心に響く本・詩歌・言葉・音楽・風景
私の読んだ本や聴いた音楽、出会った風景の中から心に響いたものを紹介します。
心に響く風景-東北旅行(3)
3日目午後:羽黒山→鳥海山

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  【羽黒山】

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  【羽黒山・三神合祭殿】

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  【羽黒山】

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  【国宝・羽黒山五重塔】

曇り空だったのに、鳥海ブルーラインを登るにつれ青空が広がり、鳥海山山頂をみることができた。

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  【鳥海山五合目の鉾立展望台より山頂を望む】

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  【鳥海山五合目より山頂を望む】

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  【鳥海山五合目より日本海側を見下ろす】   この日は、新潟駅前に宿泊。

4日目:新潟ふるさと村→弥彦神社

ゆったりとした敷地の新潟ふるさと村では、お土産購入と昼食。「新潟の夕日写真展」が開催されていて、とても素敵な夕日や夕焼けの写真を見ることができた。弥彦神社では雨となったが、それもまたしっとりとした趣があってよかった。

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  【弥彦神社参道】

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  【弥彦神社本殿・ご神体は弥彦山】

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【帰りの列車から、新潟の最高峰(火打山・焼山・妙高山)。直江津駅からはもっとよく見える。】 

 今回の旅で訪ねた所と同じ所で作られた松尾芭蕉の俳句

立石寺 -閑さや岩にしみ入る蝉の声
最上川 -五月雨をあつめて早し最上川
出羽三山-有難や雪をかほらす南谷(羽黒山南谷別院の残雪) 
        涼しさやほの三か月の羽黒山
        雲の峰幾つ崩れて月の山(月山)
        語られぬ湯殿にぬらす袂かな(湯殿山)
越後路 -文月や六日も常の夜には似ず(七夕前夜)
        荒海や佐渡によこたふ天の河

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心に響く風景-東北旅行(2)
2日目午後:立石寺(山寺)→湯殿山

松尾芭蕉の句「閑さや岩にしみ入る蝉の声」で有名な立石寺(山寺)を、小雨の中、傘をさしながら千段余りの階段を往復。『おくの細道』の中の憧れの地の一つを訪ねることができ、感動した。

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湯殿山で体験・見聞したことは、他言してはならないという修業の地。もちろん写真撮影も禁止。大雨の中、不思議な聖地をお参りしたが、社殿近くの小さな川は、連日の雨で激しい濁流になっており、一種独特の雰囲気があった。蔵王温泉に宿泊。山形県下には大雨洪水警報が出ており、避難した地域があるとのニュースもあり、心配な一夜であった。


3日目午前:月山八合目(弥陀ヶ原)散策

雨は上がっていたが、雲が広がり下界からは山頂が見えない。バスで通過する川は、昨日の雨で水かさを増し、恐ろしい濁流と化している。山を登り低い雲の群れを突き抜けると、青空が広がり山頂がくっきり見えた。しかし、雲の流れは速く、天気は不安定なようだ。高山植物を愛でながら1時間半ほどの散策を楽しむ。

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 高山植物は、終わりかけていたものもあったが、ニッコウキスゲ・イワカガミ・コバイケイソウ・ヒナウスユキソウ・ハクサンフウロなどを見ることができた。
湯殿山と月山は、芭蕉が訪ねたのと順番が逆になるけれども、今の暦に直すと全く同じ日に訪ねることができた!事前に四冊『おくの細道』関連の本を読んだご利益かな。

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心に響く風景-東北旅行(1)
 7月21日から3泊4日で、東北旅行に行ってきました。
一昨年の夏は、平泉・十和田湖・奥入瀬渓谷・角館を中心に回りましたが、
今年の夏は、猪苗代湖・立石寺・出羽三山・鳥海山を訪ねるコースでした。
越後交通のバスガイドRさんが抜群に語りが上手く、それだけで感動ものでした。
お天気は、予報で覚悟していたより恵まれ、充実した気持ちのいい四日間でした。

