、武蔵野美術学校(では、棟方志功氏の最後の生徒だったそうです。)を出られた後、中学校の美術教師をしながら、ずっとインドをテーマに水彩画を描いて来られました。プロの画家になることを勧められたりもしたけれど、子どもたちといるのが好きで好きで、学校に勤めていたと言われていました。その優しく温かい人柄が、インドの豊かな自然や人々の温かい人間関係にひかれたのでしょう、1974年から何度も訪れ、たくさんの作品を制作されています。

6年前に地元で開かれた個展では、インド大地震被災者支援のための義援金箱を設置されたり、今回のインドでの個展では、必要経費を寄付されたりして、インドとの友好に心を砕いておられます。インド政府からの働きかけもあり、インドと日本の文化交流50周年に当たる今年、カルカッタ(コルカタ)のギャラリー「アカデミー・オブ・ファイン・アーツ」で、個展を開かれることとなりました。50点余りの作品は、そのままインドに寄贈されるそうです。インドまでは往復7万円、生活費は日本の10分の1ぐらいだとか、お時間のある方、行ってみられませんか。

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テーマ:お知らせ - ジャンル:ニュース

心に響く音楽-ブックエンド『君のためにうたう歌』
ああ、青春!…いやあ、驚きました。こんなことって、あるんですね。ネットの威力に感激!
時間に余裕のあった日、高校の同級生の神野哲也君が「ブックエンド」というフォーク・デュオをやっていたのを思い出し、ちょっと試しに…と、検索してみました。たくさんの項目が出てきたのですが、中で、これと思ったのが2つありました。

まず1つ目は、serayさんのブログ『今はまだ人生を語らず』。出てきたのは2005年9月12日の記事。ブログ名が、吉田拓郎の曲名!これは、気が合いそうだなと読んでいるうちに、ドキドキ。予想通り、同級生の神野君の歌でした。

『君のためにうたう歌』 (作詞・作曲/神野哲也 1976年 東芝EMI)

ある日ぼくは 考えたのさ……   君のために うたえる歌を   とっても作りたくて
机の前で 首をかしげて    古いペンを にぎりしめて    君を描くよ

*知ってる言葉を パズルみたいに    右に左に 上へ下へと   並べかえて 考えているのさ

君の好きなものは  ブックエンドの歌と    アラン ドロンと長いスカート  そして誰かさん?
エルトン ジョンみたいに  すてきな言葉で   君のことをうたえたら  もっとすてきなのに


高校2年生の1月末、別のクラスだった神野君が、私のクラスにやってきて、廊下に私を呼んで「今度の謝恩会(=3年生を送る会で、市民会館で実施)で、『君のためにうたう歌』を歌うから聞いて下さい。」と言いました。「今年は、兄の結婚式(今闘病中の義姉が、誕生日前なら兄と同い年だからということで、この時期に結婚)で、大阪に行っているので、その日こちらにはいません。ごめんね。」と答えました。といっても、初めて話しかけられて、事情のつかめないままポカンとしていた記憶があります。

その後、「当日聞いてもらえなかったから。」と、歌のテープをもらいましたが、たぶんその時の曲が、こんな歌詞だったような…?「感想をテープに入れて下さい。」と言われて、また、そのテープを返したような?気もします。クラスもクラブも家も中学校も、何も共通点がないので、なんかアンケートを頼まれたような、不思議な気分でした。昔のことですから、不確かですが…。

それから何年後でしょう、サンケイホールでコンサートをした時、一番いい席の招待券を2枚送ってきてくれました。それまで何の接触もなかったので、友人から私の住所を聞いたか、コンサートのことを知った私が「すごいね。おめでとう。」とかいうハガキでも、レコード会社宛に出したのでしょう。たぶん、嬉しがりでミーハーの私だから、後者だと思うのですけれど。「あとで楽屋に来て下さい。」ということで、サイン入りのレコードをもらいました。残念ながら、今、見つからないのですが…。

