心に響く本・詩歌・言葉・音楽・風景
私の読んだ本や聴いた音楽、出会った風景の中から心に響いたものを紹介します。
心に響く本-『元原発技術者が伝えたいほんとうの怖さ』
 うみそら居士さんのブログで紹介してあったので、購入して読みました。

小倉志郎著 『元原発技術者が伝えたいほんとうの怖さ』

 hontounokowasa1408.jpg (彩流社/2014年/1700円)

著者は、慶応大学大学院工学専攻修了後、日本電子力事業(後に東芝に吸収合併)に入社。35年間、原発の見積・設計・建設・試運転・定期検査・運転サービス・電力会社社員教育に携わり、2002年定年退職。

「はじめに-原発という怪物を造って」からより部分引用
・・・私のように本社技術部門での経験と共に、建設中および運転中の原発の現場での長い経験をもつエンジニアは極めて稀だろう。出世をする技術者は本社の技術部門に留まり、現場を職場にすることなくどんどん偉くなっていく。そして、コストダウンを声高に叫ぶようになる。・・・原発のほんとうの怖さとは、原発の建設に携わった私自身にとっても複雑過ぎて全貌がわからないこと、および、生命の証である遺伝子を眼に見えない放射線で破壊する放射性物質、いわゆる「死のゴミ」を新たにつくり出すことにある。・・・長年、原発の建設や保守・点検に携わった人間だからこそわかることを書き留めることで「贖罪(しょくざい)」の思いもこめた。・・・


「PART1*元原発技術者が言える原発の危険性」より一部分引用
汚染管理区域内で作業する場合の被ばく防護、とりわけ、内部被ばくの防護のための装備やその取り扱い方の複雑さや装備を着けた状態での作業の困難さを体験して、これではまともな作業ができないことを悟った。そして、こんな厳重な装備を着けねばならないほど被ばくとは危険なのだということを感覚的に知らされたのだ。

2012年9月20日初版『原発をやめる100の理由‐エコ電力で起業したドイツ・シェーナウ村と私たち』の引用より、著者の整理した重要な問題点
①フクシマやチェルノブイリのような環境に大量の放射能を放出する重大事故の可能性がある。
②事故は起こさなくても、運転中に低レベルの放射能を環境に放出する。
③運転を継続するには保守・点検・補修などの維持作業に携わる人々が被ばくする。
④運転をすれば使用済核燃料(高レベル放射性物質)を必ず生み出す。
⑤運転を永久に止めても、過去に原発によってつくられた放射性物質を安全に保管・処分する方法が見つかっていない。


「PART2*事故のあとだからこそ言えること」より一部分引用
P114・スウェーデンの国家の将来像は、①継続可能な社会であること、②次の世代に負担をかけないこと。
P112・私があげたい一つの案は、選挙において、私たちの希望を政治に反映してくれる人物を当選させることだ。・・・仲間を一人が一年で一人増やしていけば、わずか十年で仲間が千倍に増える。
p124・「廃炉」工事のみで「無限大」という推定値が出ているから、「廃炉」以外の費用も全部含めれば、同様に「無限大」になるだろう。つまりは、どんなに各電力会社ががんばっても原発が他の発電方式よりも発電コストが安くなることは不可能だということだ。


「資料*原発を並べて自衛戦争はできない」より一部分引用
原発を国内に抱えている我が国の状況では、どんなもっともな理由があろうとも、国家であれ、武装集団であれ、どんな相手からも、我が国に対する武力攻撃を受けるような事態をつくってはならないのである。
そのためには、国際紛争の解決の手段としての軍備をもたずに徹底的に、平和的な手段で国際紛争を解決する努力をするのが国家滅亡を避けるための、もっとも現実的な方法なのである。


 現場を経験した人の言葉は実感があって、本は付箋がいっぱいになりました。引用したい事だらけでしたが、きりがありませんので、ここまでといたします。皆さんにも読んでいただけることを願っています。


この記事に対するコメント

こんにちは


さっそく図書館に予約入れました。
読んでみたい、でも、怖い。
本当のことを知るのは、原発に関しては特に、勇気のいることに思えます。
【2014/08/31 18:21】 URL | kimico #Zr2/WiYY [ 編集]

kimicoさんへ
こんにちは。コメントありがとうございます。
早速、予約されたとのこと、うれしいです。
本当のことを知るのは、kimicoさんも書いているように勇気と覚悟が要りますね。
知らずに楽しく過ごせたら楽なのでしょうけれど、それだと過去の戦争や公害と同じ失敗をしてしまう…。
しんどくても知ることが、今を生きる大人の、未来への責任だと真面目に感じている日々です。
【2014/09/01 17:39】 URL | 大空の亀 #- [ 編集]


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大空の亀 

Author:大空の亀 
写真の猫は姉のハオと弟のミュー。
ハオは2006年5月5日生(伝)。
ミューは2008年10月10日生(伝)。

空と言葉と草木花が好き。
趣味は読書・文芸。

読書ノート歴33年。
年間読書冊数の平均は、学生時代は
300冊、就職後は100冊~150冊。

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2006年 3月17日から始めました。
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