心に響く本・詩歌・言葉・音楽・風景
私の読んだ本や聴いた音楽、出会った風景の中から心に響いたものを紹介します。
心に響く詩歌(歌集)-真中朋久歌集『重力』
真中朋久歌集 『重力』 (2800円・青磁社・2009年刊)

重力表紙背表紙 【本カバーと背表紙】  200904262159598c4[1] 【本体】

 今回は、真中朋久さんの第三歌集『重力』をご紹介します。2002年刊『雨裂』(現代歌人協会賞)、2004年刊『エウラキロン』に続く歌集です。「塔」の選者と「塔」北摂歌会の評者としての真中さんに、私は日頃、大変お世話になっています。また、「塔」にはネットで調べて入ったのですが、その時丁寧に対応して下さったのが、真中さんでした。おかげさまで、今、短歌の世界を楽しめています。
歌会ではいつも、真中さんの詠みのうまさは言うまでもなく、読みの深さと的確さ、そして知識の豊富さに感服してばかりです。年齢は、私より10歳以上お若いかなと思うのですが、パソコンや気象など理系のことだけではなく、文学はもちろん音楽、社会…、とにかく何でも詳しくて、私は秘かに「歩く百科事典」と呼んでいます。ネット上で毎朝10:00直前に更新される3000字余りの散文には、圧倒されっぱなしです。こういった事柄から、きっちりした性格の方だろうなと、私は勝手に推測しています。

 前置きが長くなりました。さて、この歌集のことです。まず外見(装丁)の渋さと背表紙の工夫が目を引きます。表紙カバーの水縹(はなだ)色と本体の布の藍白色とが、ともに銀鼠色がかっていて、着物の色合わせを思わせる粋さがあります。収められている歌492首は、抽象的で難しい歌から非常にわかりやすい歌まで幅が広く、くり返し読むことで面白さが増していきました。歌の終わり方の多彩さ(動詞・助動詞・名詞・助詞など)も、歌集のテーマの幅広さを印象づけるのに、影響を与えていると思いました。
ここでは、ふだん歌に縁のない生活をしている方にも共感を覚えてもらえるのではないかなと思える歌を中心に挙げていこうと思います。同時に、私のお気に入りの歌でもあります。小見出しと分類は、私の読みにあわせて、歌集の中の並べ方とは別に行っています。ご了承下さい。

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〈生きる姿勢〉
直言をせぬは蔑するに近きこととかつて思ひき今もしか思ふ

無理すればかならず腫れる扁桃腺そのさきの無理をすることのあり

人格に言ひ及ぶことのさびしさと読みて便箋は七枚を越ゆ

夕陽すこし雲よりもれていちにちの果てのあかるさがわたしをひらく

そのひとを非難してゐるこゑのぬしをふりかへり見て顔を覚えたり


陰口など非生産的な発言の嫌いな人なのだと思う。きちっとしたことを、相手の目をまっすぐに見て言いたい。自分に対するその誠実さこそが、矜恃(自負心)を保つ方法なのだ。だから、「そのさきの無理をすること」があったり、無神経な物言いに憤りを感じたりする。時には頑なに見えるかもしれないが、自分に正直な作者の生きる姿勢に、共感を覚えた。仕事や人間関係に疲れたときの「いちにちの果てのあかるさ」は、大きな救いだ。

〈家族愛〉
さきに死ぬなとくりかへし言ふひととゐてぬくとき闇に手をさしのばす

「塔」のうたにされちまふぞといふこゑは襖のむかう なにをしてゐるか

鼻息のあらき息子が寄つてくる秋の陽のもとの親子競技

塾にやる金があるなら本を購ふこの親にして子は宿題をせぬ

妻は子のわれは会社の不手際を詫びに行くのみに日の暮れはやし


読む側の私が、ちょっと照れくさくなるくらい仲のよい家族である。歌の中の子どもさんは、ちょっと悪そうに詠まれているが、それは作者の照れ故に…という感じがする。作者の本好きを筆頭に、家族皆が本好きで、互いの風通しがよいという印象を受けた。五首目の「日の暮れはやし」が、その日の気分をとてもよく表していると思った。

