心に響く本・詩歌・言葉・音楽・風景
私の読んだ本や聴いた音楽、出会った風景の中から心に響いたものを紹介します。
心に響く本-久しぶりのオススメです!
 久しぶりの本の紹介です。フリーズして、修理に出そうと決意すると、なぜかいい子で動き始めるわがパソコン、今回もドキドキしながらのアップです。

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柳田邦男著『砂漠でみつけた一冊の絵本』
 (岩波書店/2004年・2010年10刷/1500円)
空をよく見上げ、雲の様子を撮るのが好きで、雲の絵本を作りたいと思っている著者。脳死を取り上げた本は、過去に何冊か読んだことがあるのですが、今回は、絵本について書いた本をご紹介します。絵本とそれにまつわる話が収められていて、『スーホの白い馬』の章では、心打たれて涙がこぼれました。(この頃、生来の涙もろさに拍車がかかってきました…)

p181に書かれていたことに共感を覚えましたので、少し引用します。
心と言葉の危機の時代に 
 暮らしを立てるために、働いて収入を得ることは大事なことだ。だが、戦後の高度成長期を経ての半世紀余りの歴史を振り返るなら、豊かになりたいという願望を抱いての努力は、あまりにも所得の増大、つまりカネとモノを追い求めることばかりに熱中したものではなかったか。そういう心の危機、人間の危機に警鐘を発し、人々にほんとうに大事なものは何か気づかせてくれるのは、しばしば詩人だ。
 カネとモノに価値の第一の地位を与える人々には、詩人はただ言葉遊びをしている無用の人にしか見えないだろう。だが、世の中が閉塞的になり、人々の心が灰色に塗りこめられた時、窓を開けて光を射しこませ、世界に色彩を取り戻し、生きるエネルギーを湧き立たせてくれる言葉を響かせてくれるのは、詩人だ。権力の抑圧に人々が窒息しそうになった時、しばしば詩人が革命の旗手に祭り上げられるのは、象徴的だ。
 心の危機、言葉の危機がこの国の人々を被いつつある今、絵本もまた詩に劣らぬ、心の再生の役割を果たす可能性を秘めているように、私には思える。


以下にあげたのは、紹介してあった中で、私も好きで何度も読んだ絵本です。
『スーホの白い馬』(大塚勇三・再話/赤松末吉・画/福音館書店)
『わすれられないおくりもの』(スーザン・バーレイ作/小川仁央・訳/評論社)
『クマよ』(星野道夫・文と写真/福音館書店)
『いつでも会える』(菊田まり子・文と絵/学研)
『あらしのよるに』全7巻(木村裕一・作/あべ弘士・絵/講談社)
『よだかの星』(宮沢賢治・作/中村道雄・絵/偕成社)
『ちいさなちいさな王様』(アクセル・ハッケ作/ミヒャエル・ゾーバ絵/那須田淳・木本栄訳/講談社)
『カモメに飛ぶことを教えた猫』(ルイス・セプルベダ作/河野万里子・訳/白水社)
『ペンキや』(梨木香歩・文/出久根育・絵/理論社)

私の大好きな次の2冊の絵本も紹介して欲しかったな。
『オフェリアと影の一座』(ミヒャエル・エンデ文/フリードリヒ・ヘッヘルマン絵/矢川澄子・訳/岩波書店)
『ウエズリーの国』(ポール・フライシュマン文/ケビン・ホークス絵/千葉茂樹訳/あすなろ書房)

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今年は、岡本太郎生誕100年ということで、記念誌がいくつか出ましたが、私は別冊太陽日本のこころ『岡本太郎新世紀』(平凡社/2011年/2415円)を買いました。私の中では、毎日見ている太陽の塔がなんだか自然崇拝の神様みたいな存在で、そのせいか岡本太郎の言葉にも心引かれるものが多くあります。この本以外に読んだ著書から少しだけ引用します。

