心に響く本・詩歌・言葉・音楽・風景
私の読んだ本や聴いた音楽、出会った風景の中から心に響いたものを紹介します。
心に響く言葉-師を持つことの大切さ
師を持つことの大切さ

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2月中旬、愛媛の親戚から伊予柑やデコポンが送られてきました。【上の写真がそれです。】
それらがぎっしり詰まった段ボール箱の一番上に、11月19日付けの「愛媛新聞」の1面がのせてあり、見ると、「道標」という欄の「ふるさと伝言」特集に、坪内稔典さん(俳人・佛教大教授)が「教師の魅力-詩歌の楽しさ心開く」という文章を寄せておられました。

坪内稔典さんは、俳句グループ「船団の会」代表で、「三月の甘納豆のうふふふふ」「桜散るあなたも河馬になりなさい」などの句や、正岡子規の研究で有名な方です。
同じ愛媛出身であることや、昔近くの本屋さんで何度かお見かけしたり、俳句の研修会でお話を聴いたりしたことがあり、親しみを感じ何冊か本も読んでいました。

2月初旬に、「船団の会」所属の俳人Sさんのお話を聴く機会があったり、友人からもらった「子規新報」に、そのSさんの文章や坪内稔典さんの文章を見つけたりで、妙に「船団の会」「坪内稔典さん」と縁があるなと思っていたところでしたので、段ボールに入っていた「愛媛新聞」を丁寧に読みました。坪内稔典さんが少年期ひどく内気だったことなど、知っている話もありましたが、興味深い内容でしたので、概略を以下にまとめました。

「学校や教師に関わる悪い報道が連日のように続いているが、教師には問題があると同時に魅力もある。その魅力もマスコミは伝えてほしい。私は人生の折々に出会った教師に大きな影響を受けた。例えば、小学五年の担任のT先生には、言葉の楽しさを教えられた。当時、私は使いの時など、正確にものを言おうとするばっかりに、逆にうまく言えず、口ごもるような子になっていた。日常の言葉につまずいている私に、T先生は詩歌の言葉を教えてくださり、私はそこで伸びやかに胸を開くことができ、幸せな気分に満たされた。その後もT先生のような方と何度も出会った。」

T先生が下さった八木重吉の詩集や、教えて頂いた万葉集や山村暮鳥を音読し、日常とは別の世界に入る幸せな気分を味わったことが、今につながっておられるようです。

俳句グループ「船団の会」代表として、大学で教師志望のゼミの先生として、活躍されている坪内稔典さんの文章を読みながら、私は、先日読んだ内田樹著『下流志向 学ばない子どもたち働かない若者たち』の中の質疑応答(p184)を思い出していました。

内田氏「教育者に必要なのは一つだけでいい。『師を持っている』ということだけでいい。 …(直接学ばなくても、書物や人づてでも構わない、「私淑する」こと。)… 教育を再構築するというのは、この師弟関係の力動性、開放性を回復することから始めるしかない。『師弟の物語』にもう一度日本人全体が同意署名すること。これはマインドセットの切り替えだけですから、コストはゼロなんです。」

Aさん「私も基本的には師弟関係だと思っています。ビジネスでいい仕事をしたケースは師弟関係がたしかに多く見られるんです。優れたリーダーがいて、そのリーダーをみんなが尊敬して、求心力が生まれる。尊敬される師がいて、そこへみんなが集まって一つのチームになるというのが、日本的組織としては、たしかにいちばん効率が高い。」

ここに述べられていることは、教育やビジネスの分野に限らず、多くの分野で言えることではないかと、私は思っています。部下や弟子や教え子をきちんと見ることのできる指導者と、尊敬できる指導者を持ち、師弟関係を築けること、これらが成り立っているとき、人は落ち着いて生きていけるし、自分を伸ばすこともできるのではないかと考えます。身近なところに、師を見いだせたら本当に幸せですが、そうでなくても書物や「私淑」でも師を見つけることは可能だとすると、ずいぶん道は開ける気がします。

反抗することに価値を見いだしていた年頃に、これらの文章を読んでも、恐らく私は得心がいかなかったでしょう。今、俳句・短歌などを学んでいく中で、よい師に出会うことができ、実感として、『師を持つ』ことの大切さがわかります。また、振り返って、よい師やよい本との出会いの幸福にも気づきました。さらに今、次々と心からよい本だなあと思える本に出会っていて、刺激をいっぱい受けています。

