心に響く本・詩歌・言葉・音楽・風景
私の読んだ本や聴いた音楽、出会った風景の中から心に響いたものを紹介します。
あんなことこんなこと-新年に思う
 三が日、皆さんはいかがでしたか?私は、けっこう充実した、いいお正月が過ごせました。

        IMG_604920131.jpg

でも、大晦日から一日が終わった瞬間に、次の年が始まるという仕組みが、この年になってもなかなかなじめなくて、ちょっと「…?」となってしまいます。どういうことかといいますと、書き言葉で「明けましておめでとうございます。」は、なんとか大丈夫なのですが、大晦日にも会っているご近所の方に改めて新年のご挨拶をする、その芝居がかったやり取りが照れ臭くて、心の中が「むにゃむにゃ」となってしまい、いつまでも一人前のしゃきっとしたご挨拶ができません。一応頑張って挨拶はします。しますが、「みんなは平気なのかな?」って、いろんな場面で、テレビを見てすら思ってしまいます。皆さんは、そんなことありませんか?そういえば、子どもの時も苦手でした。親は、お正月の準備をほんとにいろいろしてくれて、家族皆で改まって新年を迎えてはいましたし、どれも好きなことばかりでしたが、挨拶だけが…。

三が日は、最初の写真のように、車がほとんど通らず、朝の光が幅広く水面に輝き、空気が清々しくて、いかにもお正月という感じでした。


 今年2冊目のお勧めはこの本です。watasinosukinakonoikku.jpg

柳川彰治編著『私の好きなこの一句』
現役俳人の投票による上位340作品(平凡社/2012年/2600円)

この本は、編著者の柳川氏が全国の俳句結社の主宰・代表に依頼し、アンケート依頼と鑑賞文の公募を同時に実施したものです。「江戸から平成までの俳句作品で最も好きな作品を一句(3点)。それ以外に好きな作品を最多十句(各1点)まで」挙げてもらって、( )の点数を集計したものを、下位から順に340作品掲載してあります。本の半ば以降は、私もすべて知っている句でしたが、著者による解説や公募鑑賞文によって、新たな理解を加えることができましたし、初めて知った句も多くあり、勉強になりました。とても興味深く読めたのですが、その中から特に三句だけ引用します。

湯豆腐やおとこの会話つながらず   橋本榮治
我が家は息子二人と夫に私。男ばかりで皆無口なので、大変共感を覚えました。

稲妻や浪もて結える秋津島      与謝蕪村
原表記は「稲づまや浪もてゆへる秋津しま」です。日本列島は波で囲まれているというスケールの大きな「国誉め」の俳句ですが、あの東北の大震災からは、違った読み方をしてしまいます。いつ津波が起こってもおかしくない活断層だらけの国の海浜を取り巻く原発、それが頭から離れません。

地面から宙(そら)がはじまる福寿草   宮坂静生
~作者は近年「対象に寄り添う」ということを提唱されている。つまり、作者の視点ではなく、対象(福寿草)の視点に立つということである。~と鑑賞文にありました。とても魅力的な句が多く、気になる俳句作家の一人が新たに増えました。何冊か宮坂氏の本を買って読んでみようと思います。


  showwindow20131.jpg
梅田に用事があって出かけました。阪急百貨店のショーウィンドーを写したら、向かいの銀行の看板が…。

阪急から阪神に行く途中、近くを歩いていた40代と思われる男性二人のうち少々脂ぎった印象の一人が「原発がなくなったら電気代が3倍になるから、なくしてはいけない」など、何の根拠もなく声高にしゃべり、相手の人は黙ったまま。後ろから、私と夫は「電気は節電したらいい。無くていいところにいっぱい使ってる。事故が起きたら、土地を失い、命も健康も危うくなるんやで。」とぶつぶつ。3割か4割だかの得票で8割の議席を自民党が占めて以来、なんだか世間全体に嫌な動きが感じられます。大声で押さえつける物言いをする人には気をつけたいです。

