心に響く本・詩歌・言葉・音楽・風景
私の読んだ本や聴いた音楽、出会った風景の中から心に響いたものを紹介します。
季節の詩歌(9)~ああ曼珠沙華~
          俳句雑誌「空」誌23号(9月20日発行)に載せていただいた拙文です。
          よろしければ、写真と俳句・短歌の曼珠沙華づくしを、お楽しみ下さい。
          【写真は、秋分の日に、家から車で20分ほどの里山で撮りました。】

       季節の詩歌(9)~ ああ曼珠沙華 ~

空澄めば飛んできて咲くよ曼珠沙華         及川 貞

夏ゆけばいつさい棄てよ忘れよといきなり花になる曼珠沙華   今野寿美

十年近く前、術後の静養をしていたことがある。九月に入っても暑い日が続く中、気分転換にと、少し遠出をした。黄色く色づいた田と、それを縁どる曼珠沙華。まだ夏気分でTシャツ一枚だった私は、もうすっかり秋になっていることに驚いた。
人事に関わりなく、自然は働き、四季は巡ってくる。改めて、そんな感慨を覚えた。それ以来毎年、私は、秋の訪れと自らが生きていることを確かめるため、曼珠沙華を見に出かけている。

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つきぬけて天上の紺曼珠沙華             山口誓子

実は、曼珠沙華には、忘れがたい思い出がある。生意気な中学一年生だった私は、授業が退屈になると、窓から空を眺めるのが常だった。校舎のすぐ隣が田んぼになっており、稔りの季節を迎えた田の畦には、赤い曼珠沙華がたくさん咲いていた。

四方より馳(は)せくる畦(あぜ)の曼珠沙華      中村汀女

天ゆ降り曼珠沙華地に垂直に刺さるがごとくかたまりて咲く   喜多昭夫

当時、石川啄木の歌に心酔していた私は、一度、次の歌にあるように、彼の真似をしてみたかった。

教室の窓より遁(に)げてただ一人かの城址に寝に行きしかな   石川啄木

学校の外に群れ咲く曼珠沙華が、青空に映えながら、私を誘惑していた。ついに実行の日が来た!とばかりに、昼休み、私は窓から飛び出し、曼珠沙華を抱えるほどとってきた。ただ嬉しかった。

われにつきゐしサタン離れぬ曼珠沙華        杉田久女

善と悪いづれも一字曼珠沙華              河野南畦

入学以来、どうも苦手だと思うことの多かった担任だったが、「きれい!」と喜んでくれる顔見たさに、私は曼珠沙華の束を花瓶に入れ、教卓に飾った。

ところが、先生は入室するなり「誰ですか!こんな不吉な花を!」と激怒して、束ごとゴミ箱に投げ捨ててしまった。完全な嫌がらせだと思われたのだ。

手放しで泣かれてをりぬ曼珠沙華      山田珠み

曼珠沙華憤怒してゐる美しく大和国原滅びの最中   落合けい子

「私です。」と言ったものの、涙をこぼさぬようにするのが精一杯。見開いたままの目に、ゴミ箱からあふれた赤い花が目にしみた。

まんじゅしゃげの赤しんしんと目に滲みて景色の色を奪ってゆけり   花山周子

曼珠沙華投げ合いて子らはときめきぬ祭りの終りのぬるき香のして   花山周子

担任に違和感を覚えることが多かった日々の中、今回の件は、子どもなりに先生に歩み寄ろうと考えてやったことだった。しかし、失敗に終わった。

いたみもて世界の外に佇つわれを紅き逆睫毛(さかさまつげ)の曼珠沙華    塚本邦雄

曼珠沙華蕊のさきまで意志通す       鍵和田秞子

直情の身過ぎでありし曼珠沙華       伊藤通明

いま思えば、ただきれいだと思った私と、さまざまな知識のあった先生との間には、大きな隔たりがあったというわけだが、不信感は募ったままだった。気の強い二人に、ついに和解はなかった。

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   【9/27再訪】

GONSHAN  GONSHAN 何処(どこ)へゆく、
赤い、御墓の曼珠沙華(ひがんばな)、
曼珠沙華、
けふも手折りに来たわいな。
      北原白秋  「曼珠沙華」第一連 (『思ひ出』抒情小曲集より)


