心に響く本・詩歌・言葉・音楽・風景
私の読んだ本や聴いた音楽、出会った風景の中から心に響いたものを紹介します。
心に響く本-最近読んだオススメ本
 最近読んだ本から「オススメ本」5冊の紹介です。

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冲方 丁(うぶかたとう)著 『天地明察』
(角川書店/2009年/1800円)
数学が苦手で、しかも時代小説はあまり読まない私にとって、敷居の高い本だったが、「2010年度本屋大賞1位!」なら読まねばなるまいと、挑戦。500ページ近い分厚さも気がかりだったが、漢字とかなの配分と読みがなの付け具合が、私の好みだったので読み始めたら、2日で読み終えた。後半が特に面白い。
江戸時代の歴史上の人物が出てきたり(といっても歴史の苦手な私は、人名をほとんど覚えいない…)、武術・剣術や武士のやりとりが中心ではなく、算術や暦といった地味な学問がテーマだったのが、意外と私のツボにはまったようだ。高校時代、いつも2、30分で数学のテストを解いて教室を出て行き、しかも満点だったJ君などが頭に浮かび、人物像がリアルに描けたのも軽く読み進めた要因か。
主人公の大和暦を完成させた渋川春海(安井算哲)、武家の手で文化をと願った会津藩の名君保科正之、和算を打ち立てた関孝和、度量の大きい水戸光国、老中から大老になった酒井忠清、春海の師でもある神道の山崎闇斎、碁の革命児本因坊道策など逸材揃いの話で、現代ではなかなか出会えない大物の登場に、わくわくした。


グレゴリ青山著 『田舎暮らしはじめましたうちの家賃は5千円 (メディアファクトリ/2009年/950円)
東京から和歌山の山奥に引っ越した漫画家と建築模型制作家夫妻の「嘘のない」体験記。憧れだけでは済まない厳しい現実と、それでもそれを越える自然の良さ。リアルな漫画と写真で、とても正直に描かれているので、笑いつつも大変役に立った。4年間の山奥暮らしを終え、今は京都市内に1時間もあれば行けるところにお住まい。妥当な結論かも。


金馬宗昭著 『不登校 ひきこもり こころの解説書』 
(学びリンク/2010年/1200円)
著者は、高校講師経験の後、気合いを入れて臨んだ教員採用試験に不合格となったのがきっかけで、ひきこもりとなる。その後、ボランティア経験によって自信を回復し、サポート校に就職。現在は、そこの教頭。といってもまだ40歳の若さである。
こういう種類の本は結構読むのだが、体験者の側からだけ書かれていたり、指導者やカウンセラーの側からだけだったりして、今ひとつしっくり来ないものが多かった。しかし、今回読んだこの本は、ひきこもりを体験した側とそれを指導していく側の両面から書かれていたため、大変わかりやすく、また役に立つ情報も多かった。もし「不登校 ひきこもり」で苦しんでいる人や家族がいたら、ぜひ読んでみてください。とてもいい本!


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小川軽舟著 『現代俳句の海図』 
(角川学芸ブックス/2009年/1714円)
副題「昭和三十年世代俳人たちの行方」ということで、中原道夫・正木ゆう子・片山由美子・三村純也・長谷川櫂・小澤實・石田郷子・田中裕明・櫂未知子・岸本尚毅という、昭和26年生まれから昭和36年生まれの俳人の各五十句と筆者による解説を集めた本。一通り知っておきたい人たちばかりだったので、大変面白く読めた。どの俳人にも共通しているのは、「俳句」という詩型への信頼と謙虚さであった。

石川九楊著 『書に通ず』
(新潮選書/1999年刊/1200円)
以前から、「書」の歴史を概観した本を読みたかったのだが、この本は非常にわかりやすく、かつ興味深く読めるいい本だった。写真がふんだんに載っていて、解説と照らし合わせて具体的な「書」を見ることができるのも、魅力だった。特に、黄庭堅、池大雅、高村光太郎の書が気に入った。また、今まで考えたことのない発想から論が展開して、「書は書く芸術である」「書は文学である」といった筆者の主張に引き込まれた。
ここだけ引用したのでは何のことかわからないので申し訳ないのですが、心ひかれる文章です。
P35・・・「書く」という出来事、つまり書は美術的な出来事と言うよりも、むしろ文学的な出来事なのです。書は文学であるという事実をふまえることが、書を考える上で必要不可欠です。「書く」ということは「筆蝕する」と言い換えることもできます。そして「筆蝕する」とは、思考する、考えることの別名でもあります。・・・