LEDの照明を買いに行った店でエレベーターに乗りました。かなり満員だったのですが詰めたら何人かは乗れたので、私たちのあとにカップルが「すみません」と言いながら乗りました。すると、私の近くにいた若い男の人が「あやまるんやったら乗るな」と、冷たい声で無表情なままぼそっと言い、その人の彼女が「そんなこと言わんとき」とたしなめましたが、私はぞっとしました。降りてから夫に伝えると、夫も「『すみません』というのは、『ちょっと詰めてください』ってことなのに」と、憤慨していました。言葉のままにしか取れない人が増えているのかと、怖くなりました。

もともと梅田などの都会は人が多く息苦しくなるので、よっぽどの用がないと行かない(例えば、家の近くでは、買い取り制の岩波新書を売っていないので、梅田まで行かないと買えないなど)のですが、今回、二つも嫌なことを見聞きして、ますます都会が嫌になりました。消費をあおり、殺伐感が漂っているようで、どうにも…。


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 日本の自然の雄大さと多様性を、大きな写真でたっぷり見せてくれました。とてもよかったです。

安藤忠雄氏が寄せた言葉の中に「撮る苦労が5%、そこにこぎ着けるまでの苦労が95%」と、白川義員氏の言葉(と思います)が引用してありましたが、スポンサー探しから始まって、現地まで行く体力と気力、最後の天候まで、どれだけのエネルギーが要るだろうと思われる、迫力ある写真群に圧倒されました。日本には芸術に関する大きな賞が4つあるそうですが、そのすべてを受けているのは白川氏だけだそうです。それも納得。

テーマ:日々のつれづれ - ジャンル:日記

この記事に対するコメント

おはようございます。

亀さんも梅田に出られてたんですね。
私も・・・長谷川義史さんの本を探しにお出かけしてました。
若いころは毎日のように通っていた梅田にも、今では1年に10回行くことはなくなってしまいました。
大きな書店に行くのが目的で、ついでに美味しいスイーツを・・・くらいですか?
今回も新しい梅田阪急は、人混みに負けて?スルーしてしまいました。
興味はあるんだけれど・・・

原発は今止めてもすでに核のゴミが負の遺産として孫の代になってもどうにもならないくらい、もうたっぷりあるのに・・・
事故がおきなくっても、自分が生きている間に処理しきれないのに。
今すでに、子孫に申し訳ない状態なのに・・・
原発の町のかたも「なくなったら困る」っておっしゃるのを聞き、とてもとても残念に思っています。
電力会社の社員さんたちはみんな高給取りですよね?
子会社の方は違うようですけれど・・・
電気料金の値上げの話にちょっと悲しくなるくらい、あの方たちの豊かな暮らしぶりを残念に思います。
電気がなくては困るんだけれど、もうちょっと、工夫できるのでは?と思っています。
うちも子どもたちが育って、バラバラに行動するようになって、それぞれが自分のスペースで明りをつけて・・・ってのが、もったいなくてさみしいので、ちょっと乱暴なんですけれど、広くもないマンション暮らしの全体の使い方を工夫してみました。
お勉強するスペース、ご飯を食べるところ・・・くつろいだりテレビを見る場所。
キッチンで食事の用意をしながら、東側には息子たちの机が向かい合わせに見られるところ・・・

南側にはソファーやごろんと横になってテレビを見たり本を読んだりできる空間を。
どっちも目の届くところにあって、会話を楽しめるように・・・って話したいのも、聞きたいのもいつも私ですけれど。
そういえば、昨日は誰もテレビ見てなかったかも?
息子たちはゲームもテレビの部屋で。
実は、ゲームから興味を持ったのが「島左近」なんです。
お風呂も続けて入れば、沸かしなおさなくていいのでv-48
南側に高い建物がないので、冬はカーテンを開けて過ごすと、思いのほか太陽の恵みでぽかぽか・・・ストーブもこたつも、もうださなくなって6年目。
朝、先に起きてお弁当と朝食の用意をするので、充分ぬくもるんです。
狭くって良かったe-348

