心に響く本・詩歌・言葉・音楽・風景
私の読んだ本や聴いた音楽、出会った風景の中から心に響いたものを紹介します。
心に響く本-今年の読書は155冊。
 今年も、拙いブログにお付き合いいただき、ありがとうございました。

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 今年の11月、家から車で1時間ほどのところで、撮りました。「野間の大けやき」といって、昭和23年、国から天然記念物に指定されました。平成10年に作られた看板によると、樹齢1000年以上、幹周り14m、高さ30m、枝張り南北38m・東西42mだそうです。大阪府下で一番、全国的には四番目の巨樹とのことです。
全体を収めたく何枚も撮ったのですが、この木の偉大さは傍に立たない限り、伝えられないと気付きました。

 今年最後のブログは、昨年に続いて読書のまとめです。11月半ばまで絶好調の読書スピードでしたが、目の具合を悪くしてペースダウンしたため、155冊でストップです。といっても、大切なのは、量でなく質!
すでに紹介した本以外に、数冊ご紹介します。今年は(も?)俳句・短歌の本を読むことが多く、小説の分野が、あまり興味のもてなかったせいもあって、手薄です。来年は、昔の作家の本を読み直したいと思っています。

表紙俳句計画 表紙雪 表紙夜は短し 表紙新メロス hyousizookeeper.jpg

夏井いつき著 『100年俳句計画』 (草炎社そうえんしゃ)
著者が主に愛媛県内の学校を回って行った句会ライブの様子をまとめた本ですが、物語を読むような面白さと感動があり、今年一番心に残った本でした。
子どもたちが詠んだ俳句には、思いがけないドラマが隠されていて、心が揺さぶられました。小学生の男の子が詠んだ「にいちゃんがたすけてくれるあきの山」には、意外な話が背景にあって、思わず泣いてしまいました。「たすけてくれた」ではなく「たすけてくれる」のです。俳句に興味のない方も、ぜひ御一読を!

オルハン・パムク著 『雪』(藤原書店)
養老孟司・池田清彦・吉岡忍対談『バカにならない読書術』(朝日新聞新書)に紹介してあった本です。
40カ国以上で翻訳されているベストセラーだそうで、著者は、ノーベル賞に一番近い作家と言われています。
主人公は、ドイツに亡命していた詩人Kaで、彼が、取材のため、トルコの辺境の町カルスを訪れるところから始まります。政治と宗教に翻弄される人々が描かれているのですが、美人姉妹の登場などで恋愛小説的な部分もあります。アマゾンに、翻訳者が詳しい解説を書かれているので、ご参照下さい。
“紺青”という人物が、なかなかかっこよくて、彼が主人公Kaに向けた「幸せでさえあれば十分だと思う者は、幸せになれない。」という言葉が、印象的でした。
566ページもある大作で、翻訳文の苦手な私が、今年一番苦労した本でした。

森見登美彦著 『夜は短し歩けよ乙女』 (角川書店) 
               『【新釈】走れメロス』 (祥伝社)
今年注目した若手の一人。もう一人は、豊島ミホさん。この二人のは、それぞれ数冊以上読みました。どちらも若い作家の中では力のある上手い書き手だと思いますが、正直、ちょっと飽きてしまいました。
森見登美彦さんの小説はどれも、京都大学で経験したこと、下鴨神社から吉田神社辺りが舞台、大学生が主な登場人物といった材料が共通しています。京都に興味のある読者には、それだけで楽しめそうです。
私が一番興味深かったのは、同じ材料を、作者が、違う小説で、どう料理するかというところでした。語彙が豊富で、言葉遣いが面白いのと、言葉で描く漫画といった破天荒な内容が面白く、材料や展開の予測がついても、ついつい読んでしまいました。笑いの欲しい方におすすめです。

