心に響く本・詩歌・言葉・音楽・風景
私の読んだ本や聴いた音楽、出会った風景の中から心に響いたものを紹介します。
心に響く言葉-深沢義旻「人間のうた」より
「雨が降っても 曇っていても 

      見ろ あの雲の上には 太陽がある」


yuuhi2960.jpg     2007年1月12日ベランダからの夕日

元同僚の友人から送られてきた年賀状に書いてあった言葉です。同じ言葉を私も職場に飾っているので、一瞬、偶然の一致だと喜んだのですが、思い出しました。確か前の年賀状にも書いてあったはず。調べたら、ありました。これを見て気に入った私が、職場に書いたのでした。
彼女のいろんな思いを知っているだけに、彼女がこの言葉を座右の銘にしている気持ちがわかります。向上心があって熱心な彼女との仕事は、まさにツーカー、とっても充実していて楽しかったことを思い出します。
追記 : 冒頭の言葉は、深沢義旻さんの大変長い詩「人間のうた」の最後の連の部分です。

本好きの彼女は、読書量も本にかけるお金も並みではなく、私はよく、長編小説を貸してもらいました。今は、目が衰え、短編や随筆が多いのですが、読むのが楽な分、内容を忘れるのも早いけれど、当時読んだ長編小説は、今でも深い感動を残しています。だいぶ前の作品になりますが、強く心に残っている2作品を紹介します。

山崎豊子/著『沈まぬ太陽』
日本を代表する航空会社の凄まじいまでの腐敗。85年の御巣鷹山事故の衝撃を出発点に、その内実を描いたノンフィクション・ノベル。全5巻の大作ながらベストセラーになった。労組活動を「アカ」呼ばわりされ、海外の僻地勤務を命じられた主人公・恩地に、リストラ社会を生きる人々の共感が寄せられたのが一因だろう。だが、もっと重要なのは、だれもが知るあの会社をモデルに実在人物をも特定できる形で汚点を紡いだ「蛮勇」ではないか。(藤谷浩二)


天童荒太/著『永遠の仔』
幼い頃の秘密を抱えた3人の若者が再会し、悲劇が……と書くと凡百のサスペンスのようだが、張りつめた文体と複雑に入り組むプロットがただならぬ雰囲気を醸し出すこの物語に一部でも接した読者なら、「永遠の仔」が特別な小説であることに気づくはずだ。読み進むにつれて高みから眺める余裕や謎解きの興味は失せ、3人が受ける苦痛が我が身のことのように感じられてくる。救いのない苦しい世界なのに、ずっと3人と時間を共有していたいと感じる。トラウマとか、幼児虐待とか、分かりやすい言葉では片づけられない心の闇を、作家が掘り起こしたからなのだろう。(藤谷浩二)


なお、解説文は『ことし読む本いち押しガイド2000』の藤谷浩二さんの文章が素晴らしかったので、利用させて頂きました。
追記:『沈まぬ太陽』に書かれた「儲け優先・合理化による人命軽視」、『永遠の仔』の「家庭崩壊と幼児虐待」など、何年も前に問題視された事柄が、さらに広まっている現状に、正直、暗澹とした思いを抱いてしまいます。

テーマ:読書 - ジャンル:小説・文学

この記事に対するコメント

目に見えない存在を感じられるかどうか、そこに人の違いが表れるような気がします。
存在を感じられる人は簡単に自暴自棄になったり諦観しないものです。きっと。
天童荒太さんの本は舟越さんの彫刻の写真が目を惹きますね。
【2007/01/14 23:07】 URL | こもれび #hGt.gl.I [ 編集]

こもれびさんへ
今晩は。こもれびさんの言葉は、いつも深くて考えさせられます。

見えていても、本当には見えていないことが多い中、その上を行く見えないものを感じとる力、難しいけれど、そういう感性は磨きたいなと思います。

舟越桂さんの彫刻は、個性的だけど、静かに存在していて、天童荒太さんの本とよく合っていますよね。
【2007/01/15 18:16】 URL | 大空の亀 #- [ 編集]

こんばんは。
大空の亀さん、始めまして・・・いや・・・お久しぶりです。
ご挨拶が遅くなってすみません。
ブログを開いたら、見事な夕日が目に飛び込んできて
みとれていました。我が家からこんな素晴らしい夕日が
みれないのでなんだか、すごーく得した気分です。
リンク・・・ありがとうございます。
ノロノロと歩いていきますので
また、よろしくお願い致します。
【2007/01/16 20:16】 URL | ノロタン #B7q/.fmY [ 編集]

ノロタンさんへ
今晩は。
お久しぶりです。私の方こそよろしくお願いいたします。

私は「亀」という名のくせに、どうもせっかちでいけません。
ノロタンさん同様、ノロノロと歩いていけるよう、心がけたいと思います。

お互いに、いろんなお話ができるといいですね。
新しいブログ、楽しみにしています。
【2007/01/16 21:49】 URL | 大空の亀 #- [ 編集]

いい言葉ですね
「永遠の仔」夢中で読みました。
テレビドラマ化された時、あまりの暗さに第一話で辞め、
そしてすぐに本を買い読み始めました。
あれも幼児虐待の話でしたね。
辛く、悲しい内容でしたが何故か度々出てくる山の風景が私の頭の中で見えました。

「沈まぬ太陽」も読みたいと思っていますが、山崎さんの本は骨太で長編なので時間がたっぷりあるときに、と思うとなかなか読めません。

今年はジックリ本を読みたいと思っています。
【2007/01/17 18:18】 URL | ベンジャミン #oUPgpoCM [ 編集]

ベンジャミンさんへ
今晩は。
どちらの本も、暗くて辛い話なのだけれど、読み始めると、寝るのも惜しい感じで、私も夢中で読みました。
山崎豊子さんの、あの世の中に向けた厳しい目には、つくづく感心します。作者が、こんなに頑張っているのだから、読む方も頑張らなくちゃ!と思わせる気迫があります。

「永遠の仔」の山は、愛媛の石鎚山でしたね。
天童さんは、私と同じふるさと愛媛の出身なので、あの山への思いもひときわでした。

昨日、今日と、「シャーロットのおくりもの」を読みました。
児童文学で、いいお話でした。今、映画になっていますね。
【2007/01/17 18:57】 URL | 大空の亀 #- [ 編集]

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【2012/02/04 10:52】 | # [ 編集]

#さんへ
はじめまして。コメントありがとうございます。
言葉が励ましてくれることってありますよね。
それは、言葉から人間が豊かな想像を引き出す力があるからだとも言えますね。
厳しい状況があるから、かすかな希望の光にも気付くのだと思います。
豊かに恵まれすぎていては、希望の小さな輝きに気がつかないかもしれません。
【2012/02/04 16:00】 URL | 大空の亀 #- [ 編集]


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大空の亀 

Author:大空の亀 
写真の猫は姉のハオと弟のミュー。
ハオは2006年5月5日生(伝)。
ミューは2008年10月10日生(伝)。

空と言葉と草木花が好き。
趣味は読書・文芸。

読書ノート歴33年。
年間読書冊数の平均は、学生時代は
300冊、就職後は100冊~150冊。

ブログ歴 11年1月
2006年 3月17日から始めました。
2006年 9月 9日カウンター22222通過
2007年10月24日カウンター77777通過
2008年 5月23日カウンター100000突破 !
2008年 9月 8日カウンター111111通過
2011年 5月 4日カウンター200000突破 !
2012年 1月10日カウンター222222通過
2014年 9月15日カウンター300000突破 !



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