GONSHANというのは、白秋の故郷柳川の方言で、良家の令嬢のことを言うそうだ。オランダ訛りの言葉とリズム感のある、この詩、少々残酷な内容が、イギリスの童歌『マザーグース』を連想させる。子どもは、無意識に他者を傷つけている。

ぽきぽきと折れば野が哭(な)く曼珠沙華  萩原麦章

ぽきぽきと折れる快感に、気がつけば抱えるほどとっていた曼珠沙華。当時の私は、とられた後の野の寂しさまで思い至らなかった。


曼珠沙華が、世間では不吉な花で通っているとわかったのは、下校して、母の話を聞いてからだ。
彼岸花の根(鱗茎)が飢饉の時に利用されたこと、毒があるため、モグラやネズミの害を避けたい田畑の畦や墓地に植えられたこと。この花を食糧にせねばならぬほどの飢餓とは、言い換えると、死と隣り合わせだということ。辛くて悲しい花だと思った。

川に逆らひ咲く曼珠沙華赤ければせつに地獄に行きたし今日も   寺山修司
濁流に捨て来し燃ゆる曼珠沙華あかきを何の生贄とせむ       寺山修司

寺山修司も、私のように、母親から話を聞いたであろうか。曼珠沙華には、死人花、幽霊花、捨子花といった別の呼び方が、千種以上もあるそうだ。この二首は、精神的肉体的に、生死ギリギリのところで生きる痛さを、花そのものが発しているような歌である。花が植物ではなく、人間のように見える。

むらがりていよいよ寂しひがんばな    日野草城
曼珠沙華抱くほどとれど母恋し      中村汀女

「不吉だと嫌う人もいるけど、花のせいではないのにねえ。きれいなものはきれいでいいよ。」と、静かに言った母の思いが、今でも甘くよみがえる。

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長じて、俳句に興味を持つようになり、初めて出会った曼珠沙華の詩歌は、自由律俳句で有名な放浪の俳人、種田山頭火のものであった。彼の俳句において、彼岸花と曼珠沙華は厳密に区別されていることにも気づいた。

歩きつづける彼岸花咲きつづける      種田山頭火

曼珠沙華咲いてここがわたしの寝るところ   山頭火

なかなか死ねない彼岸花さく        山頭火

山頭火の句に詠まれた彼岸花と曼珠沙華。同じ花なのに、印象がまるで違う。もちろん花の名を置き換えてはいけない。言葉の持っている世界が、正反対なのである。曼珠沙華という響きに伴う甘やかさに比べ、彼岸花のなんと寂しいこと。地の果てまで行ってしまいそうな頼りなさである。

西国の畦曼珠沙華曼珠沙華           森 澄雄

「西国の畦」とあるので、西国三十三ヶ所を巡る遍路の歩いた道であろう。その道を縁取るようにずっと続く曼珠沙華の花が山頭火の一句目と重なる。

緑濃き曼珠沙華の葉に屈まりてどこにも往かぬ人も旅人         伊藤一彦

山頭火のように、いつか自分も様々な縛りから自由になり、放浪の旅に出たいと憧れている人も多いだろう。しかし、現実問題として、実行は難しい。この歌のように、静かに語らうことで心を解き放てる人は、どこに行かなくても心の旅ができるのだ。

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  【9/27再訪】

子どもの時聞いた話に加えて、曼珠沙華は、「天上の花」の意味、経文では「赤い花」のことをいうということなども知った。もともと大好きだった花を認めてもらえたようで嬉しく、次々と曼珠沙華の短歌や俳句を見つけ、私は書き留めていった。

赤き爪ゆらりかかげる曼珠沙華 立ち話より歩き始めつ       吉川宏志 

風を浴びきりきり舞いの曼珠沙華 抱きたさはときに逢いたさを越ゆ    吉川宏志

まんじゅしゃげ赤き籠編む曼珠沙華夢を匿(かくま)うかたちと思え    吉川宏志

対象を見る目の非常に優れた作者の三首である。曼珠沙華の外に反った花びらを、赤いマニキュアを塗った爪に喩えるなんて、誰が思いつくだろうか。しかし、この艶ある表現によって、一首目の下の句は、一気に恋の様相を帯びるのである。二首目の曼珠沙華の妖しく美しい様は、もはや花の域を越え、恋人そのものと化し、作者の情念に火をつける。花をじっと見るとは、こういうことかと思わせる三首目。曼珠沙華の反り返った花被と、突出した蘂、この花の形から、籠を編む様を想像するとは驚く。しかも、自ら隠す手だてをとるとは。誰にも知られてはならない夢が、人にも花にもあるのだ。


