心に響く本・詩歌・言葉・音楽・風景
私の読んだ本や聴いた音楽、出会った風景の中から心に響いたものを紹介します。
猫日記「好(hao3)の日々」第30回
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           【洋服の入っていた細長い袋に、モゾモゾと入り込みご満悦】
2008年3月26日(水)
皆さん、こんにちは。猫柳→柳の芽吹き→雪柳の花と、確実に春は進み、もう桜の花も咲き始めました。
にゃんとまあ、季節の移りの早いこと!ハオ日記もいつの間にか30回!
ところで、前回の餃子はいかがでしたか?亀さんの家では、セロリの苦手なお兄ちゃんは、今まで通りの方が好きだったみたいだけど、細身の父さんは、胃にこたえなくていいとお気に入りでした。中国のお料理には、香菜がよく使われるので、それに近い感じだねというのが、母さんの感想でした。

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【猫は知能が高いから何にでも興味を示し、感性が豊かだから何でも面白がって遊びにしてしまうんだって。
~中川智保子著 『猫おばさんのねがい』 から、内容のみ頂きました。表現は少し変えてあります。~】

先週、中国語の前の先生の彼女から、日本語のお手紙とお土産をもらった母さんは、とても喜んでいました。昨年の5月の連休のとき、村上春樹が好きという彼女に、母さんが本をプレゼントしたお礼だそうです。
無事こちらの大学を卒業し、この春からは新たに関東にある大学の院に進学との嬉しいお知らせもありました。
中国語の先生もそのお友達もみんな、向上心があり勉強熱心なので、母さんは、いつも感心しています。新しい生活も、順調にいくよう祈っています。

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【30年前に頂いた和傘を処分しようと取り出し、ベランダに置いたらすっかり気に入って…。右端は花ニラ。】

今回は、中国語仲間のTさん家の黒猫テッちゃんの写真も3枚載せました。ご主人が付けて下さった添付名は「猫三枚→猫三昧」。Tさんのコメントも楽しかったので、少しだけ引用しますね。
「ブログにのることはテツにも話してあります。楽しみです。テツは見かけは細いのですがこれでも5キロ以上あります。」琵琶湖北部の山荘に雪が積もった日の、好奇心旺盛なテッちゃんです。

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 今回の中国語のレッスンは、中国でも日本でも、学生時代に一度は学んだ、孟浩然の『春暁(しゅんぎょう)です。
春眠不覚暁(chun1 mian2 bu4 jue2 xiao3) 春眠暁を覚えず(しゅんみんあかつきをおぼえず)
処処聞啼鳥(chu4 chu4 wen2 ti2 niao3 )  処処啼鳥を聞く(しょしょていちょうをきく)
夜来風雨声(ye4 lai2 feng1 yu3 sheng1)   夜来風雨の声 (やらいふううのこえ)
花落知多少(hua1 luo4 zhi1 duo1 shao3)  花落つること知んぬ多少ぞ(「知んぬ」は「知りぬ」と言うこともあり)

発音は「1は高く平らに、2は普通の高さからキュッと上げる、3は低く下げる、4は高めから急に落とす」で読んでみて下さい。
発音の末尾を見ると、起句、承句、結句で、すべてao3の発音になっており、韻を踏んでいるのがよくわかりますね。五言絶句。

テーマ:猫のいる生活 - ジャンル:ペット

あんなことこんなこと-それぞれの休日
体を動かす 071marason080316.jpg 069kanpei080316.jpg

エキスポ’70開幕日3月15日に近い日曜日は、毎年、万博記念公園の入場料がタダになる。で、出掛ける。家に一番近い入口から入って、橋の上から下の通路を何気なく覗いたら、マラソンの人の波。しかも、間寛平とランディーズが、専用テーブルで給水中。この2枚は思わず撮った写真。ABC万博マラソンの一こまでした。


