心に響く本・詩歌・言葉・音楽・風景
私の読んだ本や聴いた音楽、出会った風景の中から心に響いたものを紹介します。
心に響く本-まど・みちお
9月11日付けのお知らせ 「9月6日猫日記(haoの日々)」に、お待ちかねKANEGONコメントが追加されました。どうぞお楽しみ下さい。

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まど・みちお 『いわずにおれない』 (集英社be文庫・648円)
題名を見たとき、「文句を言わずにおれない」というふうに受け取って、まどさんらしくないなあと思った。でも、この「いわずにおれない」は、文句ではなく、すべての存在に対する愛が、「いわずにおれない」=「詩を作らずにおれない」まどさんのことだとわかり、ほっとした。
まどさんの詩はやさしい。優しく易しい。だから、わかりやすい。でも、そのわかりやすさを侮ってはいけない。実に深い思いが込められているのだ。
この本は、インタビューに答えたものをまとめたものだが、詩を読む楽しさをいっぱい教えてくれる。まど・みちおさんの魅力があふれている、とても素敵な本だ。

例えば、誰もが知っている「ぞうさん」について、こう語っている。(p11)
〈ぞうさん/ぞうさん/おはなが ながいのね〉と言われた子ゾウは、からかいや悪口と受け取るのが当然ではないかと思うんです。・・・(中略)・・・われわれ情けない人間だったら、きっと「おまえはヘンだ」と言われたように感じるでしょう。
ところが、子ゾウはほめられたつもりで、うれしくてたまらないというふうに〈そうよ/かあさんも ながいのよ〉と答える。・・・小さい子にとって、お母さんは世界じゅう、いや地球上で一番。・・・つまり、あの詩は、「ゾウに生まれてうれしいゾウの歌」と思われたがっとるんですよ

たったこの二行の歌詞で、命の豊かさとたっぷりの愛を感じさせるのだから、素晴らしい。

こんな素敵な詩もある。(p44)春のブログに書きたかったな。
まいねんの ことだけれど      また おもう
いちどでも いい          ほめてあげられたらなあ…と
さくらの ことばで         さくらに そのまんかいを…

「さくらのことばで」なんて考えたこともなかった。「わたしのことばで」話すだけでなく、「あなたのことばで」「こどものことばで」「ことりのことばで」「そらのことばで」と、想像していったら、気持ちが優しくなってきた。まどさんの詩には、深い愛がある。

次のような(p45)、心に響く言葉が満載の本です。
「結局はわからない、理解し合えない」ということを胸底にとどめ、それでも、わかりたい、伝えたいと願う。わかろうと、伝えようとし続ける……それは、人とつき合ううえでも、また人間以外のものたちに対するときにも、忘れてはならないことなのかもしれない。」

テーマ:オススメの本の紹介 - ジャンル:本・雑誌

この記事に対するコメント

さくらの ことばで


いいなぁ・・・

子どもがまだ幼くて、ことばを上手に使えないときに、子どものことばに子どもの気持ちに寄り添うように話していたのに、他の存在にそんな気持ちを持ったことはありませんでした。

小学校1年生の教科書に「ずーっとずっと大好きだよ」という作品が載せられています。
生命を伝える内容なのですが、私の気に入っているところは
好き という気持ちをことばで伝えてあげよう っていう部分。
飼い犬にことばで好きと伝えるときに、どんなしぐさで伝えるのだろう・・・
抱っこしてるのかな?
なでなでしているのかな?
それとも・・・?

ことばは1番ではないけれど、コミュニケーションの手段としてはかなり重要?有効?だって思っているので。

好き ありがとう ごめんなさい  は、きちんと相手の目を見て伝えたい。



早く読みたくて、さっそく予約を入れました。
待ち遠しい!


