心に響く本・詩歌・言葉・音楽・風景
私の読んだ本や聴いた音楽、出会った風景の中から心に響いたものを紹介します。
心に響く本-1月に読んだ本から
 1月に読んだ本から

読書用メガネが壊れ、買い換えたところ、これがピタッと合ったものですから、読書が楽しくて仕方ない。本が本を呼び、次々と読みたい本が現れ、またもやこたつの上が本だらけという、あらら…の状況です。新旧を問わず、いい本にいっぱい出会え、うれしい一月でした。そんな中から半分ほどご紹介します。

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高倉健さんの本を読みました。
6年ぶりの映画出演ということで話題の高倉健さん。今日(1月30日)の朝日新聞にも特集がありました。映画で見るだけでなく、文章で知る〈健さん〉も、人間味溢れ魅力的でした。

Ⅰ『あなたに褒められたくて』 (集英社文庫/1993年/580円)
第13回日本文芸大賞エッセイ賞受賞。仕事仲間に対してふざけて悪戯をする一面があり、意外でした。懇意にしている腕のいい散髪屋さんのこと、テレビで観た野球選手に感動し花束を贈ったこと、長野の善光寺参りを長年続けたことなど、〈健さん〉なりのこだわりが素敵でした。〈健さん〉が褒められたかった「あなた」が誰なのか、わかって「なるほど」と心が温かくなりました。

Ⅱ『南極のペンギン』 (集英社文庫/2003年/540円)
唐仁原教久・イラスト付きの絵本。映画の撮影で出かけたさまざまな地で出会ったできごとを、10のお話にまとめてあります。こんなに何度も、命にかかわるような危険な目に遭っていたのかと驚きました。すぐ読めますが、なかなかいい話が揃っていて、さらに〈健さん〉が好きになりました。

Ⅲ南日本新聞社著『アダンの画帖 田中一村伝』 (1995年/小学館/1500円)
高倉健作『南極のペンギン』の中に、田中一村氏のことが書かれていて、興味がわき図書館で借りた一冊でしたが、手元に置いておきたくて、再度文庫本(『日本のゴーギャン田中一村伝』)で購入しました。
2006年夏、奄美大島の田中一村美術館で見た、大変心を惹かれた絵を思い出しながら、この本を読みました。ご本人の写真の目がとてもきれいで、嘘をつかない、俗に紛れない人だろうと思ったのでしたが、その時の印象通りの人生を歩んだ人でした。ますます田中一村の作品が好きになりました。
本文p213より
・・・一村の美の感覚は、時代の持つ醜い部分や、画壇の政治的な力学などに敏感に反応し、拒絶反応を引き起こした。戦後の高度成長期に、一村はまさに最低賃金、あるいはそれ以下の暮らしを生きた。物が豊かになるにつれ、人の心は変わり、世はせちがらくなっていくばかりだった。・・・


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ジャンルの異なる三冊です。

Ⅰ『はげましてはげまされて~93歳正造じいちゃん56年間のまんが絵日記~』
(廣済堂出版/2011年/1365円)
大好きなテレビ番組「ナニコレ珍百景」で紹介されていて、絵がとても上手だったのと、世代的に親子が重なるのとで、即買いました。息子さんが生まれてからずっと書き続けてこられた絵日記ですが、漫画家志望だったというだけあって、画面構成も絵も優れています。テレビがきっかけで、出版に至ったそうですが、まさかこんな形で漫画家の夢が実現するなんて、ご本人も思ってなかったでしょうね。他人事ながら嬉しいです。

次の二冊は、高校時代からの友人Kさんが、知人の書いた本だとプレゼントしてくれました。

Ⅱ寮美千子編・著『空が青いから白をえらんだのです~奈良少年刑務所詩集』
(新潮文庫/2011年/500円)
私の大学時代の下宿の近くに、レンガ造りの美しい奈良少年刑務所があり、懐かしい思いでページを開きました。著者の取り組みと、変わっていく少年たちの様子に、〈言葉の力〉を思いました。著者は、先進的更生教育「社会性涵養プログラム」の先生の一人として、ここを定期的に訪れています。著者と共に学ぶ中で、言葉で表現することを知った少年たちの一つ一つの詩が、心を打ちます。多くの方に、彼らの心の内を知ってほしいなと思いました。

Ⅲ寮美千子・文/クロガネジンザ・イラスト『ならまち大冒険 まんとくんと小さな陰陽師』
(毎日新聞社/2010年/1365円)
平城京遷都1300年を記念して書かれた本だと思います。ならまちに住む祖父母を訪ね、東京からやってきた小学生の太郎。そこには怪しげな人や妖怪が…。古い町並みを舞台に、まんとくんと太郎が大活躍する物語です。旧友のKさんと詩人のTさんと三人で奈良町を散策した直後に、この本を読んだので、通りやお店(三人で行った、手焼きのユニークな鯛焼き屋さんも登場)がリアルに浮かんできて、子ども向けの本なのですが、大人の私も楽しく読めました。

2005年に大人向けの小説『楽園の鳥-カルカッタ幻想曲』で泉鏡花文学賞を受賞した寮美千子さんには、たくさんの児童文学作品があります。書評で調べたところ、『星兎』『夢見る水の王国』など、大人も十分楽しめる読み応えのある作品のようです。私は未読でしたので、これからチャレンジ!またご紹介できたら…と思っています。