〈職場詠〉
字を書いてゐるとは見えぬ腕のうごきと思ひゐしがメモにイラストがつく

働くひとのうつくしきかなと見てをればむかうむきてのち首と肩まはす

積もらないまま降りつづく雪の日の外勤から傘を払ひて戻る

灰色の男の列のひとりとなり今朝も地上にのぼりゆかむとす

わが身ひとつの疲労きはまりて臥すときに思ふ企業の組織力


同僚を詠んでいる初めの二首の、ユーモアある表現が好ましい。対して、自身を見る目はうつむき加減だ。頑張らなくてはいけないのだけれど、それを越える疲労が蓄積しているようだ。

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〈表現力〉
眠りたるままに着きたる地下鉄を魚のやうな眼でみまはしぬ

理科室の背のなき椅子に座るごとく寄るべなければ背をのばしたり

私が笑ふのではなく背後から首つきだして馬が笑ふごとし


自分自身を客観的に捉えることで、ペーソスのある面白さが出ている。このように表現されると、ああ確かにこんな感覚を、私も覚えたことがあったと共感してしまう。

葱畑のをさなき葱はとりどりの向きにあそんでゐるにあらずや

けぢめなきかんじに揺れるカーテンの半開の窓を見上げて過ぎる

ちからみちてみづから壊れゆくごとき朝のひかりに目をとぢてゐたり


葱畑のまだ育ちきっていない葱、揺れて窓から時々はみ出すカーテン、朝の光、こんなふうに表現されると、みんな歌になる。表現の力がなせる技だ。

〈観察力〉
一筋裏の道たどりゆけば畑あり葱あり白菜ありてしづけし

笙を吹くひと笙を吹くひとを描くひとポケットに手をいれてわれは

蔦の葉のうごく擁壁のかげを歩み歩道尽きしかば道を渡りたり
 
  *擁壁=崖などの土留めのために造った壁

階層をつらぬきてながきエスカレータおのづから仰ぐ姿にのぼる

手の甲が小さく見えて掌のさにあらざるはなにゆゑならむ

浮橋の揺れ船の揺れひと呼吸ためらひてのち妊婦が渡る


ぼんやりと感じていたこと、意識はしていないがなんとなく気配で捉えていたこと、そんなことが丁寧に見る目によって、歌で示されると、なんとも嬉しい気持ちになる。

 歌集全体では、いろんな分野の歌がバランスよく配置されていました。仕事の歌には、転職の時期と重なって、自分にも他者にも厳しいものが目につきました。家族のことを詠んだ歌は、奥さんへの目差しも子どもさんへの視線もとても温かくて、家族をとても大事にされているんだなと感じました。心情や意思をはっきり出した歌も多くあり、ふだん歌会では接したことのない歌だったので驚きました。私が真中さんの歌でいちばん好きなのは、何でもないことをさらっと歌った歌や、表現の楽しさが垣間見える歌です。それらの歌に、真中さんの本領が(と言っても、私が勝手に思っているだけですが…)一番発揮されているような気がします。

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テーマ:短歌 - ジャンル:小説・文学

心に響く風景-三井寺とその周辺の桜
 4月12日(日) 高校の同級生Eちゃんのパッチワーク作品が、大津市歴史博物館に展示されるというので、桜を見がてら行ってきました。75歳の方の力の入った作品を始め、Eちゃんらしい優しい色遣いの作品など、とても素晴らしかったです。同時開催の「道楽絵はがき」展も、面白かったですよ。

 京阪三井寺駅で降りると、すぐ琵琶湖疎水の桜が目に入ります。

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 IMG_2399sosui0904.jpg   IMG_2422nagara0904.jpg   IMG_2418nagara0904.jpg    079miidera0904.jpg  

 そのまま三井寺方面に歩いていくと、途中、きれいな枝垂れ桜が目に入りました。長等(ながら)神社という所で、紅葉の若葉とコントラストをなして美しい情景でした。

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 脇道にもどり石の階段を上ると、もうそこは三井寺の境内。眼下には、琵琶湖が見えます。思いがけずたくさんの桜にビックリ!染井吉野も枝垂れ桜もちょうど見頃で、人も京都のように多くはなく、のんびりできました。

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 みなさんは、今年の桜を、どこで満喫されましたか?前回記事のコメントにある、犬塚さんが出かけた「お花見」は、超豪華版ですよ。これに「醍醐の桜」を加えたら、一生に一度は体験したい「京のお花見コース」です。
みなさんも、いつかぜひ!