きぞの夢のつづきか曼珠沙華しみじみと秋陽さすところまで     上田三四二

ぬばたまの夢にかさなる曼珠沙華あかあかと咲きて今日の沈黙    岡部桂一郎

この二首は、前夜の夢に見た世界が、今、目の前に広がっているという歌である。曼珠沙華の群れ咲く景色は、まるで浄土かと思えるほど幻想的で、作者は、それぞれのやり方で、花に向かっている。
秋の透明感のある陽を受け、浮き上がっているように見える曼珠沙華のところまで、導かれるように歩く一首目の作者。圧倒的な赤に、言葉なく立ちつくす二首目の作者。どちらも、この世とあの世の境界に居るような不思議な空気が漂っている。

曼珠沙華のするどき象(かたち)夢にみしうちくだかれて秋ゆきぬべき   坪野哲久

この歌に、作者は次のような自注をつけている。「うち摧(くだ)かれて滅びゆくのは、曼珠沙華か、はたまた人間の命か、秋、自然凋落のきびしさ、すさまじさは、過現未にかけて永劫につづくであろう」
人事も自然も滅びと誕生を繰り返すのである。

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長文を読んでいただき、ありがとうございました。どうぞ、お茶でも一服。

テーマ:短歌 - ジャンル:小説・文学

心に響く本&お知らせ-最近読んだ本etc.
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          【秋の雲・・・ベランダから朝の空】

 秋らしい空気になってきたなと思ったら、空もすっかり秋模様。気持ちも少しずつ秋モードに変わってきたようです。久しぶりに読んだ小説が、どれもよかったのでご紹介します。

Ⅰ.内海隆一郎作品集『30%の幸せ』 (メディアパル・2008年・1500円)

これまでの300編を超える短編小説「人びとシリーズ」の中から選ばれた20編で、幅広い年齢層の人に読める、心にじわっと来る名作ばかりです。字が大きいので、老眼鏡の必要な世代に特にオススメ。50代~60代の方は、最初の話からぐっと来て、「連れあい」「パズルのかけら」「花束」あたりで、きっと泣いてしまうのではないか、と思います。あとがきに書かれていることが、この小説を物語っていますので、以下に引用します。

あとがき 30%の幸せ 
私の書く短編小説は、ささやかな幸せに出合う物語が多いようだ。
これを、私自身は「30%のハッピーエンド」と名付けている。
ところが人生では、そんなわずかな幸せすら、なかなか出合えないことだってある。
しかし、それも考えようだ。
人は、つらいことが多いほど、嬉しいことには敏感になれる。いっぺんに幸せになることができなくとも、ほんの少しずつなら何度も幸せになっていられる。
誰もが、ずっと昔から、そのように自らを励まして生きてきたのだ。



Ⅱ、豊島ミホ『檸檬のころ』  (幻冬舎文庫・2007年・533円)

前に読んだ『神田川デイズ』の等身大の大学生たちに共感を覚え、好きになった作家。描写が丁寧で、映像が頭の中にくっきりと浮かぶ。今回は、田舎の高校が舞台。短編集の形態をとっているが、登場人物たちは、様々な場面でつながっている。そのつながりを確かめながら読むのも面白い。ヒーローもヒロインもいない、ごく普通の高校生たちの地道な生活がつづってある。自分の高校生活も、こんなだったかもしれないなと、懐かしい時代にひたれる青春小説です。やっぱり好きだな、この作家。


Ⅲ.デイヴィッド・アーモンド『肩胛骨は翼のなごり』 (東京創元社・2000年・1450円)

「宮崎駿さんも大好き!」という帯文にひかれ読んだ。壮大なファンタジーは苦手だが、この物語のように、現実と空想の狭間にあるようなファンタジーは、自分も子供時代に経験したような気がして好き。古い家に越してきた少年マイケルの一家(両親と心臓病の赤ちゃん)、隣家の同じ年頃の少女ミナ(学校には行かず、母親が教育している)。今にも壊れそうなガレージの中に、翼をもつ不思議な生き物スケグリ(人間?天使?)を見つける。彼と、マイケル、ミナの関わりを通しながら、心を通わすことや子どもたちの成長のことなど、感じることが多い物語だった。時々はさまれるウィリアム・ブレイクの詩が、いい味を出しています。