1日目:サンダーバード、白鷹に乗り、直江津駅(雪渓の残る妙高山が美しい)経由で、東北へ。

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  【バスの車窓から。長方形に区画された立派な田と大空が広がる。遠くには山並みも。】

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  【猪苗代湖と磐梯山】

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  【亀の遊覧船を初めて見た。】

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  【車窓から磐梯山。宿舎は磐梯山のすぐ近くで、猪苗代湖を見下ろすスキー場にあった。】

2日目:午前中は、裏磐梯の五色沼ハイキングを1時間半ほど。

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  【毘沙門沼は、五色沼の中で最大】

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  【裏磐梯山が見える。】

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 曇り空だったのだが、沼の色はとても美しく、毘沙門沼・赤沼・深泥沼・竜沼・弁天沼・るり沼・青沼・柳沼・母沼・父沼と、それぞれの色の違いを楽しみながら、緑豊かな道を快適に散策できた。自然の中を歩くのは、やっぱり気持ちがいいなあ。

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心に響く本-有川浩著『旅猫レポート』と漫画2冊
 今回は、最近読んだ小説と漫画本の紹介です。どれも楽に読めますが、心に響きます。

有川浩著『旅猫リポート』 

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主人公と飼い猫との旅に、小・中・高の思い出を絡め、とても読みやすく書かれた本です。
猫や犬を飼っている人は、終りの方で号泣注意!最後の文もよく、心洗われる一冊です。
有川浩さんの(長編は苦手なのでパス)は、今まで『阪急電車』や『植物図鑑』などを読みましたが、この本がいちばん好きです。


玉川重機著漫画『草子ブックガイド』

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短歌の仲間に勧められて読みました。絵はあまり好みではないのですが、内容が深くて、本好きにはたまらない一冊(1・2巻どちらも)です。
少女草子ちゃんが書く読書感想文が魅力的で、そこで紹介される本も昔読んだ好きな本がたくさん出てきて、もう一度読み返したくなりました。


片山ユキヲ著漫画『花もて語れ』 1巻~4巻

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「朗読」を漫画に?って、と疑問符いっぱいで読み始めましたが、一気にはまりました。
知っているお話ばかりがでてくるのですが、自分がいかに浅くしか読んでなかったかを思い知らされました。
8巻出ていますが、とりあえず4巻で一区切り。読んでいくうちに、朗読している自分がいて、びっくりしました。


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  【暑くても、とにかくハオのそばにいたいミュー(向かって左側)です。】


追加:体調も回復し、久しぶりに「うみそら居士」さんのブログを訪ねたら、次のような記事があり、早速、「ジブリ」のホームページを訪問しました。(色つき字は、うみそら居士さんのブログの文章を引用させて頂きました。)

「憲法を変えるなどもってのほか」。スタジオジブリ(東京都小金井市)が、毎月発行している無料の小冊子「熱風」の最新号で「憲法改正」を特集し、宮崎駿監督(72)が寄せた記事が話題を呼んでいる。
全国の書店では品切れが続出。ジブリ出版部は反響の大きさから、「参院選の投票日(二十一日)前に読んでほしい」と十八日、急きょジブリ公式ページで公開を始めた。


パソコン上でとりあえずさっと流し読みをしましたが、大切なことが書かれていると思ったので、じっくりと読みたくて、たくさんありましたが印刷しました。特にp20~p26の高畑勲監督の文章は、明快で、お勧めです。
ジブリの好きな皆さんはぜひ、ジブリ公式ページの中の特集「憲法改正」http://www.ghibli.jp/docs/0718kenpo.pdfを訪問してみてください。
ジブリ作品は欠かさず映画館に見に行っている私、7月20日公開の「風立ちぬ」も楽しみにしています。