かつて、尊敬する師が亡くなられたとき、大きな喪失感を味わい、辛くてたまらなかったのですが、今はその師も、私の中で大切な指針の一つになっているとわかります。拙い私を励まし、丁寧に見守って下さっている師をそれぞれの分野に持てている幸福を、これらの文章を読んで、改めて思いました。

テーマ:詩・和歌(短歌・俳句・川柳)など - ジャンル:学問・文化・芸術

この記事に対するコメント
美味しそう♪
大空の亀さん、こんばんは。
私は酸味の強い物が苦手なんですが、デコポンは大好物!
甘くて美味しいんですよね~(^・^)
夏みかんは絶対に食べれない私。頭に思い浮かべただけでも
顔が「チュッパ(;O;)」になっちゃいます。
【2007/03/09 20:27】 URL | ノロタン #B7q/.fmY [ 編集]

ノロタンさんへ
今晩は。
デコポンは、実がぎっしり詰まってて、フルーティーで美味しいですよね。
レモン色のも(スィーティーって言うのかな?)、グレープフルーツと文旦を掛け合わせたみたいですが、びっくりする甘さで、美味しかったです。

私は、ミカンの産地で育ったので、甘いのも酸っぱいのも大好きです。
ミカンなんかは、1房ずつ丁寧に食べるなんて、まどろっこしい(わかりますか?面倒くさいという意味です。)ことはせずに、1個を一気に2~3回で食べてしまいます。
【2007/03/09 20:43】 URL | 大空の亀 #- [ 編集]

こんばんは
デコポンは甘くて美味しいですね、大好きです。
今は土佐文旦にはまってます。
毎晩、ひとりで一つ食べています。
剥くのが大変で爪が痛くなります。

『師』の強い思い出は余りありません。
担任のお一人お一人の顔は思い出されますが。

大きな影響を受けた『師』は・・・
「書物」「友人」「夫」かな。
【2007/03/10 20:31】 URL | ベンジャミン #oUPgpoCM [ 編集]

ベンジャミンさんへ
今晩は。もう3月も10日なんですね。今、日付けを見て驚きました。
暖かい冬だと思っているうちに、本物の春が来ていました♪

デコポン、名前は面白いですが、味はいいですよねえ。
柑橘類は、免疫力アップにもいいそうですよ。
私も毎日、伊予柑などを1~2個食べています。

「大きな影響を受けた『師』は・・・「書物」「友人」「夫」かな。」
ベンジャミンさんらしくて、いいなあと思いました。
「師」がそのまま学校の先生というのは、少ないかもしれませんね。
PS:山桜が赤っぽく見えるのは、同時に出る葉の色が影響しているのかもしれません。
【2007/03/10 21:37】 URL | 大空の亀 #- [ 編集]


下の子がまだ1歳のときに、いろいろ考えて保育園に入れることにしました。
その時に上の子がべそかいて「ママ、保育園なんて可哀想なことやめてあげて!」と言いました。
上の子は保育園で泣いていたときに担任の先生に「ママ~って泣くなんていくつになったの?おかあさんっていいなさい!」など、理不尽な怒られ方を経験していたので・・・
転園した幼稚園では「ママ、先生ってい~っつも笑ってるのよ♪」とうれしそうでした。
一年生になったときの担任に先生も、おだやかな方でゆっくりのんびりと小学校になじんでいきました。

下の子はスイミングを始めた時の最初のコーチが大好きで、そのコーチのクラスを離れて1年にもなろうというのに、いまだに最初のコーチが大好きで姿を見かけるだけで顔がほころびます。声をかけていただいたりしたら・・・!お顔がとろけてしまっています。
「もっとがんばって、上手になってまた教えてもらいたい!」って言っています。
保育園で2歳児クラスのときの先生のことも、たった1年だけのかかわりで、その後転勤されてかかわりがなくなってしまったというのに大好きで、年に2度ほど行事で来て下さったときなんかに「こんにちは♪たかこせんせい」って。他の子は忘れちゃってたりするのに・・・

自分のことを見てくれているあたたかなまなざしに敏感なんですよね、子どもって。
どの方も母の目から見て、やさしい笑顔ときちんと叱ってくださる厳しさをもった先生です。


私自身は・・・・・・どうなんでしょう?


