心に響く本・詩歌・言葉・音楽・風景
私の読んだ本や聴いた音楽、出会った風景の中から心に響いたものを紹介します。
恩師の俳句[8]&都会の風景
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       【6月のベランダにて-花の名前は「イソトマ(ローレンティア)・ブルースターです。】

 5月11日(日)のお昼頃、S先生から恒例の「季節の俳句便り」の電話がありました。
早くに頂いていたのに、アップがまたもや遅れ、申し訳ないことに、季節がずれてしまいました。
今回は、こちら関西の都会の風景写真と合わせながら、俳句の紹介をしていきたいと思います。
*右列下方の「ブログ内検索」で、「恩師」と入れると、過去の「恩師の俳句」を見ることができます。

春の雲城山を越え瀬戸を越え
車椅子での散歩の時、家の裏の小高い丘に登ると、松山城、瀬戸内海が見えるそうです。
移動していく雲に乗せて、先生の心も、雄大な、そして、どこかのんびりした伊予の春景色の上を渡っていったんだろうなと思いました。

木瓜(ぼけ)咲くやみどり児ことば覚え初(そ)
二人目のお孫さん(男の子)が、六ヶ月になり、言葉らしきものを発するようになったそうです。木瓜の花のぽってりとした花の感じが、元気いっぱい育って、ふくよかな赤ちゃんの雰囲気に合っていますね。

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【レトロな建物を文化施設に生かしている京都 ― 左から小学校の廊下・銀行の窓口】

頂きしバラの香りの誕生日
3月の誕生日、お子さんからピンク・赤・白のバラの花が、送られてきたそうです。「僕も75歳、後期高齢者になってしまったよ。」と言われていました。政府の当初の話と違って、徴収額が、低所得者に厳しく、高収入の人に甘いという結果が出たと、今日の新聞にありました。

さくらんぼふふめば遠しパリの空
「散歩の途中、1句目と同じ所なんだけど、桜の木に実がなっていて、いちばん熟れているのを、ヘルパーさんにとってもらって食べたら、おいしかってね。ちょうど青空をジェット機が横切り、ああ、この空はパリに連なっているんだって思ったよ。 萩原朔太郎の『フランスに行きたしと思えど、フランスはあまりに遠し』じゃないけど…ね。」
さくらんぼは、人を憧れに誘う魔力があるようです。ひらがなを多用した表記の柔らかさも、そんな気持ちにふさわしい句ですね。

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【大阪球場の跡地にできた「なんばパークス」という商業施設 ― 壊して作るのが好きな大阪】

城巡る川瀬の音にさくら散る
すぐに大洲城だなって、わかりました。
「去年も行ったんだけど、今年も、尿瓶(しびん)を持って、タクシーで出かけたよ。『散る桜 残る桜も 散る桜』(良寛)の句みたいだなって思った。」としみじみ話され、私も懐かしい情景を頭に浮かべながら、しんみりしてしまいました。

紅白のつつじふたもと(二本)庭の贅(ぜい)
「家の庭にある二本のつつじを毎日眺めているのだけど、それは、とても贅沢なことだなと思ったよ。」先生の言葉を聞きながら、ほんとにそうだなあと深く共感を覚えました。
何でもないと思える日常こそが、それを維持していくことも含めて、すべてのものに命があるということが、「贅」なのですよね。

ozuutikowohoru0805.jpg 『大洲・内子を掘る』   honutikohudoki0805.jpg 『内子新風土記』

 最後に『大洲・内子を掘る-埋もれた人と歴史と文学と』(澄田恭一著・アトラス出版)という本の話をしたところ、また、つながりが出てきました。
この本の著者は、かつて内子高校、大洲高校の先生をされていて、今も地域の歴史の掘り起こしに力を注いでおられます。本の中に、治安維持法違反の疑い(真相は、熱意のある教師に嫉妬した先輩教師が流したデマだったようですが…)で、二人の青年教師が教壇を追われるという事件の真相を追跡したルポルタージュがあります。
この二人の教師のうちの一人、永井先生の奥さんとS先生は、天神小学校で1年間一緒だったことがあり、また、永井先生の息子さんは、大洲高校でS先生の2年先輩だったそうです。

 いつも、ちょっと何かを話すと、S先生とも不思議なほどつながるので、「偶然力」の強い「亀」も、さすがに驚いてしまいます。興味・関心のある方面が、似ているのかもしれませんね。
*同じ出版社から出ていたので、一緒に注文した『内子新風土記』。昔住んでいた家や知っている人が写っていて嬉しく、その上、内容も充実している、すぐれた旅行雑誌でした。

