心に響く本・詩歌・言葉・音楽・風景
私の読んだ本や聴いた音楽、出会った風景の中から心に響いたものを紹介します。
あんなことこんなこと-東北大震災から2年半
 元同僚から、2013年6月に東北大震災のあとを、現地の友人達を訪ねながら、10日間滞在したときの話を聞きました。その中から二つの中学校での話を紹介します。色つき文字は、緑色が元同僚から聞いた話、紺色がニュースなどから知った話です。

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 大槌中学校では、約200人の生徒のうち、大震災で亡くなったのは2人。しかし、残ったどの生徒も、父母・兄弟姉妹・祖父母など誰か身内を、あの大津波で亡くしている。
自分以外のすべての家族を亡くした生徒が1人いる。何箇所か避難所を訪ねて、家族を捜しても誰も見つからない。おびただしい数の遺体が安置された所で、遺体がくるんである布を一枚一枚はがしながら、家族を捜さなくてはならなかった。
津波で流され打ちあげられた、ヘドロと重油がこびりついた遺体を、自衛隊の人たちが、そのまま背中に背負って安置所まで運んで洗った。

大津波のあった夜、高台に避難した人たちは、火の海になった自分たちの町を、震えながら見た。数秒毎に、各家庭の使っていたプロパンガスの爆発する音が響き、一睡もできなかった。
戦争の体験は無いけれど、町に爆弾が落とされ戦火が広がる状況と重なった。
身一つで逃げてきた人たちは、寒い中、避難所となった高台にある公民館のカーテンを引きちぎって身を包んだ。


と、恐怖と絶望の一夜を、大槌中学校に勤める友人が語ってくれたそうです。
一人一人がこの辛い極限状況の中を、生きねばならなかったことを、私たちは忘れてはいけないと思います。

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 福島原発から50km離れた(避難区域ではありませんが、放射線量はこちらの5倍以上)内陸部の中学校を訪ねたとき、下校中の生徒が全員マスクをし帽子を被って体操服だったのが気になったそうです。
校内の樹木は原発から飛散した放射能に汚染されており、除染のために全部伐られ、グランドの土も表土を削ったそうです。ただし、その汚染土の行き場がなく、グランドに穴を掘り再び埋めてあるという話
 に、なんとも言えない思いを抱きました。

大震災から2年経ったこの4月、生徒たちはやっとグランドで体育ができるようになったそうですが、通学路には、まだ除染の終わっていない所もあるので、マスクと帽子の装備が欠かせないということです。かつての普通の生活が戻るのに、30年はかかるだろうと言われているとのことです。 が、15歳の中学生たちが45歳…、むごいです。

これらの話をしてくれた元同僚は、陸上で全国大会に出るような生徒を育てた先生でしたが、この東北の現状を見て「東京オリンピックなんかやってる場合か、全然復興できてないぞ。」と怒っていました。

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 私も改めて、東京五輪招致委員会の竹田理事長の発言「(東京と福島は)ほぼ250キロ、非常に、そういった意味では離れたところにありまして、皆さんが想像するような危険性は、東京には全くないということをはっきり申し上げたいと思います。」 や、
安倍首相のプレゼンテーションでのスピーチ「状況はコントロールされている。私たちは決して東京にダメージを与えない。」を思い出しました。国の代表とは思えない、心ない発言です。

さらに、安倍首相は「汚染水による影響は福島第一原発の港湾内で完全にブロックされている。日本の食品や水の安全基準は世界でも最も厳しく、健康問題は今もこれからも全く問題ないことを約束する。」 と強調しましたが、解決できない汚染水のニュースが、今も毎日続いています。山の木々が蓄えたきれいな地下水が、原発敷地を通過して汚染水になり海へ…やりきれません。

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 小泉元首相が、フィンランドの核廃棄物最終処分場を視察してから、「脱原発」を主張しています。私も以前にテレビで見ましたが、厳戒体制をとった広い処分場ですが、それでも原発4基分だけ、おまけに、ちゃんと処理が終わるのに10万年以上はかかるだろうとの話でした
日本には50基以上の原発があり、今でも核廃棄物の行き場がなくて困っているのに、再稼働なんかしたら更に増えるばかり。おまけに狭い国土で、地殻変動も多いと来ている。いったい未来にどう責任をとるつもりかと、経済優先の安倍内閣の動きにはあ然とするばかりです。
人間らしい当たり前の幸せを、原発のせいで奪われている人たちがいるという現状を忘れてはいけないと思います。