『【新釈】走れメロス』は、中島敦「山月記」、芥川龍之介「藪の中」、太宰治「走れメロス」、坂口安吾「桜の森の満開の下」、森鴎外「百物語」を下敷きにした短編集です。森見さんの材料は、例によって同じですが、それらを上手く料理して、原作の雰囲気を醸し出したなと思いました。
ついでに、原作の作家の小説をいくつか読み直したのですが、どれも上手い!想像力・表現力が半端じゃない!中島敦の筆力。森鴎外の「大発見」なんて、鼻くその話なのですが、読ませます。
来年は、昔の作家のものを読み直そうと、強く思いました。

青木幸子著 『ZOO KEEPER』 (講談社)
動物園を舞台にした漫画。主人公の新米女性飼育員は、温度を視認できる特殊能力の持ち主。彼女の能力が役立つ場面を上手に生かしながら、現代の動物を取り巻く環境、人間社会の問題点について、動物園の人たちが真剣に取り組む姿勢を描いています。
園長をはじめ、個性的な飼育員の様子が興味深く、思わず夢中になって読んでしまいました。
漫画の良さを充分に生かした力作だと思います。絵も丁寧で、見やすいです。


 今月見た映画が、二本とも心に残りましたのでご紹介します。マイナーな所でしか上映されないかも…。

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フォ・ジェンチイ監督『初恋の想い出』
昔見た中国映画 『山の郵便配達』 がとても良くて、それがきっかけで中国語を学ぼうと思った私。
その監督の作品となれば、見逃すわけにはいきません。
予想どおり、時間の流れがゆったりとしていて、心情の描き方がていねいで、映像が美しい、いい映画でした。
80年代の中国の若者の青春を描いた物語で、「ロミオとジュリエット」をキーワードにして話が展開していきます。途中、あの懐かしのオリビア・ハッシーを、映画の場面に見ることができ、大感激でした。
最後の場面は必見です。恋心には、もう遠い日常ですが、この映画は思っていた以上にステキでした!!!

是枝裕和監督『大丈夫であるように-Cocco 終わらない旅-』 
息子のおすすめで、見に行きました。ミュージシャンCoccoのライブの旅を追った記録映画です。
監督は、『誰も知らない』や『歩いても歩いても』でおなじみの是枝裕和監督。すごくいい映画でした!!!
沖縄出身の彼女が、痛みを抱えているのは自分だけではないと気づき、何とかしたいと行動していく過程。
ジュゴンのこと、ひめゆりのおばあ達のこと、青森の六ヶ所村のこと。世の中の矛盾に真摯に向き合い、歌っていく彼女の姿に、すっかり心奪われました。彼女の頑張りを見ているだけではいけないのです。
『大丈夫であるように』という題には、Coccoへの、そして皆への監督の思いが詰まっていると思いました。

 それでは皆さん、良いお年を! 来年もよろしくお付き合い下さい。


テーマ:読んだ本。 - ジャンル:本・雑誌

この記事に対するコメント

こんばんは、大空の亀さん(^・^)
今年もカウントダウンが始まりましたね。なんて一年が終わるのが早いこと…

>樹齢1000年以上、幹周り14m、高さ30m、枝張り南北38m・東西42m

見事ですね。樹齢1000年以上だなんて本当に素晴らしいですよね。
きっと、住んでる方たちが自然をとても大切にして生活してこられたから
守られて立派になった証ですね。
自然がどんどん破壊されている今、この樹のように大切に守り続けてあげたいものを
増やしたいですね。
映画を2本観られたのですか?すごい~~~♪
切ない恋のお話…いくつになっても恋はしていきたいですね、心の恋人(#^.^#)

今年もいろいろとありましたが
大空の亀さんにとって来年は良い年になりますように…あっ!私もでした(^・^)
ギックリ腰、大丈夫ですか?
来年もよろしくお願い致します(^_^)v
【2008/12/29 23:37】 URL | ノロタン #B7q/.fmY [ 編集]

