心に響く本・詩歌・言葉・音楽・風景
私の読んだ本や聴いた音楽、出会った風景の中から心に響いたものを紹介します。
心に響く詩歌-自詠16首
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      【塔短歌会の仲間と岸和田を訪ねたとき菊花展をやっていたので寄り道】

 長い間ご無沙汰をいたしました。修理に出しても、家で使っている時のような不具合がなかなか生じなくて、パソコン専門店で調べ、メーカーまで送り、「メモリー部分の接触不良」だろうということで、清掃をしてもらって戻ってきました。未更新の間も、拙ブログを訪ねて下さった方、ありがとうございました。また、この間メールを頂いた方には、お返事もできず失礼しました。やっと今日から復活です。

 「塔」誌10月号の「風炎集」(毎月2人)に歌を載せていただきました。1000人も会員がいる結社ですから、このような誌面を頂くのは「一生に一回」と、ある方から聞きました。ちょうど詠草の依頼があったころ、ネットのニュースで「赤尾の豆単復刻」の記事を読みました。この豆単は、確か旺文社製で、当時(40年以上前)の高校生はたいてい持っていました。旺文社といえば、全国模試も有名でした。感想文コンクールの賞品でもらったのも、旺文社文庫の特製『石川啄木歌集』でした。次々と連想がつながってできたのが、次の歌群です。同じ世代の人には、懐かしがってもらえるかな?読んでもらえるとうれしいです。

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        落としてすくふ

十六の時より持てるさみどりの旺文社文庫『啄木歌集』

退屈な国語の授業 教室の窓は遠くを見るためにある

ABC飽きて後ろのページから『赤尾の豆単』つひに終はらず

覚えてはページを食べると言ひし人健在なりや『豆単』復刻

模擬テスト全国一位の先輩に中止となりし東大入試

入道雲わき立つ中より出でしごと大型バスの近づきてくる

真夏日の明石城跡グランドに高校野球の予選始まる

迷路めく石垣の先ほんわりと花を開ける合歓の大木

本好きでメモ魔なること我に似る息子二人の遙けき夢よ

自らのしつぽを追うてぐるぐると回るやうなり我を詠むこと

すぐ誤字を見つけてしまふ我の目が手を困らせる図書館の本

原発事故さなかに思ふ頭より手が記憶する仕事といふを

声にせぬ言葉浮かべて口笛に吹くなり「上を向いて歩こう」

屋上にきみと仰げる半円の全き虹の頂より消ゆ

「夜の海見よう」と誘つてくれたこと四十年後に気づくことなど

さらさらと落ちたる砂のぬくもりを両手にすくふ落としてすくふ
  
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 【猫は「寝る子(ねこ)」。寝ている姿が一番ですね。】

 8月ごろに作った歌群ですが、「塔」誌で、後ろから三首目の「虹」が、「紅」になっていたのはショックでした。私も「塔」誌の校正をしますが、意味を考えながら読めばこういう見落としはないだろうにと、「一生に一回」と聞いた掲載だけに、残念でした。老眼の方が増えてきている上に、字も小さいので、仕方がないといえばそうなのですが、私も見落としをせぬよう気をつけたいと、改めて思いました。ボランティアで頑張って下さっているのは重々承知の上で、自戒もこめて、誤植の件について書きました。

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     【11月の大阪歌会の帰りに。都会のたそがれ時も写真に撮るとロマンチック】

テーマ:短歌 - ジャンル:小説・文学

この記事に対するコメント

都会のたそがれの写真…ステキですね~

もちろん、ネコも可愛らしいです。

短歌作品もいいと思います。
【2011/11/18 22:06】 URL | kenji #tHX44QXM [ 編集]

おめでとうございます
「塔」誌10月号掲載おめでとうございます!
素敵ですね。

退屈な国語の授業 教室の窓は遠くを見るためにある

国語の先生がこのような歌をつくること自体がとても面白いと
思いました。軽やかな精神を感じました。

自らのしつぽを追うてぐるぐると回るやうなり我を詠むこと

生命記号論という本を読んでいた時に
「自己言及はパラドックスである」という言葉に出会った事を
思い出しました。自分のことは本当には自分を表現しない
といった意味合いなのでしょうか。
私も詩を書くときなどに、書いても書いても(書けば書くほど)
表現が自分の本質へ行き着かないように思えます。
青木さんの感覚とはあるいは少し違うのかもしれませんが
自分の奥深くを覗き込む、その主体が他ならぬ自分であることの
矛盾と難しさは、表現につきまとうものなのかもしれません。

青木さんの歌は言葉の運びが柔らかくこなれていて
やはり上手いのだなあと思います。
今後とも色々勉強させて下さいね。
それでは。

【2011/11/19 18:44】 URL | 宮岡絵美 #- [ 編集]

kenjiさんへ
こんばんは。
今、町田康さんの猫の本を読み終わったところです。
最近、猫の本づいてて、ますます猫の魅力にはまっています。
【2011/11/19 21:34】 URL | 大空の亀 #- [ 編集]

