心に響く本・詩歌・言葉・音楽・風景
私の読んだ本や聴いた音楽、出会った風景の中から心に響いたものを紹介します。
心に響く本-岡本眸著『俳句は日記』
 岡本眸著『俳句は日記』(NHK俳壇の本/2002年/1300円)より
      共感を覚え、勉強になることをたくさん書き抜きました。その一部を下記に引用します。

        IMG_71631004.jpg

p112
俳人には、大きな景を詠むのが上手な方と、非常に身近なものを細かく見て詠むのが上手な方とがいます。これは、それぞれの俳人としての質のようなもので、大景が詠めるからその人は立派で、小さい景だから駄目だということはありません。
皆さんそれぞれに、ご自分の好きな景、嫌いな景というものがあると思うんですよ。私は自分が好きなものを詠みますね。詠みたくないものを詠んでも、いい句が出来るわけはないでしょう。
句を詠もうと思うと、恋をして、惚れ込んだような気持ちになるんですね。惚れ込み方の激しさいかんで、句の良し悪しが決まる気がします。ですから、句柄が非常に淡くてほのぼのしていても、いい句には、必ずグーッと引き締まった芯があります。淡いならば淡いなりに、言葉遣いがやさしければやさしいなりに、どこかに必ず人を引きつける一点があるんです。

P130
結局、写生とは、ただ景を写すのではなく、景の中に自分の感動を認めて、その感動を写すものなのです。・・・本当の写生とは、景の中にある、自分が感動した焦点を、具体的に描くものなのです。


IMG_70611004.jpg

P162・163
細かいところを見る習慣をつけていくと、カメラのように写し出すことができます。そこに、自分の気持ちの裏打ちがあって、俳句に奥深さが出てくるわけです。ですから、俳句というのは、あくまで具象性で押していかないと、駄目ですね。物で押していく。目を利かす、目を働かすということを考えられるといいと思います。
何度来た所であっても、今日のこの景は今日しかないんだと思うんです。・・・「一期一会」の思いですね。そういう「精神の緊張感」が感動を生むのですね。その感動を言葉にする。その感動した景を素直に描く。それが俳句です。

P168
俳句は「線」や「面」ではなくて、「点」だと思うのですよ。継続を報告するものではなく、一点を切り取るものなんですね。それには、もう少し踏み込まないと出来ませんね。対象と自分との距離を縮めてゆく、凝視によって、心理的に対象と一体になるんですね。


        IMG_71871004.jpg

 この本を読みながら、俳句・短歌・写真には共通点が多いなと改めて感じました。言葉ではわかっていることであっても、身についてないことも多いので、時々はこういったタイプの本を読み直して、肝に銘じる必要があるようです。

以前読んだ本で、歌人の吉川宏志さんが、作歌のさい「場の空気感」を大切にすると書かれていて、その通りだなと納得したことを覚えています。先日、俳人の伊丹三樹彦氏からまたご本(2002年刊)を頂き見ていたところ、写真を撮るとき大事なのは「空気感」、それは俳句を詠むときにも通じると書かれていました。

おそらく接点のないお二人が、それぞれ専門の場で同じことを考えておられるのを嬉しく思いました。作句・作歌・写真を撮るさい「空気感、空気感」と言い聞かせている私としては、この三つの共通点を心強く感じます。


この記事に対するコメント

 こんばんは 

プライベートで、お仕事で、子どもと接する時間が多い私。
もう、40数年も日本語で暮らしているのに、それでも、それなのに、言葉にして伝えることはとってもムツカシクって・・・。

目で見たこと、耳で聞いたこと、心で感じたこと・・・言葉を尽くしても想いにはなかなか近づけない。
なのに、たったひとつの単語で伝わってしまうことも。
表現することの、楽しさとむつかしさと。
ひとつの言葉が、同じ重さで、同じ空気感で伝わることは、ごく、まれなことのようにも思えます。
でも、でも、でも、伝えたい。
押し付けることなく、伝えたい。
わかりたいし、わかって欲しい。