物を作る  074hune080316.jpg 075hune0803216.jpg

毎年、この無料デーに集いをされているのだろう。船の模型を、蒸気を出したり、BGMを流したりしながら、池の面を走らせ、楽しまれている。中高年の男性がほとんどだが、寄ってくる子どもに触らせてあげたりして、みなさん、実にいいお顔。模型の船も精巧で、こんな趣味ならステキだなと思った一こまでした。


展覧会を見る  minpakutyugokuokuti.jpg minzokuisyou1.jpg これは絵ハガキ。

万博にある民族学博物館も、この日は入館無料の大盤振る舞い。見たかった「深奥的中国」展に入る。1階には、少数民族の自宅がそのまま展示され興味深い。2階の民族衣装は美しくて、装身具も素晴らしい。4月には映画の無料上映もあるので、再度訪れたい。隣の日本民芸館の「インド・大地の布」も見てみたい。


映画を観る   hu-ton1.jpg kiminotamenara1.jpg

最近観た2本の映画、どちらも素晴らしくて、心に残った。とってもオススメです。

『胡同(フートン)の理髪師』
北京の古い街並み「胡同」も、オリンピックを控え壊される運命にある。そこに暮らす人々も、今までの人情豊かな日々を維持することは難しい。そんな中、93歳の現役理髪師チンさんの暮らしは、昔のままゆったりと流れていく。きれいな映像とご本人が主演のこの映画、大切なことを、心に残してくれた。

『君のためなら千回でも』
原作は全世界800万部のベストセラーだという。アフガニスタンを舞台にしたこの映画、見終わったあとずっと哲学的思索を誘い、翌朝になってもまだ考えている自分がいた。少年の友情、親子の愛情、平和と暴力、人事と自然…、凧揚げの場面が印象的な素晴らしい映画だった。


散歩をする  079yanagi080316.jpg 082atoti080316.jpg ソ連館の跡地は、こんな森に。

私の一番の楽しみで、唯一の健康法。デジカメを忘れたときは、携帯でパチリ。俳句や短歌の素案ができるのも、一人のぶらぶら散歩。一緒に歩いている人は、私がやたら無口になるので、不安を感じるかも…。

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          離陸時の角度を見せて四本の飛行機雲の現れゆるぶ     大空の亀

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                 【この5枚は、携帯でパチリ。主に万博公園内。】  
 
心に響く詩歌(歌集)-人生の大先輩に頂く元気!
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長生きをされている方を見ると、それだけで羨ましくなります。というのも、私は早くに両親・姉妹を亡くしているからなのですが、ことに3月は命日が多く、自分の気持ちも沈みがちになります。
3月8日姉(33歳)、3月29日母(49歳)、3月30日姉(4歳)・妹(1歳)・母の姉(79歳)。「なぜ?3月に、女ばかり……」墓石に命日を確かめたときの衝撃は大きく、今も忘れられません。
長生きをされることで、周りの家族がさまざまな困難や悲しみを抱えられると聞くことも多く、ひと言で「長生きバンザイ!」と脳天気に言ってはいけないのかもしれないのですが、やはり私には素晴らしいことに思えるのです。
今回は、長生きをされ、元気に自立して暮らしておられる方を3人ご紹介します。

zinseiiroiro.jpg お1人目は、100歳の「藍さん」です。小説家になるのが夢で、新聞に時々文章を寄せておられたけれど、50歳のとき進路変更され、今も現役で書道の先生をされています。色紙に揮毫する字が下手で、習うよう勧められたのがきっかけというから驚きです。
老人施設に月3回、ボランティアでお習字を教えに行くのが楽しくてと、明るく元気な声で話されます。色白の美しい方で、髪にも服にもいつも気を配っておられ、感心することしきりです。そんな藍さんのことを、少しだけ短歌にしてみました。

