心に響く本・詩歌・言葉・音楽・風景
私の読んだ本や聴いた音楽、出会った風景の中から心に響いたものを紹介します。
心に響く本-宮脇昭氏の取り組み
 だいぶ前になりますが、うみそら居士さんのサイトで、宮脇昭氏のことを知り感動しました。今までの不明を恥じ、本を四冊読みました。内容的には重なることも多いのですが、とにかく素晴らしい!の一語です。長年の徹底した研究で確かな裏付けを持ち、さらにそれを熱い思いで実現されている、宮脇氏の考えと行動力を全面的に支持したいと思っています。

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 本に載っていたサイトから、このようなセミナー(東日本大震災復興支援セミナー/いのちを守る森づくり-森の長城プロジェクトの取組み)があることを知り、早速、申し込みました。
宮脇氏が講師で来阪されるので、直接お話を聞けるのが楽しみです。

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宮脇昭著『三本の植樹から森は生まれる-奇跡の宮脇方式』
(祥伝社/2010年/1000円)
地球環境の破綻を食い止めるためには、引き算の省エネだけでなく、足し算の森作りが必要であるという考えのもと、その土地にあった具体的な植林の方法(ドングリからの苗木を作る方法から、植林に取り組んでいる組織の紹介まで)が書かれています。写真も豊富で、たった三年で豊かな森に成長していく様子に感動します。


宮脇昭著『植物生態学者の理論と実践』
(講談社現代新書/2013年/740円)
帯文―4000万本以上の木を植えた科学者の熱きいのちの物語
P168 防災・減災の基本は、非生物的な人工の材料と何千年もそこに生き続ける緑の構築材料をどう使い分け、使い切っていくかにかかっています。
 死んだ材料は当然生き抜こうとはしません。一方、生きている緑は自ら必死になって生き抜こうとします。ここに大きな違いがあるのです。緑の生命力と再生力を積極的に活用すべきです。森の力を借りればいいのです。森と共に生き抜こうとすればよいのです。
P187 私はまだ八五歳。いのちの森づくりの一億本の植樹を目指して、みなさんと一緒に明日も明後日も木を植え続けます。東北被災地はもちろんのこと、日本各地、アジア各地、世界各地でいのちあるかぎり、木を植え続けることをみなさんに誓います。

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宮脇昭著『鎮守の森』
(新潮文庫/2007年/420円)
阪神・淡路大地震後調査した植物学者の著者は、予想が当たっていたことを確認する。すなわち神社の森は鳥居や社殿が崩壊しても倒れていなかった。さらに著者のいう潜在自然植生の木(その土地に最も合った木)は、防火の役目も果していたのだった。(アマゾンより)

一志治夫著『宮脇昭、果てなき闘い(新版‐魂の森を行け)
(集英社インターナショナル/2012年/1400円)
p162 木を植えれば日陰はでき、落ち葉が舞い、虫も来る。でもそれは、自分が都市砂漠の中で当分生きていける、他の生物と共生できるという命の証なんです。落ち葉を踏んで生きていけるということは、生態系の一員、緑の寄生虫の立場でまだ生かされている証なんです。それを枯れ葉が落ちるから木を切れとか、あるいは殺虫剤、殺草剤で全部やってしまえというのは、自殺行為なんです。

p 204 宮脇は、防潮堤の構想を「いのちを守る森の防潮堤」と名付け、実現に向けて邁進していく。一方、日置(輪王寺住職)は「いのちを守る森の防潮堤推進東北協議会」を立ち上げ、防潮堤に植える広葉樹の苗木づくりの活動を主に担うこととする。
森の土台となるマウンドは、高さ20メートル。ここに土地本来の木であるタブノキやシラカシ、ウラジロガシ、アカガシ、スダジイ、ヤブツバキなどおよそ9000万本のポット苗を植える。これが10年もすれば成長し、最終的には30メートル近い高木となって計50メートルほどの鬱蒼とした森の防潮堤が完成するわけである。
肝心なのは、マウンド内に津波で出た大量の瓦礫を土と混ぜて埋めることである。適当な隙間が酸素を有し、根群の呼吸を助ける。できれば地面より数メートルの深さの穴を掘り、そこに瓦礫を入れ、上から土で覆いほっこらとしたマウンドとする。
 木々の根は成長するにしたがって瓦礫を抱え込み、やがてそれを分解し、有機土壌へと変えていく。瓦礫を燃やすこともなく、さらには、いわゆる「広域処理」という名のもとに全国の都道府県へと運ばれることもなく、その場で処理できる画期的な方法だった。