ノロタンさんへ
今晩は。
今年も一年間、温かいコメントをありがとうございました。
ギックリ腰も、整体の先生に診てもらったら、治りました。
バリバリだった肩も、柔らかくしてもらって、やっと楽になりました。
ぎくり越しは、時期的にも、治るのに1週間ぐらい必要みたいですね。
あとは、腹筋・背筋などを鍛えて、気をつけようと思います。
ノロタンさんも、お体気をつけて、良い年越しをなさって下さいね。

映画、まだ腰の痛い時期だったのですが、どうしても観たくて行きました。
2本とも、思っていたよりずっと良くて、今年最後の素晴らしい収穫がありました。
もしお近くでありましたら、ぜひご覧下さい。

樹齢千年のケヤキ、今頃は葉をすっかり落として、立派な枝振りを見せていることでしょう。
動物や植物には、人間が忘れてしまった智恵や優しさがいっぱい!
来年は、動物や植物に謙虚に学びながら、少しでも良い年にと願っています。

【2008/12/30 20:43】 URL | 大空の亀 #- [ 編集]


全国4番目の樹齢とはすごいですね。
けやきは長生きしてくれます。
「初恋の想い出」は観ましたよ。ストーリーより監督に惹かれて観たんですけど。
「山の郵便配達」のあのみずみずしい風景はなくても、重みのある校舎の建物に
は、いいロケ地を選んだものだと感心しました。
今年1年お世話になりました、よい初春をお迎えください。
【2008/12/30 22:25】 URL | こもれび #hGt.gl.I [ 編集]

こもれびさんへ
お早うございます。
今日は、大晦日。私の誕生日でもあります。(戸籍上は1月2日ですが。)
今日は一日、お節作りに徹します。猫と一緒に早起きをしたので、今から。

「初恋の想い出」も「山の郵便配達」も観られたんですね。
こもれびさんのブログに、月に1回以上は映画を観ると、先日書かれていましたね。
これからも時々、映画の話題もお教え下さい。

ケヤキは、長生きするんですね。
私は、あの葉を落としたあとの姿形が好きで、よく見上げます。
木の生き方は、理想の一つです。
来年は、少しでも気持ちの良い出来事が報道される年でありますように。
今年一年、コメントをありがとうございました。よい新年をお迎え下さい。
【2008/12/31 07:22】 URL | 大空の亀 #- [ 編集]


今年もたいへんお世話になりありがとうございました。
11月の展示会には、わざわざ足を運んでいただき感謝しています。

なんと言っても健康有っての毎日です。くれぐれも無理をなさらず
これからも立派なブログを続けていってください。

それでは良い正月を迎えたください!
【2008/12/31 12:41】 URL | みのお市・UTSUGI #- [ 編集]

みのお市・UTSUGI さんへ
今晩は。
今年は、外での展示会もできて、良かったですね。
写真の千年ケヤキは、あの展示会の帰りに寄って写したものです。
また、作品展をされますよう。楽しみにしています。

今日は、早くからお節に取りかかったので、早く完成しました。
あとは、コタツに入って、猫と足を触れ合いながら、のんびり過ごします。
注文していた、大島弓子の漫画が届いたので、それを読みながら、時々紅白でも聞いて。

来年もよろしく!良いお年をお迎え下さい。
【2008/12/31 18:17】 URL | 大空の亀 #- [ 編集]


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大空の亀 

Author:大空の亀 
写真の猫は姉のハオと弟のミュー。
ハオは2006年5月5日生(伝)。
ミューは2008年10月10日生(伝)。

空と言葉と草木花が好き。
趣味は読書・文芸。

読書ノート歴33年。
年間読書冊数の平均は、学生時代は
300冊、就職後は100冊~150冊。

ブログ歴 11年6カ月
2006年 3月17日から始めました。
2006年 9月 9日カウンター22222通過
2007年10月24日カウンター77777通過
2008年 5月23日カウンター100000突破 !
2008年 9月 8日カウンター111111通過
2011年 5月 4日カウンター200000突破 !
2012年 1月10日カウンター222222通過
2014年 9月15日カウンター300000突破 !
2017年 9月26日カウンター343434通過



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