宮岡絵美さんへ
丁寧なコメントをありがとう。v-290

>退屈な国語の授業 教室の窓は遠くを見るためにある
他の教科の先生が書いたら、嫌味になりますもんねえ。
「国語って読んだらわかるのに何をぐだぐだと教えるんだろう、いっそ読書の時間にしたほうがよっぽど有意義なのに…」って、生徒のときも教師のときも思ってました。
授業でやる甲斐がありそうなのは、「文法・漢字・古典」ぐらいじゃないかしらって、実は今も思っています。現場では、役者になりきりますけれど…、ネ。
生意気な生徒だったから、授業中、教室の窓から外を見るのが好きでした。

>生命記号論という本を読んでいた時に「自己言及はパラドックスである」という言葉に出会った事を思い出しました。
おおー、さすが、絵美さん!
こんなふうに読んでもらえると、歌の格が上がります。ありがとう!

啄木の歌は、気持ちをベタに述べたものが多いので、今の風潮には合わないかもしれないけれど、若いときに繰り返し読んだので、結構覚えています。
それで、ちょっとパロディにしてみたかったんだけど、私の力ではまだ無理で…、気持ちの面で、ところどころ啄木の歌をベースにしながら、でも気づく人が一人でもいたら嬉しいなって思いながら、楽しんで詠んだ歌群です。
【2011/11/19 21:51】 URL | 大空の亀 #- [ 編集]


掲載、おめでとうございます。
「一生に一回」と言わず次をねらって下さい。

パソコンが元気になって良かったです。
また、ステキな写真も見られますね。

ネコちゃん達の寝ている姿は本当に可愛いですね。
同じ格好で寝るのね。


校正って難しいものですね。
私がボランティアでやっている校正なんて、口にするのもおこがましいですが小冊子に載せる「感想文」を書かれた方の真意を考えながら7~8人で2度やります。
「この文はおかしい」と勝手に変えてしまう方がいます。
「この人はこの字を使いたいんだよ」と柔軟な方もいます。
校正会議の度に胸がざわざわします。
【2011/11/21 17:06】 URL | ベンジャミン(keiko) #oUPgpoCM [ 編集]

ベンジャミン(keiko)さんへ
こんばんは。お久しぶりです。やっとパソコンが直りました。

塔誌への掲載は、応募ではなく依頼なので、ただ順番が回ってきたというだけなのですよ。
だから、「おめでとう」はちょっとは恥ずかしいのですが、でもいい記念になりました。

猫たちは、コタツを準備したとたん、二匹で中に入って、幸せに過ごしています。
後から来たミューの方が、とにかく甘えん坊で、いつもハオか私にくっついてないと落ち着かないらしく、時々ハオに嫌がられ、それでも気を使いつつ傍にいるのが、可愛いです。

校正は難しいですね。
塔誌では、初校と再校があって、初校では三回も別の人が見るのですが、それでも見落としがあります。
私も、誤植を一個見つけると嬉しくて、続いてあった誤植を見落としたり…があります。
元の原稿の誤字脱字や仮名遣い、句読点など明らかな間違いは直しますが、その人の癖のようなものやこだわりは残したいですものね。

今回の誤植は、原稿をワードで打ってプリントアウトして、郵便で送ったのが原因かと悔いています。
毎月の詠草は、手書きで、手書きのものは、初校でも三回見るのですが、詠草以外のもので電子メールの添付で送られたものは、二回で済ませます。

私の今回の作品も、電子メールの添付で送れば、そのまま原稿にしてもらえるのでよかったのですが、送り先がいつもの方と違ったので、アドレスを書くのがめんどくさくて、印刷して郵送したのでした。
活字になっていたので、電子メールの分と勘違いされて、初校がスルーされちゃったのだろうなと思います。
ちょっとしたミスや運の悪さが重なると、こんなことになるって、そういえばよくありますね。
【2011/11/21 19:43】 URL | 大空の亀 #- [ 編集]


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大空の亀 

Author:大空の亀 
写真の猫は姉のハオと弟のミュー。
ハオは2006年5月5日生(伝)。
ミューは2008年10月10日生(伝)。

空と言葉と草木花が好き。
趣味は読書・文芸。

読書ノート歴33年。
年間読書冊数の平均は、学生時代は
300冊、就職後は100冊~150冊。

ブログ歴 11年6カ月
2006年 3月17日から始めました。
2006年 9月 9日カウンター22222通過
2007年10月24日カウンター77777通過
2008年 5月23日カウンター100000突破 !
2008年 9月 8日カウンター111111通過
2011年 5月 4日カウンター200000突破 !
2012年 1月10日カウンター222222通過
2014年 9月15日カウンター300000突破 !
2017年 9月26日カウンター343434通過



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