心に響く本・詩歌・言葉・音楽・風景
私の読んだ本や聴いた音楽、出会った風景の中から心に響いたものを紹介します。
心に響く本-「長編の本」特集
まだまだ日中は暑く、半袖で過ごす日々ですが、そんな中でも赤とんぼは群れ飛び、露草も群れ咲き、自然界の動植物たちは、すっかり秋の装いです。日が暮れるのも早くなり、秋の夜長の読書が楽しみな季節になってきましたね。というわけで、今回は、長編特集です。

重松清作『カシオペアの丘で(上・下)』 (講談社/2007年刊)
31899041[1] 31899044[1]
大学時代の友人から譲り受けた19冊のうちの2冊です。この20日にも、彼女から新しい本が5冊送られてきました。ありがたいことです。
この本は、2002年7月~2004年1月、京都新聞や愛媛新聞など12紙に連載されたものを、全面改訂したものです。
1977年、炭鉱の町で、小学4年生だった4人の幼なじみ、シュン、ミッチョ、トシ、ユウを描いた物語。話は、40歳を前に末期ガンになった、東京で暮らすシュン(俊介)の家族と、故郷の町の遊園地で働くトシ(敏彦)とミッチョ(美智子)を並行させながら展開していく。
社会性のあるテーマも含み、家族、仲間のことを、深く温かく考えさせてくれる名作です。
(上)で私が、一番泣いたのは、p287~p288。
末期ガンの俊介が、体がちゃんと動くうちに、息子と妻を、故郷の北海道に連れて行きたい。と言ったときの、妻の返事です。
「ずーっと、一年中…来年も再来年も、ずーっと連れてってくれるんだったら、今度の土日には付き合ってあげる。」
(下)でノートに書き留めたのは、p309。
「ひとを一度も傷つけることなく、誰かに一度も悲しい思いをさせることのない人生は、この世にあるのだろうか。わたしにはわからない。誰からも傷つけられたことがなく、悲しい思いを一度もしたことのない人生は―よかったね、とは思うけれど、幸せだったね、と言えるのかどうか、わからない。」


佐藤多佳子作『一瞬の風になれ(1イチニツイテ・2ヨウイ・3ドン)』 (講談社/2006年)
31763027[2] 31776393[1] 31793372[1]
これも、大学時代の友人から譲り受けた19冊のうちの3冊です。この本は、発刊直後、『バッテリー』でおなじみの、人気作家あさのあつこさんが絶賛していて、新聞にもよく取り上げられていたので、既に読まれた方が多いかもしれません。私は、ずっと図書館の予約待ちでしたので、友人のおかげでやっと読めました。
公立高校陸上部の選手たちのことを書いた青春小説です。100mと400mリレーを中心に、素晴らしい臨場感で書かれており、わくわくしながら読みました。この夏あった世界陸上の男子リレーのことなども重ねて読むと、面白さが増します。


番外編
竹宮恵子作『地球(テラ)へ(1~3)』 (スクウェア・エニックス/1977年作・2007年再版)
07183085[1] 07183086[1] 07183087[2]
アニメ化に伴い、再出版された漫画です。30年も前の作品なのに、絵もストーリーも全く古さを感じさせない名作です。作者は、現在、京都精華大学の漫画科の先生をされています。

テーマ:オススメの本の紹介 - ジャンル:本・雑誌

この記事に対するコメント

おはようございます。

重松さんの作品は図書館で借りて読みました。
心の深いところに響く作品でした。
何度も立ち止まりながらも、一日で読んでしまった。
けれど、すぐに読み返すにはつらくて。

いつもは読み終わった後に、ひっかかったとこや気に入ったところをもう一度読み返すのですが、できなかった。

きっと、時間をおいたら・・・。

竹宮恵子さんの「地球へ」は夫と子どもたちがアニメを楽しみに見ています。
コミック、読んでみたいなぁって思っています。
彼女の作品は連載されてる頃に、ずいぶん読みました。
懐かしいなぁ・・・。
 
【2007/09/22 09:04】 URL | kimico #Zr2/WiYY [ 編集]

kimicoさんへ
お早うございます。
重松清さんのこの本は、年齢的にkimicoさんにぴったりなので、もし読んでいなければ、さし上げようと思っていました。
すでに読まれていたんですね。
>心の深いところに響く作品でした。
辛いお話でしたけれど、いろんな人の優しさが響いてくる本でしたね。
自分に置き換えたり、友人知人に置き換えたり、他人事と思えず、私も一気に読んでしまいました。
優しさに至ると知れば自らを委ねて読みぬ「重松清」を  大空の亀

