心に響く本・詩歌・言葉・音楽・風景
私の読んだ本や聴いた音楽、出会った風景の中から心に響いたものを紹介します。
心に響く言葉&心に響く本の紹介
心に響く言葉&心に響く本の紹介

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  【万博公園のチューリップ 2007年4月8日撮影】

 4月4日、俳誌「空」が届きました。主宰の句をはじめ、ほんとに上手な句が多くて、私はいつもうっとりとしながら、でも、電子辞書と鉛筆を手に、句の勉強も忘れず、丁寧に読み切ります。その中に、小さなコーナーですが、心に響いた言葉がありましたので、以下に引用します。

「 ・向き合う・    柴田佐知子(主宰)

遠くに出かけてみても、自分が鈍感になっていては景を撫でたような句になってしまう。心の置き処をどこまで深めているかが俳句によって問われていると思えてくる。…〈三句例に引かれたあと〉…
それぞれ響きは異なるが、句の向こうに立ち上がってくる作者の眼差しや存在感に圧倒される。俳句は恐怖を覚えるほどの果てのない空間をも詠み得る器なのだ。まっすぐ向き合う気魄を持たなくてはと思う。

 ところで、この「空」誌に、元ジャーナリストの川上義則氏が、いつも、素晴らしいエッセイを書かれています。毎回、学ぶところが多いのですが、今回の「鳥獣虫魚よ!」は、共感することばかりで、より多くの人に読んでほしい内容でした。
ご自身の原風景となっている子どものころの自然の中での体験、コンクリートで固められ生き物の気配がない川、レイチェル・カーソンの 『 沈黙の春 』、水俣病の取材から考えられたこと、どれもおろそかにできない内容で、心に深く残りました。


 実は、これより以前に、元ジャーナリストの辺見庸さん、松村由利子さんの本を読んで、文章のうまさに唸っていたところだったので、改めて、日々厳しい状況の中で文章を書いてこられた方の力を思いました。
このお二人の本については、ずっと紹介したいと思いながら、今日まで来てしまいましたので、簡単な紹介のみ、ここでしておきます。

imaarukotonohazi.jpg   zibunzisinhenosinmon.jpg   monogatarinohazimari.jpg 【拡大できます】

 辺見庸・著/森山大道・写真『いまここに在ることの恥』(毎日新聞社・1200円)雑誌か新聞の書評で推薦してあり、『自分自身への審問』(毎日新聞社・1143円)と合わせて購入しました。
自分に厳しい方ですから、他人にも厳しいです。今、ここまで覚悟して、骨のある文章を書ける人は、いないのではないでしょうか。感銘や共感の印をいっぱいつけました。多すぎて、ここに書き写すことは不可能です。ぜひ皆さんの目で、直接読んでほしいと思います。帯文のみ書きます。
「問う―恥なき国の恥なき時代に、『人間』でありつづけることは可能か?」

 松村由利子・著『物語のはじまり 短歌でつづる日常』(中央公論新社・1800円)
「塔」誌2月号の編集後記で、編集長の松村正直さんが推薦されていたので、読んでみました。著者は短歌作者でもあるのですが、この本は読む側から書かれたもので、実に丁寧な読みぶりに、引用された短歌は幸せを感じているだろうなと思いました。「おわりに」に筆者の思いがよく出ており、私も同じ思いですので、少し引用します。

「情報化社会のいま、短歌もまた大量生産、大量消費されている。日々発表される作品のほとんどは、短歌の作り手や短歌への関心の高い人たちにしか読まれることがなく、その人たちにしてもすべての作品に目を通すのは難しい。歌壇ジャーナリズムでは、新奇性や話題性のある作品が繰り返し取り上げられる一方で、味わい深い佳品がそれほど話題にもならずに忘れられてゆく現実がある。歌の力によって折々に慰められ励まされてきた者としては、たいそう残念なことに思う。」

このブログを始めたきっかけの一つが、一人でも多くの人に詩歌に触れてほしいという願いだったので、とても親近感を抱きました。

015takenoko.jpg  【拡大できます。】
毎年、上の階のYさんから頂く、手掘りの筍。彼女は筍掘りの名人!



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この記事に対するコメント

辺見庸さんの著作は何冊も読んでいます。
以前はさほど感じなかったのですが、大病をしてから覚悟を決めたというか、
ひ弱な迎合主義の日本のマスコミに対する憤懣も強いのでしょう、
ペンの力が一層強くなった印象です。
本来のジャーナリズム、市民の側に立つという基本に軸足があれば
自ずと自分の命をかけて取り組まなければならないんでしょうね。
【2007/04/12 22:49】 URL | こもれび #hGt.gl.I [ 編集]

こんばんは(^・^)
v-402見事なチューリップですね(^・^)
数年前の写真でも、こんなに美しく綺麗に残っている・・・
それにしても写真・・・いや、カメラを発明した人って
すごいですよね?