テーマ:原発事故 - ジャンル:ニュース

この記事に対するコメント

なんと 残酷で悲しい事実でしょう。言葉が詰まります。
今 日本が一番しなければならないことは福島の原発の処理。 田舎の父は鉄工や旋盤、溶接の職人。言ってました。汚染水のタンクの底はパッキンでなくて 精密な溶接をしないといけないのにと。技術を持って居る人は少ないし、時間がかかるから 今の方法になったと。たくさん原発を作りながら 後のいろいろな処理や最悪の事態への対策などなど先送りに。信じられない。なんの罪のない人たちがたいへんなつらい思いを。
 オリンピックで盛り上がって おかしい日本。
 はやく 安全な国土を取り戻すため すぐれた科学者も多い日本 なんとか この現状を打開して ほしい。切に願います。
【2013/10/28 10:34】 URL | よりやん #- [ 編集]

よりやんへ
こんばんは。コメントありがとう。
今日のニュースでも、核廃棄物の処分場のことをやっていました。
高濃度の核廃棄物をガラスで固めても、近くに寄ると十数秒で人は死ぬそうです。
それを地下300メートル以上の地層に埋めるそうですが、なにしろ地震国ですからねえ。
今は処分場の実験施設があるだけ、日本国内ではどこも受け入れ先が決まらない状況。
専門家も「白紙見直し」をと言っていました。それでも首相は再稼働って、狂ってますよね。

よりやんのお父さんの言われているとおりですよね。
ボルトで止めるだけなんて、汚染水漏れを許しているのと同じ。
お金も時間も技術力のある人も、現場に投入できないで、どうやって解決するのでしょう?
【2013/10/28 20:30】 URL | 大空の亀 #- [ 編集]


こんばんは。

ここを読んで、勤務校の「3.11を忘れない」のコーナー展示のすぐ下の段に原発関連の本を排架することに決めました。
「もんじゅくん」の本や「子どもたちに伝えたい 原発が許されない理由」「放射能はどこまで安全か」などなど・・・

勤務校に毎月のように「東北大震災の写真集」を売り込む電話がかかってきます。
2万円とか3万円とかで、今までよりさらに丁寧で簡潔な文章が・・・とかって。
でも、私がさがして集めたいのは、そこにいた人たちの暮らしや心に関する資料です。
写真でも文章でもコミックでもいいから。
心あたたまる話も、悲惨なことも。
そこで現実にあったことを、残しておきたい。
当時の写真集はすでに蔵書しています。
新しく買い求めるとしたら、それから2年半たって、今、どうなのかを撮ったものが欲しいです。
2年半は、長いのでしょうか?短いのでしょうか?
50歳になった私の2年半と、子どもたちの2年半は、時計は同じ早さで時を刻んでいるけれど、絶対に同じではないと思っています。

 
【2013/11/04 21:31】 URL | kimico #Zr2/WiYY [ 編集]

kimicoさんへ
こんばんは。コメントありがとうございます。

2万円も3万円もする本より、地元の出版社(岩手日報とか)が関わっている本を買う方が、応援にもなっていいですよね。
ここに紹介した元同僚も、地元の本を1万円分ほど買って、市内の学校に寄贈してくださいました。
『さんてつ』の漫画がよかったです。以前紹介してもらった『ディジー』もよかったです。

津波の被害の大きかった沿岸部や、原発事故の影響の大きい地域は、まだまだ厳しいのではないかと思います。
一生懸命前向きに頑張っている人たちが、どうか報われますようにって祈る思いです。
昨日の「楽天」優勝は、とても嬉しかったです。
創設時のことから今までのことを思うと、ああいうチームが勝つのは、励みになります。
【2013/11/04 22:47】 URL | 大空の亀 #- [ 編集]


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大空の亀 

Author:大空の亀 
写真の猫は姉のハオと弟のミュー。
ハオは2006年5月5日生(伝)。
ミューは2008年10月10日生(伝)。

空と言葉と草木花が好き。
趣味は読書・文芸。

読書ノート歴33年。
年間読書冊数の平均は、学生時代は
300冊、就職後は100冊~150冊。

ブログ歴 11年8カ月
2006年 3月17日から始めました。
2006年 9月 9日カウンター22222通過
2007年10月24日カウンター77777通過
2008年 5月23日カウンター100000突破 !
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