心に響く本・詩歌・言葉・音楽・風景
私の読んだ本や聴いた音楽、出会った風景の中から心に響いたものを紹介します。
心に響く本-頑張れ!若者
         071031_133133sora.jpg  【10月31日の空/携帯】

 1ヶ月前の2007年10月1日郵便局が民営化されました。皆さんは、そのことで何か恩恵を受けましたか?私は、すご~く損をしました。時々購入する「定額小為替1000円」の手数料が、今まで10円だったのですが、なんと!100円に!10倍ですよ!1割も手数料を取るなんて、高利貸しのようではありませんか!
その上、帰宅するとポストに、年賀状の広告が真新しい封筒に入れられて、配ってあるではありませんか。私の余分にとられた90円が、こんなぜいたくな宣伝に使われていたのかと思うと、またも腹立たしくなってくるのでした。とにかく、この手数料はショックで、次からどうやって送ろうと悩んでいます。(違うところで、無駄遣いしているでしょ…と、言わないで下さいね。)
追記:11月1日の朝刊・テレビと、膨大なお金をかけた年賀状のCM。一方で、過疎地の不便になった郵便事情。無邪気に年賀状を書く気が失せてしまいそうです…。

それでもまあ、私の悩みは知れていますが、世の中は、おかしいことが次々と!倫理観も正義感もないの?と思える出来事ばかりが続き、大人の一人として、私は恥ずかしさと情けなさでいっぱいです。
周りの若者は、優秀で素敵な人がたくさんなのに、正式採用が相変わらずない…、正社員になったらハードな勤務…、教育は上の方針が混迷状態…。こんな閉ざされた現状の中でも、諦めず頑張っている若者たちにエールを送りたく、今回は誠実な取り組みが素晴らしい、ルポジュタージュ本の紹介です。
私もだいぶ前に読んだ本なので、皆さん、既にお読みかも知れませんが…。

 松宮健一著『フリーター漂流』 (旬報社/1400円/2006年刊)

著者は、NHKスペシャル「フリーター漂流」制作ディレクター。工場で働く若者たちの声が、フリーターの取材を続ける原動力になったそうで、この本には、著者の温かく誠実な眼差しが感じられます。
P200から
人に負けないことを見つけ、そのことを徹底的に学ぶことで道を切り開いてきた千田さん。彼の生き方に、フリーターから抜け出すヒントが隠されていた。
亀~9人の若者の、厳しい生活や考え方を紹介しながらも、将来に展望を感じさせる書き方がしてあり、好感が持てました。

p202「おわりに」から
大人たちは「フリーターはいけない」と否定的に論じる一方で、正社員の採用数を減らし、フリーターを雇い続けてきた。国もこうした企業の動きを本気で止めようとはせず、フリーターを企業に供給するシステムだけが、合法的に整えられてきた。この矛盾が、若者たちを追いつめていた。(2004年に労働者派遣法が改正され、これまで請負会社の独擅場だったモノづくりの現場に、人材派遣業者も参入できるようになった。)

亀~少しずつ矛盾に気づき、今のこの働きにくさが個人的な原因ではなく、社会の仕組みにあることに憤りを覚える若者が、行動を始めました。働いても働いても貧しさから抜け出せない原因をきちんと学び、新たな一歩を踏み出すことが、今の生きづらい世の中を変えるためには必要です。

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雨宮処凛著『生きさせろ!難民化する若者たち』(太田出版/1300円/2007年)

プレカリアートという言葉を知って、自分の生きにくさの原因がわかった著者の本。非常に真剣に物事を考え、追求し、取材を続ける中で、どんどん頑張るようになっていった著者。この本の出版以降、彼女はさらに「行動する人」になり、若者が立ち上がるのを支援し続けています。
内田樹著『下流志向 学ばない子どもたち 働かない若者たち』を読んだとき、この人は分析はしているけれど、上の立場から若者たちの現実を見下ろしていて、何も解決はできないのではないかと、学者の限界を感じました。
しかし、この『生きさせろ!』を読んだとき、まさに泥沼からはい上がってきた著者であるが故に、熱い思いが伝わり、若者への希望を抱くことができました。若者にも親の世代にも、現実を知り、考え、行動するために、ぜひ読んでほしい1冊です。11月13日(火)18:30~、メイシアターで彼女の講演会があるそうです。

センセーショナルな書き方ですが、「はじめに」に、彼女の思いがこもっていますので、少し引用します。
我々は反撃を開始する。
若者を低賃金で使い捨て、それによって利益を上げながら若者をバッシングするすべての者に対して。
我々は反撃を開始する。
「自己責任」の名のもとに人々を追いつめる言説に対して。
我々は反撃を開始する。
経済至上主義、市場原理主義の下、自己に投資し、能力開発し、強烈な生存競争に勝ち抜いて勝ち抜いて、やっと「生き残る」程度の自由しか与えられないことに対して。
フリーター200万人、パート、派遣、請負など正社員以外の働き方をする人は1600万人。いまや日本で働く人の3人に1人が非正規雇用だ。24歳以下では2人に1人。なぜか?それは若者に「やる気がない」からでも「だらしない」からでも「能力がない」からでもなんでもない。ただたんに、企業は金のかかる正社員など雇いたくないからだ。好きなときに使い、いらなくなったら廃棄し、それによって人件費を安く抑え、利潤を追求したいからだ。国際競争に勝つためなら、若者の未来が奪われようと、食えない賃金であろうと、不安定な働き方が原因で心を病もうと、ホームレスになろうと、そんなことはどうでもいいからである。