テーマ:花の写真 - ジャンル:写真

季節の詩歌(11)~いちめんの菜の花~
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【万博公園にて。後ろはチューリップ畑。】

 「空」誌25号に載せていただいた拙文です。よろしければ、お時間のある時にでもお読みください。

        季節の詩歌(11) ~いちめんの菜の花~

菜の花畑を見るたびに一枚の写真が私の脳裏に浮かぶ。お気に入りの和服を着た母が、親しい友と三人で、夕暮れ時の菜の花畑に立っている写真である。いつも笑顔の母なのに、この写真の母は無理して笑っている感じで、当時十五歳だった私は、それが妙に怖かった。それから、一ヶ月も経たないうちに、母は亡くなった。あの写真は、病気で自分の命が長くないことを知った母が、覚悟を決め撮った写真だったのだ。心通わせた人たちと大好きな場所で―相当苦しかった体を必死にこらえながら写してもらったのだろう。帰宅したときの「きれいだったよ。」という声と、紅潮した顔を思い出す。

菜の花畑に / 入日薄れ     身わたす山の端 / 霞ふかし
春風そよ吹く / 空を見れば   夕月かかりて / 匂い淡し

                              ( 「朧月夜」高野辰之作詞・岡野貞一作曲)

「おぼろ月夜」小声で誰と歌ひしか昼は絵の具のいろの菜の花    横山未来子 
 昼間と夕暮れ時で、菜の花は印象ががらっと変わってしまう。あっけらかんとした明るい黄色が嫌いなわけではない。でも、作者に懐かしい情感を呼び起こすのは、歌にある情景なのだ。

振りむけばなくなりさうな追憶のゆふやみに咲くいちめんの菜の花   河野裕子 
夕闇の中にぼんやりと浮かぶいちめんの菜の花。それは、作者にとっていちばん懐かしい、そして、優しくあたたかい思い出の集まりなのだろう。調べに沿って読むたびに、涙がこぼれそうになる、大好きな一首である。

体内の菜の花明り野良着きて        平畑静塔

菜の花や昔かたぎのまま逝きし       あさなが捷
 

菜の花は素朴な花である。農業と切り離せない、生活感溢れる花である。菜の花を前にしたとき、土とともに地道に暮らした人々を思う。菜の花畑のある故郷の風景が見えてくる。父を思い、母を思う花である。

菜の花の地平や父の肩車          成田千空

菜の花に咽せて卒寿の母のこと       あさなが捷


故郷や家族につながる思いは、やがて、日本の原風景にと向かう。かつて都のあった場所、今も昔をとどめる場所、そんな場所に、菜の花は当たり前のように広がっている。

ちらばれる耳成山や香具山や菜の花黄なる春の大和に       佐佐木信綱

一すぢの小道の末は畑に入りて菜の花一里当麻寺まで         服部躬治

三輪山の裾ひろがりや菜の花に      瀧井孝作


飛鳥京や平城京のあった奈良は、今も昔の面影を残しており、その跡を訪ねる人が多くいる。特に明日香は、かつての日本を見るようだと、田畑と遺跡のある風景に憧れ、春や秋になると人々が溢れる。小高い丘に上り大和盆地を見下ろせば、『万葉集』でおなじみの大和三山も一望できる。雄大な気分で眺めるもよし、土の道を歩いて、昔の人と心の中で対話するもよし。固有名詞の山々や寺の名を誰もが知っているのは、この地方ぐらいではないだろうか。これらの固有名詞が、自己主張しない菜の花とぴったり合って、伸びやかな景の見えてくる歌や句である。

