心に響く本・詩歌・言葉・音楽・風景
私の読んだ本や聴いた音楽、出会った風景の中から心に響いたものを紹介します。
心に響く本‐ふるさと愛媛と関わりのある方たちの本
 今回は、ふるさと関連で手に入れた本3冊のご紹介です。
どれも豊かな才能を感じさせる良書です。読んで頂けると嬉しいです。

文:大早直美/写真:武田 直『風の散歩道』
(愛媛新聞サービスセンター/2012年/1800円)

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 愛媛県下を回り、素敵な文章を書かれた大早さんは、次にご紹介する犬塚さんと宇和島東高校の同級生で、親友という間柄。高校時代から既に相当な文才があったと、犬塚さんから伺っていますが、地元愛媛にて、ご夫君と「創風社」という出版社をされています。

この本は、2006年4月から2010年3月まで愛媛新聞社発行の月刊『アクリート』に連載されたものをまとめたもので、写真も大きくて美しく見応えがありました。風景の懐かしさはもちろんのことですが、全然知らなかった故郷の歴史を、大早さんの素晴らしい文章で知ることができました。情に流されないきりっとした文章はとても心地よく、紹介された各地を訪ねたい気持ちにさせてくれ、ふるさとが更に好きになりました。



犬塚芳美著『破損した脳、感じる心』
 高次脳機能障害のリハビリ家族学

 (亜紀書房/2012年/1600円) 京都新聞・毎日新聞に広告が掲載されました。

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 犬塚さんは、拙ブログリンク先のトップにある映画紹介ブログ「太秦からの映画便り」の主。個人でブティックを経営するデザイナーでもあるのですが、毎週3本の映画鑑賞、監督へのインタビューなどを熱心にこなし、良質な映画の紹介に努めている美的で知的な女性です。ご夫君は、映画美術を担当されていて、芸術オーラを漂わせているご夫妻というのが、私の印象です。

そのご夫君が、今から2年前の深夜、ほろ酔いかげんで後頭部を強打され、お二人の生活が一変しました。死をも覚悟した日々から、片麻痺と高次脳機能障害を抱えた身となったご夫君を支え、必死のリハビリに励まれた様子が、前向きな彼女の文章で綴られています。
周りの方々が驚くほど短期間で回復(まだ完璧ではありませんが…)できたのは、ご本人の努力もさることながら、彼女の厚い&熱い思いがあったから。同様の障害を克服する努力をされている方にとって、ヒントになることがたくさん載っています。



宮岡絵美著『鳥の意思、それは静かに』
(港の人/2012年/500円) 毎日新聞「詩評欄」で取り上げられました。

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 私の中学・高校時代の同級生夫妻の娘さんの詩集です。先に紹介した犬塚さんと同じ京都工芸繊維大学(私の中では理系の大学という認識です)の卒業生で、公務員をされています。彼女のブログ「miyaさんの生きとし生けるもの、いづれか歌をよまざりける」には、言葉への豊かな感性が溢れ、若くて柔軟な才能が輝いています。

すでに干からびてしまっているような私の感性では、なかなか読み切れない詩群なのですが、茨木のり子さんの詩にある「自分の感受性くらい 自分で守れ ばかものよ」を自身に言い聞かせて、ときどき刺激をもらっています。いちばん好きな詩「うたひ手」を以下に引用します。/の部分は、原文では改行です。

月をながめて/うたをうたおう/どこかにいきたい/それだけなのだ

ゆく先々でうたう/あなたのうたを/どこかにいる/わたしのために

わたしとあいたかった/はるかなる約束をした/とおい月日

あなたのために/うたはつづいている/大空を駆ける/数多の地平線を/味方にして/わたしはゆくだろう

過ぎし日の向こう側/待っている日を/夢みるように

テーマ:オススメの本 - ジャンル:本・雑誌

この記事に対するコメント
こんばんは…  
貴重な愛媛情報ですね。
どの本も良い本ですね。
【2012/09/22 23:49】 URL | kenji #tHX44QXM [ 編集]


早々にご紹介を有り難うございます。
元気なようでも以前していたことをするのが苦痛で(まだ完全には社会とつながっていない。ある種PTSDでしょうか)、脂汗が出るので、ここのサイトを覗いたのは事故以来かと思います。
こんな風にして自分の社会復帰を重ねていかなくては!