亀~昔、大学受験を済ませた私に、兄が「帰りの汽車で読んでみろ。」と、金子ハルオ著『経済学』の本をくれました。詩と哲学書が好きな文学少女?だった私に、その本は今まで全然知らなかった世界を教えてくれました。父が一生懸命働いても、ある時から商売が上手く行かなくなったのは、個人の努力を超え、経済の大きい仕組みの中の一員であったから。初めて知った理由が、ストンと胃の腑に落ちていったことを、今でもはっきりと思い出すことができます。
雨宮処凛さんのこの本を読んだとき、「ああ、彼女も、あのときの私と同じように、プレカリアートという言葉が、ストンと胃の腑に落ち、経済の仕組みが見えてきたんだな。」と思いました。

テーマ:オススメの本の紹介 - ジャンル:本・雑誌

この記事に対するコメント

郵政民営化は基本としては悪くないでしょうけど、問題は運営の仕方でしょうね。手数料値上げは民間との比較である程度、予想はされていたでしょうが。
【2007/11/02 00:18】 URL | こもれび #hGt.gl.I [ 編集]

こもれびさんへ
今日も秋らしい空が広がっています。
郵政民営化での変化、前からわかっていたことなんですよね…。
つい、いいふうに予想してしまい、ショックが大きい私です。
郵便局の人も、すっかり顔なじみなもので、「ごめんなさいね。」と、すごく気の毒がって下さって。
末端にばかりしわ寄せが行くんですよねえ、いろんなことの。
PS:こもれびさんの所へのコメント、ドジをしてW送信してしまいました。ごめんなさい。
余分な分を消して下さったんですね。ありがとうございます。
【2007/11/02 14:19】 URL | 大空の亀 #- [ 編集]


こんにちは~☆

子どもたちの学費の納入は強制的に郵便局を利用させられています。
手数料が他の銀行より安いから・・・と、一方的に通告されて、口座を登録させられました。その前は決められた別の銀行でした。
手数料はこちら(保護者)が負担するので「親切でしょ?」と押し付けられたカンジでした。
毎月の引き落とし手数料、今年度は現状維持なのかな?
来年度はどうなるんでしょうね?
どちらにしても、選ばせてはくれないんですけれど。


親の世代が子育てしていた頃と今と、取り巻く社会がぜんぜん違っていて、孫を愛し娘を思っての母の言葉がつらいことが多くて。
大切に育ててもらった、同じように大切に子どもを育てていきたい。
父は右肩上がりの給料だったけれど、夫はまじめにごく普通に働いているけれども、父の頃のようには・・・・・・・。
社会の仕組みは少し前のルールで作られていて、今の現実に追いついてないように思えています。
全体のことを考えては下さっているのでしょうけれど?自分は決して損しないように、の方が優先されている?ような??
作る側、作る世代にまだ遠い若い人たちが、この国にとどまってくれるんでしょうか?

子育てもその時その時大変で、現場はみんな真剣に考えているんだけれど、通り過ぎてしまう、まにあわなくて。子どもの成長は早く、行政の対応はのんびりで。
みんな、今生きてるそこにも、また、考えなけりゃならない課題があって。
以前もそうだったのでしょうけれど、今でもそうなんです。
でも、問題や課題の本質は大きくちがってはいないでしょうか?

【2007/11/02 16:06】 URL | kimico #Zr2/WiYY [ 編集]

kimicoさんへ
今晩は。
今日はとてもきれいな夕陽でした。
ずっと見ていたかったけど、そういうわけにもいかず、
でも、空をゆっくり眺められない生活に、いかほどの価値があるのだろうと思ったり…。

もうからなくて手間ばかりかかるものは、次々と冷遇されていく社会のようですね。
銀行しかり。郵便局の手数料もいつまで安いままか、わかりませんね。
教育予算、医療予算、一番大切にして欲しい分野のお金は、どんどんけちられ、
私の納めたお金は、一体どこに使われているの?と、
様々なニュースを見るたびに、憤懣やる方ない気持ちです。

>社会の仕組みは少し前のルールで作られていて、今の現実に追いついてないように思えています。
>全体のことを考えては下さっているのでしょうけれど?自分は決して損しないように、の方が優先されている?ような??