れんげ雨菜の花雨に麦冷ゆる古つあふみの春ありしかな       河野裕子

菜の花の中に近江は舟路あり        米澤吾亦紅
 

琵琶湖の両岸には、豊かな水の恩恵を受けた田畑が広がる。平らな土地にれんげ畑や菜の花畑が見渡せ、湖のきらめきと共に、春爛漫という印象である。そこに、雨を降らせた一首目の歌は、「古つあふみ」という語で、「淡海の海 夕波千鳥 汝が鳴けば 心もしのに 古思ほゆ(柿本人麻呂) 」という歌につながった。大津宮の時代は短かったが、近江には、眼前の風景だけではない時間の流れがある。また、近江八幡には、舟で巡る水路があり、両岸に菜の花の咲く頃には、その情緒を楽しむ観光客でにぎわう。琵琶湖の沿岸にも、舟の通る路があちこちにあり、句のような景色に出会うことができる。

菜の花の遙かに黄なり筑後川        夏目漱石

正岡子規と親しかった漱石は、第五高校教師の時代にもたくさんの俳句を作り、子規に送っている。松山と熊本時代で、一千七百三十五句、全体の七十パーセント近くを作っているという。九州第一の大河である筑後川のゆったりと流れる様子が、「遙かに」から感じられ、そののどかな風景に、読み手の私もうっとりする。

又兵桜T0904 
【中国語仲間Tさんが今年撮影した、奈良宇陀の又兵衛桜。樹齢300年で木の周囲3メートル。後ろは桃。】

       椿G0904   カタクリT0904   スズラン0904 
【左からGANKOちゃん撮影の珍しい椿・Tさん撮影の自然のカタクリ・私撮影の大学構内花壇のスノーフレーク】

近世以降、菜種油を採取するため、それまでの荏胡麻に変わり、西日本では油菜が広く栽培されるようになったそうである。四国に生まれ育ち、学生時代からずっと近畿に住む私にとって、菜の花はなるほど親しいはずである。

菜の花にしづみて川の曲りけり         柴田佐知子

菜の花や古墳の裾のやはらかき        高倉和子


春の旅は西へ、と私は決めている。大阪を出て、中国・四国・九州と目的地は違っても、車窓に見える菜の花に、心が揺れる。蛇行する川を隠してしまうほど豊かな菜の花の群れ、遠く見える古墳の線はなだらかで、麓を菜の花が彩る。その誘うような明るさに、私は途中下車をして、春を満喫したくなる。

春浅き海のひかりに菜の花の咲きて電車のドアはひらかる      木村輝子

故郷の駅なら尚更、そうでなくても、海辺の菜の花は、「お帰り」と迎えてくれるようである。ドアが開かれ、外の光と色が目の前に溢れたとき、作者の心も開放感でいっぱいになったのだろう。菜の花の黄色に反射して増幅した光が、胸に溢れた生きる喜びを象徴しているようである。

次の歌には、土地に生きる人のたくましさ、力強さまで感じられる。

菜の花の光まぶしき地区境よろこびは土にまたわが内部に     山田あき

菜の花といふ平凡を愛しけり          富安風生

最近でこそ少なくなったが、一昔前までは、至る所で菜の花畑を見ることができた。その平凡さを愛すことが、幸せへの近道なのかもしれない。悲しみを知っているから、普通であることを有り難いことと、感謝の気持ちで受け止められる。次の句と歌は、人生の辛さの先に詠まれたのではないか。一見無邪気な喜びの表現のようだが、素直な言葉の奥に寂しさが隠れている気がする。「しあはせさうに」という言葉遣いや「口笛を吹く」という動作は、単純ではない。

菜の花がしあはせさうに黄色して        細見綾子

悲しみの少なき場所よ妻と立つ菜の花のなか口笛を吹く          岩井謙一


山村暮鳥の詩「風景 純銀もざいく」は、「いちめんのなのはな」を繰り返すことで、菜の花畑の広がりを視覚的にも訴える素敵な作品だ。

いちめんのなのはな/いちめんのなのはな  いちめんのなのはな/いちめんのなのはな
いちめんのなのはな/いちめんのなのはな  いちめんのなのはな/かすかなるむぎぶえ
いちめんのなのはな


三連からなるこの詩は、全く同じ繰り返しのように見えながら、八行目が大きく変化している。「ひばりのおしゃべり」「やめるはひるのつき」視点がしだいに上に向き、最後にのどかな春の景色が、不安感を帯びたものに転換する。それは、次の句につながるような気だるさと言えようか。明るさがはらむ狂気は、どこにもある。