つぎつぎと人を見送り百歳の藍さんは情の薄れしと言ふ

「日が経てば百歳だって治るのねえ」痛みしといふ膝に手を当つ

長生きの秘訣はどうやらアイスらし藍さん毎日コンビニに行く

四時間の読書欠かさぬ藍さんは芥川賞一回より知る

「藍さんの元気もらおう」百歳の話題は尽きず半日過ごす


私の、ちょうど人生の岐路に出会った藍さん、「そうか、50歳からだって新しいことができるんだ!」と、大きな勇気をもらいました。同僚の書の先生である藍さんですが、著書を頂いたのがご縁で、今もお話を聴きに伺ったり、手紙のやりとりをしたりしながら、励ましてもらっています。
好奇心旺盛で、何にでも前向きな姿勢に、弱輩者の私は学ぶことばかりです。


kaninotatebai.jpg お2人目は、80歳を超えて初めての歌集を出された「岩井さん」です。短歌の所属結社は異なるのですが、歌会で、いつもにこにことお話しされる様子が印象的な方です。楽しんで歌を作られているなあという雰囲気があふれている歌集『カニノタテバイ』から何首かご紹介します。

ちょーうれし、今日で阪神八連勝、喜べるとき喜んどこや

人のうえ人をつくらず人のした人をつくらず 天皇おわす

いわばしるたるみのうえにふださがる「ゴルフ場あり飲用不適」

犬の顔人に似るのか人の顔犬に似るのか朝六千歩

義経の御八歳のされこうべ見る人うなずき列すすみ行く

敵襲に山を転げて逃げ落ちぬ八十路を生きて夢怖しなお

年ととも脳の細胞疎になりて過去は未来を追い越し候


阪神ファン、今時の言葉遣い、有名な言葉を使っての風刺、共感の笑いを誘う歌、戦争体験、年をとる寂しさ、……頭と心の柔軟さを、感じさせてもらえる歌集です。


katanoarukumo.jpg お3人目は、初めての歌集を昨秋出された「安井さん」です。お年は?ですが 、歌集のタイトル『肩のある雲』は、78歳のときにできた歌からとられたそうです。歌会や講演会などでご一緒させていただくことが多いのですが、学ぶ意欲にあふれておられます。仕草が初々しくて、私はなぜかいつも「少女のような方だなあ」と思うのです。

触れずとも布の厚みのよみがへる掌を垂りて佇つ軍服の前

樫の幹のうしろに隠れおほせたる積りの鵯ぞ驚かしやらむ

完全失業率に比例してき自死の率職ある人ら集計をせり

欠けそめし月にちかぢかとうつぎ光り亡き子が役目の閂を閉づ

雪の白さに柊は咲くひひらぎは夫亡きわれに鳥のくれたる

まだ来るなと夢に言ひたる亡き夫を又思ひゐる月が見てゐる

こよこよと出て来よと呼ぶ鳥の声うたふやうなりわたしも歌ふ

たまはりて戒名一字あることも娘に言ひ置かむ雨の日の部屋


学徒として軍服を縫った日々、小鳥など小動物への温かい目、社会の矛盾に向けた目、長年の看病の末に亡くなられたご主人、後を託す予定だったご子息の早い死、ご自身の生への覚悟……。生き続ければ生き続けるほど、人は辛い出来事にも出会うわけですが、それに打ちひしがれてしまうことなく、日々の暮らしの中に心温めるものを見つけて前向きに生きておられます。視野が広く、弱者へ心を寄せることのできる人だからこそ、人生を豊かに生きることができるのだなと思いました。

人生の大先輩方から、まだまだ学ぶことがいっぱいの私です。

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テーマ:短歌 - ジャンル:小説・文学

心に響く本-誕生・入園・入学祝いに贈りたい本
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友人・知人・親戚に、「誕生・入園・入学祝いに本を贈りたいんだけど、何かいいのない?」と聞かれることが、最近時々あります。そこで、今回は、本に詳しい友人の力も借りて、お祝いに贈りたい本をどどっとご紹介します。このブログに時々コメントをくれるGANKOちゃんとkimicoさんに、情報提供をお願いしました。ありがとう!

