心に響く本・詩歌・言葉・音楽・風景
私の読んだ本や聴いた音楽、出会った風景の中から心に響いたものを紹介します。
心に響く詩歌-立春の頃に…
立春の頃に読みたい詩歌

20070209164441.jpg  【2月7日朝、出勤途中に携帯で撮影】

 例年以上の暖冬に、立春のありがたみも少々薄れがちだが、道を歩いている時、梅の香が漂ったりすると、やはり嬉しく、本格的な春の訪れが待たれる。

 立春の頃になるといつも、『早春賦』のメロディーが自然に口からこぼれる。立春とは名ばかりで、まだまだ寒い日々にぴったりの歌詞と、その文語調の響きが美しく、大好きな歌の一つだ。
  春は名のみの 風の寒さや    谷の鶯(うぐいす) 歌は思えど
  時にあらずと 声も立てず    時にあらずと 声も立てず


 先日、さざ波のような雲を見つけ、久しぶりに携帯で写真を撮った。同時に、次のような俳句を思い出した。
  さざ波は立春の譜をひろげたり    渡辺水巴
岸辺に寄せるさざ波の柔らかな動きが、優しい音楽を奏でているように感じられる。春の訪れを感じさせる明るさに、水辺にたたずむ時間も長くなりそうだ。「ひろげたり」という言葉に、幸福感がゆったりと膨らんでいく気がする。

 立春といえば、齋藤史さんの次の短歌も忘れられない、大好きな一首である。
  白い手紙がとどいて明日は春となるうすいがらすも磨いて待たう
新しい季節、なかでも「春」に対する思いは、誰しも憧れや期待に溢れているのではなかろうか。「白い手紙」、磨かれた「うすいがらす」は、これから春がもたらしてくれるものを、あるがまますべて受け入れようとしている作者を彷彿とさせる。

 2月4日の新聞に金原瑞人さんが書いていた言葉が、嬉しかったので、書き留めておきたい。彼は、以前に『蛇にピアス』で芥川賞を受賞した金原ひとみさんのお父さんで、なかなかイカした風貌の方。外国の文学(児童及び若者向け)をたくさん翻訳されているが、これがどれも名訳・名作で、カタカナ嫌いの私も、金原瑞人さん訳とあれば、安心して読めるという、言葉のセンス抜群の方である。その方が「ぼくは詩が好きだ。短歌が好きだ。小説の数倍好きだ。」と書かれていたので、なるほどと思った次第である。(以下、「朝日新聞」より引用)

「詩や短歌はいい。とぎすまされた言葉が心を突き刺す。心を包む。心をゆさぶる。心をなでる。そして好きな詩や短歌は覚えてしまえば、死ぬまで心のなかにしまっておける。いつでものぞいてみることができる。好きな詩や短歌が詰まった心はそのまま、小さな自分だけの宇宙だ。その宇宙は、ときどき思いがけないことを語りかけてくれる。」

テーマ:俳句 - ジャンル:小説・文学

この記事に対するコメント

確かにさざ波の雲ですね。春到来でしょうか。
早春賦。忙しくて家で音楽を聴く暇がなかなかできなかったのだけど、
坂田明さんのを久しぶりに聞いてみたくなりました。
【2007/02/10 16:21】 URL | こもれび #hGt.gl.I [ 編集]

こもれびさんへ
今晩は。今日は歌会で、大阪市内に出掛けていました。

こもれびさんのブログを訪問したのは、坂田明さんのCD『ひまわり』がきっかけでしたね。
私も久しぶりに聴いてみます。いい演奏でしたものね。特に『早春賦』は長くて。

さざ波の雲、とってもきれいで、デジカメを持ち歩かないといけないなと反省しました。
空だけで大きさを表現するのは難しく、何を合わせるかというところに楽しみを感じます。
【2007/02/10 19:42】 URL | 大空の亀 #- [ 編集]


大空の亀さん、素晴らしい写真ですね!すごい・・・(^・^)
暖冬と言っても、やっぱり寒い日がありますね。
だけど、それでも暖冬。今年は雪も少なくて、
収入減で苦しんでいる職業もあれば、
反対に儲かっている職業もある。
泣いている人もいれば、声高々に笑っている人もいる・・・
これで、調節がとれているのかな・・・?
なんて、いろいろ考えさせられる
年代になりました。でも、気持ちと心だけは乙女チックでいたいですね(^・^)
【2007/02/11 12:20】 URL | ノロタン #B7q/.fmY [ 編集]

ノロタンさんへ
ありがとう。ほめてくださって。
携帯で空を撮る時は、自分の目で確かめられないので心配だったのですが、意外とうまくいって、何だかとても嬉しく思いました。

先週、昨年度の映画アサヒベストテンで1位になった『ゆれる』を見に行きました。
オダギリジョーと香川照久の演技が上手くて、感心しました。
女性の監督らしく、細やかなところまで、気配りが感じられましたよ。
珍しく友人4人で行ったのですが、皆の感想で盛り上がりました。

昨日のテレビでも、北極の氷が薄くなり、アザラシやホッキョクグマなどに影響が出ている様子を放映していました。
人間のせいで起きている暖冬なのに、動物たちまで巻き込んで、申し訳ないと思います。

【2007/02/11 21:07】 URL | 大空の亀 #- [ 編集]


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大空の亀 

Author:大空の亀 
写真の猫は姉のハオと弟のミュー。
ハオは2006年5月5日生(伝)。
ミューは2008年10月10日生(伝)。

空と言葉と草木花が好き。
趣味は読書・文芸。

読書ノート歴33年。
年間読書冊数の平均は、学生時代は
300冊、就職後は100冊~150冊。

ブログ歴 11年1月
2006年 3月17日から始めました。
2006年 9月 9日カウンター22222通過
2007年10月24日カウンター77777通過
2008年 5月23日カウンター100000突破 !
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