心に響く本・詩歌・言葉・音楽・風景
私の読んだ本や聴いた音楽、出会った風景の中から心に響いたものを紹介します。
心に響く本‐小林よしのりの漫画3冊
小林よしのりの本(漫画だが、本と言いたいほど読み応えがあった!)を三冊読んだ。

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小林よしのりについては、「ゴーマニズム宣言」という言葉から怖くて傲慢な人なのだろうとか、どこかから右翼らしいということをぼんやりと聞いていて、私にとって苦手な人だなと勝手に想像し、今まで近寄らずに来た。
ところが、先日(といってもだいぶ前になるが)、「脱原発」について発信し続けている「うみそら居士」さんのブログで、小林よしのりの『脱原発論』が紹介してあり、興味を持った。

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小林よしのり自身が「脱原発は右翼とか左翼とか言ってる場合じゃない」と書いているように、「脱原発」は、今を生きている私たち全員の、地球への責任だと思う。
そして、彼の「右翼」も、いわゆる私のイメージの中にあった「国粋主義者の右翼」ではなく、「ふるさとを大切に思う、人として原点のあり方」なのだということが分かった。
すべての考えに賛同するわけではないけれど、少なくとも、他人の頭や既成の主義主張でなく、自分で資料を集め、現地に取材に出かけ、真摯に向き合い、真剣に考え、さまざまな脅しに耐えながら、自身の主張を発表し続けている姿勢に、共感を覚えた。
「ごーまんかましてよかですか」と言いながら、章ごとに自分の意見を述べるのは、「傲慢」だからではなく「謙虚」だからなのだということも感じた。彼の本を読みながら、たえず頭に唱歌「ふるさと」が流れていた。

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        【樹齢600年のケヤキ!】

       1. 兎追ひしかの山 小鮒釣りしかの川  夢は今も巡りて 忘れ難きふるさと
       2. 如何にいます父母 恙無しや友がき  雨に風につけても 思ひ出づるふるさと
       3. 志を果たして いつの日にか帰らん  山は青き故郷 水は清きふるさと

話がそれるが、この歌の作詞をした高野 辰之(たかの たつゆき)には、「朧月夜」「もみじ」「春が来た」「春の小川」など、懐かしくて大好きな歌が多い。

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『脱原発論』 (2012年/小学館/1700円)

収束の兆しが見えない福島原発の大事故、10万年後まで残る危険な核廃棄物等々、どれ一つとっても原発は一刻も早くなくしていかないといけない、政策の失敗であったと思うのに、いまだにその利権にしがみつく人たちがいる。
推進してきた当時の自民党政府は、その責任をどう感じているのか。事故でふるさと(国土)を失ってしまう前に、やるべきことはたくさんあるのではないか。原発の問題点が分かりやすく書かれているので、ぜひご一読を。

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『反TPP論』 (幻冬舎/2012年/1500円)

アメリカの言いなりになる怖い条約。自民党の小泉総理時代に行った「規制緩和」で、労働条件が厳しくなり人々の生活が苦しくなったのは、周知の事実。きちんとした中身を知らず考えず雰囲気だけで投票した人たちが多かった選挙の、反省すべきことの一つだ。
今回も同じことにならないか心配だ。食糧自給率を上げる、内需を拡大する、私たちの暮らしを良くするために国内でできることがまだまだある。外に目を向ける前に、まずは足元からと強く思う。

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『沖縄論』 (小学館/2005年/1600円)

77冊の資料と現地への取材とで、沖縄の歴史をさかのぼって書かれた沖縄論。太平洋戦争の末期、地上戦が行われ多くの犠牲と悲劇を生んだこと、1972年の沖縄返還まで米軍に占拠され施政下に置かれた上、復帰後も米軍基地が多く存在し、不平等な日米地位協定により人権が侵害されている現状、どれもみな本土の人々が知っておかなくてはいけないことばかりだ。
本書では、著者が尊敬する瀬長亀次郎氏について一章を割いているが、このような人格の優れた立派な政治家を陥れた勢力があったことに、憤りを覚えた。この本は辛い本だが、目をそむけてはならない事実が書かれている大切な本だ。