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         【秋の雲・・・ベランダから夕の空】

Ⅳ.石垣りん詩集『レモンとねずみ』 (童話屋・2008年・1250円) 

石垣りんの未刊の詩約350編から40編を編者(田中和雄)がまとめたもので、「私の前にある鍋とお釜と燃える火と」「表札など」「略歴」「やさしい言葉」に続く5冊目の詩集になります。
きりっとした生き方を、詩でも示された石垣りんさんは、2004年12月26日84歳で永眠。この詩集の最後に、谷川俊太郎さんと茨木のり子さんの弔辞がおかれています。
次に引用する「虹」のほか、「ランドセル」「なのはな」「若者」「枯葉」「二月のあかり」など、いい詩がたくさん。



虹が出ると
みんなおしえたがるよ
とても大きくて
とても美しくて
すぐに消えてしまうから
ためておけないから
虹をとりこにして
ひとつ金もうけしようなんて
だれも考えないから
知らない人にまで
大急ぎで教えたがるよ
虹だ!
虹が出てるよ
にんげんて
そういうものなんだ
虹が出ないかな
まいにち
虹のようなものが
出ないかな
空に。



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  春に妻を亡くした兄が、この秋、四国八十八箇所を歩いて回るというので、我が家で壮行会をしました。兄は自炊ですが、料理が得意だった義姉のような食事はとってないだろうと思い、家庭料理を作りました。かき揚げと汁だくさんの煮物は、温かい方がいいので、あとから追加しました。料理は、すべて完食。作った者にとって、一番嬉しいことです。 【写真は、兄の「四国巡礼」壮行会のおかず】

兄からは、元気に歩いているよと、先日メールが届きました。一人で歩きながら、人生の無情も無常もかみしめていることでしょう。温かい人情にも触れられるといいなと思います。
兄が大学時代、友人と九州を自転車で一周し、真っ黒になって達成感いっぱいの顔で帰省したときのことを、私は無事を祈りつつ思い出しています。


 音楽関係のお知らせです。

コメント欄でおなじみのKANEGONの娘さんが、オペラの発表会に出られます。
毎年恒例のオペラ授業の発表会だそうですが、今年は第一幕セザンヌ役で出演されるそうです。
担当教授は池田直樹先生。今年から日大教授に招聘された、二期会コンサートプランニングの代表をされている先生だそうで、オペラ公演もたくさん出演されている現役バス・バリトン歌手。その池田先生が、主役のフィガロ役でフル出場されるそうです。

  日時  10月7日(火)18:00開場 18:30分開演
  場所  日大カザルスホール (千代田区駿河台1-6)       
  公演  日本大学芸術学部音楽学科 声楽コース 第39回 オペラ公演  
  曲目  モーツァルト:《フィガロの結婚》 K.492 (抜粋)
 
 
*詳しくはカザルスホールHPの公演スケジュールにて。入場は無料(問い合わせが必要)。
**9月29日追加:お問い合わせは不要だそうです。通りすがりに、お気軽にどうぞ。


KANEGONは、遠くて行けませんので、よろしければ、お近くの方、ぜひお出かけ下さい。KANEGONは、歌が上手くてカラオケが大好き。その血はしっかり娘さんに受け継がれ、「こんないい声に産んで下さったご両親に感謝しなさいよ。」と、先生に言われたそうです。(同窓会で聞きました。)娘さん、頑張ってね!応援してるよ!