花菜風しづかに母の狂へるか           井上弘美

菜の花やおのが黄に倦む入日中         能村登四郎


次の二首には、若者が内部に抱え込んだ菜の花の黄がある。それは何か優しい可能性をはらんだものに思えるのだが、明るすぎる昼間ではなく、夕暮れであることが大切である。

黄のはなのさきていたるを せいねんのゆからあがりしあとの夕闇    村木道彦

菜の花の黄(きい)溢れたりゆふぐれの素焼きの壺に処女のからだに        水原紫苑


もっと若い子どもたちにとって、菜の花はどんなふうに見えているのだろう。

駆ける子ら菜の花明り満面に             浅井青陽子

菜の花の色の帽子と菜の花と             山本一歩

サヨナラがバンザイに似る花菜道           正木ゆう子

世界の子らになの花いろの炒りたまご        呉羽陽子


子どもたちは、一面の菜の花畑を前にすると、思わず駆けだしてしまうだろう。その子らの顔に照り返す花明りが美しい。通学用の黄色い帽子は、菜の花を頭に掲げたようで、菜の花畑の中に見え隠れする姿が愛らしい。友達との帰り道、「サヨナラ」「サヨナラ」と互いに大きく片手を振っているうちに、気持ちが溢れて両手になってしまう。どれも子どもらの生き生きとした姿が見えてくる句だ。この子たちがずっと幸せでありますように。そして、世界中の子どもたちが、温かい食卓を囲めますように。素直にそう祈りたくなる句だ。菜の花の優しさが、これらの句と次の歌を詠ませてくれたようだ。

ほのほのと菜の花明りやさしけれ地上三尺黄のはな浄土        春日真木子

菜の花は暮れてののちも色たちてほのに明かるき道をゆくなり     岡野弘彦


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【今年は桜が見頃になってから青空の花見日和が続き、仕事のある身が恨めしく思えました。家の前の桜。】

テーマ:エッセイ - ジャンル:小説・文学

初めての台湾旅行3日目後半&4日目
3日目後半は、今回の旅のもう一つの目玉である九份 (きゅうふん)へ。

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残念ながら雨で、台湾海峡を見下ろす景色や面白い造りの寺院は霧の中。観光客も多く、思ったような写真がなかなか撮れなかった。かつて金鉱の町として栄えた、高地にあるこの町は、映画「悲情城市」のロケをきっかけに、今はレトロな雰囲気を売りにした観光地としてにぎわっている。宮崎駿監督のアニメ映画「千と千尋の神隠し」のモデルになった街としても有名。大食いをした千尋の両親が豚になるのは、この辺り?

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左端は、九份の撮影スポット。真ん中の写真は、九份の映画館(廃業)。右側は、台北市内の夜の映画館。右側の写真をよく見たら、中央の看板は、なんとあの「おくりびと」!気付いていたら見に行ったのに・・・。

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左(昼間)と真ん中(夜間)の写真は、台北市内にあった学校。外壁の装飾がにぎやか。
自宅用にお茶をたくさん買った。台湾で有名なのは、「凍頂烏龍茶」と「高山烏龍茶」。葉っぱがくるんと丸まっているのが上等で、渋みがほとんどない。写真のような色かこれより薄いぐらいの色に煎れると美味しい。一度煎れると、色が出なくなるまで一日中使えるので、お得。一回ずつ絞りきることと、次のために急須の蓋を開けておいて熱を取ることが大事。と、いかりや長介さんに似た、化粧気のない面白い店員さんが、お茶を煎れながら教えてくれた。旅行中にしっかり食べて増えた体重は、このお茶で元に戻りつつある。

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4日目。台湾桃園国際空港には、地元の小学生が作った牛のモニュメントが何頭も飾ってあった。コンテストがあったようで、優秀賞や佳作などの表示がしてあった。色使いがはっきりしていて、興味深かった。
覚えているうちにとまとめた「初めての台湾旅行記」は、これで終了。日本語・筆談・中国語、いろいろ使え、ホテルで見たテレビはすべて中国語の字幕付き。刺激いっぱいの楽しい旅だった。

旅の最後は、中国語サークルで旅行の様子を報告するのが決まり(以下の文は先生の添削済み)。
注意・・・ここでは、中国語の簡体字を、日本の漢字に直しています。

従三月二十七号到三十号,我参加旅行団,去了台湾台北市.
参加人数有十二人.我們的年齢従二十歳到七十五歳.
導遊姓林,他(女性なので本当は女へん)很漂亮和熱情.他有五歳的男孩.