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ここにあげた三冊を読みながら、「知らないこと・知ろうとしないこと」の社会的な無責任さと罪を思った。この三冊を読んで、今まで知らないことがいっぱいあったことを知った。知らずに雰囲気だけで流されていることがいっぱいあった。
今度の選挙は、日本の未来を考える大切な選挙だ。過去の歴史や現状をしっかり学び、各政党の政策をしっかり読んで、自分の考えと一致するところに投票したい。たかが1票、しかし、その積み重ねでしか、政治に関われないのだ。目先の利益だけを見苦しく追うのではなく、子どもたちの未来にも地球全体にも責任の持てる賢い選択をしたい。

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 写真はすべて京都北野天満宮の梅林の奥にある「御土居(おどい)」で撮りました。
晴れていたら、紅葉に透明感が出てもっと綺麗なのですが…。箕面を凝縮したようでした。

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手造りが好き!-この秋の収穫
この秋の我が家の手作りいろいろ
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大きなサツマイモがたくさんとれました。ジャガイモもたくさんとれたのですが、撮り忘れました。

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花が落ちたところから土の中にできるのです。まさに落花生!まずは塩ゆでで食べました。

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もらっていたハートの布を使って、新婚さんにペアのエプロンを作りました。モデルは愚息です。

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ゴブラン織りの布が安く手に入ったので、エプロン2枚・手提げ袋2つ・ランチョンマット4つ作成。

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自治会の文化祭に出した夫制作の切り絵「玉ねぎ」。

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自治会の文化祭に出した私制作の俳句「猫の四季」。

 皆さんの作品は、パッチワークなどとても手の込んだもので、素晴らしかったです。
我が家はささっと急造りで、出展お礼の品を頂くのが、なんだか申し訳ない気がしました。


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心に響く風景-三色彩道の紅葉
 11月16日に撮影した三色彩道の台湾楓・唐楓・アメリカ楓の並木道です。
   秋風を詠んだ有名な俳句と一緒にどうぞ。
       
        吊橋や百歩の宙の秋の風         水原秋櫻子

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        あきかぜのふきぬけゆくや人の中     久保田万太郎

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        秋風や連れだつ友の月日また       飯田龍太

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        秋風をきくみほとけのくすりゆび     沢木欣一

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        ひとり膝を抱けば秋風また秋風      山口誓子

 家から駅までがずっとこの並木道というのは、ずいぶん幸せなことだと思います。
この頃はすっかり有名になり、写真撮影、デイケアの方の散策などでにぎわっています。

テーマ:紅葉 - ジャンル:写真

季節の詩歌(31)コスモスの花揺れ
 季節の詩歌(31)~コスモスの花揺れ~

「空」誌45号掲載の拙文です。昨日撮った万博公園のコスモスの写真とご一緒にどうぞ。

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小説家で詩人でもある富士正晴のエッセイ「コスモスの花」に、次のような文章がある。

コスモスは花が咲くまでは何かいやに場所をとって、もくもくしていて、うるさい感じがしないでもないではないが、花が咲くと、たいへん親しみやすく、やさしく、にぎやかで、しかも可憐で清潔という感じを受ける。どこに咲いていても場ちがいの感じがなく、気にさわらない。風が激しければ地に倒れ、やがてそのまま枝葉をのばして花をひらく。弱くて素直で、しかも強情で強い。生活力の旺盛さが憎いやつというよりは、可愛いやつという感じ。従順で強い花である。

「コスモスの花が好き!」と言う人は、私も含め、周りにたくさんいるが、この文章を読んで「その通り!」と、拍手をしていることだろう。美しく繊細でありながら、強靭さを併せ持つこの花は、「コスモス=宇宙」という名が実にふさわしい。ギリシャ語の原語は、他に装飾・調和・秩序などの意味もあり、花は幕末に渡来していたという。

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・・・明るく寂しい・・・

風船をつれコスモスの中帰る        石原 八束

縺れあうコスモス畑で子を追えりいつまで若い父なのだろう     吉川 宏志

風船を持っているのは、子どもだろう。丈の高いコスモスは、迷路のように子どもを隠す。句も歌も、美しい彩りの中で、初々しい父親としての喜びが感じられ、微笑ましい。が、同時に、少し寂しさが漂うのは、この幸福感が永遠のものではないと、作者が気付いているからだ。