子どもたちの、無垢なこころに、伝えたいのに、子どもの心を失ってしまっているのか、伝える言葉が、伝わる言葉が見つからない。

もどかしい毎日。


空気感を共有できるように、わかって欲しい・伝えたい私がもっともっともっと、学ばなければと、日々思っています。



3枚のお写真。
どこなんだか、想像ができてついにっこり。
それにしても、すごく素敵に風景をつかまえられたお写真で、うっとりです。
 
 
【2010/05/05 20:20】 URL | kimico #Zr2/WiYY [ 編集]

kimicoさんへ
こんばんは。
お天気もよく、花も新緑もきれいな、いい連休でしたね。

>3枚のお写真。どこなんだか、想像ができてついにっこり。
ふふふ、私たちって、いいところに住んでますよね。
八重桜の花びらを大人も子どもも空に放り投げて楽しんでいました。
優しい気持ちになれますね。

>ひとつの言葉が、同じ重さで、同じ空気感で伝わることは、ごく、まれなことのようにも思えます。
そうですね。お互いの想像力が、その隙間を補っていくのだろうなって思います。
孔子が一番大切にしていた「仁」は「人が人を思いやる心」のことですが、
そういう気持ちを持って、人とも自然とも心を通わせていきたいですね。

ここに引用した岡本眸さんは、植物にも言葉をかけて気持ちが通うまで、向こうから言葉をかけてくれるまで、対象に向き合うそうです。
プチ・ファーブルと言われた熊田千佳慕さんも、花や昆虫を何時間も腹ばいになって見つめ、ステキな絵を描かれました。
こちらから発するだけでなく、受け止める力が必要なんだろうなと、コメントを書きながら思いました。
対人間もそうなのでしょうね。つい結果を焦ってしまうけど、もっとゆっくり構えようと、改めて自分のことを省みました。
【2010/05/05 21:21】 URL | 大空の亀 #- [ 編集]


岡本眸さんをご存じなんですね~ビックリです!
私も昔、若い頃に岡本氏の本はほとんど読みましたよ~なつかしいな~
今、あらためて読むと短歌にも共通するんですね~

それにしても好きな本とか趣味とか波長が合いますね~うれしいですね~
大阪の姉・・・と呼ばせてもらいますよ~なんちゃって・・・

失礼しました・・・
【2010/05/06 20:47】 URL | 中村ケンジ #- [ 編集]

中村ケンジさんへ
お早うございます。
>岡本眸さんをご存じなんですね~ビックリです!
直接存じ上げている訳ではないですけど、お名前は知ってます。
中村さんは、俳句の本もたくさん読まれてるんですね。
短歌との違いももちろんありますが、共通点も多いですよね。

>大阪の姉・・・と呼ばせてもらいますよ~なんちゃって・・・
ははは(笑い)。姉ではちょっと年齢的に図々しいので、叔母ぐらいにしておいて下さい。
私の母方が「中村」ですから、あり得ない話ではないですね。
【2010/05/07 11:09】 URL | 大空の亀 #- [ 編集]

こんばんは
まっすぐに空に向かってチューリップが並んでいますね。
淡いピンクが春らしく可愛いです。

と言っても、この連休は初夏の陽気でした。
汗かきなので夏は苦手です。


『言葉遣いがやさしければやさしいなりに、どこかに必ず人を引きつける一点があるんです。』
ふだんの生活にも優しい言葉は人を引きつけます。
この人の話し方って優しいな、今の優しい言葉は心にしみる、
と感じる事ってあります。
私もそう思われるよう気をつけます。



ありがとうございます。避ける事にしました。
【2010/05/07 19:12】 URL | ベンジャミン(Keiko) #oUPgpoCM [ 編集]

ベンジャミン(Keiko)さんへ
こんばんは。
>淡いピンクが春らしく可愛いです。
ありがとうございます。ピンクって、可愛いですよね。
チューリップ、一度は、ベンジャミンさんが訪ねられたように、富山の雪山(立山?)を背景にしたチューリップ畑を見たいです。