昨日の夜・・・下のコがお風呂で「夜にまじれ~e-291」って歌ってました。
そういえば、夕食の用意を手伝ってくれていた時も、「夜をともしてv-266」って。
CDで聴いてそのまま歌えてるつもりなのが、くすり・・・と笑えるくらいに可愛いんです。
 
【2013/01/05 04:38】 URL | kimico #Zr2/WiYY [ 編集]

kimicoさんへ
こんにちは。
コメントをありがとうございます。

kimicoさんも梅田へ。人が多いから、さすがに偶然!というのは難しいですね。

>大きな書店に行くのが目的で、ついでに美味しいスイーツを・・・くらいですか?
やっぱりそうですか。私も。これに、映画が加わるぐらいです。
年末にも「北のカナリアたち」を見に行きました。とってもよかった!
お目当ての本は、手に入りましたか?
本屋さんも大きいのがたくさんできたせいか、昔みたいな混み方はしなくなりましたね。
それに比べて、電気屋さんはすごい人でしたけど…。う~むって感じです。

>原発は今止めてもすでに核のゴミが負の遺産として孫の代になってもどうにもならないくらい、もうたっぷりあるのに・・・
ほんとにその通り!
年末にチェルノブイリのことをやっていましたが、大きな街がすっぽり廃墟になっていました。
そして、その近くにまた原発ができ、同じことを繰り返していました。
人間は、どこまでエゴが強く、視野が狭く、現世快楽的なんだろうと、悲しくなりました。

都会のきらびやかな店先を見た時に、少なくとも被災地の生活や原発で作っている電力のことに思いを馳せるぐらいの想像力のある人間でありたいと思います。
ほんとにほんとに今の世の中の動きを見ていると、情けなくて情けなくて…。
「自分だけよかったらいいんかい!」って、叫びたくなってしまいます。
砂上の楼閣、享楽主義、賑やかな街を歩いていると、そんな言葉ばかり浮かんできます。

>南側に高い建物がないので、冬はカーテンを開けて過ごすと、思いのほか太陽の恵みでぽかぽか
一緒ですね。我が家はホットカーペットは使いますが、それだけで、エアコン冬も夏もずっと出番なしです。
便利で快適であることが、必ずしも人間にとって(もちろん自然にとっても)よいことではないということにも、みんな気付いているはずなのに、ね。
「ワイルドだろ」という言葉が流行る背景には、そんなこともあるような気がします。

>CDで聴いてそのまま歌えてるつもりなのが、くすり・・・と笑えるくらいに可愛いんです。
とっても嬉しいファンがいて、ありがたいことです。
Rちゃんの「島左近」は、ゲームからでしたか。なるほど。
愚息のブログに「背中が痛い」とあったので心配したのですが、ギターの持ち方をあれこれ試して練習していて痛くなったらしく、ほっとしました。
離れて暮らしていると、ちょっとしたことでも心配で、私自身が困った人になっております。
【2013/01/05 15:20】 URL | 大空の亀 #- [ 編集]

今年もよろししくお願いします
百貨店のお正月のディスプレー、立派ですね。
今年はまだ、デパートに行っていません。

新年に素晴らしい写真展をご覧になりましたね。
美しい日本が永遠に続きますように。

お正月のご挨拶、確かにおかしいわね。
家族でワイワイテレビを観ていて0時になった途端、改まって「おめでとうございます」
なんて。
大晦日に伊達巻を届けたお友達に元日には新年のご挨拶。

でも、そんな日本の風習を大切にしたいです。

亀さんご家族がますますの飛躍の年でありますように。
【2013/01/07 16:41】 URL | ベンジャミン(keiko) #oUPgpoCM [ 編集]

こんばんは…
私は旧正月ですので、今回も挨拶は無し、おせちも無しの「大型連休」といった感じ、ほぼ毎日梅田へ出て「作歌?」でした。

昔は旧正月に爆竹を鳴らしたりしましたが、現在は無いですね~

梅田…イヤな思いをされて、大変でしたね~今度の土曜日の二次会で発散しましょう(苦笑)
【2013/01/07 21:43】 URL | ケンジ #tHX44QXM [ 編集]