・・・法律の壁、環境省の壁、様々な困難が立ちはだかるが、宮脇と彼の右腕である新川は徐々に駒を進め、2012年5月25日、財団「瓦礫を活かす森の長城プロジェクト」http://greatforestwall.com/が正式に発足した。


 先日のニュースで「樹林墓地(葬)」というのを紹介していて、自分が亡くなったあとが木や森になって、自然環境に役立つって、とてもいいなと思いました。例えば、エジプトの王が自分の墓としてピラミッドやスフィンクスを作る代わりに、森を作っていれば、今の地球もずいぶん違っていたのにと思います。時の権力者が本当に賢く、人民や自然のことを考えられる人であったなら、人類の英知はもっと発揮できたのではないかと、日本の原発事故の処理と総理大臣の動きを見ても、つい思ってしまいます。宮脇氏のように、立派な人物が現におられるのに…。


 8月31日追記:映画『少年H』を観てきました。

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 とてもいい映画で感動しました。さすが『鉄道員(ぽっぽや)』などでおなじみの降旗康男(ふるはたやすお)監督の作品だけあって、心情が丁寧に描かれていて、「人のあり方」が心に沁みました。降旗監督が子どもの時(長野県松本)、「少年兵の募集があっても、絶対に手を挙げてはいけない。」と言ってくれた国民学校の先生と同じような人が、神戸にもいたというのを「Hのお父さん」にも感じ、そういう「物事をきちんと考える一人ひとりの存在」の大切さを伝えたい、という気持ちの反映された映画でした。
還暦を迎えた水谷豊の魅力が「Hの父親」の魅力と重なり、また奥さんの伊藤蘭さんとの共演も自然で、素敵でした。H役の吉岡竜輝くんの演技は、子どもの頃の「妹尾河童(原作者)」さんを彷彿とさせ、妹役の花田優里音ちゃんの愛らしさには参りました。戦争の時代を背景としているけれど、描かれているのは「真に良識のある人間」で、とても良質な映画で、しみじみとしたものが心に残っています。

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心に響く言葉-今日の新聞から
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 【神戸ハーバーランド/携帯で撮る/水平線近くの入道雲と上空の秋の雲】

 数年前まで、二学期は9月1日スタートでしたが、授業数確保やクーラー設置により、私の住むところでは、夏休みが1週間ほど短くなりました。恐ろしく暑かった夏も、もう終わりですね。蝉の声が少し減りました。ときどき日傘をくるくるっと回して遊びたくなるような風が吹いてきます。
この夏は猛暑や大雨による被害も多く、喜ばしいことばかりではありませんでしたが、野球の好きな私には、楽天の田中将大投手、阪神の藤浪晋太郎投手、広島の前田健太投手など若手の活躍や、イチローの野球に純粋で努力を惜しまない姿勢による偉業達成は、とても嬉しいものでした。今回は、今日(8月23日)の新聞で、共感を覚えた言葉を抜き出します。

イチロー(大リーガー)
「4千の安打を打つには、8千回以上は悔しい思いをしてきた。それと常に向き合ってきたので、誇れるとしたらそこじゃないかな。」


伊集院 静(作家)
「すぐに役に立つものを手にして、うまくいってると思うな。金をすべての価値基準にするな。自分さえよければいいと考えるな。丁寧は仕事の基本だ。丁寧は人間の誠実の表れだ。誠実は生きる姿勢だ。」


渡辺京二(日本近代史家)
「まだ経済成長が必要ですか。経済にとらわれていることが、私たちの苦しみの根源なのではありませんか。人は何を求めて生きるのか、何を幸せとして生きる生き物なのか、考え直す時期なのです。」