直美ちゃんの本はすばらしく、「多感な頃に貴女のそばですごせた事は幸せでした」と言う言葉が自然に出てきました。そう言った時は、まだ彼女の本の一番の走りどころの「旅の重さ」を再読していないときでしたが、それを読むと、同じような言葉が著者から母親に送られていて、ちょっと感動しました。
高校の同窓生、大学の同窓生にはさまれてご紹介いただき光栄です。
どちらでも、私は落ちこぼれで、はぐれものだったのですが・・・。
【2012/09/23 07:53】 URL | 犬塚芳美 #- [ 編集]

kenjiさんへ
こんにちは。
1冊目は愛媛が、2冊目は京都がふんだんに出てきます。
どれもほんとに良質な内容の本なので、機会があったらぜひ手にとってみてください。
【2012/09/23 11:14】 URL | 大空の亀 #- [ 編集]

犬塚芳美さんへ
こんにちは。
>脂汗が出るので、ここのサイトを覗いたのは事故以来かと思います。
そうでしたね。ご自分のサイトを再開されるまでも、だいぶ時間が必要でしたものね。
時間とともに少しずつでも、ご夫君ともども社会復帰できることを祈っています。

本の中にもありましたが「リハビリは早ければ早いほどよい」の言葉通り、ほんとに全身全霊を傾けてのリハビリが功を奏し、社会復帰の道が開かれたと思います。

今回の辛い経験を、このような充実した形で残せたお二人ですから、必ず明るい展望が開けると信じています。
苦労は必ず、人生の糧になりますから。
【2012/09/23 11:21】 URL | 大空の亀 #- [ 編集]


犬塚さんの本、さっそくアマゾンに注文しました。

昨年4月、下のコのお友だちで家族ぐるみでお付き合いのある方が事故に遭い、高次脳機能障害と闘っておられます。
なにか、ヒントをいただけるのでは・・・と願っています。
 
【2012/09/24 05:30】 URL | kimico #Zr2/WiYY [ 編集]


本の紹介がいっぱいですね。
亀さんらしい本が続いてます。


『みをつくし料理帖』がドラマ化されましたね。
この本も亀さんのご紹介ですね。
お彼岸だったので録画しました。
今日、楽しみに見ます。
【2012/09/24 09:39】 URL | ベンジャミン(keiko) #oUPgpoCM [ 編集]

kimico さんへ
お友だち、大変ですね。
高次脳機能障害と闘っておられる方に役立ってほしいと書かれた本なので、きっと参考になるところがあると思います。
犬塚さんも喜ばれますよ。ありがとう!
リハビリ、できるだけ早くから、あきらめずに目標を高く持って、頑張ってほしいです。

俳人の伊丹三樹彦先生も、車いす生活と言語障害を、1日20句の俳句リハビリで治されました。
85歳で脳梗塞で倒れられ、再起は不可能と思われていましたが、3年ほどで歩けて言葉もスムーズになり、94歳の今もお元気です。
【2012/09/24 18:14】 URL | 大空の亀 #- [ 編集]

ベンジャミン(keiko)さんへ
>『みをつくし料理帖』がドラマ化されましたね。
そうでしたね。この小説を教えてくださった職場の男性から、ドラマもあるよと聞いていたのに、うっかりしました。
絶対おいしそうなお料理が出てきますよね。惜しいことしました。
ベンジャミンさんは、お料理が大好きだから、この小説はお似合いだなって思います。

私は、九月になってから再びパン焼きにはまり、楽しんでいます。
バターは私の体には悪いので、代わりにオリーブオイルにしたのですが、ちゃんとできてヘルシーだし安くつくので、市販のパンを止めてもっぱらこちらです。
最近作ったのでお気に入りは、かぼちゃパン、はちみつヨーグルトパンです。
キムチパンはテレビでおいしいと言っていたけど、家族には不評で、しかたなく冷凍して一人で食べています。
【2012/09/24 18:22】 URL | 大空の亀 #- [ 編集]


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大空の亀 

Author:大空の亀 
写真の猫は姉のハオと弟のミュー。
ハオは2006年5月5日生(伝)。
ミューは2008年10月10日生(伝)。

空と言葉と草木花が好き。
趣味は読書・文芸。

読書ノート歴33年。
年間読書冊数の平均は、学生時代は
300冊、就職後は100冊~150冊。

ブログ歴 11年5カ月
2006年 3月17日から始めました。
2006年 9月 9日カウンター22222通過
2007年10月24日カウンター77777通過
2008年 5月23日カウンター100000突破 !
2008年 9月 8日カウンター111111通過
2011年 5月 4日カウンター200000突破 !
2012年 1月10日カウンター222222通過
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