>わかりたい、伝えたいと願う。わかろうと、伝えようとし続ける……

わかりたい、伝えたい の気持ちが強くあふれる人ほど、易しい表現で話してくださる気がします。

【2006/09/10 18:58】 URL | kimico #Zr2/WiYY [ 編集]

kimicoさんへ
「わかりたい、伝えたい の気持ちが強くあふれる人ほど、易しい表現で話してくださる気がします。」
同感です。自分を賢そうに見せたくて難しい言葉を使う人は、愚かだなあと思います。

子供の言葉で寄り添うように話しているkimicoさんの様子が見えるようです。
相手を思う優しい気持ちが、想像力を働かせてくれるんですよね。

まどさんの本、早く手元に届いて、子供さんと一緒に読めるといいですね。
【2006/09/10 20:18】 URL | 大空の亀 #- [ 編集]


偶然にも今日、図書館でまどさんの「ぼくがここに」という詩集を借りてきました。

  ぼくが ここに

 ぼくが ここに いるとき
 ほかの どんなものも
 ぼくに かさなって
 ここに いることは できない
 もしも ゾウが ここに いるならば
 そのゾウだけ
 マメが いるならば
 その一つぶの マメだけ
 しか ここに いることは できない

 ああ このちきゅうの うえでは
 こんなに だいじに
 まもられているのだ
 どんなものが どんなところに
 いるときにも
 その「いること」こそが
 なににも まして
 すばらしいこと として

 
  コスモスのうた

 だれかに 一りん
 あげたいのだけれど
 コスモス 
 コスモス
 ともだちが すき
 ともだちと みんなで
 てを つないで あそんでる

 グラスに 一りん
 さしたいのだけれど
 コスモス
 コスモス
 あおぞらが すき
 あおぞらを みあげて
 みな はればれと うたってる

優しい詩、秋の詩、とっても良いね。
図書館に行くたびに、いろいろな人の詩集を借りてきて、お気に入りの詩をノートに写して楽しんでいます。
「青い青い秋ですよ」(坂田寛夫作)という詩も、そのうち紹介したいと思っています。

ところで、「豚の死なない日」「続 〃」(ロバート・ニュートン・ペック作・金原瑞人訳)を読まれた方はありますか?
ヤングアダルトという分野の本ですが、私はずいぶん前に読んで衝撃を受けました。8月中は主に森絵都さんの本を読んだので、もう一度この本を読みたくなって手に取りました。
ユーモアいっぱいで話が進んでいきながらも、心に迫るものが多くて・・・・
今まで読みっぱなしだったけれど、読書ノートを作って、気に入ったところを抜粋したらノート3ページにもなってしまいましたが、機会があったらぜひ読んでみてください。
ちなみに訳者は、芥川賞をとった金原ひとみさんのお父さんです。
【2006/09/10 22:40】 URL | GANKO #- [ 編集]


小学校の宿題に毎日必ず 音読 があります。
1回目は息子と一緒に教科書を見ながら、私が読みます。
2回目からは息子に読ませます。

毎日、です。
教材によっては10日以上同じものになってしまいます。
読むほうも飽きてくるし、6歳のチビまでがそらんじてしまうことも・・・

そこで、ある程度きちんと読めてることがわかったら、別の作品を 音読 させるようにしています。
音読 はしたほうが良いと思っているし・・・
息子の声変わり前の声を聞くのは、母はうっとり・・・(親バカ) なので。

これからしばらくは運動会の練習で、進度が遅くなる季節。
何か良い作品はないものか?と思案していたのですが、良いですね!まどさんの作品!音読 の後に必ず「今日の1問!」って質問コーナーをしているのですが
盛り上がれそうです。

ぼくがここに  さっそく予約!します。
紹介してくっださってありがとうございます。

【2006/09/10 23:10】 URL | kimico #Zr2/WiYY [ 編集]

GANKOちゃんへ
偶然ですね。「ぼくが ここに」は、今回紹介した本にも載っています。
まどさんは、とってもたくさん詩を書いてるから、季節や気持ちにぴったりのが簡単に見つかりますよね。
コスモスは、やはり、野にそのまま咲いているのが、一番ね。


「豚の死なない日」は、5年ほど前に、中学生の男の子に教えてもらって読みました。
金原瑞人さんが訳した本は、いいものが多いですね。
見た目もちょっとイケてて、とても50代のお父さんには見えませんね。
あの父あっての娘という感じです。いろいろあったようですが、親娘関係はいいようですね。