同感です。
高齢化社会に備えて、国際社会で生き残るため、
大きな目標を掲げられると、仕方ないのだろうかと思いつつ、
保身のみを考えている政治家や官僚や社長がたくさん存在することに、
きれいな言葉を疑わずにはいられない気持ちになります。

私たちの納めたお金を、無駄遣いし、きちんと生かしてくれていない現状にも、
黙っていてはいけないと思うのですけれど…。
自分たちの望む社会に、誰かがしてくれる?お上は悪いようにしない?
そんな世界はとっくに失せ、権力を握った人が、自分の都合のよい社会にする。
私たちが持っている良心が、すべての人にあると考えるのは、悲しいけれど、お人好し過ぎるのでしょうね。

アメリカの言いなりになって、お馬鹿な国民になった私たち。
教育も経済も倫理も、本来の日本が持っていたよい物があったのでは?と思ってしまいます。
上に立つ人が、誰を見て動いているのか?、どうもこれが信用できない世の中になってしまっているようです。
立派な人徳者もたくさんいるでしょうに、どうしてこんな恥ずかしい国になってしまったのかしら?
弱い人を大事にするのが、社会の基本だったのではないのかしら?
強者、勝者のみが生きる価値があるというような風潮に、憤りを感じます。

kimicoさんのコメントへのお返事には、なっていまいかも知れませんね。ごめんなさい。
【2007/11/02 19:16】 URL | 大空の亀 #- [ 編集]

こんばんは
手数料が10倍?
2倍でも腹が立つのに・・・

最近、新聞もニュースも見たくありません。
腹立たしい事だらけです。
厚労省、防衛省の不祥事。
企業の偽装事件が次々に出てきます。
そしてNOVA、この社長室が公開されましたね。
不愉快でたまりません。

真面目に働くものが浮き上がれない時代なんておかしいです。
格差社会って言われていますが確かに周りを見ても想像以上の裕福の方がいると思えば、年金生活者は孫にランドセルを買ってあげるために(きついのに)65歳を過ぎても働いている方もいます。

無駄をなくし、ガラス張りの財政で消費税のUPなら仕方がありません。
無駄遣いだらけの状態では増税は納得できません。
でも、どうしたらいいのでしょう。
政党が交替したら改善されるのでしょうか。
【2007/11/03 20:11】 URL | ベンジャミン #oUPgpoCM [ 編集]

ベンジャミンさんへ
>腹立たしい事だらけです。厚労省、防衛省の不祥事。企業の偽装事件そしてNOVA。
ほんとに、ひどい話です。一体いつから、こんなひどい国になったのでしょう。
昔はましだったのかしら?と思ったら、昔のサザエさんに「2億円抜き取り事件」という漫画があったと、今日の朝日に書いてありました。
郵便物や貯金や保険から、お金を盗む事件が、以前に結構あって、総被害額が2億円で、しかも8割以上が内部の者の犯行だったと書いてありました。
これを読んで、社会保険庁の職員が、国民から預かったお金を、自分の物のように使っていたのも、さもありなんと思ってしまいました。

NOVAの社長の品位のなさ、無責任さにも、あきれてしまいますね。
ご主人を亡くした友人は、NOVAでの勉強をとっても楽しみにしていて、お金もたくさん注いでいます。
一生懸命働いて稼いだお金を、こんなひどい使い方をされたのでは、たまったものではありません。
NOVAから学校に派遣されていた外国人の先生も、大阪市の教育委員会がNOVAとの契約を他の会社に替えるため、職を失うと報道されていました。
昔は教育委員会が直接、外国人と契約していたのに、費用の関係でそれを止めたため、気の毒な事態が生じているそうです。
年度途中だというのに、配慮のない冷たい対応です。まさにお役所仕事という気がします。

>真面目に働くものが浮き上がれない時代なんておかしいです。
同感です。黙っていたら、多数決の数の力で、好き勝手なことをされてしまいます。
友人が弁護をしている裁判も、議会の多数決で、正義がつぶされてしまいました。
すべてが自分の思いや考えと一致する政党は、残念ながらありませんが、
諦めず、少しでも多く重なる政党を支持することで、変えていくことしかないなと、議会の話を聞いて思いました。

こちらのニュースでは、オンブズマンというボランティアの行政監視役の人たちが結構頑張っていて、税金の使い道の不正などを見つけ、追求し改善されたりしている例も増えています。
もっと多くの人が、こういう活動に参加していくと、いいのかも知れませんね。
【2007/11/04 00:05】 URL | 大空の亀 #- [ 編集]


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大空の亀 

Author:大空の亀 
写真の猫は姉のハオと弟のミュー。
ハオは2006年5月5日生(伝)。
ミューは2008年10月10日生(伝)。

空と言葉と草木花が好き。
趣味は読書・文芸。

読書ノート歴33年。
年間読書冊数の平均は、学生時代は
300冊、就職後は100冊~150冊。

ブログ歴 11年3カ月
2006年 3月17日から始めました。
2006年 9月 9日カウンター22222通過
2007年10月24日カウンター77777通過
2008年 5月23日カウンター100000突破 !
2008年 9月 8日カウンター111111通過
2011年 5月 4日カウンター200000突破 !
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