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岩合光昭さんの動物の写真集三冊

Ⅰ『どうぶつ家族』 (クレヴィス/2011年/1890円)
花を顔に引き寄せているリスの写真が抜群に可愛くて、ピンクの花が耳飾りのように見えるパンダの写真も愛らしくて、繰り返し見ては癒やされています。

Ⅱ『いのちの記憶』 (世界文化社/2007年/2520円)
生きる、きずな、いのちの三部構成で、100枚の動物写真と著者のエッセイの、いい本です。

Ⅲ『地球動物記』 (福音館書店/2007年/4935円)
37年に及ぶ著者のフィールドワークの集大成。900枚もの写真があり、野生動物好きにはたまりません。月ごとの構成になっています。1冊だけ買うなら、これ。

岩合さんの撮った動物たちの写真を見ると、「地球を人間だけが住みやすい場所にしてはいけない。いろんな動物がいるから、人間は幸せなんだよ。」って、強く強く思います。


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柴村仁著の青春小説三部作
(アスキーメディアワークス文庫/2009年~2010年)

Ⅰ『プシュケの涙』
物語の舞台は高校。美術部員の由良(男子)と吉野(女子)が、話の核になるミステリー仕立ての前半と、二人の関係を描いた後半からなる。中高校生向きのライトノベルですが、エンタメにとどまらない深さがありました。登場人物、状況設定、物語構成、どれも上手くて、感情に訴えるものがあります。

Ⅱ『ハイドラの告白』
前作から3年後、美術大学が舞台。由良に加え、新たに春川という美大生が登場。怪しい大学教授をめぐるミステリーの前半と切なく可愛い恋物語の後半からなる。

Ⅲ『セイジャの式日』
三部作の完結編。美大を舞台にしたミステリー仕立ての前半と、教育実習生として母校に戻ってきた由良が登場する後半。この三部作を読み始めた時は、ドロドロしていたらどうしようという若干の不安があったのですが、面白くて三冊一気に読み進め、爽やかな読後感にほっとしました。

青春時代が懐かしい人、若者が好きな人、青春まっただ中の人は、特に楽しめると思います。

テーマ:オススメの本の紹介 - ジャンル:本・雑誌

この記事に対するコメント

寒いですね~、って今年の合言葉みたいだわ。
昨日は一歩も出ずに閉じこもっていました。

一ヶ月でたくさん読まれましたね。
合っているメガネをかけているのですが・・・。
このところ、本を買っていません。
アチコチから本が回ってきます。
とりあえず読んでみようと思います。

先日、Yさんの事を思いながら改めて「1リットルの涙」のお母さんの手記を読みなおしました。
この病気の治療法は進歩しているのでしょうかね。


先月、娘たちと「岡本太郎美術館」に行きました。以前に行ったのは「記念館」です。
車で20分ほど、近かったわ。
丘陵地の林の中にあって建物が気に入りました
日曜日なのに来館者が少なくのんびり観る事が出来ました。
太郎さんは特に好きではないけど近かったので・・・。
1人でもプラッと行きたくなる美術館でした。
【2012/02/02 09:34】 URL | ベンジャミン(keiko) #oUPgpoCM [ 編集]

ベンジャミン(keiko)さんへ
今日は、雪が降りました。ちょこっと積ってすぐ溶けました。
今日は、長男の誕生日。生まれた日も雪でした。毎年その日の朝を思い出します。
2月2日は不思議と雪になる日のようです。「雪の特異日」?

>このところ、本を買っていません。
私もできるだけ借りて済ましているのですが、線がいっぱい引きたくなると、やっぱり手元に置きたくて、中古が多いけど、買っちゃいますねえ。
本以外の贅沢はしていないので、増えたってもういいや~って感じです。

>Yさんの事を思いながら改めて「1リットルの涙」のお母さんの手記を読みなおしました。
私は、お母さんの手記は読んでいないので、機会を見て読みたいです。

>太郎さんは特に好きではないけど近かったので・・・。
私も以前は好きでなかったのですが、いろいろ読んでいるうちに好きになりました。
作品も特に好きなほうではないのですが、太陽の塔だけは、毎日見ているので、今や私のお守りみたいで、なんか自然の守り神のようにも見えて、大好きになりました。

>丘陵地の林の中にあって建物が気に入りました。
いつか行けたらいいなあ。東京には、いい美術館がたくさんありますね。
【2012/02/02 18:10】 URL | 大空の亀 #- [ 編集]


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大空の亀 

Author:大空の亀 
写真の猫は姉のハオと弟のミュー。
ハオは2006年5月5日生(伝)。
ミューは2008年10月10日生(伝)。

空と言葉と草木花が好き。
趣味は読書・文芸。

読書ノート歴33年。
年間読書冊数の平均は、学生時代は
300冊、就職後は100冊~150冊。

ブログ歴 11年3カ月
2006年 3月17日から始めました。
2006年 9月 9日カウンター22222通過
2007年10月24日カウンター77777通過
2008年 5月23日カウンター100000突破 !
2008年 9月 8日カウンター111111通過
2011年 5月 4日カウンター200000突破 !
2012年 1月10日カウンター222222通過
2014年 9月15日カウンター300000突破 !



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