心に響く本・詩歌・言葉・音楽・風景
私の読んだ本や聴いた音楽、出会った風景の中から心に響いたものを紹介します。
心に響く本-今月読んだ本から
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 まずは、嬉しいお知らせから
「映画評のブログ(右列リンク先)でおなじみの犬塚さんが代表でまとめた、映画館情報の本が出ます。多くの人に映画館に足を運んでほしいなという趣旨のもと、映画ファンが集い「『映画館に行こう!』本制作委員会」というのを作り、昨夏から原稿作成などに取り組んできました。ここにコメントを下さるkimicoさん、犬塚さんの文や私の友人の文もあります。私も息子と一緒に4ページ担当しています。
本の題名は『CINEMA,CINEMA,CINEMA,映画館に行こう!関西映画館情報』で、145ページA5版1300円です。出版社は、「創風社出版」(愛媛県松山市)で、以前に紹介した東玲治著『ドキュメント仙波敏郎-告発警官1000日の記録-』や藤田亜未さんの句集『海鳴り』を出している会社です。
発売日は、2月14日バレンタインデー!ご購入いただけると嬉しいです。本が届いたら、もう一度詳しく紹介したいと思います。なお、本を置いてくださるお店や、本を紹介してもらえそうなメディアをご存知の方は、ご一報くださればありがたいです。


 今月はいつもと違うタイプの本に出会いました。
冬場は、出かけると寒いし、風邪をうつされるのも嫌なので、コタツで読書が一番とばかり、図書館で借りた本や、借りたものの欲しくなり中古で買った本などに囲まれて過ごしました。今回は、そうやって読んだ15冊を中心に、オススメ本をご紹介します。

mesod2.jpg   書きあぐねて    dokusyomiti1.jpg  dokusyomiti2.jpg  

 別に作家になりたいわけではないのですが…左から順に

奈良裕明著『小説を書くならこの作品に学べ!』 (雷鳥社・2005年刊)
短歌や俳句を詠むときの「創作」に関する共通点を知りたくて、同著者の『小説を書くための基礎メソッド』というのを、前に読みました。結構、ヒントになる部分があったので、その続編のこの本を買ったのですが、そこに、短編小説を書く技術を学ぶためにと紹介してあった本(山本周五郎・宮本輝・有吉佐和子など)がとても面白くて、この本は私にとっては読書案内として役に立ちました。

保坂和志『書きあぐねている人のための小説入門』 (草思社・2003年刊)
自分が書くというのではなく、小説家というものに興味があって読みました。前述のハウツー本と正反対のタイプの本で、本質に迫る感じがとてもよく、短歌や俳句を詠むことにも通じる考え方がたくさん載っていて気に入りました。ストーリーの面白さだけで読ませるファンタジーやミステリー、センチメンタルな話やネガティブな発想を嫌う筆者に、共感が持て、たくさん線を引きました。

Web本の雑誌編集『作家の読書道』 (本の雑誌社・2005年刊)
当代人気の作家30人に、読書歴や作家としてのあり方をインタビューしたもの。好きな作家の一人あさのあつこさんが、昔、『だれも知らない小さな国』シリーズが好きだったとか、藤沢周平さんと辺見庸さんがすごく好きだと語っているところなど、「ああ、自分と一緒だ!」と嬉しくなって、あっという間に読みました。角田光代さん、森絵都さん、小川洋子さんなど、作品の好きな人の読書歴は、やはり自分とも重なり興味深かったです。

Web本の雑誌編集『作家の読書道2』 (本の雑誌社・2007年刊)
今回は21人の作家の読書遍歴。何人もの人が共通してあげている本や、好きな作家があげている本をメモしていると、どんどん読みたい本が増えていきます。男性作家は、ミステリーや探偵ものが多く、男女の読書傾向の差なども興味深かったです。若い作家には、村上春樹さんが、男女を問わず人気があるのも印象的でした。今まで知らなかった作家の中に、思いがけない作家魂を見つけたり、読み物としても楽しめました。



akuzyo.jpg  miyamotoue.jpg  miyamototeruge.jpg  turubara.jpg
  
 前述の本に、紹介してあった本から…左から順に

有吉佐和子作『悪女について』 (昭和53年刊・新潮社)
読んだのは、平成19年版の文庫だったのですが、昭和58年の文庫化以来なんと59刷!巧みな構成と語りで抜群の面白さでした。富小路公子という美しい実業家の謎の死を巡り、27人の関わりある人に尋ねるという形式の小説。未読の方はぜひ。巻末の解説者が、作者のことを「純文学・中間小説〈大衆文芸〉の両ジャンルにわたる幅広い小説創作が可能な作家。山本周五郎曰く『文学にはいい小説と悪い小説の二つしかない』という中のいい小説の多い作家。」と述べていましたが、まさにその通りの力量ある作家です。