岡本太郎・岡本敏子『愛する言葉』
 (2006年・2011年14刷/イースト・プレス/1000円)より
☆は岡本敏子、★は岡本太郎の言葉。
☆ いいじゃない、傷ついたって。楽しかろうと苦しかろうと、それが人生なんだもの。
★ 自分を大事にして、傷つきたくない、そう思うから不安になるんだよ。
☆ やれることだけを一生懸命やるの。「私はやれることをやっている」って思ったら、そんなにヒステリックになることもないと思うわ。
☆ いま、ありったけ、精いっぱい生きている。それだけしかない。
☆ なんにも突っかえ棒はいらない。平気で、素直に、ありのまま生きている。それが私。
★ ほんとうに素晴らしい女性というのは、目ではなく、心にふれてくるものなんだ。


岡本太郎『壁を破る言葉』
 (2005年・2011年20刷/イースト・プレス/1000円)より
どの言葉もびんびん響いてくるのですが、引用は少しだけ…。
* きみはあなた自身を創造していると思いなさい。
* 思いきって、のびのびと踏みだしてみる。そして人間的な自由とはなんであるか、その歓びをみずから発見するんだ。
* 焦るな。人のために美しいものをつくるというよりも、生命のしるしを、自分に確かめる。
* 絵を描くということは、疑うことのできない、すべての人のうちにある本能的な衝動なんだ。歌うこともそう。叫ぶことも、踊ることも。表現欲というのは一種の生命力で、思いのほか激しいもの。
* 壁は自分自身だ。
* 生きる日のよろこび、悲しみ。一日一日が新しい彩りをもって息づいている。
* 孤独であって、充実してる、そういうのが人間だ。
* いつも自分自身を脱皮し固定しない。そういうひとは、つねに青春をたもっている。
* 突飛だと思われるかもしれないが、いま、この世界で必要なことは、芸術・政治・経済の三権分立だ、と。ぼくは思っている。
* 人間は精神が拡がるときと、とじこもるときが必ずある。強烈にとじこもりがちな人ほど逆にひろがるときがくる。


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2025PROJECT編『宮崎あおい・宮崎将 たりないピース 2 Love,Peace&Green』
 (2007年/小学館/1500円)
宮崎あおい・宮崎将兄妹が、世界の貧困について、地球の環境について、学びたいと思った地域を訪ねて体験したことをまとめた本。『たりないピース1』もよかったのですが、今回はデンマークの記事に感銘しました。25年前、日本と同じように原発に頼っていたデンマークが、ヨアン・S・ノルゴー著『エネルギーと私たちの社会』によって、大きな変化を遂げます。今や、原発はゼロ、選挙の投票率は80%という魅力的な国に。私たちの意識と行動で、変化を起こすことができるという希望を持ちました。

他に、読んでとっても楽しかった&よかった小説をご紹介します。

加納朋子著『モノレールねこ』(文春文庫/2009年/530円)短編集・上手い!

瀬尾まいこ『おしまいのデート』(集英社/2011年/1200円)短編集・上手い!

高田郁著『八朔の雪』など「みをつくし料理帖」シリーズ
  ただいま6巻まであり。(ハルキ文庫/2009年~2011年/525円~590円)料理好き・時代小説好きでなくても、はまってしまう人情味豊かな小説。

万城目学著『偉大なる、しゅららぼん』(集英社/2011年/1619円)
  関西を舞台に、バカバカしくも読ませてしまうファンタジーを展開している万城目学氏の、今回の舞台は琵琶湖!大笑いした同著者の『かのこちゃんとマドレーヌ夫人』(ちくまプリマー新書/2010年/860円)を合わせて読むと、意外な発見があり楽しい。2006年京都を舞台にした『鴨川ホルモー』、2007年は奈良の『鹿男あをによし』、2009年に大阪の『プリンセス・トヨトミ』と、楽しんでいる万城目学氏、さて、次はどこへ?