まずは、自宅で長年「おひさま文庫」をしているGANKOちゃんのオススメ

あっぷっぷ おまたせクッキー くいしんぼうのはなこさん

パタポン はるがきた ペレのあたらしいふく

お勧め赤ちゃん絵本

絵本
    童心社    いない いない ばあ(松谷みよ子) りんご
   福音館書店  おつきさま こんばんは    がたんごとん がたんごとん  くだもの   ころころころ
         ちいさなうさこちゃん(シリーズ)  きゅっ きゅっ きゅっこんにちは(くまたくん絵本シリ ーズ)
   こぐま社   しろくまちゃんのほっとけーき(シリーズ)    くっついた    なーらんだ
    偕成社    じゃあじゃあびりびり 
   アリス館   ねんね      いいおかお

ことばあそび・わらべうた絵本  
   福音館書店  まるまる
    こぐま社   ととけっこう よがあけた   せんべ せんべ やけた   ちびすけどっこい
   グランまま社 うたえほん(シリーズ)
     ポプラ社  ぴよーん
   ひかりのくに  あっぷっぷ(中川ひろたか)
            

お勧め幼児絵本

絵本
  福音館書店  ぽとんぽとんは なんのおと   はなをくんくん わたしとあそんで  もりのなか
          ぐりとぐら(シリーズ) ちいさいしょうぼうじどうしゃ(シリーズ)  どろんこハリー(シリーズ) 
          パンやのくまさん(シリーズ)
  偕成社    おまたせクッキー     ちいさなヒッポ
  冨山房    もりのともだち
  あすなろ書房 はるがきた(シリーズ) レンスキー       
  童話館出版  みんなのベロニカ  おちゃのじかんにきたとら
昔話絵本
  福音館書店 おだんごぱん  三びきのこぶた   てぶくろ     
           三びきのやぎのがらがらどん    おおきなかぶ  ブレーメンのおんがくたい  
            だいくとおにろく  おおかみと七ひきのこやぎ
  冨山房    ぱんはころころ
  童話館出版  おとなしいめんどり 

ことばあそび絵本  
福音館書店  めのまどあけろ   なぞなぞえほん1(シリーズ)
  至光社    いっぱいやさいさん
  こぐま社   あがりめ さがりめ   あんたがたどこさ
  架空社    ヨッケリなしをとっといで
  童話館    どこへいってた?

科学絵本
  福音館書店  どうぶつのこどもたち    どうやってねるのかな   いちご    10ぱんだ 


お勧め児童絵本

絵本 
  福音館書店  かもさんおとおり   番ねずみのヤカちゃん きつねのホイティ
          ピーターラビットのおはなし(シリーズ)
          くいしんぼうのはなこさん   チムとゆうかんなせんちょうさん
          はたらきもののじょせつしゃ けいてぃー  ペレのあたらしいふく 
  岩波書店   ひとまねこざる(シリーズ) ウルスリのすず   ちいさいおうち   
  冨山房    かいじゅうたちのいるところ
  こぐま社   時計つくりのジョニー
  ペンギン社  くんちゃんのはじめてのがっこう(シリーズ)
  文研出版   キャベツくん
  偕成社    木はいいなあ

昔話絵本
  福音館書店  やまなしもぎ   うまかたやまんば   金のがちょうのほん
  岩波書店   かにむかし    王さまと九人のきょうだい
  童話館    ルンペルシュティルツヘン

ことばあそび絵本  
福音館書店  ままです すきです すてきです   ことばあそびうた(シリーズ)   ふしぎなナイフ
  童話屋    パタポン①(シリーズ) のはらうた(シリーズ)
  サンリード  これはのみのぴこ
 
科学絵本  
福音館書店  こいぬがうまれるよ  はなのあなのはなし ふゆめがっしょうだん 
          しずくのぼうけん    ぼく、だんごむし  あれこれ たまご

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続いて、小学校で図書館司書をしているkimicoさんのオススメ

ぐりとぐら ねえだっこして びくりたまご

きょだいなきょだいな ともだちや

☆ぐりとぐら  (中川李枝子・文 大村百合子・絵 福音館書店)
のねずみのぐりとぐらは森で大きな卵を見つけました。
大きな卵で、大きなカステラができました。
(この頃はまだ「山脇百合子」さんじゃなかったんです。)
大人気のシリーズです。
もし、小学校の教科書が光村だったら、中川李枝子さんはとっても深くかかわっておられるので、つながっていくかもしれません。