 先日の「カンブリア宮殿」で、作家の村上龍がモスバーガーの経営を評して「徹底した誠実さ」と言ったのが、心に響いた私は、自分の生き方の指針として、これは肝に銘じたいと思いました。ここにあげた新聞の言葉もそうですし、前にアップしたジブリの映画も「誠実」であることの大切さを教えてくれました。「徹底した誠実さ」は、自分も他人も気持ち良くしてくれ、信頼関係を構築してくれるというのが、実感です。
もうひとつ、最近読んだ本の中にマハトマ・ガンジーの「明日死ぬように生きよ。永遠に生きるがごとく学べ。」の言葉が出てきて、手帳にメモしました。この言葉のように日々を大切に力を尽くして生きたいと思います。ただし、時々は息抜きも忘れずに…ですけれどね。

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 【猪名川の花火/本当はもっと華やかですが、わが腕とわがデジカメでは…】

小田雅久仁の小説『本にだって雄と雌があります』 p302より
「たった一行の文章を書くのでも、たった一つの言葉を選ぶのでも、それを裏から支えるなんらかの精神がなければならない。いっさいの言葉はなんらかの形で書き記す者の精神に根を張っていなければならない。それを積み重ねて、ようやく一冊の本ができあがるのだ。」

言葉が饒舌なファンタジーで、おまけに字もぎっしり詰まっていたので、初めのうちは読み切れるか心配だったが、なんだか先が気になり読み続けるうち、p60くらいからぐんと面白くなった。リアルな出来事をうまく絡めて、本好きにはたまらない小説であった。不真面目そうに見せながら、実は真面目な小説。

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あんなことこんなこと-ちょっと故郷へ
 ちょっとふるさとへ

両親・姉妹・義姉のお墓参りに1泊2日でふるさと内子と恩師や級友のいる松山へ。
新しく「町の駅」というお店ができていて、内子座の素敵な絵葉書を手に入れました。

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  【子どもの頃も、こんな入道雲を見ては「夏休み!」と思っていました。】 


「塔」短歌会の上﨑智旦さんの歌集『くろつぐみ』より、内子を詠んだ歌をいくつか。

にはか雨に駆け込みし酢屋の軒下で差し出されたりコップの玉子酢

江戸風の大き提灯下がりゐる大森和らふそく屋にらふそくを買ふ

新しき幟はためく内子座の瓦屋根のうへに夏空広がる

木蠟と生糸に栄えし山あひの内子の町に残る内子座

小田川の橋のたもとの楡の木の小さな木陰に陽ざしを避ける

村役場は在りし日のまま旅人の宿舎となれり山を背にして 

蝉の鳴く内子の町の昼下がり白き日傘の人が過ぎ行く



他にも著名な俳人の方々が内子を詠まれた俳句を見つけました。

たむらちせい句集『菫歌(きんか)』より・「蝶」主宰(2010年より顧問)

かざぐるま止まりたる緋の内子町

春昼に点もる蠟の火泪色



伊藤通明句集『荒神(こうじん)』より・「白桃」主宰

内子座に雨をさけたる桜まじ

愛媛銀行内子支店の燕の巣



津田将也「青群」2011年秋号より 

芝居見終えて 内子の時雨に遇いました

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  【この色の百日紅(さるすべり)がいちばん好きです。】


『伊丹公子全句集』の中の1985年刊『パースの秋』より

和蠟燭の町

街道に梅咲くは 木蠟幻影か

滅びの燭をかこむ 風花 梅の暖

和蠟の町に 忘れた言葉 忘れたまま

厚く永い静謐 海鼠壁に沿う

瓶詰鰍(かじか)と木蠟 並ぶ 町の果て

和蠟燭作りの一家 眉 沓(よう)