在這次旅行最好的地方就是故宮博物院.
因為展覧品有很多,我們呆了五小時,但還是覚得時間不句多
(これで一字)在那児和従中国来的遊客我説了幾句中文,我非常高興.

因為電視節目都有字幕,在飯店我很快楽.


テーマ:海外旅行 - ジャンル:旅行

初めての台湾旅行3日目前半
 3日目前半3月29日。今日も9:10集合。毎回、メンバー全員5分前集合でスムーズ。

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二二八和平公園は広くてお花がいっぱい。一人で、グループで、太極拳をする人の姿があちこちに見える。
台北二二八紀念館で、悲しかった過去の話を聞く。日本語の上手な80歳の方のお話は、心がこもっていて、みんな熱心に耳を傾けていた。「台湾を統治していた日本人は、ダムを造って農業を盛んにしてくれたし、木を一本伐ったら十本植えてくれたが、中国はそうではなかった・・・」など、台湾の人が日本人に親密であるのは、過去の日本人の業績のおかげであることが、よく分かった。

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写真左から①②③・・・
総統府。日本が統治していた時代に建立された大変大きく立派な建物で、周辺の警戒も厳重。
国父史蹟紀念館(中華民国の父、孫文が滞在した旅館で梅屋敷と呼ばれる。)の庭から見える駅。
③②の屋敷には、もう梅の実がなっていた。周りのフェンスの模様も梅がポイント。並んだバイクが壮観。

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衛兵の交代式を見るために、忠烈祠へ。抗日戦争や中国共産党との内戦で殉死した約30万人の英霊を祀ってある廟。怖い感染症、サーズの治療で犠牲になった医療関係者も祀ってあるそうだ。
入り口から正面の大殿まで、毎日1時間毎に往復するため、茶色の線ができている。

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写真左から④⑤⑥・・・
④入り口の大きな門。ここに若い衛兵が二人立っていて、ぴくりとも動かないため、かっこうの撮影対象になっていた。台湾は1年間(かつては3年)の徴兵制度があって、最終学校を卒業した段階で軍に入るそうだ。やりたくない人は、年齢制限の45歳まで学生でいればいいらしいけど、現実には難しい・・・。
⑤バシッバシッという靴音を響かせながら、足を直角に上げて行進する。その周りをみんなが取り巻いて見学し、ぞろぞろとついていく。行進の邪魔にならない限り、私たち見学者は、とても自由だ。
行進の最後には、向き合った二人が、銃剣をジャグラーのように放り投げたりするパフォーマンスをするので、びっくりする。顔はもちろん、ずっと硬い表情のまま。
⑥建物は大きく立派で、天井・回廊も含めて、極彩色の装飾が施され、ただただすごいなあという感じ。こちらの建物「大殿」にも、衛兵が二人立っている。


テーマ:海外旅行 - ジャンル:旅行

初めての台湾旅行2日目午後
 2日目午後は、故宮博物院5時間コース
ガイドさんの、ポイントをおさえた2時間の解説のあと、各自で3時間自由見学。左手首に瑪瑙(めのう)の腕輪をしたガイドの林さんをはじめ、中国や台湾の方は、どうやら玉(ぎょく)がお好きなよう・・・。腕輪が割れたら、「瑪瑙が身代わりになって、災難から守ってくれた。」と考えるそうで、石のパワーの信奉者が多い。

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【故宮博物院は大きすぎて、とても写真に収めきれない。】

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左から順に①②③・・・
①は、図書類の博物館(別館)だが、本館だけでも5時間では見学しきれない。中国人の手先の器用さはすごい!1本の象牙を3代にわたり90年かけて細工した、全部つながっている透かし彫りの飾り(16層の球体が全部回せるそうだ)や、こんな小さく!こんなに薄く!こんなに細く!一体どうやって作るの!!!という展示品に、感心のし通しだった。
②は、牛のモニュメント。今年は丑年ということで、観光名所のあちこちに牛の実物大の大きさの飾りが。
③は、ホテルの階段。結婚式があったようで、風船の飾り付けがとても可愛かった。