コスモスの揺れて少女にみな還る      内藤 呈念

コスモスのほそく群れさく陽のなかでこの世のふしぎな時間と言えり 永田 紅

コスモスの群れに囲まれると、今を生きているのだけれど、なんだか過去と未来をつなぐ時の揺らぎの中に居るような感じがする。大人は夢見る少女の頃に戻り、少女は子ども時代に別れを告げる寂しさを味わっているのかもしれない。

コスモスに囲まれてゐて一人かな      戸村よねこ

コスモスの花が明るく咲きめぐり私が居らねば誰も居ぬ家      河野 裕子

白、薄紅、桃色…コスモスは明るい色をしている。花が群れ咲く中に人が集えば笑顔が溢れるが、そうでなければ一層一人が身に沁む。子等が成長し、家族団欒もままならぬほど、それぞれが忙しい日々。頭では分かっていても、寂しさは押し寄せてくる。その孤独感を救ってくれるのは、陳腐な言い方だが、やはり愛だと私は思う。

コスモスや少女のままの妻と居り     徳田 正樹

コスモスよ溢れて咲くよ一人では死なせぬと今ふつふつとする    大塚 陽子

相手に全身全霊寄りそう覚悟の感じられる、優しさと強さの溢れた句と歌である。

コスモスのやさしき色と昏れ残る     恒藤 滋生

ゆらゆらと陽に透けながら昏れてゆくコスモス誰かわが胸よぎる   河野 裕子

晴れ渡った青空を背景にしたコスモスは、くっきりと鮮やかであるが、逆光に花びらの透くさまは儚さを感じさせ、しみじみと秋を思わせる。ことに夕暮れ時のそれは、懐かしさと人恋しさを連れてくる。

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・・・揺れて倒れて・・・

コスモスの上にやさしき風生まれ     西本 輝子

中洲にはコスモスひと本咲きいたりそよろと秋の風は吹くべし         永田 淳

二メートル程の高さになるコスモスは、細く裂けた羽状の葉をつけて、優しく風に吹かれる。茎も細く、風に逆らうこともなく揺れるだけに、激しい風は吹いてほしくないというのが、人情だ。

コスモスの一ヘクタール風も棲む     泉田 秋硯

コスモスの花群(はなむら)に風わたるとき花らのそよぎ風のごときもの     長澤 一作

「風も棲む」という捉え方が素敵だ。広いコスモスの野で、花も風を楽しんでいるのだ。「花らの」から始まる下の句が、花の歓びを伝えてくる。

コスモスに来て奔放な風となる      辰巳あした

たわたわに吹かれ乱るるコスモスは風道(かざみち)の中にあるにやあらむ    宮 柊二

ふだんは見えない風の流れが、花や葉を過ぎるとき明らかになる。私たちは、風に東西南北の名前をつけるが、整然と吹く風なんてないのだ、ほんとは。花だって、私たちが望むように真っ直ぐ立つ訳がないのだが、次のような場面に立ち会って、その厄介さに気付く。そして、それが愛おしくもある。

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コスモスや束ね上げてもからめても        寺田 寅彦

やつれゆくコスモスの庭 咲き残りをりしをたぐり寄せ支柱に結(ゆ)はふ    河野 裕子

結わえられたコスモスは、そのまま残りの花を咲かせたことだろう。ところで、元気だと思っていた花が、思いがけず強風に倒れてしまうことがある。

コスモスや剛く生きたる母なりき         中村 恭子

倒れたるままのコスモス花首をすつくともたげ秋の日に咲く        二宮 信子

大好きな義姉が余命数カ月を宣告された日が、そうだった。しかし、台風になぎ倒されたコスモスはその形のまま、しっかり花を咲かせてくれた。命あるものは、そう簡単に自分を見捨てたりはしないものなのだ。懸命に家族のために生きようとする義姉の姿は、大切なことをたくさん教えてくれた。

したたかに咲きコスモスに星降りぬ        戸村よねこ

倒れ伏しそれでも咲きゐるコスモスにしづかな寒さが降(お)りてゐるなり   河野 裕子

倒れ伏すという厳しい現実を受け入れつつも、決して負けてはいないコスモス。「星」に「しづかな寒さ」に、作者の、花に寄せる祈りを感じる。

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・・・この世もかの世も・・・

「一番好きな花はコスモス」と言っていた三人のことを思いながら、私はこの文章を書き進めてきた。乳がんの転移で若くして亡くなった、同級生、義姉、歌人の河野裕子さん。それぞれを知る私は、三人の共通点をあれこれ思うのだが、ことに励まされるのは、彼女たちが最期まで生ききったことである。