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 そんなことを思い出して嬉しくて、初めての方には滅多にしないコメントを、serayさんのブログに書き入れたところ、「レコードをさしあげましょう。」という優しい言葉を頂きました。全然知らない人なのにいいのかな?…と思ったのですが、ブログで取り上げてある曲の好みが似ていて、すごく親近感がわいたのと、阪神ファン、書かれている内容に共感できる…等々で、お言葉に甘えることにしました。

早速、送って下さったので、聴こうとしたら45回転用のアダプターがなくなっていて、プレーヤーがかけられない!探しまくりましたが、ない!夫が、段ボールで、それに合わせた円を作ってくれようとしたのですが、中心点の見つけ方を、文系の私たちはすっかり忘れていて、四苦八苦。やっとプレーヤーにセットしたものの、ずれていたら傷がついて聴けなくなるので、まずはB面からスタート。何だか少し斜めに揺れている気がするけれど、一応セーフ!A面に替えて、ちょっとドキドキしながら、レコード針を置きました。思っていた以上に、明るく元気でさわやかな歌声で、とっても上手でした!数十年前の青春にプレイバックした瞬間でした!serayさんに感謝!!!です。

以上のような事情で、serayさんのブログ『今はまだ人生を語らず』にリンクしましたので、よろしければ、2005年9月12日の記事や懐かしい歌の数々に触れてみて下さい。いろんな歌の歌詞が書いてあるので、私は時々、serayさんのブログを見ながら一人カラオケをやっています。吉田拓郎、中島みゆき、ユーミンの歌、及び、若かりし頃聞いた歌などがたくさんありますので、ファンの方は必見です。


 2つ目は、「続・奥のフォーク道」(ポニーキャニオン)。
皆からのリクエストに応える形で出されている商品を見つけました。4枚組CD(9240円)で、今も手に入るかもしれません。4枚目の7番目に「心の扉/ブックエンド」(作詞・作曲/神野哲也。編曲/吉川忠英)が載っていました。
ちなみに、
DISC4の全17曲は、01.あの素晴しい愛をもう一度/加藤和彦と北山修 02.赤い花,白い花/赤い鳥 03.不思議な日/加藤和彦 04.オーブル街/ザ・フォーク・クルセダーズ 05.とんがらし/シュリークス 06.ふくじゅ草の咲く頃/がむがむ 07.心の扉/ブックエンド 08.水色の街/三輪車 09.秋止符/アリス 10.遠野物語/飛行船 11.星の旅/あんべ光俊 12.バス通り/甲斐バンド 13.博多っ子純情/チューリップ 14.我が良き友よ/かまやつひろし 15.もっとおちついて/RCサクセション 16.結婚します/ヒストリー 17.冷たい雨/ハイ・ファイ・セット
メジャーなのものからマイナーなものまで、なかなかの組み合わせですよね。

短歌の友人に今回の話をしたところ、彼女のご主人は、「ブックエンドの歌を聴いたことがある。結構ラジオから流れてたんじゃないかな。」ということでした。私は、サンケイホールには、北山修や一日だけのフォークル再結成などのコンサートで、割と出掛けているのに、今回の件があるまで、自分がすごくいい席で聴かせてもらったことを忘れていました。ブックエンドは、4年で活動をやめたらしいのですが、あんな立派なところで歌えるなんて、人気があったんだなあと改めて思いました。

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テーマ:懐かしのフォ-クソング - ジャンル:音楽



プロフィール

大空の亀 

Author:大空の亀 
写真の猫は姉のハオと弟のミュー。
ハオは2006年5月5日生(伝)。
ミューは2008年10月10日生(伝)。

空と言葉と草木花が好き。
趣味は読書・文芸。

読書ノート歴33年。
年間読書冊数の平均は、学生時代は
300冊、就職後は100冊~150冊。

ブログ歴 11年1月
2006年 3月17日から始めました。
2006年 9月 9日カウンター22222通過
2007年10月24日カウンター77777通過
2008年 5月23日カウンター100000突破 !
2008年 9月 8日カウンター111111通過
2011年 5月 4日カウンター200000突破 !
2012年 1月10日カウンター222222通過
2014年 9月15日カウンター300000突破 !



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