心に響く本・詩歌・言葉・音楽・風景
私の読んだ本や聴いた音楽、出会った風景の中から心に響いたものを紹介します。
心に響く本-『エネルギーと私たちの社会』
 修理に出すといい子で動き、家に帰ると気まぐれに動いたり止まったりの我がパソコン。様子を見るために長い間、電器屋さんに居ましたが、先日やっと戻って来ました。戻るなりまた前の症状が出て…、パソコンの得意な次男が見かねて対処してくれ、今はなんとか無事に動いています。が、なんだかこわごわ触っております。

   energihusholdning.jpg

 2011年10月26日の天声人語
「海は広くも大きくもない、という一文を、作家の椎名誠さんが7月の小紙に寄せていた。椎名さんは『地球がもし100cmの球だったら』という絵本を紹介しつつ、この惑星の有限性を述べている。直径1メートルに縮尺すれば大気の層はわずか1ミリしかないのである、と。
すべての水はビール大瓶1本分。海水を除いて人が飲める水はスプーン1杯の量しかない―など、目を開かされた例えをふと思い出した。国連によれば、この31日に世界の人口が70億人になるそうだ。地球が相対的にどんどん小さくなっている。(・・・以下省略)」

という文章があり、切り取っていた7月31日の椎名さんの記事を改めて取り出してみました。少し引用してみます。

福島原発のいっこうに収拾のメドがたたないやきもきする事態の渦中に、放射能汚染された大量の水が海に投棄される事件があった。そのとき当事者からの事情説明に「海は広くて大きいから放射能物質は希釈され、さして心配することではない」というような発言があった。「海はひろくて大きい」この小学生唱歌のようなことを言っている当事者の顔をぼくは唖然として見ていたものだ。・・・(途中省略)・・・(冒頭の天声人語が引用していた内容の文章のあとに)・・・
そしてこの水は閉ざされた惑星地球のなかで、一滴たりとも外部(宇宙)から補給されることのない絶対的に限られた量の水なのである。海に放出された放射能汚染水は半減期二万年などという想像もつかない、すなわち「永久」といってもいい期間、地球を汚染し続ける。・・・地球の命の基である大気は思いがけないほど脆弱な存在で、その大気の中で回流する水は永久に閉ざされた中をただ回転しているだけなのだ、ということに気づいたとき、ぼくは精神的な窒息感を味わった。
海はわたしたちがノウ天気に思っているほど広くも大きくもないのだ。そして断固として「閉ざされている」のだ。(後略)


 私たちは奇跡のような水の星に住まわせてもらっているのですが、資源の量に奇跡はなく、現実にはかなり厳しい状況の中で暮らしています。地球上に暮らす70億もの人間が、地球の資源を平等に分け合い、有効に活用しなくては大変なことになるのは明らかです。
前回紹介した『宮崎あおい・宮崎将 たりないピース 2 Love,Peace&Green』の中に紹介してあった『エネルギーと私たちの社会』 (ヨアン・S・ノルゴーとベンテ・L・クリステンセンの共著/飯田哲也訳/新評論発行/2002年/2000円)を読んで、ますますこのことを思いました。
1982年、この本の成果が、デンマークの環境保護団体「原子力発電情報組織」によって、全戸230万世帯に配布されたことにより、デンマークは原子力発電の道へ進まずにすみました。日本とは気候が違うので、本の内容をそのまま適用することはできませんが、基本的な考えは大いに共感できるものでした。たとえば、

高エネルギー社会ではなく低エネルギー社会をめざしたい。
生産だけが仕事の目的ではない。(ワークシェアによる自由時間の確保など)
住宅の断熱を充実させることで、エネルギー消費量が減らせる。
再生エネルギーの供給よりも節約の方が、環境面で優れている。


自己の利便性や快適さのみを追求するのではなく、地球規模でものを考えたいと強く思いました。今年の夏の節電を今後も生かし、原発が稼動しなくてもやっていける社会を確立することが大切だと思います。

この本には、示唆に富んだ内容がたくさんあったのですが、GNP(国民総生産)の問題点も指摘してあり印象的だったので、列記してみます。

1、GNPは、金銭に換算できるものを表しているにすぎない。幸福・美・安全・健康など、重要な生活の質の側面が考慮されていない。
2、GNPは、良いものと悪いものの違いを区別していない。タバコのように不要だったり有害なものも、交通事故による修理や治療も同じ金額として加算される。
3、GNPは、富が国民の間でどう配分されているかに関して、何も示さない。
4、GNPは、私たちが保有している住宅や機器・衣服などを表すことができず、買い換えたときのみ表される。GNPの成長に貢献するなら、製品寿命を短くすることだ。
5、報酬のない活動(育児・料理・ガーデニング・住宅の修繕など)は、GNPに算定されない。
GNPは、産業と商業における生産と消費の総計。言い換えれば、GNPとは、私たちが地球上の再生不可能なエネルギーを使い尽くして、各種の汚染を生み出している進度を示すものといえる。