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「秋深き隣は何をする人ぞ」 芭蕉さんは気配で感じようとしているけど、好奇心のかたまりのハオは…覗く。


テーマ:オススメの本の紹介 - ジャンル:本・雑誌

あんなことこんなこと-思いつくままに
 百歳バンザイ!
皆さん、覚えておられますか?2008年3月14日の拙ブログ「心に響く詩歌-人生の大先輩に頂く元気」という欄でご紹介した100歳の「藍さん」が、今朝(9月12日)の朝日新聞全国版に載りました。
同僚が習っている書道の先生でとても魅力的な方が「藍さん」、私は、その同僚と一緒に何度かお宅にお邪魔したり、手紙のやりとりをしたりして、そのたびに元気を頂いています。
いつもきれいにされ、明るく自律して暮らされている姿には、お会いするたびに励まされていましたので、多くの方に、「藍さん」の元気な様子を知ってほしいなと思っていました。
「朝日新聞の東京本社から取材に来たんだって」という話は、同僚から聞いていたのですが、こんなにステキな笑顔に、紙上でお目にかかれるとは、嬉しい限りです。

 菅谷藍さん

 懐かしい学舎
毎年夏に、学生時代の友人たちと会うのが恒例になっています。今年は8月はじめに、大学時代の友人たちと(4人の名字の頭文字A.O.K.I.)、8月終わりに、高校の友人(2人の名前の頭文字E.T.)と遊びました。
下の写真は、30数年ぶりに立った大学講堂前。カメラを忘れてしまい、せっかく懐かしい場所を訪ねたのに撮れず。先日、メンバーの一人が送ってきてくれた写真と、昔、同じ友人と同じ場所で撮った写真を並べ見て、改めて「若い日は戻らない…」と切ない気持ちになりました。(Kちゃん、写真使わせてもらいました。)

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 催し物のお知らせ
まだ少し先ですが、9月下旬の催し物を二つお知らせします。

 1、シンポジウム「源氏物語と和歌」 ★9月28日(日)午後1時~開演

今年は「源氏物語」千年紀ということで、京都を中心に様々な催し物がありますが、下のチラシは、賀茂曲水宴十五周年を記念して、西陣織会館ホールで行われる、講演・舞楽・パネルディスカッションの案内です。
短歌結社「塔」の主宰、永田和宏さんと河野裕子さんご夫妻が出られるので、行ってこようと思っています。

    源氏物語と短歌08  (関心のある方は、拡大してご覧下さい。)

 2、ライブ~切寂~mimizuzi vol.3■9月28日(日) 17:30start

応援している aoki takuto が出るので、久しぶりに聴きに行こうと思っています。
雲州堂」(明治32年創業のそろばんメーカー雲州堂の倉庫だった蔵を再利用)というところでやる、自分たちで企画したイベントだそうです。弾き語りばかりなので、私のような年輩の人も「ほっこりすると思うよ」とのことです。以下の文章は、「雲州堂」ホームページの スケジュール表からコピーさせて頂きました。

 9月28日(日) 17:00 open   17:30 start    1500円のワンドリンク・お土産付き
夏祭りの終わりような  秋の始まりを感じさせる風のような  そんな空間を、手作りキャンドルと心地よいアコースティックの響き、弾き語りとあなたの夏の思い出とともに楽しんで下さい。
ココロの奥で生まれた少しおセンチな気分を「切寂」と題してお送りします。
 出演者 【 青木拓人  Recto Berso   長野友美   矢谷ウメ子   ガシラとじるこ 】



テーマ:伝えたいこと - ジャンル:日記

心に響く本-古本&新書&マンガ
古本市08   kosyomaturiura0808.jpg 【古本まつりチラシ・次は10月30日~百万遍の知恩寺で】

 古本の話
京都、下鴨神社・糺の森(ただすのもり)で、8月に、「下鴨納涼古本まつり」があったので行ってきた。35店舗ほどが森の中にテントを張り、ずらっと本が並び、本好きにはたまらない光景。家の空間が狭くなるから、本は買わないでおこうと決めていたはずなのに、200円均一なんていうところに、きれいな掘り出し物を見つけるともういけない。あっという間に両手に本の袋をぶら下げていた。特に面白かった数冊を以下にご紹介。

岡本太郎『自分の中に毒を持て』
前に読んだ横尾忠則の本に、岡本太郎は無理をしているという意味のことが書いてあり、気になっていた。しかし、この本を読んで、やはり彼は突き抜けている人だと思った。
「他人から見ればとるに足らないようなバカバカしいものでも、自分だけでシコシコと無条件にやりたくなるもの、情熱をかたむけるものが見出せれば、きっと眼が輝いてくる。これは自己発見だ。生きていてよかったと思うはずだ。何かこれと思ったら、まず、他人の目を気にしないことだ。また、他人の目ばかりでなく、自分の目を気にしないで、萎縮せず、ありのままにいきていけばいい。」