☆ねえ だっこして (竹下文子・文 田中清代・絵 金の星社) 
主人公は、まだ子どもっぽさの残る幼いネコちゃん。
飼い主のお父さん・おかあさんの愛情を一身に受け、幸せに育ってきたのに、あるとき赤ちゃんが生まれて…!
お母さんは赤ちゃんにかかりきり、ネコちゃんはかまってもらえくなっちゃいます。
お母さんにだっこしてもらうのはいつも赤ちゃん。 
ネコちゃんが聞かされる言葉はいつも「あとで」と「ちょっとまってね」。
とっても、つらくって…。
(最後にはちゃんとハッピーエンドが用意されています。)

☆びっくりたまご  3びきのかえるとへんなにわとりのはなし  (レオ=レオニ・作 谷川俊太郎・訳 好学社)
絵をみているだけでとっても楽しめるし、文を読むとさらに楽しい。
素敵な仕掛けがされています。
レオ=レオニの作品には素敵なものがたくさんあって、あおくんときいろちゃんもお薦めです。

☆きょだいな きょだいな (長谷川摂子・作 降矢なな・絵 福音館書店) 
巨大なイロイロなものが現われます。
ピアノ・せっけん・あわたて器。
どれも、その大きさは巨大!
そこへやってきた100人の子どもたちが、遊んだり、眠ったり、イタズラしたり。

☆ともだちや  (内田麟太郎・作 降矢なな・絵  偕成社)
キツネはある日、ともだちやをはじめることを思いつきました。
一時間百円で友達になってあげるのです。これもシリーズが8冊出ています。
東京書籍の国語、小学二年生の教科書にこのシリーズが採用されています。
キツネもオオカミもとても素敵にかかれています。

絵本ですが・・・
10歳くらいまでは、大人が読んであげて一緒に楽しめる時間になるような、読み手になる人が好きになってくれそうな本を選んで差し上げるのもいいかと思います。
今、職場で6年生にも読んでいますが、楽しいよい時間になっています。
読み方・・・
前説とか読みのスピードを変えるとかで、それなりの楽しみ方があって素敵です。
実際に家では、10歳くらいまでかしら?テレもあるし。お互いに…。
お勉強の要素を考えるより、読み手が楽しめて一緒にすごす時間…にしたほうがよいとも思っています。
それと、幼い子は意外とはっきりした色のものを好む場合が多いように思います。

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最後に、大空の亀からは、思春期の人へのオススメ

みんなのなやみ ハンバーガー 16歳の教科書 作家的時評集

中学入学
☆重松清著『みんなのなやみ』(理論社よりみちパン!セ・1200円)
「理論社よりみちパン!セ」のシリーズは、中学生向きの新書で、とても読みやすく役に立つので、物語とは違う種類の本に触れるきっかけにして欲しいなと思います。さらに、重松清さんの心のこもったアドバイスが素晴らしくて、悩んでいてもいなくても、読むとほっとします。できれば、続けて、重松清さんの小説も読んでほしいなという思いをこめて推薦します。以下の引用は、特に印象に残った部分です。
p99クラブについての相談
つづけることに価値があるように、やめてやり直すことにも価値があるんだと思いたい。
肝心なのは、「好きか嫌いか」ということだけだと思うんだ。
p151いじめられている友人の相談
誰かをいじめている最中、おまえはずっと勝ったと思っていい気になっているだろう。
でも、いじめの心のフタを開けてしまった時点で、おまえは根本のところで負けているんだ。
P165
子ども時代に、がんばったり、なにかに夢中になったりする経験をしておかないで成長してしまうと、けっこうモロいおとなになってしまう気がするのです。
がんばらなきゃいけないときにがんばれなかったり、もっと怖いのが、がんばり方がわからない、どうがんばったらいいのかわからない、というふうになってしまう。
そうなると、おとなになってからがすごくキツい人生になってしまうと思うんだな。
p174
学歴は「特別な才能を持たないひとの、最後の武器」みたいなものです。