先日のテレビで、国民総幸福量95%?(ブータン)や国民幸福度(1位デンマーク)なるものを見ました。もちろん日本は低位。日本では、原発の再起動やコストをはじめ、国民総生産(GNP)など経済的なことばかりが話題になりますが、経済成長を続けることが本当に必要なのでしょうか。今のような行き詰っている社会だからこそ、きちんと考えたいことだと思います。

テーマ:オススメの本の紹介 - ジャンル:本・雑誌

心に響く本-久しぶりのオススメです!
 久しぶりの本の紹介です。フリーズして、修理に出そうと決意すると、なぜかいい子で動き始めるわがパソコン、今回もドキドキしながらのアップです。

sabakudemituketaehon.jpgokamototarousinseiki.jpgtarinaipisu.jpg

柳田邦男著『砂漠でみつけた一冊の絵本』
 (岩波書店/2004年・2010年10刷/1500円)
空をよく見上げ、雲の様子を撮るのが好きで、雲の絵本を作りたいと思っている著者。脳死を取り上げた本は、過去に何冊か読んだことがあるのですが、今回は、絵本について書いた本をご紹介します。絵本とそれにまつわる話が収められていて、『スーホの白い馬』の章では、心打たれて涙がこぼれました。(この頃、生来の涙もろさに拍車がかかってきました…)

p181に書かれていたことに共感を覚えましたので、少し引用します。
心と言葉の危機の時代に 
 暮らしを立てるために、働いて収入を得ることは大事なことだ。だが、戦後の高度成長期を経ての半世紀余りの歴史を振り返るなら、豊かになりたいという願望を抱いての努力は、あまりにも所得の増大、つまりカネとモノを追い求めることばかりに熱中したものではなかったか。そういう心の危機、人間の危機に警鐘を発し、人々にほんとうに大事なものは何か気づかせてくれるのは、しばしば詩人だ。
 カネとモノに価値の第一の地位を与える人々には、詩人はただ言葉遊びをしている無用の人にしか見えないだろう。だが、世の中が閉塞的になり、人々の心が灰色に塗りこめられた時、窓を開けて光を射しこませ、世界に色彩を取り戻し、生きるエネルギーを湧き立たせてくれる言葉を響かせてくれるのは、詩人だ。権力の抑圧に人々が窒息しそうになった時、しばしば詩人が革命の旗手に祭り上げられるのは、象徴的だ。
 心の危機、言葉の危機がこの国の人々を被いつつある今、絵本もまた詩に劣らぬ、心の再生の役割を果たす可能性を秘めているように、私には思える。


以下にあげたのは、紹介してあった中で、私も好きで何度も読んだ絵本です。
『スーホの白い馬』(大塚勇三・再話/赤松末吉・画/福音館書店)
『わすれられないおくりもの』(スーザン・バーレイ作/小川仁央・訳/評論社)
『クマよ』(星野道夫・文と写真/福音館書店)
『いつでも会える』(菊田まり子・文と絵/学研)
『あらしのよるに』全7巻(木村裕一・作/あべ弘士・絵/講談社)
『よだかの星』(宮沢賢治・作/中村道雄・絵/偕成社)
『ちいさなちいさな王様』(アクセル・ハッケ作/ミヒャエル・ゾーバ絵/那須田淳・木本栄訳/講談社)
『カモメに飛ぶことを教えた猫』(ルイス・セプルベダ作/河野万里子・訳/白水社)
『ペンキや』(梨木香歩・文/出久根育・絵/理論社)

私の大好きな次の2冊の絵本も紹介して欲しかったな。
『オフェリアと影の一座』(ミヒャエル・エンデ文/フリードリヒ・ヘッヘルマン絵/矢川澄子・訳/岩波書店)
『ウエズリーの国』(ポール・フライシュマン文/ケビン・ホークス絵/千葉茂樹訳/あすなろ書房)

 IMG_3054201109.jpg

今年は、岡本太郎生誕100年ということで、記念誌がいくつか出ましたが、私は別冊太陽日本のこころ『岡本太郎新世紀』(平凡社/2011年/2415円)を買いました。私の中では、毎日見ている太陽の塔がなんだか自然崇拝の神様みたいな存在で、そのせいか岡本太郎の言葉にも心引かれるものが多くあります。この本以外に読んだ著書から少しだけ引用します。