椎名誠・文/中村征夫・写真『あやしい探検隊海で笑う』
椎名誠の本は、昔、海に山にキャンプにと、アウトドアにはまっていた頃、彼の本はほぼ全冊読んだので、これもきっと読んだことがあると思うのだが…。椎名さんに憧れていた頃を思い出しながら、ほんとに久しぶりに読んだ。写真が多く、本もとてもきれいで、文章も楽しかった。夏の終わりに、慶良間に泳ぎに行った夫と息子は、この本を持参した。

坪内逍遙『家庭用児童劇』
大正11年刊の本のほるぷ復刻版。箱入りで豪華。家庭で、子どもたちに劇をやらせるための脚本やお面の図などが描かれていて、坪内逍遙が熱心に家庭教育を考えていたのが窺い知れ、面白かった。こんな時代があったんだなあと、感慨深かった。

時実新子『川柳新子座』
「アサヒグラフ」で、月間テーマと各週の題を決め公募したものを、1年間分まとめた本。大賞をとった天根夢草さんの川柳に、上手なものが多く、印象に残った。新子さんの読みが、うまくて面白かった。写真も魅力的だった。
大賞「信号の黄に突っ込んで生きている    天根夢草」
他に、この人の作品 「秋の中 象も一日ずつ老いる」 など

      020kerama0808.jpg 【慶良間諸島】

 新書の話
昔の新書は、難しくて字も小さくて、読みづらかった記憶があるが、最近の新書は、読みやすくて、電車に長時間乗るときなど、集中できるし軽いし読み切れるしで、重宝している。新書を出版する会社も増えた。最近読んだ新書から数冊ご紹介。

五木寛之と香山リカ対談『鬱の力』 (幻冬舎新書)
五木寛之の本をたくさん読んできた私には、既視感があったが、今の嘆かわしい時代に「鬱」的な気持ちを持つのは当たり前と、肯定的に捉える視点がいいと思った。
「季節に関係なく、人の生きる道は一定だ。しかし、夏と冬では暮らし方がちがう。鬱をいやがって、忌むべきものとして排除しようとするかぎり、私たちはつねに見えない影におびえつつ生きなければならない。」

袰岩(ほろいわ)奈々『感じない子ども こころを扱えない大人』 (集英社新書)
もっと早く読んでおくべき本だった。私自身、感情を(特にマイナスの)抑えるように生きてきたので、反省させられることが多く、線を引きまくった。大変役立った。
「感情、特に“ネガティブな気持ち”は言葉になりにくいものだ。感情を意識して言葉にするには時間がかかる。だから、言葉にして意識にのぼらせる前にとりあえず抑え込んでしまったり、さまざまな方法で紛らわすといった手段をとりがちになる。“ネガティブな気持ち”に目を向けないで放っておくと、自分の内側で自分を蝕(むしば)むことになるのだ。いつでも、どこでもとは言わないが、自分のなかの“ネガティブな気持ち”にも、ときには目を向けて、こころのなかがどうなっているかを見てみることが必要だ。」

鈴木敏夫『仕事道楽 スタジオジブリの現場』 (岩波新書)
大変面白かった。高畑勲、宮崎駿、鈴木敏夫、3人の付き合いは30年。ジブリができてから20数年。それぞれが、自分の考えをはっきりと示すのが、長続きするコツのようだ。
「相槌を打つには、もとになる教養が必要。ベースが必要。データが必要です。」
「彼(宮崎)はほんとうに真剣に『見る』。…感覚をフルに働かせ、それまでの知識・情報を動員して、つかんでいく。」
「宮さんのいう映画づくりの三つの原則『おもしろいこと』『作るに値すること』『お金が儲かること』」

映画作りには、大変な経費がかかると聞きます。お金がないと、次の作品が作れませんね。
「〈時代性〉と〈普遍性〉が立ち上がってくるような作品を作っていきたい。」
「宮さんの文より…皮膚ケイレン的な笑いしか知らない現代の子供たちを腹の底から笑わせ、手に汗を握らせ、主人公に全身全霊で没入させてしまう。そして晴ればれと英雄気取りで大股に映画館から出てこさせる。それはすべての『活動屋』の夢だった。」 

