心に響く本・詩歌・言葉・音楽・風景
私の読んだ本や聴いた音楽、出会った風景の中から心に響いたものを紹介します。
心に響く言葉-「健やかな歌を」
8月25日追記 : 8月21日・22日と松山の道後であった「塔」全国大会で「河野裕子さんを偲ぶ会」について、連絡がありました。詳細は、「塔」ホームページにあります。
    日時 10月17日(日)13:00~17:00
    場所 グランドプリンスホテル京都(京都市左京区宝ヶ池) プリンスホール
    主催 「河野裕子を偲ぶ会」実行委員会、塔短歌会、永田家

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                                               【家のベランダから。2010年8月】

2010年8月12日午後8時7分、戦後を代表する歌人の河野裕子さんが亡くなられました。亡くなられる日の夕方まで、毎日新聞歌壇の選をされていたそうです。23歳で角川短歌賞を受賞されてから、乳がんで亡くなられる64歳までずっと、歌人として常に優れた歌を発表され、また、歌を詠む多くの人を指導し、励まして来られました。朝日新聞には当日の夕刊と16日の天声人語に、河野裕子さんの歌と人生が紹介され、哀悼の意が記されていました。心よりご冥福をお祈りいたします。

今年は「塔」の全国大会が松山であると知っている友人や親戚が、愛媛新聞の一面にも大きく出ていたと、心配して知らせてくれました。「塔」の編集発行人で、夫君でもある永田和宏氏やご家族の悲しみを思うと、深いお付き合いがあったわけではない私が、ここに書くことに躊躇いがありました。でも、皆の思いで、「塔」全国大会を成功させ、河野裕子さんの歌への情熱に応えられたらと思います。もう会えないということが、こんなに寂しいものだということを、改めて思っています。

河野裕子歌集『母系』 (2008年11月23日初版/青磁社) より
お母さまの最期を詠まれたこの歌集は、2009年に超空賞と斎藤茂吉賞を受賞されました。

母の影わたしの影と並びゆく影さへも母は迫力あらず
わたくしは真つ直ぐ立つて此処にゐる風がなくともそよいだりして
心配をするのが愛情と履きちがへ痩せて曲がりて忘れて母は
握手せず別れ来しこと悔やみをりあと一、二度は会へるだらうか
人まへでは120パーセント元気なので家では猫が二匹で介抱
薄い目をあけて私を見る人が今ひしひしとたつた一人の母
いい嫁でいい子でいい母いい妻であらうとし過ぎた わたしが壊れる
何も言はずずつと傍に居て あなたにも子らにも言ふだらう母のやうになれば
死ぬことが大きな仕事と言ひゐし母自分の死の中にひとり死にゆく
生き物はみんなひとりで死んでゆく死んでゆくにも体力が要る

*お母様にご自身を重ねながら詠まれたに違いない歌の数々。あとに残るご家族のために詠まれた歌群なのだと思いました。

「塔」8月号新樹滴滴に書かれた河野裕子さんの「近況など」より
…改めて気がついたのだが、歌をつくることは、ほんとうに体力勝負なのだ。作歌は、体力と気力と集中力が大事だと人にも言い、自分もそう考えてきたが、体力がなければ、これはどうにもならない。
…ひとつ思うのは、体を病んでいても、歌は健やかな歌をつくりたい。健やかであること。それが、どんな場合にも大切で、ことに、病気をしていても健やかであり続けることは、大きな広い場につづく道があることを約束している予感が、しきりにする。

*この文章を読んで以来、「健やかな歌」という言葉が、頭を離れません。ご自身に、そして、歌を詠む仲間に託された希望と期待だと受け止めています。

テーマ:短歌 - ジャンル:小説・文学



プロフィール

大空の亀 

Author:大空の亀 
写真の猫は姉のハオと弟のミュー。
ハオは2006年5月5日生(伝)。
ミューは2008年10月10日生(伝)。

空と言葉と草木花が好き。
趣味は読書・文芸。

読書ノート歴33年。
年間読書冊数の平均は、学生時代は
300冊、就職後は100冊~150冊。

ブログ歴 11年1月
2006年 3月17日から始めました。
2006年 9月 9日カウンター22222通過
2007年10月24日カウンター77777通過
2008年 5月23日カウンター100000突破 !
2008年 9月 8日カウンター111111通過
2011年 5月 4日カウンター200000突破 !
2012年 1月10日カウンター222222通過
2014年 9月15日カウンター300000突破 !



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