心に響く本・詩歌・言葉・音楽・風景
私の読んだ本や聴いた音楽、出会った風景の中から心に響いたものを紹介します。
心に響く風景-連休の万博公園&長田弘さんの言葉
 皆さん、連休はいかがお過ごしでしたか。私は人混みと渋滞が苦手なので、近くの万博公園を散策するのが、連休の定番です。いつもはそんなに人の多くない公園ですが、お天気に恵まれ家族連れでにぎわっていました。子どもたちが小さい頃、こんなふうに過ごしたなと懐かしく思いながら、自然の中で幸せそうな人たちの様子を撮ってきました。一つ一つに紡がれる物語を感じ取ってもらえたら嬉しいです。

写真の下に引用したのは、長田弘著『なつかしい時間』の一部です。本の中すべてが素敵な言葉ばかりですが、ここにはそのほんの少しだけ…。一冊丸ごと読まれることを、心の底からお勧めします。


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自分がそのなかで育てられた風景というものに助けられてわたしたちの経験、あるいは記憶はつくられています。 (「大切な風景」より) 


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それぞれが自ら時間をかけて育てるべきものが記憶であり、ひとは記憶によって育てられ、記憶にみちびかれて自分にとって大切なものを手にしてきました。 (「記憶を育てる」より)


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読書というのは、振り子です。たとえ古い本であっても、過去に、過ぎた時代のほうに深く振れたぶんだけ、未来に深く揺れてゆくのが、読書のちからです。 (「古い本を読もう」より)


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故郷というのは、過ぎ去った時間の手ざわり、感触といったものではないか、と思われてなりません。 (「時間のなかの故郷」より)


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目の前の風景を眺めていて、気がつくと、自分の人生の風景を眺めている。そうした「思い」を深くするのが「眺め」です。 (「『眺め』の大切さ」より)


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一度でも一人で、大きな樹の下に足をとめ、黙って、まっすぐ真上の、大きな枝々を見上げると、葉の緑のかさなりのなかから音もなく降ってくる時間のかすみ網に、自分が柔らかに包まれて運び去られるような不思議な気もちに襲われます。 (「樹が語ること」より)


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人というのは、生きている本だと思うのです。ですから、死んだ人間は、誰もが「一冊の本」をのこして死んでゆく。それが書かれた本であろうと、書かれなかった本であろうとにかかわらず、です。死者と語らうというのは、死者ののこしていったその本を、一人読むことだと思うのです。 (「死者と語らう」より)


 natukasizikan.jpg 【長田弘著『なつかしい時間』 岩波新書/2013年/840円】

 今年の連休の最大の収穫は、この本を読めたことでした。長田弘さんの詩は、いつ読んでも素晴らしいのですが、この本に書かれた言葉は、私の胸をしっかり掴み、心に栄養をいっぱい与えてくれました。「私の知っているあの人に、この人に、プレゼントしたい。」と思いつつ読みました。でも、そんなお金持ちじゃないので、皆さん、自分で買ってぜひ味わってみてください。今年、今日まで読んだ62冊の中で、一番お勧めの1冊です。

久しぶりに長田弘さんの詩集を読みたくなって、図書館で3冊借りてきました。『幸いなるかな本を読む人』(2009年第2刷)、『詩ふたつ』(2010年)、『詩の樹の下で』(2011年)。今から読む時間のことを思うだけで、わくわくします。

テーマ:ある日の風景や景色 - ジャンル:写真

この記事に対するコメント

おはようございます。
万博公園はきれいなところですね。
岡本太郎のファンの私としては、“太陽の塔”も生で見てみたいので…
一度散策してみたいと思っているのですが、当分は実現しそうにありません。

長田弘さんという方は存じ上げませんでしたが、とても素晴らしい言葉ですね♪
私も、購入してぜひ読んでみたいと思いました。
ありがとうございます。合掌
【2013/05/08 06:34】 URL | うみそら居士 #- [ 編集]