今日、やっと、映画「ゲド戦記」を見てきました。
知人の感想では「もうひとつ・・・」ということでしたが、意外とうまく、ジブリらしくまとまっていました。
ゲド好きとしては、第1巻から映画にしてくれたらよかったのにな、とは思うけれど・・・
【2006/09/10 23:12】 URL | 大空の亀 #- [ 編集]

kimicoさんへ
同じ時間にコメントが行き交ったみたいです。
「ぼくが ここに」は、今回紹介した本にも載っていますよ。

まど・みちお全作品集というごっつい本もありますけど・・・・。
幼い人向きのから、大人が共感できるものまでいろいろです。

次々買うのはちょっともったいない気もするから、図書館から借りて、GANKOちゃんがしているように、気に入ったのを写すという手も・・・。

自分の好きな詩を集めたアンソロジーができると、宝物のようで、嬉しいですよ。
大人になっても大事に持って、時々見直すと、感受性豊かな時代の自分が甦ります。
親子で暗唱できるくらい、好きな詩が見つかるといいですね。
【2006/09/10 23:22】 URL | 大空の亀 #- [ 編集]

kimicoさんへ
子どもさんの学年がわからないのですが、いろいろな人の詩が入っ多面白い詩集を紹介しますので、一緒に読んでみてください。

「幼い子の詩集 パタポン」① ② 童話屋
「ポケット詩集」① ② ③      〃
「しゃべる詩 あそぶ詩 きこえる詩」 冨山房
「みえる詩 あそぶ詩 きこえる詩」   〃
以前に紹介した「コップのうた」は「パタポン②」に入っています。

  おならうた
               谷川俊太郎
 いもくって ぶ
 くりくって ぼ
 すかして へ
 ごめんよ ば
 おふろで ぽ
 こっそり す
 あわてて ぷ
 ふたりで ぴょ     「パタポン①」


  青い青い秋ですよ   
                阪田寛夫
 ぶどうの実のなる ぶどうの木
 りんごの実のなる りんごの木
 ざんざら風も ふいとくれ
 青い青い秋ですよ
 秋ですよ

 くるみの実のなる くるみの木
 かりんの実のなる かりんの木
 ざんざか雨も ふっとくれ
 青い青い秋ですよ
 秋ですよ        「パタポン①」

「ポケット詩集」は大人向きの詩も入っています。「しゃべる詩・・・・」は飯野和好さんの絵も面白いので、ぜひぜひ手にとって欲しいです。
【2006/09/12 22:37】 URL | GANKO #- [ 編集]

ありがとうございます!
甥っ子の入院騒ぎでPCにさわっていなくて、お返事が遅れてしまいました。
ごめんなさい。

GANKOさん、いろんな本を紹介してくださってありがとうございます。
さっそく図書館に予約を入れました。

上の子は今小学校6年生です。
賞味期限切れかけの?時々訳も無く?母にむかつく思春期に入りかけの男の子です。
去年はクラスの女の子たちの暴言の的にされて、母としては心の痛いこともたくさんありました。
他のクラスでも、息子と同じようなタイプ・・・暴言にその場で泣くこともなく、暴力で仕返ししない、担任に言いつけない・・・子がターゲットになって女の子たちの捌け口にされていました。
女の子たちの夜のメールでの争いはナカナカ激しいらしくて、はけ口が必要だったみたいで・・・

クラスがえで少しおさまったようですが、ターゲットが別な子になっただけとも・・・

思いやりのある子・・・とも言いがたい息子なので、ほっこり・にっこりできる言葉を声を出して読むことで、やさしい気持ちが心にじんわりと染み込んでくれないかなぁ?
【2006/09/16 20:30】 URL | kimico #Zr2/WiYY [ 編集]

GANKO ちゃん&kimicoさんへ
詩集の紹介や詩集の予約に、ここのブログが役立ってよかったです。
子どもたちが、豊かな言葉に接することで、心も豊かになるといいですね。

私も、子どもの頃からずっと、詩を読んだり書いたりするのが大好きです。
息子さんも、言葉の好きな&言葉を大切にできる人に育つといいですね。
【2006/09/16 23:01】 URL | 大空の亀 #- [ 編集]


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大空の亀 

Author:大空の亀 
写真の猫は姉のハオと弟のミュー。
ハオは2006年5月5日生(伝)。
ミューは2008年10月10日生(伝)。

空と言葉と草木花が好き。
趣味は読書・文芸。

読書ノート歴33年。
年間読書冊数の平均は、学生時代は
300冊、就職後は100冊~150冊。

ブログ歴 11年5カ月
2006年 3月17日から始めました。
2006年 9月 9日カウンター22222通過
2007年10月24日カウンター77777通過
2008年 5月23日カウンター100000突破 !
2008年 9月 8日カウンター111111通過
2011年 5月 4日カウンター200000突破 !
2012年 1月10日カウンター222222通過
2014年 9月15日カウンター300000突破 !



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