心に響く本・詩歌・言葉・音楽・風景
私の読んだ本や聴いた音楽、出会った風景の中から心に響いたものを紹介します。
心に響く風景-夕焼け&だっこちゃん
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 昨日(6月24日)19時頃のことです。夕食をとっていると、空がどんどんピンクに変わっていきます。ここ数日、夕方の空がブルーからパープルへと美しく変化するのを楽しんでいましたが、昨日の夕空は濃いピンクで、恐ろしいような美しさでした。ベランダに出てみると、西の空にきれいな夕焼けが始まっています。1枚目がその時に撮った写真です。もっと全体が見えるところにと、大急ぎでマンションの西階段にある広いコーナーに行き、撮ったのが2枚目の写真です。

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 10年ほど前に、沖縄のサンセットクルージングで見た夕焼け(デジカメを忘れた上に、買った使い捨てカメラも一番いいときに、フィルムを使い果たしていました。)には及ばないかもしれないけれど、その時に近い夕焼けのようで、心が震えました。

そして、高校時代に出会った、谷川俊太郎さんの大好きな次の詩を思い出しました。

この黄昏
空の限りない深さの底にいて
祈らなくていいのか
許された一日を終える今



 おまけ…今日(6月25日)撮った我が家の紫陽花と、小さいとき大好きだった「だっこちゃん」。10年ほど前に見つけて、大喜びで買ったものです。古くなって空気が抜けてしまう前に一度記念撮影をしたかったのですが、ちょうど紫陽花が満開になったので一緒に撮りました。ピンクのは、新バージョン(といっても、だいぶ前のですが)です。

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テーマ:空の写真 - ジャンル:写真

心に響く本-最近読んだ本から
 最近読んだ本から三冊ご紹介します。雨の日の午後にいかが?

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小野正弘著『オノマトペがあるから日本語は楽しい 
                           擬音語・擬態語の豊かな世界』(平凡社・2009年・720円)

この春の大阪府公立高校入試問題に採用されていたので、読んでみました。
「オノマトペ」とは、フランス語を語源とする「擬音語・擬態語」を一括していう言葉で、「ガーン」のように、音か様子か区別しにくいものに、「オノマトペ」という一語は便利である。5つの章からなるこの本、『ゴルゴ13』の「シュボッ」がいつから登場してきたか、『伊豆の踊子』の「コトコト笑う」という表現に至る考察など、興味深い話題があった。

私がいちばん面白かったのは、第4章の「オノマトペは歴史とともに」というところでしたので、そこから少し引用します。(文章はそのままではありません)
・最も古いオノマトペは、『古事記』のなかの「こをろこをろ」
天の神々の言いつけで、イザナキ・イザナミの二神が、国をアメノヌホコでかき回した。その時、塩を「こをろこをろ」とかき鳴らしたあと、ホコを引き上げると、そこから塩がしたたり落ちてつみかさなり、島となった。…という話に出てくる。
*「こをろこをろ」という言葉遣いに、聞く耳の力を感じました。

・『源氏物語』の「よよ」
現代語で、「よよと泣く」というのは、なにか弱々しく、女性がくずおれるように倒れながら泣き伏すイメージである。『源氏物語』にある「よよ」の四例はすべて、男性が号泣するときに使われている。惟光、光源氏、薫、匂宮が、「よよと泣きたまふ」のである。
*大変な尊敬語だった「御前」が変化したように、「よよ」も変化していったんだなと、現代語との違いを面白く思いました。



宮下奈都著『スコーレNo.4』 (光文社・2007年・1600円)

「書店員がゲリラ的に仕掛けた書評で人気が出た本」と新聞に紹介してあったので、新しく出た文庫ではなく単行本を中古で買った。素直な文章で読みやすかった。少し都合よく展開しすぎる気もしたけれど、不快ではなかった。帯文にある「人生には、4つの小さな学校(スコーレ)がある。家族、恋愛、仕事、そして―」の「そして―」を、どう読むかだろう。主人公の気持ちを丁寧に描写していて、好感が持てた。どちらかというと若い人向きの本だと思うが、主人公の印象は鮮明に残っている。



宮下奈都著『遠くの声に耳を澄ませて』 (新潮社・2009年・1400円)

もう1冊、同じ作者の本を買って読んでみた。「旅」2007年7月号~2008年6月号に連載したとある。「旅」に関わる12の短編からなる小説だが、登場人物がゆるくつながっており、そこも面白いと思った。もともと私は短編が好きなせいもあるが、長編の『スコーレNo.4』より、こちらの方が上手いと感じた。文章も落ち着いていて、私の好きなタイプの文章を書く作家だと思った。

・「ミルクティー」より少し引用。 (  )は私が勝手に別の所から補いました。
私(真夏という名前)が飲みたいのはいつもコーヒーで、みのり(友人・・・みのりというのは、私が飛ばしてしまった時間をしっかりと握り、そこにこそ時間をかけて大切に育ててきたような人だった。・・・)は紅茶だった。
(私、真夏)「仕事で煮詰まってるときなんか、一杯の熱いコーヒーに救われることがあるんだ。目が覚めるっていうか、さあもうひと息がんばろうって思えるっていうか。…」
(みのり)「なんとなく、わかるよ。真夏はコーヒー向き。コーヒーって、これからのための飲みものって感じがするもの」…
(みのり)「紅茶は、どちらかというと、振り返るための飲みものなんじゃないかなあ。何かをひとつ終えた後に、それをゆっくり楽しむのが紅茶」
*コーヒーと紅茶、どちらを飲みたいかという時の気分をうまく表しているなと思いました。