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6月7日追記:「おおさかの街」という雑誌に関わっている兄が、昨日、坪内稔典さんに取材をしてきたそうです。
その席上、S先生のこと(前回の「恩師の俳句」で教え子と紹介)を話したところ、よく覚えておられたそうです。

テーマ:俳句 - ジャンル:小説・文学

この記事に対するコメント

内子にはまだ行ったことがないのですが、古い時代のものが多く残っている街並みを一度は自分の目で眺めながら歩いてみたいと思っています。
紹介されている本も読んでみたくなりました。
【2008/06/08 21:06】 URL | こもれび #hGt.gl.I [ 編集]

こもれびさんへ
こもれびさん、ぜひ松山、内子、大洲をお訪ね下さい。
それぞれによい季節がありますが、夏なら、内子は旧の七夕、大洲は鵜飼ですね。

『内子新風土記』は、1333円で、私は出版社のホームページから注文しました。
非常に見やすい編集で、内容も優れていたので、心の底からお勧めします。

何年か前、内子の食事どころで、中国語サークルでお世話になっている方に、偶然会い、驚いたことがあります。内子が好きで、来られたそうです。

【2008/06/08 22:40】 URL | 大空の亀 #- [ 編集]

お花・・・
こんにちは~♪
一番上にある花、きれいですね~(*^▽^*)
『栴檀』かしら?それともほかの花でしょうか?
この頃は輸入ものや新種が増えてきて、
そうじゃなくても元々がわかってないので、
花の名前がさっぱりわかりません。

それにしても、いつもきれいに撮ってらして感心してます。
今はどこを歩いても、いろんな花が咲き誇っていて
もう暫くは散歩も楽しめそうです。

【2008/06/09 11:02】 URL | まり #N2y2xK1c [ 編集]


木々の緑のあざやかな中に紫や紅色の花々が奇麗な季節ですね。

S先生の俳句 、松山や大洲のお城や瀬戸内海の海や おだやかな風景が感じられます。
ご家族に囲まれて 皆さんにやさしい気持ちをいつも伝えられておられる先生のお姿が浮かびます。

本は 是非 購入したく思っています。楽しみです。町並み保存という形は 私たちが通っていた中学時代の頃には想像もできませんでしたね。静かで情緒ある環境で過ごせた幸せを感じます。亡義父は民家の専門でしたので 内子にも出掛けております。
それから 私も随分 前に 「内子のむかし話」S60年発行 第一法規 を購入していました。内子の昔や方言がなつかしくて。また ゆっくりと読んでみようと思っています。
いつまで経っても  田舎は 離れているから よけいに 懐かしく、愛しいものですね。
【2008/06/09 14:41】 URL | よりやん #- [ 編集]

まりさんへ
花の名前は、次々新しいのが出てくるので、難しいですね。
私も、ベランダに咲いたのを写してアップしたものの、名前を忘れて、ここ数日いろいろ調べていました。今日、やっとわかりましたので、最初の写真のところに、書き加えました。
イソトマ(または、ローレンティア)・ブルースターという名で、ききょう科の多年草だそうです。
百円玉ぐらいの大きさの五弁の花で、花柄は長く、高さは数十センチ、花期も長いです。
毎年、この時期に自然に咲いてくれるので、可愛いし、ありがたいですよ。

ほめてくださってありがとうございます。今回の花は、だいぶ接写して、大きく写しました。
かなり無理な角度で撮ったので、カメラをベランダから落としそうで、怖かったです…。
【2008/06/09 18:38】 URL | 大空の亀 #- [ 編集]

よりやんへ
>「内子のむかし話」S60年発行 第一法規
こんな本があったんですね。アマゾンで調べたけど、古すぎて、在庫がないようです。

S先生の傍で、いつもお世話をされている奥様や娘さんは、ほんとに偉いなあと思います。
先生も、ご家族に、感謝されてるでしょうねえ。

>本は 是非 購入したく思っています。
ぜひ買ってみてね。写真も多いし、内容もいいから。「広告料もらわなあかんね」、なんて。
内子に生まれ育ちながら知らなかった歴史や、顔見知りの人たちの知らなかった側面、懐かしい風景・・・いいところだなあと、ますます好きになりました。
簡単に帰れない場所だから、なおさら望郷の思いが募るのでしょうね。

今住んでいるところは、京都・神戸・大阪・奈良が近く、それはそれでワクワクするのですが、松山ぐらいの大きさが住みやすそうだなって思ったりもします。
【2008/06/09 18:53】 URL | 大空の亀 #- [ 編集]