宮本輝作『宮本輝全短篇 上』 (2007年刊・集英社)
宮本輝作『宮本輝全短篇 下』 (2007年刊・集英社)
うまさで定評のある作家で、いくつかは今までにも読んでいたのですが、まとめて読むと、逆に彼のこだわり(苦しい生活をしている人を描きたい)が鮮明になりすぎて、ちょっと辛かったです。「泥の河」「螢川」など、少年・少女を主人公にした作品には、哀感が漂い、うまさが際立っていましたが、どの作品も、病気や事故などで人が亡くなるのが、せつなすぎました。一文ずつが簡潔で、その連なりがとても美しい文章なのですが、内容面のどろっとしたところが、なんだか男臭くて、私は少々苦手でした。一気に読まないで、いろんな人の作品の合間合間に読む方がよさそうです。

番外編(マンガ)…大島弓子作『つるばらつるばら』 (白泉社文庫)
前述の保坂和志(彼の文は、一文が長すぎる!)の本に「不意に感じたリアルなものを作品の発端に置いて、しかも作品全体を通じて最初のリアルなものを忘れない強度を維持しているのが、大島弓子が1977年(『つるばらつるばら』)から88年(『バナナブレッドのプディング』)ぐらいにかけて描いた作品群で、それらは現在でもまだストーリー小説、映画、ドラマのイマジネーションの根源となる力を持っている。」とあったので、とりあえずその2冊を読んでみました。非常に文学的なマンガでした。



東京原子核  honhyousirinnzenn.jpg  十五峯   akiramenai.jpg  

 本にはいろんな分野がありますね…左から順に

マキノノゾミ作『東京原子核クラブ』 (2008年刊・ハヤカワ演劇文庫)
芝居の脚本が、ハヤカワ演劇文庫からたくさん出ていて、ちょっと覗いてみたかったので、何冊か読みました。これは、物理学者朝永振一郎氏の『開かれた研究所と指導者たち』という本をヒントに書かれたもので、東京の下宿屋を舞台にした群像劇。コメディタッチだけれど、平和・戦争についても考えさせる、できのよい脚本でした。

高柳克弘著『凛然たる青春-若き俳人たちの肖像』 (2007年刊・富士見書房)
著者は昭和55年生まれの俳句界のホープで、「鷹」編集長。非常に読みが深く、俳人たちの特質を鋭く言い当てている内容で、感心しました。とりあげてある俳人23人は、個人的に興味ある人が多かったので、別のノートに転記しました。俳句に興味のある方に、オススメの本です。

鷹羽狩行句集『十五峯(じゅうごほう)』 (2007年刊・ふらんす堂)
難しい言葉が少なく、大変読みやすい句集でした。作者はとってもかっこいい方ですが、そのイメージぴったりの、詩的で上品で雄大な句が多く、うまいなあと何度も思いながら読みました。勉強になるので、全437句をノートに写しました。

村尾国士著『どんなガンでもあきらめない-帯津三敬病院に生きる (2004年刊・晶文社)
先日、机の引き出しを整理していたら、4年前の新聞記事が出てきました。いいことが書いてあったので、線をたくさん引いていましたが、そこに紹介してあったのが、この本で、すぐに中古で見つけ注文しました。
その後、 1月22日の報道ステーションで、“がん難民”コーディネーター…無償で患者と向き合う戦いの現場“医者が見放してから勝負”というのをやっていました。「余命」を宣告されてからのガン患者の辛い日々は、他人事と思えずテレビに見入っていました。そのコーディネーターの藤野さんが、紹介した先が、この本に出てくる帯津三敬病院だったので、驚きました。
この本は、まだ読み切れていませんので、取りあえず前記の新聞記事から線を引いた部分を転記します。
☆人はいずれ死にゆく存在であり、いっときの延命を騒ぎ立てることより病を通じて人生の神髄を体得していくことの方が、人間として崇高なのではなかろうか。
☆病との闘いは三つの階層がある。土台に相当するところは、患者の心の持ちようであり、「生き抜くぞ!」という強い意志と同時に、「いつでも死ねるぞ」という死生観の重要性を説く。二番目の階層は、食事や気功により体を整え、自然治癒力を高めること。三番目でようやく治療になるが、西洋医学、東洋医学、民間療法など使える武器は何でも使う。