それから、私、この著者お二人の本を読んだ事がありません。
時間があれば、読んでみたいな・・・
大空の亀さんは、本当にたくさんの本を読まれますね。
いつも、すごい!って思っています(^・^)
私は、食い気・・・v-12
【2007/04/12 23:00】 URL | ノロタン #B7q/.fmY [ 編集]

こもれびさんへ
実は、こもれびさんの写真に添えられた、きりっと辛口の言葉にから、辺見庸さんの本がお好きなのではないかしら?と思っていました。

『いまここに在ることの恥』の中に、ひまわりの写真があり、それを見たとき、こもれびさんとのご縁のきっかけになったCD「ひまわり」とこもれびさんのひまわりの写真を、すぐに思い出しました。

辺見庸さんの気魄に、死を覚悟しての強さ、生まれた意味を自身に問うている強さを感じます。
【2007/04/13 08:40】 URL | 大空の亀 #- [ 編集]

ノロタンさんへ
ノロタンさん、お早うございます。
チューリップ、赤・黄・ピンク・ローズ・とりどりに咲いていましたが、バックの桜を入れたかったので、黄色とまだ咲いていないのがメインになりました。
ボランティアの方々が中心になって、数年前からチューリップ畑になりました。

ノロタンさん、食い気は私もよ。(ここには書いていませんけれど…)
詩の好きなノロタンさんには、松村由利子・著『物語のはじまり 短歌でつづる日常』をお勧めします。
短歌が初めてという方も、エッセイふうなので、興味深く読めるのではないかしら?ぜひv-10
【2007/04/13 08:50】 URL | 大空の亀 #- [ 編集]

こんにちは♪
大空の亀さんが食い気ですか?
そんなイメージ感じないですよぉ~v-12
時間がとれたら、大空の亀さんお薦めの、
この本たちも読んでみたいです。
今、私の手元に読もうと思って買ってあるのが
後5冊・・・(-_-;)
いつになったら、読み終わるのかな???です(゜o゜)
【2007/04/13 12:35】 URL | ノロタン #B7q/.fmY [ 編集]

ノロタンさんへ
ここでは、ちょっとカッコつけて、賢そうな?ふりをしていますからねえ…。
田舎ではまだパンが珍しかった頃から、無類のパン&甘いもの好きです。
病気をしてからは、だいぶ我慢していますが、今でも絶対外せないのが次の三つです。v-10

①パン―ぶどうパン・べーグル・フランスパンなど硬めのが好きで、初めての店を見つけると、遊びなどで出かけた先でも必ず買って帰ります。
②今川焼―姫路から広まった「御座候(ござそうろう)」という名の今川焼を、仕事帰りに時々無性に食べたくなり、わざわざバス代を使って、それだけを買いに遠回りすることも。
③さつまいも―ふかしたの、焼いたの、煮たの、大学芋、干し芋、芋かりんとう、必ずどれかが必要です。

学生寮の友人の間で有名な「朝食に食パン8枚一気食べ」の逸話があります。な~に自慢してんでしょ。
①何もつけずに1枚 ②バターを付けて1枚 ③ジャムを付けて1枚 ④バターとジャムを付けて1枚  
この4パターンを、まずは焼かないパンで、次に焼いたパンで。これぐらい好きなんですよ。v-366
【2007/04/13 19:21】 URL | 大空の亀 #- [ 編集]


土手が桜吹雪になったところで、鴨川の河川敷(早い話が水が少ないのです。ここ先だいじょうぶ?というレベル)は黄色一色。菜の花の群生が本当に綺麗です。桜の淡い色は黄砂に負けても、緑と黄色の菜の花は瑞々しいまま。黄砂対策ができるまで私の春は菜の花にしようと思ったところでした。でもチューリップも綺麗ですね。はっきりした色が美しい。
今年の桜は見るに耐えなくて。黄砂のせいで微妙な濁りが気になって仕方ありません。だから桜の俳句も出来ない。もう一度儚さが心に染み入る桜の季節を迎えたい!
【2007/04/13 22:36】 URL | 犬塚 #- [ 編集]

犬塚さんへ
「菜の花がしあはせさうに黄色して」
映画「幸せの黄色いハンカチ」じゃないけど、細見綾子さんに、上のような句がありますね。
鴨川の河川敷は、今「幸せ色」でいっぱいなんですね。

赤や黄色、はっきりした色は、元気をくれます。 v-298
今ちょうど、志村ふくみさんと鶴見和子さんの対談『いのちを纏う(まとう)』を読んでいて、色の不思議に感銘していたところです。

前のコメントにあった「嵐電の桜のトンネル」は、俳句になりそうな気がしますけれど…。
植物園の枝垂れ桜も駄目ですか?
あそこのは、醍醐寺と違って、色が濃いので、黄砂にも負けないかと…。
そういえば、昔『黄砂に吹かれて』という歌が流行りましたね。
歌にできた時代は、まだ害が少なかったということでしょうかね?

