心に響く本・詩歌・言葉・音楽・風景
私の読んだ本や聴いた音楽、出会った風景の中から心に響いたものを紹介します。
心に響く本-『徒然草』
 吉田兼好著『徒然草』

日本古典文学全集『方丈記・徒然草・正法眼蔵随聞記・歎異抄』(小学館・4800円)
古文が苦手な人には次の本をお薦め。 少年少女文学館 嵐山光三郎訳『徒然草・方丈記』(講談社・1890円)子どもの頃から徒然草が好きだったという嵐山光三郎さんならではの、上手な訳である。

若い頃に読んだ時は、吉田兼好のへそ曲がりぶりや、話題の豊富さが面白かったが、理解できない部分も多かった。ところが今は、至る所で自分と重なり、にやにやしながら再読している。
また、京都の地名がたくさん出てくるので、実際にそこに足を運ぶ楽しさもある。

例えば、石清水八幡宮。京阪八幡市駅から男山ケーブルで登った山頂にある。
皆さんも覚えておられるだろうが、「徒然草 第五十二段」はこんな具合だ。

仁和寺にある法師、年よるまで、石清水を拝まざりければ、心うく覚えて、ある時思ひ立ちて、ただひとりかちより詣でけり。…中略…少しのことにも、先達はあらまほしき事なり。

訳:仁和寺にいる僧が、年をとるまで石清水八幡宮にお参りしたことが なかったので、情けないと思って、ある時、思いたって、たった一人、徒歩で参拝したのだった。…中略…(ところが本殿が上にあるとも知らず、下にある立派な社を拝んで、「やっと長年の念願がかなった」と、感激して帰るというお話。)ちょっとしたことにも、その道の先導役は、あってほしいものである。

人に尋ねなかったばっかりに、肝心なものを見損ねてしまったお坊さん。ちょっと聞いたら済むことを、そうしなかったために起こした失敗の数々。私もたくさん思い当たる。


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   (クリックすると、少し大きくなります)
これらの写真は、この石清水八幡宮の近く、二つの川(宇治川・木津川)が合流する背割りの堤のもの。1.4キロにも及ぶ堤に、太い幹の桜並木が続き、壮観である。
橋の近くは、団体の花見客が多いが、堤の終わりまで行くと、人も少なく読書などもできる。私のお気に入りの場所の一つだ。

また、『徒然草』には、仁和寺の法師がよく出てきて、笑いものにされている。吉田兼好が近くの双が丘に住んでいたことや、当時、仁和寺は寺領も広く有名だったことが、影響していると思われる。

桜守で有名な佐野藤右衛門さんのご先祖も、仁和寺領のお百姓さんだったそうで、今もお寺の庭の手入れを仕事にされている。仁和寺の桜は「御室の桜」といって、平安時代から有名で、確かに王朝貴族が現れても似合いそうな風情がある。「わたしゃお多福御室の桜、はなが低うても人が好く」と言われるように、手が届きそうな木々に、たっぷりの花をつける。その下に縁台が置かれ、市中より一足遅い開花の桜を、心ゆくまで楽しめる。

何年か前、ここで、粋な花見客を見た。五、六人の家族らしき人たちが、みな和服姿で、風呂敷に包んだ重箱を携え、花見をしていた。そこだけ、別世界のような優雅さであった。
そういえば、私が子どもの頃の花見は、着物姿の母、巻き寿司や醤油餅(三色団子の平たいもの)の入った重箱…、とこんなふうであったな。

『徒然草』には、こんな文章も。
友とするにわろき者、七つあり。一つには、高くやんごとなき人。二つには、若き人。三つには、病なく身強き人。…後略…(第一一七段)

「若き人身強き人を厭ひたる兼好法師の日に日に近し  大空の亀」

テーマ:オススメの本の紹介 - ジャンル:本・雑誌

この記事に対するコメント

 土日が雨模様で桜を見に山へ行けず凹んでいます!
新しい職場にようやく慣れたところですが、やはり環境が変わったことで少し疲れがたまっています。
「きり絵」の新しい作品の図案を描いて、ぼちぼち切り出そうと思っています。石垣島に行った時のものをふたつ、それと桜を題材にしたもの合わせて三つの図案ができているので、
これからひたすら切る作業です。
ただし仕事に支障が出ないようにするため夜中遅くまではやれません。いつになったら完成するのかは未定です。
 たくさんの桜の写真を見させてもらって幸せな気分に浸っています。
【2006/04/18 22:03】 URL | utsugi #- [ 編集]

utsugiさんへ
先日、職場にやってきた友人が、utsugiさんの切り絵を見て感心していました。
「プロでやれるよ!」「本にして売らないの?」と、言っていましたよ。
また、夏に、一日文化教室を開いて、作品づくりができるといいなと思っています。
その時に、新しい切り絵を見せて頂くのを楽しみにしています。
お体、無理されませんよう。
【2006/04/19 18:19】 URL | 大空の亀 #- [ 編集]


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大空の亀 

Author:大空の亀 
写真の猫は姉のハオと弟のミュー。
ハオは2006年5月5日生(伝)。
ミューは2008年10月10日生(伝)。

空と言葉と草木花が好き。
趣味は読書・文芸。

読書ノート歴33年。
年間読書冊数の平均は、学生時代は
300冊、就職後は100冊~150冊。

ブログ歴 11年5カ月
2006年 3月17日から始めました。
2006年 9月 9日カウンター22222通過
2007年10月24日カウンター77777通過
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