IMG_0655myu-0801.jpg   【いやー、さすがに目が疲れたわ…】 

 
お知らせ今回より、迷惑コメント防止のため、コメントのところに認証キーワードを書き入れる設定にしました。ご面倒をおかけしますが、よろしくお願いします。



テーマ:オススメの本の紹介 - ジャンル:本・雑誌

この記事に対するコメント

本当に美しい!毛並みもつやつやとして、今一番美しいお年頃かも。

ところで本の件はよろしくお願いいたします。映画の本は多くても映画館の本は珍しいのですよ。保存版の資料の役目もありますので、ぜひご購入くださり、映画文化を守ることにご協力下さいね。
【2009/01/25 21:42】 URL | 犬塚 #- [ 編集]

犬塚さんへ
>保存版の資料の役目もありますので、ぜひご購入くださり、映画文化を守ることにご協力下さいね。
関西圏の皆さんに買っていただけると、嬉しいですね。皆さんにぜひお願いしたいところです。

ミューは、眼差しがちょっとはかなげで、色っぽいのが、ハオと違うところです。ハオは、やんちゃ娘という眼差しでしたが…。
でも、実際のやんちゃ度は、ミューの方がすごくて、メスなのに私はついミューの助なんて呼んでしまいます。
【2009/01/25 22:28】 URL | 大空の亀 #- [ 編集]


やっぱり、活字になって残るのは上しいですね。
オメデトウ。
本はどれも面白そう。
暇はあるのですが、本屋がないのが玉に瑕。
帰ってから、またホン探しをして見ましょう。
今日もスマイル
【2009/01/28 16:13】 URL | kawazukiyoshi #- [ 編集]

kawazukiyoshiさま
お久しぶりです。
コメントをありがとうございます。
活字になるのは、わずかのページでも嬉しいものですね。

確か、外国にお住まいでしたね?
こちらにいると、読んでも読んでもきりがないほどですが、
外国で日本語の本に出会うと格別の喜びがあると、どなたかが書かれていました。
【2009/01/28 17:55】 URL | 大空の亀 #- [ 編集]


こんばんは
ハオちゃんのつぶらな目は癒されますね。
こんな目で見つめられたらたまりません。

亀さん、ご活躍ですね。
ご自身の文が活字になるって素敵だわ。
息子さんは挿絵も描かれたのでしょうか。

読書量も相変わらずですね。
「悪女について」はずいぶん昔に読みました。
忘れっぽい私も印象に残っています。
宮本輝さんの本も何冊か読みましたがこれは未読です。
【2009/01/28 21:11】 URL | ベンジャミン(keiko) #oUPgpoCM [ 編集]

ベンジャミン(keiko)さんへ
今晩は。
この頃、晩ご飯を食べるとすぐ眠くなって、先ほどまでコタツでうとうとしていました。

>こんな目で見つめられたらたまりません。
そうなのです。オチビのミューは、小首をかしげて見つめるのが得意です。
松田聖子タイプの、ちょっと小悪魔っぽいぶりっこのようですが、ゴミあさりも得意です。

本の方は、まだ完成品を見ていないので、全体像が分かっていなくて、少しドキドキしています。現物が届いたら、もう一回詳しく紹介させてもらおうと思っています。
犬塚さんが、映画館をなくしてはいけないという情熱で頑張っていましたので、少しでも応援できるといいなと思っています。

私の読書は、だいぶ偏りがあるなあと、『作家の読書道』などを読んで、反省中?です。
有吉佐和子さんのは『複合汚染』ぐらいしか記憶になかったので、(ほら、かたよってるでしょ。)『悪女について』は、久しぶりのエンタメ系で、ほんと面白かったです。
宮本輝さんのは、作家生活30周年?とかで、今までの短篇をすべてまとめた本なので、ベンジャミンさんは既に読まれたものばかりかもしれませんよ。
【2009/01/28 23:27】 URL | 大空の亀 #- [ 編集]