「地球へ」は、ほんとに優れた作品ですね。
この頃の、狭い世界を描いたちっぽけな小説に比べ、なんと壮大な作品かと感動しました。
手塚治虫さんの「火の鳥」と並びそうな気がします。
【2007/09/22 09:52】 URL | 大空の亀 #- [ 編集]


「ひとを一度も傷つけることなく、誰かに一度も悲しい思いをさせることのない人生は、この世にあるのだろうか。わたしにはわからない。誰からも傷つけられたことがなく、悲しい思いを一度もしたことのない人生は―よかったね、とは思うけれど、幸せだったね、と言えるのかどうか、わからない。」

気付かないうちにいっぱい人を傷つけていると思います。
悲しい、辛い思いを経験したから相手を思いやる気持ちが生まれます。
悲しい思いを感じたことのないと言う人がもし、いるとしたら気の毒と思いますね。
楽しい思いに気付かないでしょうから。

少し話が違いますが、ドラマや本で「想い出があるから生きていける」なんて台詞がありますね。
先日、両親の法事でお経を聞きながら子供の時の想い出が走馬灯のように出てきて両親のために久しぶりに涙が出てきました。
そして、改めて両親に感謝しました。

夫と2人の娘との4人の楽しい生活を忘れる事なんて絶対に出来ません。
クリスマス、旅行、お誕生日、、、、思い出すと悲しくて淋しくて一人で涙ぐみます。
もし、この楽しい想い出がなかったら涙する事もないんですよね。
日ごろは思い出に浸らず、振り返らないように生きています。

「想い出」はあった方がいいに決まってますがその分だけ辛さもあります。


何が言いたいのかな~私。
ゴメンナサイ、涙が出てきちゃった・・・
【2007/09/23 18:28】 URL | ベンジャミン #oUPgpoCM [ 編集]

ベンジャミンさんへ
今晩は。
>「想い出があるから生きていける」なんて台詞がありますね。
そうですね。私も、そうだと思います。
過去を振り返ってばかりではいけないよ、という人も居るけれど、
過去が、自分の人生そのものであるわけだから、私は、大切にしたいと思います。

タイムマシンがあったら…なんて、物語がよくありますが、
人は、みんな自分の心の中に、ステキなタイムマシンを持っていると思います。
ベンジャミンさんが、
>夫と2人の娘との4人の楽しい生活を忘れる事なんて絶対に出来ません。
と言われるのは、当たり前。
ステキで楽しくて幸せな日々は、現実だったのですから。
そして、今につながっているのですから。

思い出の場所に立つと、その時の自分に会えるという小説を、つい最近読みました。
楽しい思い出ばかりじゃないかもしれないけれど、思い出の場所で、過去の自分と話をしてみるのも、なかなかいいなあと思います。
ベンジャミンさんが、ご両親のことを思って涙を流されたのも、その時の自分やご両親と会えたからじゃないかな、って感じました。
思い出って、今、目の前にいない人を確かめるような寂しさもあって辛いけど、思い出さないのは、もっと寂しくて辛い…気がします。

ベンジャミンさんの涙は、幸せをプレゼントしてくれた人たちへの感謝の涙。
もしも、涙なんか流したことない、なんて人生を歩んでいる人がいたら、その人は、どんなに悲しい人だろうと思います。
人間を見て、自然を見て、…いろんなものをいっぱい見て、心を揺らすことのできる柔らかい心の持ち主であることは、とても豊かで、大切なことだと、ベンジャミンさんのコメントを読んで思いました。
涙は、かわいた心を潤してくれる、人生の必需品。たまには、泣かなくっちゃ、ネ。
【2007/09/23 21:17】 URL | 大空の亀 #- [ 編集]


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大空の亀 

Author:大空の亀 
写真の猫は姉のハオと弟のミュー。
ハオは2006年5月5日生(伝)。
ミューは2008年10月10日生(伝)。

空と言葉と草木花が好き。
趣味は読書・文芸。

読書ノート歴33年。
年間読書冊数の平均は、学生時代は
300冊、就職後は100冊~150冊。

ブログ歴 11年3カ月
2006年 3月17日から始めました。
2006年 9月 9日カウンター22222通過
2007年10月24日カウンター77777通過
2008年 5月23日カウンター100000突破 !
2008年 9月 8日カウンター111111通過
2011年 5月 4日カウンター200000突破 !
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