岡本太郎・岡本敏子『愛する言葉』
 (2006年・2011年14刷/イースト・プレス/1000円)より
☆は岡本敏子、★は岡本太郎の言葉。
☆ いいじゃない、傷ついたって。楽しかろうと苦しかろうと、それが人生なんだもの。
★ 自分を大事にして、傷つきたくない、そう思うから不安になるんだよ。
☆ やれることだけを一生懸命やるの。「私はやれることをやっている」って思ったら、そんなにヒステリックになることもないと思うわ。
☆ いま、ありったけ、精いっぱい生きている。それだけしかない。
☆ なんにも突っかえ棒はいらない。平気で、素直に、ありのまま生きている。それが私。
★ ほんとうに素晴らしい女性というのは、目ではなく、心にふれてくるものなんだ。


岡本太郎『壁を破る言葉』
 (2005年・2011年20刷/イースト・プレス/1000円)より
どの言葉もびんびん響いてくるのですが、引用は少しだけ…。
* きみはあなた自身を創造していると思いなさい。
* 思いきって、のびのびと踏みだしてみる。そして人間的な自由とはなんであるか、その歓びをみずから発見するんだ。
* 焦るな。人のために美しいものをつくるというよりも、生命のしるしを、自分に確かめる。
* 絵を描くということは、疑うことのできない、すべての人のうちにある本能的な衝動なんだ。歌うこともそう。叫ぶことも、踊ることも。表現欲というのは一種の生命力で、思いのほか激しいもの。
* 壁は自分自身だ。
* 生きる日のよろこび、悲しみ。一日一日が新しい彩りをもって息づいている。
* 孤独であって、充実してる、そういうのが人間だ。
* いつも自分自身を脱皮し固定しない。そういうひとは、つねに青春をたもっている。
* 突飛だと思われるかもしれないが、いま、この世界で必要なことは、芸術・政治・経済の三権分立だ、と。ぼくは思っている。
* 人間は精神が拡がるときと、とじこもるときが必ずある。強烈にとじこもりがちな人ほど逆にひろがるときがくる。


       20111001sora.jpg

2025PROJECT編『宮崎あおい・宮崎将 たりないピース 2 Love,Peace&Green』
 (2007年/小学館/1500円)
宮崎あおい・宮崎将兄妹が、世界の貧困について、地球の環境について、学びたいと思った地域を訪ねて体験したことをまとめた本。『たりないピース1』もよかったのですが、今回はデンマークの記事に感銘しました。25年前、日本と同じように原発に頼っていたデンマークが、ヨアン・S・ノルゴー著『エネルギーと私たちの社会』によって、大きな変化を遂げます。今や、原発はゼロ、選挙の投票率は80%という魅力的な国に。私たちの意識と行動で、変化を起こすことができるという希望を持ちました。

他に、読んでとっても楽しかった&よかった小説をご紹介します。

加納朋子著『モノレールねこ』(文春文庫/2009年/530円)短編集・上手い!

瀬尾まいこ『おしまいのデート』(集英社/2011年/1200円)短編集・上手い!

高田郁著『八朔の雪』など「みをつくし料理帖」シリーズ
  ただいま6巻まであり。(ハルキ文庫/2009年~2011年/525円~590円)料理好き・時代小説好きでなくても、はまってしまう人情味豊かな小説。

万城目学著『偉大なる、しゅららぼん』(集英社/2011年/1619円)
  関西を舞台に、バカバカしくも読ませてしまうファンタジーを展開している万城目学氏の、今回の舞台は琵琶湖!大笑いした同著者の『かのこちゃんとマドレーヌ夫人』(ちくまプリマー新書/2010年/860円)を合わせて読むと、意外な発見があり楽しい。2006年京都を舞台にした『鴨川ホルモー』、2007年は奈良の『鹿男あをによし』、2009年に大阪の『プリンセス・トヨトミ』と、楽しんでいる万城目学氏、さて、次はどこへ?


テーマ:オススメの本の紹介 - ジャンル:本・雑誌



プロフィール

大空の亀 

Author:大空の亀 
写真の猫は姉のハオと弟のミュー。
ハオは2006年5月5日生(伝)。
ミューは2008年10月10日生(伝)。

空と言葉と草木花が好き。
趣味は読書・文芸。

読書ノート歴33年。
年間読書冊数の平均は、学生時代は
300冊、就職後は100冊~150冊。

ブログ歴 11年1月
2006年 3月17日から始めました。
2006年 9月 9日カウンター22222通過
2007年10月24日カウンター77777通過
2008年 5月23日カウンター100000突破 !
2008年 9月 8日カウンター111111通過
2011年 5月 4日カウンター200000突破 !
2012年 1月10日カウンター222222通過
2014年 9月15日カウンター300000突破 !



カテゴリー



最近の記事



最近のコメント



リンク

このブログをリンクに追加する



最近のトラックバック



月別アーカイブ



カウンター



ブロとも申請フォーム

この人とブロともになる



ブログ内検索



RSSフィード