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 車窓から撮った町の様子。左から④⑤⑥
④「臭豆腐」屋さん。食べ物屋さんのある所に必ず漂っている独特の臭いは、「臭豆腐」。発酵させた豆腐を油で揚げて食べる、台湾の人たちの大好物。こちらで言えば、鮒鮨のようなものだろうか。
⑤補色で並んだポストがキュート。郵便車は、緑色だった。
⑥車は右側通行。タクシーは全部黄色。漢字だらけの看板が嬉しい。しかも、旧字体!写真右上の青い看板「華品牙医(旧字体)」は、歯医者さん。「牙」だなんて、楽しくなっちゃう。

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 正面に見えるマクドナルドは「麦当労(旧字体)」。バスがたくさん走っていて、停留所は日本の市電の停留所みたいな作り。庶民の乗り物は、バイク。二人乗りはOK。三人でも、子どもが二人なら、おとがめはなし。信号待ちの先頭は、バイク・バイク・バイク。お店の前にもバイクがずらっと並んでいるが、バイク屋さんではなく、駐めてあるだけ。家から職場まで直行できるので、男女を問わず一番よく利用される乗り物だそう。一番人気のある百貨店は、「SOGO(そごう)」で、支店もたくさんあり、売り上げ高もトップという。
 この日の朝食は、ホテルのバイキングで美味。夕食は、外のお店で石鍋料理と北京ダックで味は・・・?五香粉の匂いが中華料理の特徴。

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初めての台湾旅行2日目午前
 2日目3月28日。9時10分(日本は10時10分)にホテルを出発して、広大な敷地に建つ「中正紀念堂」に。
昨夜は、私の携帯から直接、留守番をしている次男の携帯に国際電話ができ、感激。すごい進歩だ!

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【この青い屋根の建物は、政治に左右されている。国民党政権下で「中正紀念堂」→民進党政権下で「台湾民主紀念館」に改名→最近、国民党政権になったため再度「中正紀念堂」に。ただし、看板の付け替えはまだ。】
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台湾の初代総統、蒋介石の功績を称えて建てられたものだが、一個人のためにこれだけ大きなものをと思うと、正直疑問も感じる。真ん中の写真の右隅に写っている衛兵(拡大してご覧下さい)は、ちっとも動かないので人形のように見えるが、生身の人間。超ど級の蒋介石の座像を、両側で若い衛兵が守っている。
外壁の大理石のうち、下部の三段ほどは新しいもの。政治的な対立で落書きが絶えず、何度も消しているうちに替えるはめになったのだとか。中国寄りの国民党と、台湾独立を掲げる民進党。かつて、中国にひどい目にあった(二二八事件)台湾の人たちは、中国への反発が根強くあるようだが、独立を唱えて戦争になると負けるのは目に見えているだけに、思いは複雑なようだ。ガイドさんの熱い解説が興味深い。
ちなみに蒋介石は、外出の折、いつも同じ車を4台列ね、身を守るため毎回乗る車を変えていたそう。黒くて大きな高級車が2台展示してあった。広大な敷地と建物は、公園やギャラリー、文化教室として利用されている。たまたま展示してあった掛け軸の字が素晴らしくて、毛筆漢字の好きな私は、うっとり。

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 左から順に・・・
このツアーの参加者。20歳の娘さんから75歳のお父さんまで。平均年齢は、ちょうど私たち夫婦ぐらいか。
真ん中の写真は、国立台湾博物館。オーソドックスな博物館。

 右端の写真は、お昼をとった超人気のレストラン「ディン・タイ・フォン」。
小龍包で有名になった点心料理のお店だ。雨にもかかわらず、店の外には長い列で、予約していなければ1時間はかかるという。私たちは、ガイドさんの手際の良さで、ありがたいことに10分ほどで入店できた。お店の人たちは皆生き生きしていて、挨拶も積極的。たっぷりの千切り生姜とお酢と醤油でいただく点心はあっさりして、とても美味しく、人気があるのも納得。
第1号店は、台湾だそうだが、今や世界中にあって、日本では高島屋に入っている。繁盛している大きな理由は、経営を各店舗任せにして、頑張った分がそのまま各店舗の従業員に反映されるためらしい。そのおかげで、働き甲斐があって、辞める人も少ないのだとか。

