心に響く本・詩歌・言葉・音楽・風景
私の読んだ本や聴いた音楽、出会った風景の中から心に響いたものを紹介します。
心に響く本-「三浦しをん」さんの本3冊
「楽しむ読書ならこれ!」という「三浦しをん」さんの本3冊

  31687972[2].jpg  31773871[1].jpg 【少しだけ拡大可】

 1.『三四郎はそれから門を出た』 (ポプラ社)

「読書が好きだ。 いや、もはや好きとか嫌いとかいう範囲を超えて、読書は私の生活に密着している。私が一日のうちにすることといったら、『起きる。なにかを読む。食べる。なにかを読む。食べる。仕事をしてみる。食べる。なにかを読む。食べる。なにかを読む。寝る』である。ちょっと食べすぎじゃないか。もちろん食べているときにも、なにかを読んでいる。本が手近にないときは、郵便受けに投げこまれたマンションのチラシを読みながら食べる。」というような筆者が、本や漫画に関するエッセイをまとめたのが、この本です。お勧め度は、三重丸。

この本の中で、書名にもなっている「二章 三四郎はそれから門を出た」は、朝日新聞に月1回連載されていたもので、文章に気合いが入っています。お気に入りの本を紹介できる喜びに満ちた文章が面白く、また、そこに書かれた箴言(しんげん)めいた言葉がかっこいいので、私は、第二章が一番気に入りました。それらの言葉のいくつかをご紹介します。本に入り込み、書き手と一体化している三浦しをんさんが見えるようです。

☆ 読書が、悩める人を救うのではない。静かに本を読み、自分を見つめた者自身が、自分を救うしかないのだ。

☆ 寺山修司は、「どんな鳥だって想像力より高く飛ぶことはできない」と書いた。それは真理で、文系理系に関係なく、ただ人間の想像力と、真実を知りたいという欲求こそが、私たちの前に新しい世界を切り拓くのだ。 

☆ 自分と異質なものの存在を認識せよ。人は国家や主義によって成り立つのではなく、ただ、自分とそれ以外の人との関係によって、幸せを感じる生き物なのだから。

☆ だれかを深く愛するというのは、愛を与えられることではなく、『愛したい』と思う気持ちを、その相手から与えられる、ということなのだ。

☆ 妖怪にもロックスターにも、日常生活ではなかなかお目にかかれない。もし身近にいたら、かなり迷惑するだろう。だが、「常識」から逸脱した彼らのような存在が許されない世界なんて、とても味気なく、つまらないものに違いない、とも思うのだ。

☆ 日記や自伝を読むとわかる。毎日が波瀾万丈なのではない。なんでもない毎日を送っていたはずなのに、積み重なるといつのまにか、波瀾万丈な一生になっているものなのだ。

☆ すべてを手に入れ、なにもかもを愛することなど、人間にはできない。自分が欲するもの、自分が大切にしたいと思うものを、自分自身で選び、愛することこそが、満足と幸せに至る道なのだ。

☆ 恐るべき思考停止状態に陥らないためには、想像力をもって他者と接すること。そして自分の心が、常に愛と残酷の二面性をはらみ、断絶の危機に直面する可能性の高いもろいものだと自覚し、客観視すること。実践するのは難しいが、それしかないと思う。

 2.『まほろ駅前多田便利軒』 (文藝春秋)

直木賞受賞作。現代世相を上手に織り交ぜてあり、大変面白く読めました。五重丸です。
「だれかに必要とされるってことは、だれかの希望になるってことだ。」
かっこいい言葉です。作者は、文章を書いているうちに、自己陶酔する癖がありそうですね。

 3.『風が強く吹いている』 (新潮社)

500ページもあるのに、一気に読んでしまいました。箱根駅伝を題材にしているのですが、「走る」=「生きる」と置き換えて読んでいる自分がいました。往路と復路と二日かけて読むことをお勧めします。詳しく書くと読む楽しみがなくなるので…。五重花丸です。
漫画オタクの作者らしく、人物も展開もメリハリがきいて、とても面白かったです。最初から最後まで、一緒に走り、一緒に応援し、爽快感がありました。ちなみに、作者は「走る」のが大の苦手。10人の駅伝メンバーの1人は、作者に似ている気がします。

007kireinakumonoito.jpg 【蜘蛛の糸】


テーマ:オススメの本の紹介 - ジャンル:本・雑誌

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【2007/08/01 12:24】 | # [ 編集]

http://plaza.rakuten.co.jp/17221803/
『風が強く吹いている』が興味があります。
500頁ですか~亀さんみたいに読むのが早いといいのだけど。
1、のように読んで、食べて、読んで、食べて、だと太りそうだしv-16
「箱根駅伝」は好きで毎年、お正月はながら族で応援しています。
どこの大学でもありません。
ただ走っている彼らを応援しています。

