心に響く本・詩歌・言葉・音楽・風景
私の読んだ本や聴いた音楽、出会った風景の中から心に響いたものを紹介します。
心に響く本-今年第1回目のおススメ本3冊
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【1月12日の三十三間堂は拝観無料/内側は「通し矢」の人たちで大混雑】


今年第1回目のおススメ本の紹介です。
初めて出会う著者がほとんどだったのですが、どの本も魅力的で気に入りました。

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中島京子著『冠・婚・葬・祭』
 (ちくま文庫/2010年/580円)
四つの短編。冠~新人新聞記者の書いた成人式の記事が…。婚~お見合いの取りもちをもう辞めようと思っていたおばさんに…。葬~二つのお葬式に関わった若者が見た二人の老人の人生とは…。祭~三姉妹が既に両親のいない田舎で経験するお盆のあれこれ。巻末にある「消え去る空気を書きとめる」という題の解説が、内容とテーマを丁寧にかつ著者の特徴を的確に表していました。
先が気になって読み進むという感じで、とても読みやすく、また、結末も断定するわけでなく、ほわんとしたものを残してくれるので、読後感もよかったです。どこか懐かしい情景なのですが、きちんと現代の世相を切り取っていて、なかなか技ありの作家さんだなと思いました。


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大原照子著『55㎡の暮らし替え』
(文化出版局/2005年・2006年第6刷/1500円)
副題「スローライフの舞台作り」。大好きな水色の表紙にひかれて図書館で借りたのですが、改装好きの私には中味もとても魅力的だったので、改めて中古で購入しました。ぱらぱらめくっているだけで幸せ気分になります。
家庭調理研究家として、アンティークのお店のオーナーとして、100冊を越える著書がある筆者ですが、家に関する本は初めてとのこと。でも、新築3回、増改築6回という家づくりが大好きな方なので、その楽しさが伝わってくる本でした。75歳を過ぎて、「百歳になっても、おしゃれで、元気で、愉快に暮らせるミニ住宅に」とリフォームされ、その様子が、たくさんの写真付きで紹介されています。


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徳間書店出版局編『この国はどこで間違えたのか』
(徳間書店/2012年・2013年第2刷/1600円)
副題「沖縄と福島から見えた日本」。2012年、沖縄タイムスに連載された対談「国策を問う」を改題したものです。沖縄タイムス社の渡辺豪氏が、内田樹・小熊英二・開沼博・佐藤栄佐久・佐野眞一・清水修二・広井良典・辺見庸という魅力的な方々にインタビューをしたものです。
マスコミが「ジャーナリスト精神」を喪失し堕落していると感じることの多い中で、この沖縄タイムスの取組みのまっとうさが強く心に響きました。未来に対して責任ある一員として、読んでおかなくてはいけない大切な一冊だと思いました。世の中のいろんなことが見えてきます。まだ読んでおられない方には、ぜひ!とお勧めしたいです。
付箋だらけの一冊となり、引用すると大変な量になりますので、「まえがき」と「あとがきにかえて」から一部分だけ抜粋します。

「まえがき」から
 今、あらためて感じるのは、米軍基地も原発も容易には突き崩せない日本人の心性に連なる課題である、ということだ。価値判断の基準は常に「日米基軸路線」と「経済最優先」。これが一体不可分の神話となって日本人に宿る。そこに「想像力の欠如」「事なかれ主義」「なし崩し」といった性向が相まって、地震列島日本に54基の原発が連なり、沖縄の基地は温存されてきた。
 だが、それも崩れつつある。外交課題には「対米従属」で対応し、内政課題はひたすら「経済成長路線」を追求することで、豊かさや幸福の実現が担保されてきた「日本の戦後」はもうとっくに終わっている。原発がそうだったように、沖縄の基地問題も「無関係だから無関心でいい」という姿勢ではもう済まされない。官僚に任せ、特定の地方に押し付け、マスメディアの論調を鵜呑みにしていればいい、という構えでは乗り切れない時代に入っている。
 にもかかわらず、中央集権的な政治システムによって維持される「幻想」にすがって思考停止してきたのが、今までの日本人ではないか。問われているのは「日本人の心性」、国民一人ひとりの価値観や哲学ではないか。(渡辺豪)

「あとがきにかえて」から
 時代は明らかにターニングポイントを迎えている。しかし、沖縄の基地問題も、エネルギー問題も「政治」が機能していないのが実情である。なし崩し的な原発再稼働は「福島の教訓」の軽視であり、オスプレイの普天間配備強行は「沖縄の警告」を無視する愚行にほかならない。底の抜けた「民主政治」のひずみは、近い将来必ず「日本」という国の根幹を激しく揺さぶるだろう。「破局の予感」が沖縄からは可視化できる。福島でも覚知している人は少なくないのではないか。情報が氾濫し、多様な価値観が併存する成熟した民主主義社会において、国を動かすのは政府国家ではなく、国民一人ひとりの主体的な意志だろう。国家がメルトダウンしつつある今ほど、「個」の責任と覚悟が問われている時代はない。(渡辺豪)

 今の事態は、この文章が書かれた時よりさらに酷いことになっていると感じます。老若男女すべての人が、世間に流されずしっかり自分の考えを持ち行動することが、社会に対する責任として必要なのではないでしょうか。


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【「大的全国大会」の出番を待つ人たち。朝の7時から午後の3時までで、出場者は約1500人?!】

テーマ:オススメの本の紹介 - ジャンル:本・雑誌

この記事に対するコメント

三十三間堂がこんな風になるんですね。
先日の京都行きで前を車で通りました。

本の紹介、有難うございます。
中島さんの本も大原さんの本も
興味深いです。
最近は楽な本に流れてます。

今日からバタバタと予定が続いています。
大人しくしていたいのですが・・・。
【2014/01/16 22:55】 URL | けいこ(ベンジャミン) #oUPgpoCM [ 編集]

けいこ(ベンジャミン)さんへ
お早うございます。
コメントありがとうございます。
寒い日が続いていますが、お変わりありませんか?

三十三間堂が、こんなににぎわっているのを見たのは初めてです。
肝心の「通し矢」は、人垣がすごくて見えなかったのですが、順番を待っている人たちや晴れ着姿の若者たちを見るのが、興味深かったです。

中島さんの本も大原さんの本も、きっとけいこさんのお気に召すと思います。
私は昨日、とても楽しい歌集を読めて、ちょっと浮き浮きしています。
【2014/01/17 07:54】 URL | 大空の亀 #- [ 編集]


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大空の亀 

Author:大空の亀 
写真の猫は姉のハオと弟のミュー。
ハオは2006年5月5日生(伝)。
ミューは2008年10月10日生(伝)。

空と言葉と草木花が好き。
趣味は読書・文芸。

読書ノート歴33年。
年間読書冊数の平均は、学生時代は
300冊、就職後は100冊~150冊。

ブログ歴 11年6カ月
2006年 3月17日から始めました。
2006年 9月 9日カウンター22222通過
2007年10月24日カウンター77777通過
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