☆齋藤孝著『齋藤孝のイッキによめる!名作選 中学生』(講談社・1000円)
名作揃いで、中学生全員に1冊持って欲しい本です。好きな作家を見つけるきっかけにもなります。

☆エリック・シュローサー著『おいしいハンバーガーのこわい話』(草思社・1300円)
全世界でベストセラーになった『ファストフードが世界を食いつくす』を、中高生向きに書き改めたもの。ハンバーガーの歴史から始まって、巧妙なCMによって、10代の子どもたちが、消費者にも労働者にもされていく様を、わかりやすく描いている本です。「私たちには選択する権利がある」という最終章に、未来への展望があります。

高校入学
☆ドラゴン桜正式副読本『16歳の教科書』(講談社・780円)
高校時代にこの本があれば、もう少しましな人になってたかな?と、思いながら読みました。大人の今も、充分役立つ内容でしたが、できれば、早い時期に読んでおきたい本です。
各教科一流の人たちの話は、納得できるものが多く、特にそれぞれの講義のあとの「先生への5つの質問」というコーナーが興味深かったです。
例えば、数学の先生から「本を読むとき、僕はいつも、この作者に会ったらどんな話をしよう?と考えるんですよ。」なんて、思いがけない答えが出てきて、読書の面白さを教えてもらったり、英語の先生の「1万語覚えたら、なにもかも違って見える。」という言葉など、やる気が出てくる言葉がいっぱいです。

☆齋藤孝著『使える読書』(朝日新書・720円)
以前に紹介したと思いますが、抜群に面白い読書案内で、しかも、実用書としても大変役に立ちます。以下の言葉は、何度も読んで、肝に銘じておきたいと思います。
本は読んで「書く」ため「話す」ためにある。
人間の想像力の根っこは悲しみである。悲しみは他者を理解して初めて生まれる感情。人は、何で笑うかに知性があらわれ、何で泣くかに感性があらわれる。


大学入学
☆豊島ミホ作『神田川デイズ』(角川書店・1400円)
これも前に紹介しましたが、大学生活に実際以上の幻想を抱かないために、一度は読んでおきたい本です。これを読めば、等身大の自分で生きていこうって思えます。面白い内容です。

☆高村薫著『作家的時評集2000-2007』(朝日文庫・700円)
非常に明解な文章で、力強く、かつ読みやすかったです。内容的にも共感できることばかりでした。既に済んでいることばかりなのに、政治の世界を始め様々なことは、今も全く同じで、情けないやら怒りを感じるやらでした。すべての人に読んでほしい本です。
著者が何度も書いているのは「選挙の大切さ」。私たちの意志を反映できるのは、選挙しかないのに無責任な人が多いばかりに、大変な事態になっています。現に大阪などは、知事が「殿ご乱心」状態で、弱い者からバッサバッサと切り捨てられ、人権もなにもあったものじゃないという、ひどい有様です。でも、これも、テレビと選挙のせいなのです。
若い人には、早い内にこの本を読んでもらって、選挙の大切さ、議員が何を言い、何をやっているかを見届ける目を育てて欲しいと思います。でないと、大変なことになります。

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                                  【梅の花はすべて万博公園で3月9日に撮影】

3月12日追記 : 冒険者たち 冒険者たち文庫 【 右は岩波少年文庫版】

斎藤惇夫作 『冒険者たち―ガンバと十五ひきの仲間』

次男に「小学校時代に読んだ本で一番好きだったのは?」と尋ねて、即、返ってきた本の名がこれです。
小学4年生より上ぐらいの子が読むといいかなと思いますが、とても素晴らしい本で、私も大好きです。
三部作(『冒険者たち』『ガンバとカワウソの冒険』『グリックの冒険』)で、どれもいいです。
我が家の子どもたちも、感動して、繰り返し読んでいました。

