心に響く本・詩歌・言葉・音楽・風景
私の読んだ本や聴いた音楽、出会った風景の中から心に響いたものを紹介します。
心に響く詩歌-牡丹を詠んだ名句・名歌
週に1回10人ほどのグループで、阪大の留学生に中国語を習い始めて1年余りになる。
全く何も知らないところから始めたが、熱心な先生や優しい仲間のおかげで、少しずつだが、わかることも増えてきた。
昔から文化の恩恵をたっぷり受けてきたお隣の国を、自力で回り、親しく話せるような旅をするのが夢だ。
習得までは、まだだいぶ時間がかかりそうだけれど。
そのサークルで、先日、「国花」の話になり、日本は「桜」だが、中国は?とみんなが、先生に尋ねた。
きちんと決まった「国花」はないが、一般的には「牡丹」と思われていて、「梅」もいいなという声もあって、議論の最中だ、という先生の答えだった。

牡丹は、平安時代に、中国から薬用として渡来し、寺院に多く植えられたという。
近隣では、奈良の長谷寺や当麻寺が名所だ。千葉の松戸には有名な牡丹園があるらしい。

ということで、今回は、牡丹を詠んだ名句・名歌の紹介です。

botan1.jpg  botan2.jpg  botan4.jpg
(写真は、京都の乙訓寺で撮影。クリックすると少し大きくなります。)

きしきしと牡丹莟をゆるめつつ    山口青邨
しっかりと固まった莟(つぼみ)が、暖かい日を浴びて、少しずつほころんでくる様子を、「きしきしと」いう衣擦れのような音で表し、花びらの質感や、牡丹の咲いている静かな空間まで想像させるところが、見事な句だと思う。

白牡丹といふといへども紅ほのか   高浜虚子
牡丹花の中でも最も好まれる白牡丹。「白」と言った瞬間、「白」と見てしまう常識の目を越えて、芯の辺りにさす「かすかな紅色」を発見したところが、人口に膾炙している理由だろう。気品ある白牡丹に、女性が紅を差すような色気が、ほんのり加わったと思う。

牡丹花は咲き定まりて静かなり花の占めたる位置のたしかさ  木下利玄
牡丹は存在感のある大きく美しい花。しかし、それらは、互いの存在を打ち消すことなく、それぞれが一番ふさわしいと思える位置に、花を開く。富貴草とも呼ばれる、その優雅な姿は、雨にも風にも動じないようだ。

牡丹切つて気の衰へしゆふべかな   与謝蕪村
室内に飾ろうとして切ったのだろうか?牡丹のりんとした姿が、花の重さに傾き、元気を失ったように感じる。辺りに漂っていた、花の持つ「気」の衰えと「夕べ」の物憂さが重なる。蕪村さん、花を前に後悔しているのかも?(見当外れの解釈だったらご免なさい。)

牡丹散つてうちかさなりぬ二三片   与謝蕪村
盛りを過ぎ、少しずつ散り始めた牡丹の花びら。しかし、その花びらは、花本体に負けず大きく美しい。「二三片」という数字の使い方が、洒落ていて素敵な句だ。

風もなきにざつくり牡丹くづれたりざつくりとくづるる時の来りて  岡本かの子
この歌を読んだ時、「その通り!」と思った。それまで、かろうじて形を保っていた花が、「その時が来た!」と言わんばかりに崩れるのだ、本当に。下に敷き詰めるように落ちた花びらが、また美しい。美しい女性が、その場に倒れ込み、華麗な十二単を広げたような印象を、実際の花にも、この歌にも受ける。

テーマ:短歌 - ジャンル:小説・文学

この記事に対するコメント

亀さん、とっても可愛いお花ですね・・・
以前、私は「牡丹の花」は、好みではなかったんですが、
何時の日からか、目にとまるお花になりました。
貫禄がありますよね。と同時に大きな愛も感じる。
今夜は、ちょっと私の心が疲れ気味?
なんだか、お花から言葉が聞えました「大丈夫だよ!」って。v-209
【2006/05/12 23:21】 URL | ぴょんこ #B7q/.fmY [ 編集]

ぴょんこ さんへ
写真を撮る時、被写体から自分が受けた気持ちを、表現できるといいなと思っています。
ぴょんこさんが、写真の花から「大丈夫だよ!」って言葉を聞いて下さって、私はとても嬉しいです。少し、疲れはとれたかしら?
牡丹の花から「愛」を感じる。すごいなあ。言われると、確かにそう思えます。
不思議ですね?受け止める人間の感情って。
【2006/05/12 23:51】 URL | 大空の亀 #- [ 編集]

大根島
 ボタンの花は本当に艶やかですね。5月1日バドミントン仲間と神姫バスの日帰り旅行で島根県の大根島へ行って来ました。高麗人参とボタンの産地で有名な所です。連休中で人出が予想されたのですが、午前中に松江城の堀川めぐりをして、午後の観光となりゆっくり見ることが出来て良かったです。島(といっても今は陸続きですが)には10のボタン園があるのだそうですが、一番大きな由志園を観光しました。立派な庭にちょうどボタンとつつじが花盛りで感動しました。1年に100回ほど植えかえして、年中花を楽しめる建物の中の庭もありましたが、やはり本当に美しいのは4月下旬から5月上旬でしょうね。日帰りまたは1泊旅行にお勧めの場所です。由志園のホームページでは美しい庭やボタンの様子を見ることが出来ます。
 ところで高麗人参は5年に1回の収穫で、しかも一度収穫した土地は20年は休ませなければならないのだそうです。びっくりしました。
【2006/05/13 20:36】 URL | GANKO #- [ 編集]

GANKOちゃんへ
ここに書いた中国語の先生もバドミントンが好きで、連休には東京へ試合を見に行っていたそうです。
体を動かすのも好きなGANKOちゃんは、生活のバランスがとれてて、心身共に健康的だね。私は、動かす方、努力せねば。
大根島というのは、初めて知りました。ありがとう。由志園のホームページも、チェックしてみます。
島根県は、以前に一、二度行ったのですが、いろいろ美しい所があって、文化的にも上品な感じがしました。
高麗人参は、土から栄養をたっぷりとるからでしょうね。20年なんて恐ろしい気がする。
【2006/05/14 00:09】 URL | 大空の亀 #- [ 編集]


この記事に対するコメントの投稿














管理者にだけ表示を許可する


この記事に対するトラックバック
トラックバックURL
http://kamenoashioto.blog52.fc2.com/tb.php/51-05a91fe5
この記事にトラックバックする(FC2ブログユーザー)

プロフィール

大空の亀 

Author:大空の亀 
写真の猫は姉のハオと弟のミュー。
ハオは2006年5月5日生(伝)。
ミューは2008年10月10日生(伝)。

空と言葉と草木花が好き。
趣味は読書・文芸。

読書ノート歴33年。
年間読書冊数の平均は、学生時代は
300冊、就職後は100冊~150冊。

ブログ歴 11年6カ月
2006年 3月17日から始めました。
2006年 9月 9日カウンター22222通過
2007年10月24日カウンター77777通過
2008年 5月23日カウンター100000突破 !
2008年 9月 8日カウンター111111通過
2011年 5月 4日カウンター200000突破 !
2012年 1月10日カウンター222222通過
2014年 9月15日カウンター300000突破 !



カテゴリー



最近の記事



最近のコメント



リンク

このブログをリンクに追加する



最近のトラックバック



月別アーカイブ



カウンター



ブロとも申請フォーム

この人とブロともになる



ブログ内検索



RSSフィード