心に響く本・詩歌・言葉・音楽・風景
私の読んだ本や聴いた音楽、出会った風景の中から心に響いたものを紹介します。
心に響く詩歌-伊丹三樹彦氏の写俳の本4冊
伊丹三樹彦写俳集を4冊ご紹介します。

月1回の句会(三樹彦俳句サロン)に伺うたびに、いろいろご本を頂き私の宝物がどんどん増えていきます。
今回の4冊は、いずれも「写俳集」。俳句と写真を組み合わせた作品のどれもが魅力的なのですが、そこから3句ずつ選んでご紹介します。

『天竺五大』 tenzikugodaiomote.jpg tenzikugodaiura.jpg 
(1990年/ビレッジプレス/4000円)

前書きより~昨年(1989年)は1月に北印度、11月に南印度への旅をした。・・・特に印度は、昔の人にとっての天竺。中国の唐とひっくるめて、唐天竺は世界のすべてでもあった。ならば、天竺は地の果て、空の果てをも意味したであろう。今は、ジェット機で直航すれば、10時間前後で行けるが、それは印度であって天竺ではない。僕は印度を天竺の心で歩くべく努めた。印度の、いや天竺の天地風水火の五大を、脳裏に抱きながらである。

     tenzikugodaisari.png
     貿易風 サリーを鰭(ひれ)とし 翼とし

     死者離れても 人型の 流水花

     振り向く牛 神にも人にも仕える顔



『バンクーバー夏物語』 natumonogatariomote.jpg natumonogatariura.jpg 
   (1996年/ビレッジプレス/4000円)

前書きより~バンクーバーへは、この年(1990年)以後、夏ばかりを狙って三度の旅をした。・・・俳句を人間採集の詩と考える僕の写真は、同じく、人間採集の映像詩を志すことが多い。為に、一枚の写真から、被写体となった人物の背後にある物語を描き出したい、との意図をもつようになった。

        natumonogatarisibasu.jpg
        シーバス接岸の瞠目(どうもく) 三才児
        
        母と異なる未来が 金髪ゆずられても
        
        天使雲 氷河の水を甘露とし



『瞬機の中欧』 tyuuouomote.jpg tyuouura.jpg 
(2000年/ビレッジプレス/4000円)

前書き(インタビュー)から~僕流の写真術といえば、スタンディング(どこへ立つか)、フレーミング(どこへ合わせるか)、タイミング(いかなる時にシャッターを切るか)の三つがありますが、特にこの中でもタイミングにほとんどの神経を集中させています。そのタイミングということを考えると、まさしく「瞬機」ということです。

     syunkizitensya.jpg
     自転車こそ王道 月日は追うものと

     水脈(みお)広げの鴨に ブルージュの夜明け

     レース店 故国に母系家族待つ



『メコン沃地』 mekonyokutiomote.jpg mekonyokutiura.jpg 
(2002年/ビレッジプレス/4000円)

鼎談(ていだん)より~結局、私の一番の資本はものを見る目、俳句を見る目、写真を見る目、この目玉だけですね。俳句で長年培ったものを見る目というのは、それは実は俳句的な目なんだけど、それをレンズを借りたら俳人の目はこんな目なんだよ、目配りはこんな目配りなんだよ、ということ映像を通して多くの方に知っていただきたい。それも私は写俳運動の効用じゃないかなと思っています。

     mekonmonzentigo.jpg
     門前稚児 背後に化粧筆の母

     後押しの踏ん張りは妻 炎暑の坂

     棒あれば影 影あれば揺れ 湖水


haiku201010.jpg 【「俳句10」小特集:伊丹公子】 haikuaruha201010.jpg 【「俳句α10-11」顔:伊丹三樹彦】

この春には伊丹公子氏の第14句集『博物の朝』が(以前にご紹介しました)、夏には伊丹三樹彦氏の第24句集『続続知見』(来月紹介の予定)が出版されました。俳句への情熱は、お二人で175歳の今も衰えることなく、瑞々しい感覚で俳句を詠まれ続けています。この10月には、お二人それぞれに俳句誌で特集が組まれ(画面をクリックすると拡大します)、私も嬉しく読ませて頂きました。伊丹三樹彦氏は85歳で脳梗塞で倒れた後、病後二万句をめざし句作に励んでおられ、目標の数字が近づいてきたそうです。
 私は月一回お会いするだけですが、俳句のことだけでなく、多くのものを学ばせて頂いています。


テーマ:俳句 - ジャンル:小説・文学

この記事に対するコメント
 
ど、どれも難しいな~と思った。

俳句アルファ、読みました。
私の好きな、夏井いつき氏の作品が掲載されてた・・・
あの方の句会の後の飲み会が楽しくてしょうがない。
メンバーは相当な酒好きで陽気。
【2010/10/16 19:33】 URL | 中村ケンジ #- [ 編集]

中村ケンジさんへ
こんばんは。
難しいですか?
私は、どれも写真を見ているせいかもしれませんが、それぞれの国の特徴がよく出ていて味わい深いなあと思ったのですが…。

夏井いつきさん、再婚されたんですね。
明るいお人柄が、ますます幸せパワーで炸裂しそう…。
短歌は割と個人的な面が強いけど、俳句は仲間と楽しもうとしますね。
【2010/10/16 19:54】 URL | 大空の亀 #- [ 編集]


どうもです・・・

ちょっと奥が深くて平易ではない、という意味でした。

決して意味が分からないというわけではありませんので・・・

ちょっと舌足らずな表現で申し訳ありませんでした。
【2010/10/17 15:54】 URL | 中村ケンジ #- [ 編集]

中村ケンジさんへ
こんばんは。
今日は、河野裕子さんを偲ぶ会に行ってきました。
どの方のお話もとてもよくて、心に残りました。

ああ、奥が深いという意味ですね。
ここにあげた中では、次の句が一番深そうですね。
自転車こそ王道 月日は追うものと
【2010/10/17 21:07】 URL | 大空の亀 #- [ 編集]


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大空の亀 

Author:大空の亀 
写真の猫は姉のハオと弟のミュー。
ハオは2006年5月5日生(伝)。
ミューは2008年10月10日生(伝)。

空と言葉と草木花が好き。
趣味は読書・文芸。

読書ノート歴33年。
年間読書冊数の平均は、学生時代は
300冊、就職後は100冊~150冊。

ブログ歴 11年3カ月
2006年 3月17日から始めました。
2006年 9月 9日カウンター22222通過
2007年10月24日カウンター77777通過
2008年 5月23日カウンター100000突破 !
2008年 9月 8日カウンター111111通過
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