テーマ:オススメの本の紹介 - ジャンル:本・雑誌

この記事に対するコメント
含蓄のある言葉に感動です!
今回はすばらしい言葉がたくさん、読み応えがあり、コメントが遅くなりました。

無用の人…ドキッとしました。そう言われないように、最近は土日にボランティアや市民活動に積極的に参加してがんばっています。おかげで、みんなに頼りにされて歌会に出席できないのが悩みです。来月は必ず出席します。

岡本かの子…大好きな歌人ですが、岡本太郎もいい言葉をたくさん残しているのに感動です。

万城目…びわ湖放送に出演していました。
【2011/10/08 23:46】 URL | kenken #- [ 編集]

kenkenさんへ
経済優先で生きている人には、短歌などの文芸や音楽や絵といった芸術・文化は、無用のものに見えるのかもしれませんが、そのような存在がないと、人生味気ないものになりますよね。
私は、岡本太郎さんの言っている「芸術・政治・経済の三権分立」こそが、これからの世界には必要だと本気で思っています。
モノがあふれて必要以上にモノを持ってしまって「捨てる」ことが流行るって、変。
モノを売ったり買ったりではなく、自分を磨くことも含めて、文化にもっとお金を使ってもいいのではないかしらって思うのですよ。
【2011/10/09 15:16】 URL | 大空の亀 #- [ 編集]


ズシンとくる言葉がいっぱいありますね。
岡本太郎さんの言葉がイメージと違います。
たくさんのご紹介、有難うございます。

孫が出来たら、と娘たちの絵本を残してあります。
娘たちが結婚した時、『孫が出来たら本は買うけどおもちゃは買わないわよ』と宣言しました。
姪の子供たちへのクリスマスプレゼント、お年玉は本のみ、孫に出来なかったことをしています。

雲の写真、素晴らしいわ。
空好きの亀さんならではのシャッターチャンスね。
【2011/10/12 08:34】 URL | ベンジャミン(keiko) #oUPgpoCM [ 編集]

ベンジャミン(keiko)さんへ
>ズシンとくる言葉がいっぱいありますね。
そうなのです。
目を剝いて「芸術は爆発だ!」の印象が強い岡本太郎さんですが、実は繊細で真面目な行動力の人だったのだと、いろいろ読んで思いました。
引用した本は、大きな字で1ページに1つずつ言葉が書いてあってすぐ読めるのですが、どの言葉もよくて、すごく立ち止まりました。

>孫が出来たら、と娘たちの絵本を残してあります。
一緒ですねえ。我が家は、その前の結婚もまだですが…
自分が子どもの時には、こんなにステキな絵本はなかったけれど、「キンダ-ブック」なるものがあって、楽しみにしていた記憶があります。
我が子に読んで、孫に読んで、自分の老後にしみじみと読んで…。
小説みたいに読み捨てにならない、流行に流されない強さが、絵本にはありますね。

ステキな雲だったので、大急ぎで携帯で撮りました。
空や雲の好きな人とは、心が通じやすい気がします。
【2011/10/12 19:59】 URL | 大空の亀 #- [ 編集]

ありがとう!
大空の亀さん、おはようございます。
コメントが届いておりましたので、驚き!喜びました。
ありがとうございました。今後ともよろしくです。
ブログの記事のクオリティの高さに感心させられました。
このブログのフアンが多いのも、納得します。
【2011/10/26 08:40】 URL | teraken #bsYDndNg [ 編集]

teraken さんへ
こんばんは。コメントありがとうございます。
昨日は、パソコンの機嫌が悪く、お返事遅くなりました。
今日は、次男のおかげで動いていますが、どうにもパソコンが気まぐれで、このところ記事のアップができなくて、弱っています。
家族の他のパソコンは、同じネットにつないでいても順調なので、原因はほかの事にありそうです。
いろいろほめてくださってありがとうございます。
【2011/10/27 17:54】 URL | 大空の亀 #- [ 編集]


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大空の亀 

Author:大空の亀 
写真の猫は姉のハオと弟のミュー。
ハオは2006年5月5日生(伝)。
ミューは2008年10月10日生(伝)。

空と言葉と草木花が好き。
趣味は読書・文芸。

読書ノート歴33年。
年間読書冊数の平均は、学生時代は
300冊、就職後は100冊~150冊。

ブログ歴 11年8カ月
2006年 3月17日から始めました。
2006年 9月 9日カウンター22222通過
2007年10月24日カウンター77777通過
2008年 5月23日カウンター100000突破 !
2008年 9月 8日カウンター111111通過
2011年 5月 4日カウンター200000突破 !
2012年 1月10日カウンター222222通過
2014年 9月15日カウンター300000突破 !
2017年 9月26日カウンター343434通過



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