うみそら居士さんへ
こんばんは。
コメントありがとうございます。
いつも原発関連の記事を拝読させてもらっています。
ご紹介のあった中村敦夫さんの話、もっと広まればいいのにと思います。

万博公園は、自然がいっぱいのいい公園になりました。ぜひお訪ねください。
太陽の塔は、通勤のたびに前を通過するので、親しみを感じています。
太陽の塔が腕を広げた後ろには、緑の森や遠く箕面の山々が見えるので、私には「これ以上、現代文明は入ってくるな。」と、塔が通せんぼをしている頼もしい存在に見えます。

長田弘さんは、大好きな詩人の一人で、今までにも何冊か読みましたが、今回借りた『詩の樹の下で』のあとがきで、1939年福島市の生まれと改めて知りました。
50年前に東京に移りそれっきりだったのだけれど、今回の震災で「記憶の森の木がことごとくばさっと薙ぎ倒されていったかのようだった。」とありました。
【2013/05/08 18:38】 URL | 大空の亀 #- [ 編集]

こんばんは… 
もう62冊ですか!ハイスピードですね~
どんどん(短歌の実力も)差をつけられそうですね。
私もこれからどんどん読書します(苦笑)

一瞬、お孫さんが2人も(?)と思いました…

万博は「いいね」です。

【2013/05/08 23:53】 URL | ケンジ #tHX44QXM [ 編集]


おはようございます。


なつかしい時間・・・買いに行かなくっちゃ!

私は「深呼吸の必要」がとてもとても好きなんです。
「遠く」って、今の私にはどこなんだろうって、時折、思っています。


読売新聞の朝刊の家庭欄に「こどもの詩」というコーナーがあって
長田弘さんがコメントを毎回書いておられます。
子どもの詩も、長田弘さんのコメントも、どちらも素敵で楽しみにしています。
 

【2013/05/09 03:39】 URL | kimico #Zr2/WiYY [ 編集]

ケンジさんへ
こんばんは。
コメントありがとうございます。

>一瞬、お孫さんが2人も(?)と思いました…
残念ながら、その前の結婚もまだまだ…。

>万博は「いいね」です。
何よりも自然が一番の財産ですね。
沖縄も豊かな自然が守られるよう、国として真剣に考えてほしいですよね。

本は読み始めると、次々数珠つながりで読みたいのが出てくるので、多くなるのは仕方ないですね。
【2013/05/09 20:16】 URL | 大空の亀 #- [ 編集]

kimicoさんへ
こんばんは。
コメントありがとうございます。

>なつかしい時間・・・買いに行かなくっちゃ!
これも、kimicoさんの新しい宝物になると思います。
岩波は買い取り方式だから、近くの本屋さんでは注文しないと手に入らないかも。

>子どもの詩も、長田弘さんのコメントも、どちらも素敵で楽しみにしています。
詩のコーナーがあるって、素敵ですね。
読者が投稿できる俳句や短歌はあっても、詩のコーナーまである新聞は、この頃あまり見掛けなかったので、嬉しく思います。
もっと詩が大切にされたらいいのになあ。
【2013/05/09 20:24】 URL | 大空の亀 #- [ 編集]


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大空の亀 

Author:大空の亀 
写真の猫は姉のハオと弟のミュー。
ハオは2006年5月5日生(伝)。
ミューは2008年10月10日生(伝)。

空と言葉と草木花が好き。
趣味は読書・文芸。

読書ノート歴33年。
年間読書冊数の平均は、学生時代は
300冊、就職後は100冊~150冊。

ブログ歴 11年3カ月
2006年 3月17日から始めました。
2006年 9月 9日カウンター22222通過
2007年10月24日カウンター77777通過
2008年 5月23日カウンター100000突破 !
2008年 9月 8日カウンター111111通過
2011年 5月 4日カウンター200000突破 !
2012年 1月10日カウンター222222通過
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