【蜘蛛の糸】綺麗だわ。
こんな美しい糸を登っていったら本当に天国に行けそう。
【2007/08/01 14:26】 URL | ベンジャミン #oUPgpoCM [ 編集]


楽しそうで、生きるヒントがもらえそうな本ですね。
「風が強く吹いている」はその頁数にためいきが出そうで、私には2日でなんて夢のまた夢ですけれど、夏休みにでも読めるようになりたいわ(ベンジャミンさんのコメントに思わず笑)。
写真の、亀さんらしいおしゃれな心配り!連想の輪が広がりました。
【2007/08/01 17:20】 URL | keiko #- [ 編集]

こっそりさんへ
v-290とっても嬉しいです。
もちろんOkですよ。
これからも楽しくやっていきましょうね。
それにしても、ほんとによかったです。v-10
【2007/08/01 21:28】 URL | 大空の亀 #- [ 編集]

ベンジャミンさんへ
三浦しをんさんの本は、娯楽色が強いから、大丈夫、すぐ読めます。
作者の自己紹介を書きながら、一瞬、私のことかしらって思いました。
友だちがくれた本、ブックオフで買った本、図書館で借りた本、合計35冊あまりが、「読んでねえ~」と、きれいに並んで待ってくれています。
というわけで、今の私は、冒頭の三浦しをんさん状態なので~す。

>「箱根駅伝」は好きで毎年、お正月はながら族で応援しています。
だったら、もう絶対楽しめます。青春!だし、人生!の本です。
先が気になるから、本の厚さが気になりません。
何より、最初から、ぐぐっと引きつける面白さです。

蜘蛛の糸、ベランダにできていたのがあんまりきれいで、1週間ほど置いてから、外の樹木に持って行きました。
【2007/08/01 21:37】 URL | 大空の亀 #- [ 編集]

keikoさんへ
三浦しをんさんは、脱力系の人で、「真面目」というところから遠い感じの人なのですが、言葉は、妙にかっこよくて、書き留めておきたいなと思うことが結構あります。
書いているうちに、ドーパミンがいっぱい出てきて、神がかってくるんじゃないかな?なんか、そんな気がします。
彼女は、相当な漫画オタクだから、読みながら一人ツッコミをし、「よ~し!」なんて、かけ声を掛けているのではないかしら。

芥川龍之介の作品はどれも名文ですが、『蜘蛛の糸』は、音読すると、すごくいい感じですよ。結末は、悲しいけどね…。
【2007/08/01 21:45】 URL | 大空の亀 #- [ 編集]


そうそう、以前新聞で見つけたのですが、今年の全国実力テストに『蜘蛛の糸』が出題されていましたよね。しかも全文!おかげで、私も久しぶりに読んで感動しました。
抜粋ではなく、全文というところがよかった。
実力テストには賛否あるようですが、この作品を一生読まずに過ごしたかもしれない子供達が読むチャンスをもらえたのですから、その点では意義深かったのでは?と思った私です。
ちなみにうちの娘、センター試験で長文を読んで感動し、鼻水と涙で困ったそうですから、感動屋さんにはこの手の問題は不利かもしれませんが・・。
【2007/08/01 23:03】 URL | keiko #- [ 編集]

keikoさんへ
『蜘蛛の糸』、そうでしたね。
私も「全文!」と驚きましたが、keikoさんと同じく、読むチャンスを与えられたってことはよかったなと思いました。
費用・採点・利用法などいろいろ問題点が多い全国テストですが、いい文章を読むにはいい機会かもしれません。
ただし、選ぶ文章には十分な配慮をして欲しいですけれど…。

娘さんも、お母さんに似て、感受性が豊かなんですね。
この頃は、高校入試にも「世界の中心で愛をさけぶ」とか、江國香織さん、重松清さんなど、人気作家の作品が出るようで、そこから読書に発展する子も、結構いるようですよ。
私も昔、友人の作った問題の中に、「観覧車回れよ回れ思ひ出は君には一日(ひとひ)我には一生(ひとよ)」を見つけたのがきっかけで、栗木京子さんのファンになりました。
本を読むきっかけは、どこにでも転がってるということですね。受け手次第…。
【2007/08/02 18:50】 URL | 大空の亀 #- [ 編集]


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大空の亀 

Author:大空の亀 
写真の猫は姉のハオと弟のミュー。
ハオは2006年5月5日生(伝)。
ミューは2008年10月10日生(伝)。

空と言葉と草木花が好き。
趣味は読書・文芸。

読書ノート歴33年。
年間読書冊数の平均は、学生時代は
300冊、就職後は100冊~150冊。

ブログ歴 11年8カ月
2006年 3月17日から始めました。
2006年 9月 9日カウンター22222通過
2007年10月24日カウンター77777通過
2008年 5月23日カウンター100000突破 !
2008年 9月 8日カウンター111111通過
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