消息やコスモス百花揺るる中       青柳志解樹

コスモスの野原よぎりてバス停に亡き人の来る時刻待ちをり      山田 吉郎

世の中を良くするためにと、社会的活動に専念していた同級生は、一緒に出かけたコスモス園で、三人の子どもたちとの充実した時間を、楽しく語ってくれた。今でも、そこに行くたびに、元気で前向きだった親友を思い出す。いや、彼女との会話がしたくて、一人でそこに出かけると言った方が正しい。

コスモスに逢ひに行きます独り旅     小澤 菜美

コスモスの揺れ咲く丘に尋ね当てし墓標は君の建立とあり      遠役らく子

親友の墓碑は、ワンゲル部だった彼女にふさわしく、六甲山を望む丘の上にあるが、そこにコスモスが揺れ咲いていたら、彼女はどんなに嬉しいだろう。

来し方を思ふコスモス一抱へ       奥田 茶々

これからの日々をなつかしく生きゆかむ昨年(こぞ)せしやうにコスモスを蒔く   河野 裕子

一緒に過去を振り返ることができないと分かった時、人はどうするか。思い出してもらえるものを残していくのではないか。いくつかの経験から、私はそう確信している。
早くに亡くなった私の母は、家族で最後に出かけたダム湖の傍に咲く月見草を、どうしても持ち帰りたいと言い、病床から毎夕咲いた花数を問うた。亡くなる直前、私に買いにやらせた沈丁花と併せて、それらの花は私にとって母そのものである。
義姉は、亡くなる数日前まで編む手を止めず、親しい一人ひとりにふさわしいベストを作り続けた。病院に向かう車中でも編み針を動かす姿には、「休んで」という言葉を寄せ付けない必死さがあった。私の手元には、大好きな猫のベストが残された。

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そして、河野裕子さんは、一番好きなコスモスを、家族の集う庭に残した。最期まで詠み続けた歌と共に。最後の歌集『蟬声』と響きあっていてくれればと編まれた、夫君永田和宏氏の歌集『夏・二〇一〇』には、この世に残された人の思いが溢れている。

「さよなら」に揺るるコスモス大落暉       安岡 房子

もつともつと話しておけばよかつたと思ふのだらうおーいコスモス     永田 和宏

コスモスやいたはり合うてゐるやうな       芝 尚子

たつたひとり君だけが抜けし秋の日のコスモスに射すこの世の光      永田 和宏

コスモスに埋れてゐたし眠りたし         緑川 啓子

このふた月あなたの声を聞かないがコスモスだけが庭に溢れる       永田 和宏

君消えてよりコスモスの揺れ初むる        稲畑廣太郎

コスモスの花揺れ日本手拭が揺れればきみと思ふだらうきつと       永田 和宏

最後の「さよなら」は、もうその人の声を聞くことがない、言葉を交わすことがない、ということである。しかし、目の前に咲いているコスモスが、ここにいない人と自分とをつないでくれる。それは、不思議な確かさである。色を持ち、香りを持ち、風に揺れる花であればこそ、語りかけるような優しさで心に触れてくる。切ない…。

テーマ:俳句 - ジャンル:小説・文学



プロフィール

大空の亀 

Author:大空の亀 
写真の猫は姉のハオと弟のミュー。
ハオは2006年5月5日生(伝)。
ミューは2008年10月10日生(伝)。

空と言葉と草木花が好き。
趣味は読書・文芸。

読書ノート歴33年。
年間読書冊数の平均は、学生時代は
300冊、就職後は100冊~150冊。

ブログ歴 11年1月
2006年 3月17日から始めました。
2006年 9月 9日カウンター22222通過
2007年10月24日カウンター77777通過
2008年 5月23日カウンター100000突破 !
2008年 9月 8日カウンター111111通過
2011年 5月 4日カウンター200000突破 !
2012年 1月10日カウンター222222通過
2014年 9月15日カウンター300000突破 !



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