テーマ:オススメの本の紹介 - ジャンル:本・雑誌

心に響く詩歌(歌集)-山下洋さんの歌集『オリオンの横顔』
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【建物等の写真はすべて、京都国立博物館にて、2008年2月京都市長選の日に撮影。】

 orionnoyokogaokaba-.jpg 【歌集カバー】  orionhontai.jpg 【歌集本体】

 今回は、山下洋さんの歌集『オリオンの横顔』 (青磁社)をご紹介します。

山下洋さんは、昨年6月にご紹介した木村輝子さんと同じく、大阪歌会・北摂歌会でご一緒させて頂いている方で、30年前から短歌を始められたベテラン歌人で、とてもいい歌を詠まれます。
高校の先生をされていて、マラソンが趣味(といっても、かなり本格的)、ご家族の仲もよく、二次会などでのちょっとしたお話に、奥さまを尊敬されている様子が伺えます。私はまだ歌歴も浅く、お人柄を述べる立場ではないのですが、歌会での読みやご自身の詠まれる歌から、自意識に時折とまどう、シャイな方なのではないかなという気がしています。
昨秋、大阪歌会で『オリオンの横顔』の合評会があり、あらかじめ選歌をしてきた参加者が、それぞれに評を述べたのですが、重なった歌は数首のみでした。歌のタイプも、シリアスなもの・ユーモラスな大阪弁のもの・心を深く見つめたもの等々、多岐にわたり、どれをとりあげてもさすがだなあと感心するものばかり、歌をしぼるのに大変迷いました。
ここでは、私なりに「山下洋さんらしいなと思う歌」をご紹介します。お楽しみ下さい。(歌は濃い字

間髪を入れず反論するためにまず適当に喋りはじめる
快速にまず乗り換えて急がねばならぬ理由はこれから探す

「まず」山下さんらしいなあと思ったのは、この二首でした。お仕事の関係で、土曜日午後からの歌会には、途中から参加されるのですが、その時の登場の仕方が、いつもコートに風をはらんでいるというふうで、忙しそうなのです。でも、せっかちな感じではなく、これが一つのスタイルになっていて、「まず」というところに、山下さんならではの生き方が隠れている、そんな気がしました。

繭ごもる少女にかけし電話にて二言三言交わしたるのみ
不登校の少女を「繭ごもる」と喩えたところに、見守る優しさを感じましたし、自分の殻を破れないでいる少女への、これ以上的確な比喩はないなとも思いました。「いつか羽ばたく日が来る!」そんな作者の願いもこめられているのではないでしょうか。
漁師風きこり風はた娼家風パスタメニューになき教師風
面白い歌です。もしあっても、「教師風」パスタは、誰も注文しそうにありません。なんだか偉そうで堅そうで、ちょっと疲れてて美味しくなさそうです。(すみません…。)最近、大人向けに、レトロな給食メニューを出すお店もあるようですが。学校嫌いの小・中学生だった私は、教室の埃や人の詰まった窮屈な感じを思い出してしまって、これも注文はパスですね。
間違えて「放牧の旅」と言う子いて放牧の旅に出でたくなりぬ
「放浪の旅」?「(若山)牧水の旅」?あてどなく旅をする生き方は、一つの憧れでもありますが、「放牧の旅」は、目的があって生き生きしています。言い間違いから、違う世界へワープする楽しさがあります。テストの迷解答なども、ワープできる材料でしょうね。

感情を濾過するように呑みこんで抑揚のなき声を吐き出す
自分の出した声が能面のように表情がなく、はっとするときがあります。自分の気持ちが、冷たくなっているときです。この歌はその時のことを思い出させました。
無意識にいつもの俺のふりをする男を一人飼っている俺
何かになろうとして生きてきた訳じゃない桜紅葉を見上げて思う
「俺」という存在が、「本物の俺」なのかどうか、自分に疑念を抱くときがあります。「教師・父親・夫・ランナー・穏やかな人」どれも自分なのですが、でもどこか自分の本質と微妙にずれている感じ。紅葉の季節には、おのれの人生の秋を見つめてしまうものです。