【2007/04/13 23:43】 URL | 大空の亀 #- [ 編集]

松村由利子著『物語のはじまり』
大空の亀さん、こんばんは。

突然ですが、松村由利子さんの『物語のはじまり』を読まれた方がブログに書かれた感想のリンク集を作っている拓庵と申します。

勝手ながら、今回の大空の亀さんの記事もリンクに加えさせていただきました。

あわせて、リンク集についての記事をトラックバックさせていただきましたので、ご覧いただければと思います。
【2007/04/14 23:02】 URL | 拓庵 #I6nRXy6Y [ 編集]

拓庵さんへ
初めまして。
リンクおよびトラックバック、ありがとうございます。
といっても、トラックバックの意味をあまり、理解できていない私ですが…。

拓庵さんのブログ覗かせて頂きました。
大変充実したブログで、感心いたしました。
「ゲド戦記」や「ハイファイセット」など、好みのものがいくつか重なっており、興味を持ちましたので、また時々お邪魔させていただきます。

実は、わが息子を、小さい時「たくあん和尚」と時々ふざけて呼んでいましたので、お名前に親近感を覚えました。
【2007/04/15 09:00】 URL | 大空の亀 #- [ 編集]

ありがとうございました
大空の亀さん、おはようございます。

さっそく、私のブログをご訪問いただいたとのこと
ありがとうございました。

「ゲド戦記」シリーズは、『影との戦い』以外は、40代になって初めて読みました。いろりろなメッセージがこめられていて、児童文学の域を完全に超えていると思いました。
おそらく、年齢に応じて、読める奥深い作品という気がします。

「ハイファイセット」は、『卒業写真』ぐらいしか聴いたことはなかったのですが、NHKにボーカルだった山本潤子さんが出演しているのを見て、改めて、CDレンタルショップなどで過去のアルバムを集めて、聴き始めました。特に、ユーミンの曲は、「ハイファイセット」が歌うことで、より輝くかななどと思っています。
いい年をしてお恥ずかしいですが、『卒業写真』とペアになる『最後の春休み』を聴くと、自分の高校時代を思い出してしまいます。

今後、ご訪問いただけるようであれば、うれしいです。
よろしくお願いします。
【2007/04/15 09:22】 URL | 拓庵 #I6nRXy6Y [ 編集]

拓庵さんへ
「ゲド戦記」、私も子どもの中学校の教科書で見つけ、かっこいい文章にはまってしまい、読んだのがきっかけですので、10年前にもならないかと思います。

清水真砂子さんの訳文が、きりっとしていて、それまで翻訳文の好きでなかった私でしたが、一気にファンになりました。

一度、クレヨンハウス(落合恵子さん)主催で、ご本人の講演を聞いたことがあるのですが、文章の雰囲気そっくりの、理知的で素敵な方でした。

>ユーミンの曲は、「ハイファイセット」が歌うことで、より輝くかななどと思っています。
私も同感です。「翼をください」の「赤い鳥」のころから好きです。

「卒業写真」は、青春そのものでいいですよねえ。
ドリカムの「未来予想図」も同じ路線で好きですけれど。
【2007/04/15 18:30】 URL | 大空の亀 #- [ 編集]


菜の花がしあせさうに黄色して 細見綾子
の意味と季語と季節を教えてください
【2008/06/04 11:31】 URL | 山口 #- [ 編集]

山口さんへ
初めまして。私の解釈ですから、読む人によって異なるでしょうけれど、ご参考までに。

季語は「菜の花」で、季節は春です。
結句を言いさして終わったり、「しあはせさうに」と心情を直接入れたり、普通、素人がやると、「ダメですよ」と言われそうな俳句です。
が、この言いさしに、菜の花を見ている作者の嬉しくウキウキした感じが出ていると思います。
「幸せそうに」というのは、黄色という色が、光を受けやすく明るく元気なイメージにつながっての表現でしょう。
菜の花畑の菜の花か、花瓶の菜の花か、それは読む人が自由に頭に描かれたらいいのではないかと思います。
【2008/06/04 18:19】 URL | 大空の亀 #- [ 編集]


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大空の亀 

Author:大空の亀 
写真の猫は姉のハオと弟のミュー。
ハオは2006年5月5日生(伝)。
ミューは2008年10月10日生(伝)。

空と言葉と草木花が好き。
趣味は読書・文芸。

読書ノート歴33年。
年間読書冊数の平均は、学生時代は
300冊、就職後は100冊~150冊。

ブログ歴 11年6カ月
2006年 3月17日から始めました。
2006年 9月 9日カウンター22222通過
2007年10月24日カウンター77777通過
2008年 5月23日カウンター100000突破 !
2008年 9月 8日カウンター111111通過
2011年 5月 4日カウンター200000突破 !
2012年 1月10日カウンター222222通過
2014年 9月15日カウンター300000突破 !



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