 たくさんになりそうなので、とりあえずお昼ごはんでストップ。午後からは、明日アップ予定。


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初めての台湾旅行1日目
 3月27日~30日、台湾旅行「ぶらり台湾♪台北・九フン4日間」のツアーに、夫と行ってきました。故宮博物館5時間見学(普通のツアーは90分)と九フン観光がメインの実質2日半、3連泊のゆったりプランのツアーで、参加者は12名。皆、博物館の好きな参加者で穏やかな人ばかり、ガイドさんも感じがよくて、楽しい旅ができました。今日、4月1日は、結婚30周年記念日。ちょうど区切りに、いい旅ができました。
長くなるので、数回に分けてアップします。相変わらずバタバタしていますので、コメント欄は最終日に…。

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左から順に…①②③④
台湾桃園空港到着ロビーにさりげなく?置かれていた置物。
 両替は、現地でする方が断然有利。1万円を日本で替えると2900元だが、現地なら3300元。
TAIPEI101という名の508m、89階もある高層ビル。
 お昼はチャイナ・エアラインで機内食。2~3時間のフライトなので出ないと思って握り寿司を食べていたので、満腹に。夕食は、丸林で台湾家庭料理。日本人好みの薄味で、大変美味しかった。
③④台北最大の100店あまりの屋台や店舗が並ぶ、士林夜市。ものすごい人出で、おまけに道の真ん中に店を出す人がいて、ただただ圧倒される。見るだけだったが、面白かった。
③は、マッサージ機だが、足湯もできるとは驚き。台湾には、マッサージ屋さんがやたら多い。④は、果物屋さん。切って売っているのが、ビックリ。

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左から⑤⑥⑦すべて士林夜市にて。
⑤リンゴ飴ではなく、プチトマト飴。ウズラの卵を6個ぐらい串に刺したのも、別のところで売っていた。
⑥洋服屋さん。「比基尼」は「ビキニ」で、190元(約600円)。漢字オタクの私は、看板や貼り紙を見るだけでワクワク。
⑦ジュースやかき氷でしょうか?生ものは絶対買わないようにと、ガイドさんから強く言われているので、残念ながら素通り。

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 右側のぶれているのは、ガイドの林(リン)さん。スリムで、可愛くきれいな方で、とても5歳の男の子のママには見えない。台湾は共働きが多いが、男女平等意識が強いので、女性にだけ料理の負担が行かないよう、外食をする人が多いとか。夜遅くまで、食堂がにぎわっているのは、夜遊びが好きな国民性だけではなく、そんなところにも理由があるそうで、共働きの身としては羨ましく感じた。
彼女は京都に留学していたそうで、日本語も上手だが、何より面白かったのは、政治を語ると熱くなるところ。一生懸命な解説に、参加者一同感謝感謝でした。
写真は、宿泊先ガーラホテル(慶泰大飯店)のロビー。豪華すぎず、清潔で気持ちのよいホテルで、朝食のバイキングも種類が多く、いいところでした。


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プロフィール

大空の亀 

Author:大空の亀 
写真の猫は姉のハオと弟のミュー。
ハオは2006年5月5日生(伝)。
ミューは2008年10月10日生(伝)。

空と言葉と草木花が好き。
趣味は読書・文芸。

読書ノート歴33年。
年間読書冊数の平均は、学生時代は
300冊、就職後は100冊~150冊。

ブログ歴 11年6カ月
2006年 3月17日から始めました。
2006年 9月 9日カウンター22222通過
2007年10月24日カウンター77777通過
2008年 5月23日カウンター100000突破 !
2008年 9月 8日カウンター111111通過
2011年 5月 4日カウンター200000突破 !
2012年 1月10日カウンター222222通過
2014年 9月15日カウンター300000突破 !
2017年 9月26日カウンター343434通過



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