>この人の話し方って優しいな、今の優しい言葉は心にしみる、と感じる事ってあります。
そうですよね。結局は、その人の人柄、その人の中からにじみ出てくるものでしょうけれど。
上っ面の優しさでなく、きちんと責任を持った優しさを言葉にしたいですね。
いい加減な、「巧言令色少なし仁」の首相を、反面教師にしてね。

短歌の仲間と東京に行きます。そこで、お願いです。もしご存じでしたら…。
神保町の近くで用があるので、できればそこから30分以内でおすすめのところ、少し遠いけど絶対おすすめのところがあったら、教えて下さい。
中国語のお友達には、朝香宮のお屋敷だったところを美術館にしたところがいいよと教えてもらいました。
【2010/05/07 21:54】 URL | 大空の亀 #- [ 編集]


大変ご無沙汰しておりました。
理由の方はブログに報告しておりますので、ここでは割愛させていただきます。
ケヤキの若葉、いい色ですね。
若葉の頃がなんといってもすがすがしい気分にさせてくれます。
梅や桜の時期よりも好きです。
【2010/05/10 20:09】 URL | こもれび #hGt.gl.I [ 編集]

こもれびさんへ
うわーっ、お久しぶりです!
心配していましたが、お元気でよかったです。

>梅や桜の時期よりも好きです。
私も、昔はなんと言っても桜、そして最近は梅だったのですが、ここ数年は若葉がいちばん好きです。
花は咲くか散るかと気が落ち着かなかったり、人が多くてにぎやかだったり、散った後の寂しさが際立ったりと、気持ちが忙しくて疲れます。
その点、若葉は、新緑のすがすがしさから、青葉、紅葉まで長い時間をともにしてくれるので、安心感があります。
「不在といふ言葉しきりに浮かぶ吾(あ)に花より親し木々の若葉は」・・・亀
【2010/05/10 21:19】 URL | 大空の亀 #- [ 編集]

ごぶさたしています☆
いつも綺麗なお写真、こういう写真も人それぞれなのでしょうね☆

「点」ということや 空気感

なるほどなるほど☆

大きく見る景色
細かいところをみたり

いろんな歌・句が知れば知るほど
勉強になっている私です☆

私はまだまだですけど
俳句詠みつづけていきたいです♪
【2010/05/10 22:24】 URL | ゆき むらさき #- [ 編集]

ゆき むらさきさんへ
こんばんは。
お久しぶりです。
ゆき むらさきさんのブログは、いつも凝ってて可愛いですね。
リンクしましたので、ご了解ください。

>俳句詠みつづけていきたいです♪
そうですねえ。ゆき むらさきさんは楽しそうに詠まれてますよね。

私は俳句も短歌もなかなか上手くならず、時々嫌気がさしますが、
止めたら終わってしまうので、自分なりに詠みたいことを詠んでいきたいです。

詠む方も読む方も、あまり自分がしんどくなるものは、自分の心身の許容量に限界があってどっと疲れるので、どんどん好みが偏っていってます。
嫌なことや苦手なことを避けたり…、病気になるのが怖くて、きっと自己防衛反応が働いているんだろうなあ。
【2010/05/11 18:36】 URL | 大空の亀 #- [ 編集]


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大空の亀 

Author:大空の亀 
写真の猫は姉のハオと弟のミュー。
ハオは2006年5月5日生(伝)。
ミューは2008年10月10日生(伝)。

空と言葉と草木花が好き。
趣味は読書・文芸。

読書ノート歴33年。
年間読書冊数の平均は、学生時代は
300冊、就職後は100冊~150冊。

ブログ歴 11年8カ月
2006年 3月17日から始めました。
2006年 9月 9日カウンター22222通過
2007年10月24日カウンター77777通過
2008年 5月23日カウンター100000突破 !
2008年 9月 8日カウンター111111通過
2011年 5月 4日カウンター200000突破 !
2012年 1月10日カウンター222222通過
2014年 9月15日カウンター300000突破 !
2017年 9月26日カウンター343434通過



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