おはようございます
「ミューちゃん、間違えてごめんね。」
とお伝えくださいませ <(_ _)>


これからお出かけです。
寒いな~雨が降りそうです。

【2009/01/29 10:54】 URL | ベンジャミン(keiko) #oUPgpoCM [ 編集]

ベンジャミン(keiko)さんへ
まああ、(『悪女について』を読んでから、このフレーズがつい出てきてしまいます。)わざわざご丁寧にありがとうございます。
どうか気になさらないで下さいませ。(と、これも影響を受けています。)
かつて『キャッツ』を見た帰り道、踊った私は、何でもすぐなりきってしまいます。
そちらの寒さはいかがでしたか?こちらは、暖かい一日でした。
【2009/01/29 18:00】 URL | 大空の亀 #- [ 編集]


文筆家(小説家とは限定せず)になったと夢想すること10代の頃からありました。
もちろん、実現はしていませんが、あこがれの職業?だったのかもしれません。

ご紹介の本、いずれも手にしたことがなく恥ずかしいですが、宮本輝さんのは所収さ
れている中に読んだ作品はあるかも。
大島弓子さんは昨年、映画で「グーグーだって猫である」を観ました。
気持ちがほんわかとなる映画でしたよ。
【2009/01/29 21:57】 URL | こもれび #hGt.gl.I [ 編集]

こもれびさんへ
今晩は。
>あこがれの職業?だったのかもしれません。
ああ、それで、こもれびさんの写真に添えられた文は、ひと味違うんですね。
私は、高三の時の進路で、雑誌の編集者と建築設計士と図書館司書の三つで迷って、手相見さんのところに行きました。
「建築設計士がいいな。」と言われた後、顔を見て「ああ、女の子か、それは難しいな。」と。

>映画で「グーグーだって猫である」を観ました。
私も。大島弓子さんのイメージに合った映画でしたね。
【2009/01/29 22:15】 URL | 大空の亀 #- [ 編集]


こんにちは。
体調はいかがですか?

いよいよ本になるのですね~。おめでとう!
息子さんと取材に行かれた折のこと、メールを頂いたのでよく覚えています。
きっと素敵な本になっていると思うわ。
亀さんの眼を通すと、何気ないものも特別な意味を持ったり輝いたり・・・
ましてや魅力的な所だったようですから、楽しみにしています。
それから、kimicoさんや犬塚さんの文も楽しみ。
犬塚さんのブログは論理的で示唆に富んでいるので、「あ~、そういうことね。」と、いつも教えられることがいっぱいです。

陽射しを浴びて、本の上に寝そべっているミューちゃんは
気持ちよさそう。
すっかり亀さんちの子になったみたいね!






【2009/01/30 16:02】 URL | keiko #- [ 編集]

keikoさんへ
今晩は。お元気でしたか?
おかげさまで、私は、整体3回ですっかり回復し、風邪知らずで元気にやっています。
少しずつ日が長くなって、歩くのが楽しみな季節がまたやってきました。

>いよいよ本になるのですね~。おめでとう!
ありがとう!私のは、ともかくとして、他の皆さんのを読むのが楽しみです。
今日、表紙のコピーが届いていて、おおー!って思いました。
犬塚さんは、理系の頭&芸術系のセンスが優れているから、私も感心することが多いです。
何より、毎週映画を3本以上は見て、あれだけ長い記事をアップする気力に驚きます。
今回の本も、「映画館よすたれないで!」という彼女の情熱のたまものですから。

ミューは、木登りが得意で、夫に登り棒を作ってもらい大喜びです。
めまぐるしく駆け回るチビさん達を見ているだけで、一日が過ぎてしまいそうですよ。
【2009/01/30 21:17】 URL | 大空の亀 #- [ 編集]


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大空の亀 

Author:大空の亀 
写真の猫は姉のハオと弟のミュー。
ハオは2006年5月5日生(伝)。
ミューは2008年10月10日生(伝)。

空と言葉と草木花が好き。
趣味は読書・文芸。

読書ノート歴33年。
年間読書冊数の平均は、学生時代は
300冊、就職後は100冊~150冊。

ブログ歴 11年6カ月
2006年 3月17日から始めました。
2006年 9月 9日カウンター22222通過
2007年10月24日カウンター77777通過
2008年 5月23日カウンター100000突破 !
2008年 9月 8日カウンター111111通過
2011年 5月 4日カウンター200000突破 !
2012年 1月10日カウンター222222通過
2014年 9月15日カウンター300000突破 !



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