今日、初めて家族4人で映画を観てきました。
ナイト・ミュージアム。
子どもの年齢が離れているので、一緒に映画を楽しめる日はもっと先のことだと思っていたのですが、うれしい計算違いでした。
 

【2007/03/12 00:09】 URL | kimico #Zr2/WiYY [ 編集]

こんにちは!
しばらくぶりにお邪魔させてもらいました。
デコポン、味は大好きなんですが皮むきが大変ですよね。
最近りんごばかり食べていたのですが蜜柑系も食べたくなっちゃいました^^

人生の『師』かぁ。
学校時代の恩師は・・・うむむ、って感じで私の中では『師匠』ではないなぁ。
社会人になって何人か『師』と呼べる人に出会い学ばせてもらったことありますが
いずれもセクハラ感を感じてしまって(^_^;)私から見切りをつけましたです。
そうそう、小学校の時の担任もいい先生だったんですけどね・・・
ある日抱きつかれて一気にいやになりました(汗)。
娘は来年小学校に上がるのですが、よい『師』に巡り合える人生であってほしいなと思います。
【2007/03/12 12:56】 URL | bianca #cK8v8HAk [ 編集]

kimicoさんへ
kimicoさんへ
上に書いたような事情で、パソコンが使えなく、お返事遅くなりました。ごめんなさいね。

お兄ちゃんのほうの保育園の先生は、変な方ですね。
Rちゃんのほうは、スイミングのコーチにも保育園の先生にも恵まれて、幸せ♪

「自分のことを見てくれているあたたかなまなざしに敏感なんですよね、子どもって。
どの方も母の目から見て、やさしい笑顔ときちんと叱ってくださる厳しさをもった先生です。」
そうですよね。子どもは、愛情の出し惜しみをせず、きちんと相手してくれる人かそうでないか、本能的に見分けますよね。
自分の命が守れるかどうかという、大事な部分だから、本能的にわかるんでしょうね。
良い先生に恵まれ、また、それを親子で素直に受け入れ喜ばれているので、ほんとにいいなあと思います。

私や夫も、仕事でいろいろうれしい経験をしていますが、プライバシーの関係でここに書けないのが残念です。

皆さん揃って、映画鑑賞ができてよかったですね。

先日、仕事帰りに、長男の保育園の担任に偶然会いました。
退職をされ、前からやりたかったストリーテラーを始められたそうです。
kimicoさんも、同じようなことをされているのかしら?
住まいも近いので、もしかしたら会われるかもしれませんね。
【2007/03/13 20:25】 URL | 大空の亀 #- [ 編集]

bianca さんへ
今晩は。お久しぶりです。
上に書いたような事情で、パソコンが使えなく、お返事遅くなりました。ごめんなさい。
もうすぐ1年になるので、前に bianca さんに教えてもらった動画のアップをしようと思っていたのですが、そのやり方もハオの小さいときの動画も、ハードに入っていて、涙・涙です。

なかなかよい師に巡り合うのも難しいようですね。
ガンコちゃん、春から1年生ですか!おめでとうございます。
優しく愛情豊かな先生と出会えますように。v-22
【2007/03/13 20:33】 URL | 大空の亀 #- [ 編集]


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大空の亀 

Author:大空の亀 
写真の猫は姉のハオと弟のミュー。
ハオは2006年5月5日生(伝)。
ミューは2008年10月10日生(伝)。

空と言葉と草木花が好き。
趣味は読書・文芸。

読書ノート歴33年。
年間読書冊数の平均は、学生時代は
300冊、就職後は100冊~150冊。

ブログ歴 11年1月
2006年 3月17日から始めました。
2006年 9月 9日カウンター22222通過
2007年10月24日カウンター77777通過
2008年 5月23日カウンター100000突破 !
2008年 9月 8日カウンター111111通過
2011年 5月 4日カウンター200000突破 !
2012年 1月10日カウンター222222通過
2014年 9月15日カウンター300000突破 !



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