お花きれいですね、何だかしばらく四角い空ばかり見ていたせいなのかホットしますね。
少し外に出てみようと思っています。
また、何か見つけられるかもしれませんね、今はそう願っています。
【2008/06/10 22:09】 URL | 夢詩 #- [ 編集]

夢詩さんへ
お久しぶりです。
体の調子が、少しよくなられたのかな?
コメントを頂いて、ほっとしています。

北海道は、今が一番過ごしやすい季節ですよね。
緑も空も心地よい北海道で、素敵な時間を持たれますよう。

また、無理のない範囲で、ご訪問下さいね。
【2008/06/11 19:07】 URL | 大空の亀 #- [ 編集]

イソトマ
何のお花かと思ったらイソトマなのね。
写真は大きくて美しく、存在感があるお花に撮れていますね。

【壊して作るのが好きな大阪】
これは亀さんのお言葉?
多分東京も同じだと思いますよ。
「ここに何があったっけ?」…いつの間にか新しいビルが建っています。

娘婿のご実家からさくらんぼうが届きました。
ひとりなのでご近所におすそ分けして、『大人買い』じゃなく『大人食べ』をしています\(^O^)/
【2008/06/11 20:57】 URL | ベンジャミン #oUPgpoCM [ 編集]

ベンジャミン さんへ
>何のお花かと思ったらイソトマなのね。
ご存知でしたか?イソトマ。値段も高くなく、長持ちするので、我が家向きです。
可憐な花なのに、アップで撮ると、ちょっと印象が違う感じでしょ?

>【壊して作るのが好きな大阪】
はい、私の言葉です。と言っても、皆さん同じ思いでしょうね。
今、駅前の団地を壊しています。中国の地震のニュースを見た目には、こんなに丈夫に造ってある物を、わざわざ壊しているのは、狂気じみて見えます。
鉄筋でしっかり造ってある物を、半世紀にも満たない年数で建て替えるって、変じゃないですか?
最近、レトロなビルや民家が見直されていますが、微々たる物ですものねえ。

さくらんぼ、S先生の句にあるように「ふふむ」って感じですよね。
食べたいなあ…。近くだったら、お裾分けに預かれるのに…、残念。
【2008/06/11 21:58】 URL | 大空の亀 #- [ 編集]


外出が多くて落ち着かない日々を過ごしていたので、時々お邪魔しながらコメントできずにいました。
 S先生、お幸せそうですね。俳句を読んでいると、ゆったりとした声が耳の奥に聞こえてきます。
そうですか~、先生も後期高齢者に!
お体をいたわりながら、また俳句作りに励んでくださいね。

母校を通してのさまざまなご縁は、ほんとうにありがたいです。
澄田先生の地道な研究にも頭が下がります。
【2008/06/17 15:49】 URL | keiko #- [ 編集]

keiko さんへ
今晩は。keikoさんも忙しそうですね。

私は、父の日だった日曜日、兄と姪を呼んで一緒に食事をしました。
keikoさんから頂いた長文のお手紙や、皆さんから頂いた手紙・ハガキ・メールの中から、義姉に関係あるところを、兄と姪にも読んでもらいました。
二人とも感謝していました。ありがとう。兄は、すぐにうるうるしていました…。

この場を借りて、義姉の「闘病記」を読んで下さり、温かいお返事までくださった皆さまに、お礼申し上げます。

澄田先生の地道な研究のおかげで、いわれなき罪を背負っていたお二人の先生もご家族も、名誉を回復されました。
S先生もですが、目立たないところで、こういうふうに一生懸命生きている人がいるから支えられている世の中であること、忘れずにいたいです。
【2008/06/17 18:08】 URL | 大空の亀 #- [ 編集]


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大空の亀 

Author:大空の亀 
写真の猫は姉のハオと弟のミュー。
ハオは2006年5月5日生(伝)。
ミューは2008年10月10日生(伝)。

空と言葉と草木花が好き。
趣味は読書・文芸。

読書ノート歴33年。
年間読書冊数の平均は、学生時代は
300冊、就職後は100冊~150冊。

ブログ歴 11年6カ月
2006年 3月17日から始めました。
2006年 9月 9日カウンター22222通過
2007年10月24日カウンター77777通過
2008年 5月23日カウンター100000突破 !
2008年 9月 8日カウンター111111通過
2011年 5月 4日カウンター200000突破 !
2012年 1月10日カウンター222222通過
2014年 9月15日カウンター300000突破 !



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