蠟で冷えた 和蠟師の指 梅の家

焔となる前の和蠟へ あつまる雪

屏風の漢字 四角に並ぶ 蠟晒す

木蠟屋敷の 揺椅子 揺れない 風花季

箱階段の 音階の波 火の海へ

木蠟屋敷の廃園 雀は丸く丸く

風に窶(やつ)れ 古道に猫と和蠟燭

木蠟の町 寝てしまう 梅の香に

蠟梅は 和蠟の飛び花 内子路地



 松山三越で岩合光昭写真展「ねこ歩き」を見てきました。

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【我が家のハオとミューが写ってる!と嬉しくて購入した写真集と絵はがき。】

 松山では、高校の同級生たちと飲み会&カラオケ。今回も午前さまで、たくさん歌いました。
1月からずっと入院中の恩師のお見舞いにも行け、思っていたよりお元気な姿に安心しました。

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     【車窓より明石海峡大橋】

行きは瀬戸大橋・高松道経由ですべての通行料の合計は8000円ほど、帰りは徳島道・淡路島経由で通行料合計は4000円ほど。ETCの割引が時間帯によっていろいろあるみたいで、帰りの安さには驚きました。ガソリンの消費量も徳島・淡路島経由の方がうんと少なくて、今までずっと瀬戸大橋・高松道経由だったのをちょっと後悔しました。

 8月17日追加:嬉しい記事を見つけたので…

1308俳句甲子園吹田東

 松山を訪ねたとき、大街道に「俳句甲子園」のお知らせがありました。今回、大阪の代表として出場するチームには、よく知っている生徒や先生がいますので、とりわけ応援の気持ちが強いです。今年初めて予選を見に行き、頑張る高校生やOBである大学生たちの輝きに、心打たれました。私立の進学校が強敵ではありますが、ここは公立高校の素朴で伸びやかな良さを生かして、ぜひ気持ちのいい闘いをと願っています。

テーマ:日記 - ジャンル:日記

あんなことこんなこと-宮崎駿監督作品「風立ちぬ」
 見てきました、宮崎駿監督作品「風立ちぬ」

 kazetatinu201308.jpg 【パンフレット表紙】

ジブリの作品は大好きで、ほぼ全作欠かさず見ていますが、この夏の「風立ちぬ」は、今までで一番深い感動を覚えました。

すべての場面に誠心誠意取り組んで作られた作品だというのが、嬉しいほど心に届き、その抜群に丁寧で良質な仕事ぶりにうっとりしました。熟練した創作者&製作者の、誠実で一生懸命な仕事ぶりだけでなく、余裕と良心も、今までのジブリ作品以上に強く感じました。松任谷(荒井)由実のエンディング曲「ひこうき雲」が流れる中、涙が止まらなかった(隣の席の夫も)のは、悲しさからではなく、その仕事に対する姿勢に魂を揺さぶられたからなのだと思います。

主人公は、飛行機の設計士「堀越二郎」なのですが、そこに、監督の「宮崎駿」を重ね、二郎の声を担当した「庵野秀明」を重ね、先日の東北旅行でのベテランバスガイドさんを重ね、あらゆる場所で、自分の仕事に誠実に取り組んでいる人たちを重ね…、「生きる」意味を考えさせてくれる名作でした。もう一度見たい、テーマの深い作品です。

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 【ベランダで羽化した?シオカラトンボ。飛び立つまで、かなり長い時間じっとしていました。】

テーマ:スタジオジブリ作品 - ジャンル:映画



プロフィール

大空の亀 

Author:大空の亀 
写真の猫は姉のハオと弟のミュー。
ハオは2006年5月5日生(伝)。
ミューは2008年10月10日生(伝)。

空と言葉と草木花が好き。
趣味は読書・文芸。

読書ノート歴33年。
年間読書冊数の平均は、学生時代は
300冊、就職後は100冊~150冊。

ブログ歴 11年6カ月
2006年 3月17日から始めました。
2006年 9月 9日カウンター22222通過
2007年10月24日カウンター77777通過
2008年 5月23日カウンター100000突破 !
2008年 9月 8日カウンター111111通過
2011年 5月 4日カウンター200000突破 !
2012年 1月10日カウンター222222通過
2014年 9月15日カウンター300000突破 !



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