心に響く本・詩歌・言葉・音楽・風景
私の読んだ本や聴いた音楽、出会った風景の中から心に響いたものを紹介します。
心に響く本‐坂口恭平著『独立国家のつくりかた』
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山崎 亮著『コミュニティデザイン 人がつながるしくみをつくる』
(学芸出版社/2011年/1800円)

三浦 展著『第四の消費 つながりを生み出す社会へ』
(朝日新書/2011年/860円)

  この2冊を先に読んでいたので、次にご紹介する本の面白さが増したと思います。
どちらも、未来への希望を感じさせる良書でした。現状を嘆いてばかりでは始まらない…。

坂口恭平著『独立国家のつくりかた』
1人で、0円で国をつくった男の記録

(2012年/講談社新書/760円)

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 最近立て続けに読んだ三冊の本の一つ。私たちの世代とは違う若者たち(それはわが子を見て感じていたことでもあるのだが)の考え方に触れることができ、満更でもないなと思っている。2011年5月新政府を樹立し、初代内閣総理大臣に就任したという著者。
読みながら、岡本太郎とダブらせたり、武者小路実篤の「新しき村」を思ったりしたが、彼の主張の中で特に共感を覚えたのは、「態度経済」というものだ。

『第四の消費』の本でも、これからは「もの」ではなく、「こと」が大切と書いてあったが、そういう時代は思っている以上に居心地がいいのではないかと、私も思っている。ネット社会やバブル社会への反動が、こういう人と人の生の触れ合いを求めるようになるだろうと思っていたが、今現実に若者がそういう道を歩もうとしているのであれば、こんな嬉しいことはない。
【以下、色つき文字は引用部分。】

P112
態度経済は貨幣経済と決別するわけではない。ただそれは匿名化したシステムとはまったく別のレイヤーにあるものだ。もっと抽象度の高い、かつ具体的な経済感覚である。
態度経済というのは、通貨というような物質によって何かを交換する経済ではない。交換ではなく「交易」するものだ。交易。つまり、そこに人間の感情や知性などの「態度」が交じっていることが重要だ。ただの交換ではないのだ。・・・(中略)・・・交易をするには、インターネットでだけ行動しても駄目だ。交易には人間の体が必須なのである。だから、態度経済は必然的に移動を促す。人と人との直接的な出会いを促す。もちろん、それをつないでいるのはインターネットでもいい。しかし、人と人が直接出会う中で、お互いの才能という貨幣を身振りを使って交換する。


 この本を読みながらこんなことを考えていた。・・・

ネット社会になると、その反動で生身の人間同士の付き合いが求められるようになるだろうと、ずっと思っていた。お寺の境内などで定期的に開かれる弘法市や手作り市、また道の駅などでの野菜市など、売り手(作り手)との緩いやりとりが心地いいという経験をする人が増えている。シャッター通りと言われるかつての商店街にも、各商店の持っているノウハウを表に出せば、活路が見いだせるのではないかと感じている。

人通りが戻ってきた天神橋筋商店街も、「30年かけて復活させた。天満繁盛亭の存在も大きい。」と土居会長が話をされていた。天神祭は、官の力を借りず町民の力だけで維持してきた大きな祭りでもある。人々が生き生きと暮らす、その核になるのは「文化」である。

もうひとつ感じていたのは、筆者の家に対する考え方が『方丈記』の鴨長明と似ているなということ。大火災・竜巻・飢饉・大震災・平家による強引な遷都などで、庶民が疲弊していく平安末期の状況と、今の日本を重ねたりしながら『方丈記』を読み直し、改めて「古典の力」を思った。

 *9月のブログでひたすら本紹介に徹し、たまっていた本の紹介が一区切りつきました。

テーマ:オススメの本 - ジャンル:本・雑誌

この記事に対するコメント
坂口恭平は…
テレビで見たことがありますが、スゴイカリスマ性があって注目しています。
【2012/09/30 21:58】 URL | kenji #tHX44QXM [ 編集]

kenji さんへ
>テレビで見たことがありますが、スゴイカリスマ性があって注目しています。
本によると、自分の考えをはっきり言い、責任を持つことを大事にされているようですから、テレビでのインパクトも強そうですね。
【2012/10/01 21:12】 URL | 大空の亀 #- [ 編集]


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大空の亀 

Author:大空の亀 
写真の猫は姉のハオと弟のミュー。
ハオは2006年5月5日生(伝)。
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趣味は読書・文芸。

読書ノート歴33年。
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2006年 3月17日から始めました。
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