テーマ:読んだ本。 - ジャンル:本・雑誌

この記事に対するコメント

どうもです・・・

あいかわらず勉強家ですね~スゴイです。
オレなんかは文学系の本しか読まないので反省しなきゃと思います。

ところで・・・今オススメの歌人は佐藤真由美&加藤千恵です。ちょっと大阪の高田ほのか風です。読むだけで若返りますよ~
【2010/08/02 21:25】 URL | 中村ケンジ #- [ 編集]

中村ケンジさんへ
こんばんは。いつも早いコメントをありがとう。
ちょうど私もあけたところだったので、即お返事です。
『天地明察』は、思ったほど理系ではなく、特に保科正之という、文武の「文」を大事に考える人物の立派さが心に残りました。

>今オススメの歌人は佐藤真由美&加藤千恵です。
私も、この若いお二人の短歌、好きですよ。ステキな感性です。高田ほのかさんもね。
【2010/08/02 21:33】 URL | 大空の亀 #- [ 編集]

今日も暑かったです
『天地明察』は図書館に予約していますがまだ当分先のようです。
理系なんですか?
本屋大賞1位と言うだけど予約しました。

以前、紹介して下さった『遠くの声に耳をすませて』を読んでいます。
2,3日前に図書館からメールがあって借りて来ました。
心が落ち着く優しい本ですね。

2年ほど前に放送されたNHKドラマ『ハゲタカ』
面白くて毎週、待ち遠しく観ていました(5回?)
最近、本を読んだのですがドラマとアチコチ違う気がしてビデオを借りようか、と思っていました。
放映後、映画化されて珍しくその映画をNHKで放映されます。
それで真夜中に再放送が始まりました。
もちろんビデオに撮ってですが観ています。
【2010/08/03 20:46】 URL | ベンジャミン(keiko) #oUPgpoCM [ 編集]

ベンジャミン(keiko) さんへ
お早うございます。
とてもきれいな夏空です。

>理系なんですか?
『天地明察』、思ったほど理系じゃなくて、文化の大切さと、器の大きい人間というものを教えてくれる本だという気がしました。
心の微妙な襞というより、物事の進み具合に重点が置かれているので、すっすと読めます。

>『遠くの声に耳をすませて』、心が落ち着く優しい本ですね。
気に入ってもらえて良かったです。エッセイみたいな感じですよね。
一口に本好きといっても、皆さんそれぞれに傾向が違っていて、面白いなあって思います。

>NHKドラマ『ハゲタカ』
私は見てないので、わからないのですが、社会派?のドラマですか。
ベンジャミンさんは、けっこうハードで読み応えのある小説を読まれますよね。
私はめったにドラマは見ないのですが、
ちらっと見たNHKドラマで観月ありささん主演の『天使のわけまえ』が面白くて、珍しく続けて見ています。
この主人公のお料理が得意なところが、ベンジャミンさんみたいだなあって思って親しみを感じて見ています。
【2010/08/04 08:53】 URL | 大空の亀 #- [ 編集]


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大空の亀 

Author:大空の亀 
写真の猫は姉のハオと弟のミュー。
ハオは2006年5月5日生(伝)。
ミューは2008年10月10日生(伝)。

空と言葉と草木花が好き。
趣味は読書・文芸。

読書ノート歴33年。
年間読書冊数の平均は、学生時代は
300冊、就職後は100冊~150冊。

ブログ歴 11年3カ月
2006年 3月17日から始めました。
2006年 9月 9日カウンター22222通過
2007年10月24日カウンター77777通過
2008年 5月23日カウンター100000突破 !
2008年 9月 8日カウンター111111通過
2011年 5月 4日カウンター200000突破 !
2012年 1月10日カウンター222222通過
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