テーマ:オススメの本の紹介 - ジャンル:本・雑誌

季節の詩歌(35)~蛇の長さ~
 皆さん、お元気ですか?私は、先月下旬にひいた夏風邪がなかなか治らなくて、体調を壊していましたが、なんとかましになってきました。「たかが風邪」が、全然そうではないことを知った二週間、つくづく健康でいることの大切さを思いました。年をとると、治りが悪いです。皆さんも、お気をつけ下さい。

 今回は、「空」誌に載せて頂いている拙文です。長いですので、気の向かれたときにでも…。

季節の詩歌(35)~蛇の長さ~
                
 ベランダや貸農園で上手に野菜を作り、定年退職後は、念願の田舎暮らしで農業をしたいという友人がいる。ところが、彼女は大の蛇嫌いで、蛇という字を見ただけで怖くなるという。「蛇の方が、大きな人間を怖がっているわよ。」と、私は笑うのだが、概して、女性は蛇が苦手のようである。次の二句は、蛇と出会った時の様子やその後が、現場にいるようによく分かる。客観的に描写することによって、人間性や滑稽味がうまく出た、面白い句だ。

息つめて蛇の全長見送りぬ     山下由理子

蛇見しと事件のやうに言ひつのる  横井 明子


 蛇は、田畑や家に害を与えるネズミや白アリを食べてくれ、人に益のある生き物でもあるのだが、四肢のない細長い形や動き方が不気味で嫌われるのだろう。冒頭の彼女のように感じる人が多いようで、巳年の今年は、年賀状に干支の絵や字が少なかった気がする。と、これは一般の話。文学の世界では、蛇をじっくり観察し、時には蛇と同化してしまったのではと思う作品に出会うことがある。

草むらにうごかぬ蛇の目と遭ひぬ  長谷川素逝

蛇逃げて我を見し眼の草に残る   高浜 虚子

蛇を見て光りし眼もちあるく      野沢 節子


蛇の目といえば、「蛇の目をかたどった大小二つの同心円からなる模様」をすぐに思い浮かべるが、実際はどうだろう。同じ爬虫類のトカゲの目は可愛いが、蛇と目を合わせた経験がないので、正直よく分からない。「蛇の目をした男」などという比喩には、どこか本心を隠したずるい印象があって、蛇には悪いが、「鋭い目つき」「意地悪く冷酷そうな目」という辞書の意味も頷ける。さて、ここにあげた三句の蛇の目は、確かな意志を持つ強い視線でじっと人を見つめている。実は、蛇も人間を恐れているのかもしれないが、それ以上に人間がたじろいでいるゆえに、蛇の目から自らの目を逸らすことができず、いつまでも心に残るのであろう。

本当に 知っているのか/へびの目の/空と同じ青の/透明を         工藤 大悟

 先ほどの句「光りし眼もちあるく」の作者は、ついに蛇と同化したと感じたが、この歌を読んだときにも同じことを思った。空と同じ色をした蛇の目に、作者は自分と同じ孤独を感じ取っているのだろう。


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       【今年は、スモモがたくさんなりました。この写真では分かりませんね。】


 先に述べた蛇嫌いの友人に、その訳を尋ねたことがある。子どもの頃、青大将が畳の上をゆっくり蛇行しながら、部屋を横断していったのだという。白蛇の棲む家は栄えるという言い伝えなどもあるようだが、蛇が家の中に侵入してくるのは、さすがに気味が悪い。野山で突然出会う蛇も、確かにドキッとするけれど、自然への侵入者は人間の方だという自覚があるから、蛇への申し訳なさの方が先に立つ。

蛇もまた人間嫌ひひた逃ぐる    右城 暮石

日盛りに夏野を来ればいくたびかおどろく蛇の草隠れゆく             熊谷 直好


 人間は蛇が嫌いだが、蛇だって人間が嫌いなんだよという句、「ひた逃ぐる」蛇には、以前人間から酷い仕打ちを受けたという記憶がありそうだ。蛇に出会って驚く人間と、人間に出会ってしまって驚く蛇。気の毒に、結局、逃げ隠れるのは蛇の方なのだ。
人間はというと、次の句のように、俳人はいたって冷静に蛇を観察することとなる。