・「夕焼けの犬」より少し引用。
病院の屋上で、お医者さんの独白の部分です。
屋上へ出るのもこんなときだ。忙しいときには張りつめている糸が、ふっと緩む瞬間がある。何も考えられなくなって、逃げるように階段を上っている。屋上へ出てしばらく空や街を眺めるうちに、私の外側で起きていることと、内側で起こっていることとの溝が埋められていく感じがある。…ほんの数分、風に吹かれるだけで、自分とうまく折り合いをつける手がかりを得られるような気がして安堵する。
*誰も同じような気持ちを抱き、同じようなことをするんだなあと思った場面です。


 読みたい本、読まねばならぬ本が山積みになっているのに、ついつい読みやすい本に手が行ってしまうのは、少々疲れ気味なのだなと、読書意欲で心身の調子をはかっているこの頃です。


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心に響く本-長谷川潾二郎画文集『静かな奇譚』
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長谷川潾二郎(はせがわりんじろう)画文集『静かな奇譚』(求龍堂・2010年・3000円)

表紙の猫の絵が、我が家のハオにそっくりで、以前から気になっていた画家の図録兼書籍です。独特の文体や物の見方が魅力的で、また、この絵ができあがるまでの経緯も面白く、大変興味深く読んだ本でした。
彼の言葉が、詩的で素敵だったので、いくつか引用します。

「実物によって生まれる内部の感想を描くのが目的。」
「レアリズムは、絵画美のためにのみ役立ち得る。」
「詩はすべてに優先する。」「詩のない画は画ではない。」
「詩人と職人と二人が住んでいる。詩人の言うことをきいて職人が働くのだ。」


彼にとって、「見ること」は、正確に描くためではなく、その裏側にある世界への入り口を探すことだという、美術館学芸員大下氏の解説に、共感を覚えました。短歌や俳句も、「見ること」の大切さをよく言われますが、その行き着くところは同じ「詩心」なのだと思います。

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【我が家のハオ。上の絵にそっくりでしょ?!】


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心に響く風景-東京一泊旅行
 5月最後の金・土、真中朋久さんの寺山修司短歌賞表彰式に出席するため、関西在住の短歌の仲間と東京に行ってきました。表彰式は、著名な歌人の方々が大勢来られていて、私などは「枯れ木も山の賑わいね。」と参加したものの、気後れしてしまいました。しかし、食べるものはしっかり食べ、本や雑誌で存じ上げている方々を間近に見られ、貴重な経験をすることができました。あわせて、小旅行を楽しんできましたので、ご紹介します。

【一日目】

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行きの新幹線から、富士山がきれいに見えました!

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島倉千代子の「東京だよ、おっ母さん」を口ずさみながら、皇居周辺散策。高校の修学旅行以来です。タクシーの運転手さんに、同行のSさんの「ごっつい(大きい)」の一言で即「大阪の人」と見破られ、「大阪の人は楽しいね。」と言って頂きました。東京の方も親切で、優しかったです。

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【二日目】

松尾芭蕉の『奥の細道』の「旅立ち」の章でおなじみの谷中(やなか)を散策。
-弥生も末の七日、あけぼのの空朦朧として、月は有明にて光をさまれるものから、富士の峰幽かに見えて、上野・谷中の花の梢、またいつかはと心ぼそし。-の、あの谷中です。


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『南総里見八犬伝』の作者、滝沢馬琴の筆塚のある青雲寺(花見寺)。


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富士見坂を上った高台にある諏方神社。


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小林一茶がよく訪れたという本行寺(月見寺)。いくつかあった句碑の中の山頭火の「ほつと月がある 東京に来てゐる」という句に心惹かれました。


 「谷中ぎんざ」を歩き始めてすぐ目に付いたお店で「ちょんまげいも」という名の、さつまいもとごまのおやつをいただきました。そこで、昼食のとれる店をいくつか教えてもらって、「よみせ通り」の「山ぎし」という鰻屋さんで、「どぜう鍋(柳川定食)」を初めて食べました。その後、「加賀屋」というおかきのお店で、お土産を購入。ピーナツとおかきを飴で固めた「豆太鼓」がとても美味しかったです。大好物の岩手名物「南部せんべい」も売っていたので買いました。最初に入ったお店の奥さんも東北出身とのことでしたが、このお店の奥さんもそのようで、東北名物を売っていることに合点がいきました。

 下町のせいか、どのお店も値段が手頃で、しかも美味しくて、親しみを感じました。東京駅でさらにお土産を追加。同行の皆さんは、「舟和」の「芋ようかんとあんこ玉の詰め合わせ」を、私は、夫の大好物の「すあま」を購入し、目・口・心・足…満足の一泊二日の旅でした。
帰宅後、「また美味しいお土産を買いに東京に行っていいよ~。」と言われました。
素敵な情報を、資料を丁寧に添えて送って下さったベンジャミンさん、ありがとうございました。お陰様で、遠いと思っていた東京を、近く感じることができました。

テーマ:国内旅行 - ジャンル:旅行



プロフィール

大空の亀 

Author:大空の亀 
写真の猫は姉のハオと弟のミュー。
ハオは2006年5月5日生(伝)。
ミューは2008年10月10日生(伝)。

空と言葉と草木花が好き。
趣味は読書・文芸。

読書ノート歴33年。
年間読書冊数の平均は、学生時代は
300冊、就職後は100冊~150冊。

ブログ歴 11年3カ月
2006年 3月17日から始めました。
2006年 9月 9日カウンター22222通過
2007年10月24日カウンター77777通過
2008年 5月23日カウンター100000突破 !
2008年 9月 8日カウンター111111通過
2011年 5月 4日カウンター200000突破 !
2012年 1月10日カウンター222222通過
2014年 9月15日カウンター300000突破 !



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