心に響く本・詩歌・言葉・音楽・風景
私の読んだ本や聴いた音楽、出会った風景の中から心に響いたものを紹介します。
心に響く本-重松清『卒業』(新潮社・1600円)
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重松清さんの本は、この本で7冊目。彼の小説は、40歳程の人とその子ども(10代)を描いたものが多く、両方の世代の立場で読むことができる。人の思いに寄り添う優しさが、私をひきつける。
不登校だったり、いじめられていたり、死が迫っていたりと、辛い思いを抱えている人が出てくるので、初めは読むのが少々重たい気がするかもしれない。しかし、読み進むうちに、解決の糸口が見え、作者の深い優しさが、読み手にじわじわと伝わってくる。
涙をぼろぼろこぼしながら読み終えたあとには、心が温かくなっている。「最後は、絶対大丈夫」という安心感に身をゆだねて読む心地よさが、彼の小説にはある。

その中でも、特に心に深く残ったのが、この『卒業』。四つの短編からなる本で、1年9ヶ月の間に13刷というのも頷ける。教師の父子と教え子を描いた「あおげば尊し」(映画化)、兄妹と母を描いた「まゆみのマーチ」、自殺した友人とその娘を描いた「卒業」、二人の母と息子を描いた「追伸」、どれも心を打ち、いっぱい涙を流した。

追記:
「塔」3月号の編集後記に江戸さんが「以前は村上春樹とかが好きだったが、今は、重松清の小説が好きだ。文体もストーリーも平明だけれど暖かく、何作も読んでいると彼自身の心の深い傷を感じる。」と書いておられた。私も同じ事を思っていたので、とても嬉しかった。
若くて自分の思いにこだわっていたときは、村上春樹の小説ばかり読んでいた。息子たちとキャンプを楽しんでいた時期は、椎名誠の明るく活動的な本が面白かった。そして、今、重松清の優しい視線が好きだ。思春期の子どもたちとその親の世代へのメッセージが、心にしみる。

追記Ⅱ:
今日(4/14)の「折々のうた」に江戸 雪さんの歌が載っていた。
「傷つけたことよりずっとゆるされていたことつらく椿は立てり   江戸 雪」
前述の編集後記とあわせて、なるほどと思った。

テーマ:やさしい気持ちになれる本 - ジャンル:本・雑誌



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大空の亀 

Author:大空の亀 
写真の猫は姉のハオと弟のミュー。
ハオは2006年5月5日生(伝)。
ミューは2008年10月10日生(伝)。

空と言葉と草木花が好き。
趣味は読書・文芸。

読書ノート歴33年。
年間読書冊数の平均は、学生時代は
300冊、就職後は100冊~150冊。

ブログ歴 11年6カ月
2006年 3月17日から始めました。
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