電柱の背後に一人ずつ隠れ無数のわれがわれを見ている
組まれゆく鉄骨が見ゆ遠からず閉じこめらるる空間が見ゆ

「見えないものを見る。」山下さんの特技のように思えます。一首目の「無数のわれ」に、今まで経てきた瞬間瞬間の「われ」が見え、積み重ねた時間を、こう表現されたことに共感を覚えました。二首目は、多くの方が採り上げておられた歌です。「遠からず閉じこめらるる空間」過去だけでなく未来への時間軸と空間への想像力に、私も唸りました。

亡き友が来べき宵なり呉竹の伏見の酒を冷やしてぞ待つ
ほら工藤また春は来て墓の辺の林檎の花が咲きはじめたぞ

「歌を詠むことでしばしばすくわれた」という作者にとって、学生時代に京大短歌会に誘ってくれた工藤氏は、一生、心の大切な場所を占める友。早世した友を思う歌は、気持ちがストレートで、やはり早くに友を亡くした私の心にも深く沁みて、泣きそうになりました。

みずからに向けて怒りを溜めているそんな顔して今夜の君は
「ブーメランと鉄砲玉とどっちがいい?」と君は訊くけどよう答えんわ

この「君」は、奥さまでしょうか?山下さんは、私と同い年なので、ご夫婦の力関係は、我が家と似た感じかな?なんて、この歌を読んで思いました。私たちの世代の、共働き夫婦は、家事分担なども比較的対等です。精神的には、女性の方が少々強いかもしれません…?一首目の歌には、付き合い方の難しい思春期のわが息子なども重ねて読みました。

黄葉の欅並木よ今ぼくは遠近法を拒みて駈ける
こんなかっこいい歌が浮かんでくるのは、走っているときでしょう。10代の頃の初々しい気持ちのままに駈けておられる気がして、青春歌人の寺山修司を思い浮かべました。
午前五時熊蝉どもに起こされて長い一日なんやね今日も
軽いタッチの歌。下の句の大阪弁が効いています。「ほんまにねえ」あちこちから共感のため息が聞こえてきそうです。シャンシャンと降り注ぐ熊蝉の声を聞くたびに暑い一日を思い、自分を慰めるように下の句を口にする仲間が、この夏は増えそうですね。
積りたる上にしんしん降ってくる雪とはまるで言葉のように
自然を見て、自然を詠んでも、その中に人間の心情が見えてくる感じが、山下さんの歌にはあります。詩人には、降る雪が言葉に見えてしまうのです。なぜなら、自然に寄り添い、一体化してしまうから。
「本質的な歌の苦労を望みたい」あなたにいただいた大切な言葉
「塔」の皆さんに慕われ尊敬されていた、田中栄さんを悼む一連の中の一首です。上手いがゆえに、更に深く高くと望まれてきた山下さん。合評会で、長年付き合って来られた方々が、歌での更なる闘いを山下さんに望んでおられる姿と、この歌が重なりました。敢えて厳しい言葉をかけて下さる歌友を持てる、なんて幸せな境遇だろうと感じました。

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テーマ:短歌 - ジャンル:小説・文学



プロフィール

大空の亀 

Author:大空の亀 
写真の猫は姉のハオと弟のミュー。
ハオは2006年5月5日生(伝)。
ミューは2008年10月10日生(伝)。

空と言葉と草木花が好き。
趣味は読書・文芸。

読書ノート歴33年。
年間読書冊数の平均は、学生時代は
300冊、就職後は100冊~150冊。

ブログ歴 11年3カ月
2006年 3月17日から始めました。
2006年 9月 9日カウンター22222通過
2007年10月24日カウンター77777通過
2008年 5月23日カウンター100000突破 !
2008年 9月 8日カウンター111111通過
2011年 5月 4日カウンター200000突破 !
2012年 1月10日カウンター222222通過
2014年 9月15日カウンター300000突破 !



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