ベンジャミン(keiko)さんへ
こんばんは。
コメントありがとうございます。
今年もよろしくお願いします。

昨日・一昨日と、初句会で博多に行ってきました。
久しぶりの遠出で、何もかもが目新しくて、感激しました。
九州の人たちは、とっても温かくて親切で、言葉の響きも素敵でした。

美味しいものもいっぱい食べて、やっぱり太ったお正月でした。
お節やお餅が大好きだから、あきらめてます…。
兄の作るお節が、特に美味しいのです。父母と義姉の味が混じっているから。

>でも、そんな日本の風習を大切にしたいです。
そうですね。1日からお店を開けるのを止めて、昔みたいに退屈な3が日がいいな。
【2013/01/08 18:10】 URL | 大空の亀 #- [ 編集]

ケンジさんへ
こんばんは。
コメントありがとうございます。
1泊で、初句会に参加するため、博多・柳川に行ってきました。
1人10句提出の句会と懇親会、充実していました。
新幹線で、新大阪から2時間半ほどで行けるのですから、驚きです。
とってもフレンドリーで楽しい人たちばかりでした。
【2013/01/08 18:13】 URL | 大空の亀 #- [ 編集]

またまたお邪魔します
博多に行かれたの?
昨春、行きましたが東京と比べて街が小さくていいですね。
年と共に東京の広さが堪えます。
ひとつの街中に何でもそろっている福岡が羨ましく思いました。

好きなものを美味しく食べられるって健康で幸せなことですね。
でも、やっぱり痩せたいです(笑)

今はデパートもスーパーもレストランも元日から開いているところが多くなりましたね。
元旦にお墓参りに行くのでその帰りにお店を利用しながら店員さんに申し訳なく思いました。

昔は三が日はどこも閉まっていて町が静かでしたね。
【2013/01/08 21:12】 URL | ベンジャミン(keiko) #oUPgpoCM [ 編集]

ベンジャミン(keiko)さんへ
こんばんは。
コメントありがとうございます。
ベンジャミンさんも行かれたのね。
私も、博多と柳川に行ってきました!
新幹線の往復とホテル付きで、一番安いパターンのを探し、2万円弱で行けました。
その代わり、行きは朝早くて、帰りは夜遅くですが、その分、福岡で遊べました!

>ひとつの街中に何でもそろっている福岡が羨ましく思いました。
私も同じことを思いました。人も温かいし、住みたいくらい。
大阪も次々新しいビルができ、梅田は自然が少なくて、息が詰まります。
広すぎて、お目当ての所へ行くのも遠いし、お店が多すぎて見る気力がなえます。
便利にすればするほど、人間らしさが失われていきますね。
今回の博多や、帰省先の松山などは、気候もいいし、人がゆったりしてて大好きです。

元日からお仕事しなくてもいいのにねえ。
家族も寂しいと思います。経営者には、何が大切か、考えてほしいですね。
【2013/01/09 18:23】 URL | 大空の亀 #- [ 編集]

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このコメントは管理人のみ閲覧できます
【2013/01/10 19:51】 | # [ 編集]

鍵コメさんへ
こんばんは。
貴重なお時間を割いて頂き、ありがとうございました。
【2013/01/10 21:05】 URL | 大空の亀 #- [ 編集]


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大空の亀 

Author:大空の亀 
写真の猫は姉のハオと弟のミュー。
ハオは2006年5月5日生(伝)。
ミューは2008年10月10日生(伝)。

空と言葉と草木花が好き。
趣味は読書・文芸。

読書ノート歴33年。
年間読書冊数の平均は、学生時代は
300冊、就職後は100冊~150冊。

ブログ歴 11年8カ月
2006年 3月17日から始めました。
2006年 9月 9日カウンター22222通過
2007年10月24日カウンター77777通過
2008年 5月23日カウンター100000突破 !
2008年 9月 8日カウンター111111通過
2011年 5月 4日カウンター200000突破 !
2012年 1月10日カウンター222222通過
2014年 9月15日カウンター300000突破 !
2017年 9月26日カウンター343434通過



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