全長のさだまりて蛇すすむなり   山口 誓子

蛇過ぎし道のしばらく動きをり   柴田佐知子


 一句目、蛇行していた蛇が、体を伸ばし直進し始めたことにより、長さがはっきりしたのである。「さだまりて」から、蛇と作者の安堵感が伺える。二句目は蛇行しつつ前進していった蛇。凝視していた作者の目は、蛇と一緒に動いていたのだろう。まだ、その影響下で幻惑されているように思われる。

少年のわが見し蛇の裔(すえ)なるか今くねりつつ草に消えゆく          三井 修

足裏うすき田植え靴はき畦歩む草の上しゅわしゅわくちなわもゆく       西垣田鶴子


 一首目は、少年の頃暮らしていた、自然豊かな地を再訪した時の歌だろう。かつて見た蛇と似た色合いの蛇と出会い、懐かしいさまざまな出来事が胸に浮かんだのだと思う。少年にとって、蛇は身近な存在であったはずだ。農業をしている人にとっても、蛇は親しい存在だ。二首目の「しゅわしゅわくちなわ(朽縄)もゆく」という言い方が、畦道とマッチしている。土や草を直に感じる靴を履いている作者にとって、自然の生き物すべてが仲間なのだろう。


 小学生の頃、山奥にある母の実家に行くと、蛇の皮がずらっと壁に掛けてあった。祖父が蛇を捕まえる名人だったと聞いたが、確かなことは分からない。乾燥させた皮を漢方として利用したり、まむし酒を作ったりしたのかもしれない。裏山が台所に迫った家だったから、蝮なども出て危険だったのだろう。

小蛇ながら鎌首あげて威嚇する蝮は生まれながらに蝮               西垣田鶴子

蛇搏ちし棒が昨日も今日もある   北野 平八

蛇取りの袋確かに動きけり     谷川 守可


死んでゐる蛇をしまひし布袋    茅根 知子

「マムシが出ます。危険注意!」という立て札を見ることはあっても、現実に遭遇したことがないので、私は、歌や句で様子を知るのみである。蝮は毒蛇ではあるが、臆病な小蛇で、人間が手出しをしなければ咬みに来ることはないという。それでも、人間はそれぞれの理由で、蛇を搏ち捕まえる。飼っている鶏の卵を守る必要もあるだろう。生活のために仕方ないと思いつつも、やはり殺生は辛いものである。感触が手にも体にも残って、どこかすっきりしない思いが、どの句からも読み取れる。

 
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       【短歌の仲間に頂いた書を、よりやんのところで表装してもらいました。】


 中学二年生の時だった。校舎にあった燕の巣を蛇が狙っているのを見つけ、友だちの一人は職員室まで走った。ここからの記憶は少し曖昧なのだが、皆で箒の柄で追い払ったり、代わりに鶏の卵を与えたりしたのではなかったか。苦しそうに大きな卵をのみ込んだ様子と、つぶれた殻を吐き出した場面は鮮明に思い出すことができる。

めきめきと蛇が鳥呑むはやさかな  江里 昭彦

石亀の生める卵をくちなはが待ちわびながら呑むとこそ聞け            齋藤 茂吉

夏の蛇水盤のへりに喉をおき時やはらかに水呑みてをり              日高 堯子


卵はまだ喉を通りやすいだろうが、鳥などの生きた小動物は、細い筒状の体内で引っかかりそうな気がしていた。だが、句の「めきめき」という語に、銜えこむ歯や顎の強さが表され、「はやさ」に納得がいった。石亀は池から出て土中に卵を生み、蛇は、その見えない卵を掘り出して呑むという。作者の関心の強さが「こそ」に出ている。変温動物の蛇は、体温調節のためにも水が必要なのだろう。「やはらかに水呑みて」が、獲物を呑むのと違い、平和である。そういえば十年ほど前、水面を泳いでいる蛇を見た時、その速さに驚くとともに静かな情景だと思った。