先日、『崖の上のポニョ』を見終わった男の子が、まさにこんな感じだったので、この映画は、成功したなと思った。電車の中でも、男の子がパンフレットを抱えて「ポ~ニョ、ポニョポニョ…」と、口ずさんでいて、ほほえましかった。

     054kerama0808.jpg 【9/6写真追加】

 マンガの話
小学生の頃、毎週末、すぐ上の兄と一緒に貸本屋に出かけ、何冊もマンガを借り、夢中になって読んだ。漫画雑誌も流行っていて、週刊・月刊と、今思えばマンガ漬けの日々だった。
先月、京都の古本まつりに行った帰り、「京都国際マンガミュージアム」に寄った。昔の小学校を上手に生かし、廊下にはマンガの本がずらっと並んでいる。たくさんの大人と子どもで、座席が足らず、皆思い思いに、芝生に横になったり、廊下や階段に座り込んだりして、マンガに没頭していた。外国の人の姿もちらほらあったが、ある意味、一番日本らしい場所かもしれない。

西谷祥子『花びら日記』『レモンとサクランボ』『学生たちの道』 (白泉社文庫)
中・高校時代好きだった西谷祥子さんのマンガが、文庫本などの新装丁で出ているのを見つけたので、3冊買って読んだ。特に『学生たちの道』は、大のお気に入りで、雑誌に連載されていたのをまとめて、自分で1冊の本に綴じ直しずっと持っていた物なので、嬉しくてたまらなかった。
改めて読んで、登場人物の瞳が、思っていたよりずっと大きいことと、文字の多いこと、真面目な内容にビックリした。丁寧に描かれた絵とぎっしり詰まった文字のため、読み終わるのに普通の小説の2~3倍の時間がかかった。
それまでの少女漫画とは違う、西谷祥子が描いた、自力で夢を追うタイプの登場人物は、それ以降のマンガ家(萩尾望都・竹宮恵子・里中満智子・池田理代子ら)に大きな影響を与えたと言われている。しかし、西谷祥子は、自分が今の時代に描く意味が見いだせないと、ずいぶん前から休筆中。子どもの時読んだ『赤毛のアン』の勇気に感銘を受け、それが登場人物に生かされたという彼女、できればもう一度、今の視点で描いてみて欲しい。

板羽皆(いたばみな)『サムライカアサン』1~4 (集英社)
よそでちょっと読み始めたら止まらなくなって、家族みんなで読みたくなって、一人住まいの息子にプレゼントしたくなって、私は読み終わったというのに、買ってしまったマンガ。
反抗期の息子と、母性愛たっぷりの母、おっとりした父、息子の彼女とその弟が、主な登場人物。ストレートな母と息子のやりとりが、小気味よく面白い。笑いの中に人情味たっぷりのホロリとするところがあり、親子共々励まされるマンガ。漫才的ノリが楽しい。
新書のところで紹介した『感じない子ども こころを扱えない大人』の対極にある親子が登場するマンガだ。

漫画ミュージアム08  mangasamito0808.jpg  【9/6、7は、京都で「国際マンガサミット」が開催される。】

9月6日追記:次男の絵(マンガ)が大学のブースに出品されるとかで、招待券を頂いたので「第9回国際マンガサミット」に行ってきた。日本・中国・韓国・台湾など、プロのマンガ家300人ほどの原画をゆっくりと見てきた。懐かしい名前もいっぱいあって、面白かった。マンガは、国境をたやすく越えると思った。

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                 【会場で撮影した次男の絵。照明が反射して見えにくいですが…】

テーマ:紹介したい本 - ジャンル:本・雑誌



プロフィール

大空の亀 

Author:大空の亀 
写真の猫は姉のハオと弟のミュー。
ハオは2006年5月5日生(伝)。
ミューは2008年10月10日生(伝)。

空と言葉と草木花が好き。
趣味は読書・文芸。

読書ノート歴33年。
年間読書冊数の平均は、学生時代は
300冊、就職後は100冊~150冊。

ブログ歴 11年5カ月
2006年 3月17日から始めました。
2006年 9月 9日カウンター22222通過
2007年10月24日カウンター77777通過
2008年 5月23日カウンター100000突破 !
2008年 9月 8日カウンター111111通過
2011年 5月 4日カウンター200000突破 !
2012年 1月10日カウンター222222通過
2014年 9月15日カウンター300000突破 !



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