蛇泳ぐ波をひきたる首かな     高野 素十

まさに、この句そのままの様子であった。首をくっと上げ、池の端から端まで軽やかに泳いでいった。

青あらし濠わたる蛇を吹き戻す   水原秋桜子

蛇の泳ぎ方は、力を抜いて水の抵抗を減らしているように見える。地上と違って、体を支えるものがないから、強い風にも容易く影響を受けるのだろう。

ながき影くねらせ川をのぼる蛇あるいは蛇をくだりゆく川             小黒 世茂

川を泳いでいる蛇と水の流れの、速さの違いや両者の関係がよく分かる歌である。言葉の使い方のせいだろうか、閑静な世界に感じられる。


ルナール『博物誌』に有名な「蛇 長すぎる。」
という詩がある。長さが、蛇の一番の特徴と言えよう。しかし大抵は、蛇行しながら移動している蛇か、とぐろを巻いている蛇しか見かけないので、一、二メートルかと予測はしても、案外正しい長さは知らない。次の句の蛇は、車にでも轢かれたのだろうか、路上に身を伸ばし長さを曝すことになってしまった。蛇にとって、死後のこの事実は不覚なことだが、それは蛇に限ったことではないかもしれない。

蛇死して正しき長さ曝しけり    柴田佐知子

蛇は自然の中ばかりでなく、人の暮らしに近いところでもよく見かけるので、「蛇足」や「竜頭蛇尾」「蛇の道は蛇」「蛇ににらまれた蛙」など故事成語や諺にもよく登場してくる。次の句や歌に出てくる蛇は、墓地、石垣、自販機、マンホールといった、人が作った物がお気に入りのようである。どれも、冷たい感触が蛇の体質に合っているのだろう。

奥津城を蛇身あらはに動かざる   朝妻 力

南風に海ひろがれば石垣のすきまより出で蛇は輝く                山田富士郎

野の闇の中の孤独の自販機の灯のまへ過(よぎ)るくちなはのあり         伊藤 一彦

紋様を味はふやうにゆつくりとマンホールのうへ蛇わたりゆく            大塚 洋子


動かない蛇、出で輝く蛇、過る蛇、わたりゆく蛇、いずれの作者も、長い時間、蛇を観察しているのが印象的だ。詠む対象として凝視している人たちは、先入観を持たない。川端康成「掌の小説」中の「蛇」も、ただ見るということの喜びを教えてくれる。

四十四歳の稻子が見た夢である。・・・(中略)・・・五匹の蛇はそれぞれ色がちがつてゐた。稻子は目がさめてからも、それぞれの色をよく覺えてゐる。その一は黑い蛇だつた。その二は縞の蛇だつた。その三はかがしのやうに赤い蛇だつた。その四はまむしのやうな模様があるが、まむしより鮮かな色だつた。その五はメキシコ・オパアルが光つて焰の見えるやうな色で、凄くきれいな蛇だつた。「ああ、きれいだ。」と稻子は思つた。・・・(後略)・・・

テーマ:俳句 - ジャンル:小説・文学



プロフィール

大空の亀 

Author:大空の亀 
写真の猫は姉のハオと弟のミュー。
ハオは2006年5月5日生(伝)。
ミューは2008年10月10日生(伝)。

空と言葉と草木花が好き。
趣味は読書・文芸。

読書ノート歴33年。
年間読書冊数の平均は、学生時代は
300冊、就職後は100冊~150冊。

ブログ歴 11年5カ月
2006年 3月17日から始めました。
2006年 9月 9日カウンター22222通過
2007年10月24日カウンター77777通過
2008年 5月23日カウンター100000突破 !
2008年 9月 8日カウンター111111通過
2011年 5月 4日カウンター200000突破 !
2012年 1月10日カウンター222222通過
2014年 9月15日カウンター300000突破 !



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