心に響く本・詩歌・言葉・音楽・風景
私の読んだ本や聴いた音楽、出会った風景の中から心に響いたものを紹介します。
松尾芭蕉の句
新コーナー「私の好きな俳人・歌人の10句・10歌」を始めます。

 昔買ったままで、きちんと読み切っていなかった本を読み始めたら、とてもよくて…、他にもこんな本がたくさんあるので、しばらく俳句と短歌に関する本を読んでいこうと思います。今までも、句集や歌集を読むことが多かったのですが、今回は古典(近代を含む)に戻っての再読です。そこから、10作品を厳選する(結構無謀な…)試みをしてみたいと思います。

第1回目は松尾芭蕉の10句です。

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まずは、素敵な本の紹介から

『芭蕉の言葉【おくのほそ道】をたどる』 文章/佐佐木幸綱・写真/稲越功一 
  2005年初版・淡交社・1,900円

 「おくのほそ道」に関する本は今までもたくさん読みましたが、この本は、歌人の佐佐木氏の文章が読みやすく、かつ、興味深く、歌人の西行に憧れていた芭蕉が読んでも嬉しい内容ではないかと感じました。稲越氏の写真は切り取り方が大胆だけれど、句に合う趣があって、「水」をテーマにしている印象を受けました。とてもお勧めしたい一冊です。
p238より
「芭蕉は、41歳の年に『野ざらし紀行』の旅に出てから51歳の年に大坂で息を引きとるまで、晩年の十年間の大半を旅に過ごします。『おくのほそ道』の旅は46歳、旅の生活のピークだったわけです。さらにいえば、作品としての『おくのほそ道』が書かれはじめたのは、旅の三年後、元禄五年ころからと推測されています。素龍清書本ができあがったのは元禄七年四月、死の半年前のことでした。つまり作品『おくのほそ道』は、五年という時間の中で練り上げられた作だったのです。」
完成度の高さがわかりますね。時間をかけて熟成させることの大切さを思います。


『俳句の意味がすぐわかる!名句即訳 芭蕉』石田郷子著
  20004年・ぴあ・1,714円

 芭蕉の代表的な376句を、「即訳」=「即、訳がわかる」と、解説で紹介した本です。さっと触れて、自分の好きな句を見つけたり、どんな意味の句なのかな?と調べたりするのに、便利です。四季別になっていて、とても見やすいので、芭蕉入門にもお勧めです。
俳諧紀行文の『おくのほそ道』は、芭蕉の集大成といえる名作で、収録されている俳句も名句揃いです。優れた地の文章を読み進めることで、読者もともに旅を経験している気分になりますから、紀行文中の俳句もすっと胸に入ってきます。名句だと感じる理由は、こんなところにもあるかもしれません。以下、芭蕉の句から私の特に好きな10句を厳選し引用しましたが、上記の理由&『おくのほそ道』は別途読んでほしいという思いで、ここでは『おくのほそ道』のものは、入れませんでした。

 私の好きな松尾芭蕉の10句
(  )の中は、読み。下線部は季語。

春の句
山路来て何やらゆかし菫草(やまじきて なにやらゆかし すみれぐさ)
   ゆかし=なんとなく心惹かれる
さまざまの事思ひ出すかな(さまざまの ことおもいだす さくらかな)

夏の句
須磨寺や吹かぬ笛聞く木下闇(すまでらや ふかぬふえきく こしたやみ)
   須磨寺には平敦盛遺愛の品「青葉の笛」があります。
草の葉を落つるより飛ぶかな(くさのはを おつるよりとぶ ほたるかな)
おもしろうてやがて悲しき鵜舟(おもしろうて やがてかなしき うぶねかな)
 
秋の句
秋近き心の寄るや四畳半(あきちかき こころのよるや よじょうはん)
この道や行く人なしに秋の暮(このみちや ゆくひとなしに あきのくれ)

冬の句
海暮れての声ほのかに白し(うみくれて かものこえ ほのかにしろし)
旧里や臍の緒に泣く年の暮(ふるさとや へそのおになく としのくれ)
旅に病んで夢は枯野をかけ迴る(たびにやんで ゆめはかれのを かけめぐる)
   辞世の句

☆なかでも一番すごいと思うのは、
「海暮れて鴨の声ほのかに白し」の「声」を「白」で表現したところです。
高屋窓秋に「頭の中で白い夏野となつてゐる」という俳句、斎藤史に「白い手紙がとどいて明日は春となるうすいがらすも磨いて待たう」という短歌があります。どちらも大好きな作品ですが、「白」が詩的で効いていると思います。

テーマ:オススメの本の紹介 - ジャンル:本・雑誌

この記事に対するコメント

お久しぶりです。
テレビのバラエティで俳句の講座があるそうですね。
友達が面白い、と言っていました。

帯状疱疹になられたのね。
痛かったでしょう。
私は40代で右、3年前に左の背骨からお臍までの半周ずつに出ました。
3年前は2ヶ月、鎮痛剤のお世話になりました。
薬嫌いですがあの痛さは耐えられませんでした。
その後、体調がガタガタと下降線をたどっています。

帯状疱疹が治っても十分にお気をつけ下さいね。
【2017/06/27 20:20】 URL | けいこ #oUPgpoCM [ 編集]

けいこさんへ
お早うございます。コメントありがとうございます。
ちょうど、「けいこさん、どうされているかなあ?」と思っていたので、うれしいです。

俳句の番組は、4チャンネルのプレバト。木曜日の7時からです。
夏井いつきさんの毒舌が的確で、直しも上手いので、楽しみながらも勉強になります。
いつきさんと同じに直せると「やった!」と、気分良くなります。
私の周りにも、これだけは見るという人、多いですよ。
いつきさんは、昔、愛媛の学校を回って「俳句の授業」をされていた、
筋金入りの俳人なので、言っていることも、信頼できます。

プレバトでも、他はどうかな?と思うことも多いのですが、
水彩画(スケッチ)の先生も素晴らしいので、俳句とこれだけは見ます。

帯状疱疹、辛いですよね。年をとると出る人が多いようで、これからも心配です。
かさぶたは取れたのですが、まだ顔に赤いシミがあって、悲しいです。
つい根を詰めるので、お互い無理しないように気をつけましょうね。
【2017/06/28 09:14】 URL | 大空の亀 #- [ 編集]


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大空の亀 

Author:大空の亀 
写真の猫は姉のハオと弟のミュー。
ハオは2006年5月5日生(伝)。
ミューは2008年10月10日生(伝)。

空と言葉と草木花が好き。
趣味は読書・文芸。

読書ノート歴33年。
年間読書冊数の平均は、学生時代は
300冊、就職後は100冊~150冊。

ブログ歴 11年6カ月
2006年 3月17日から始めました。
2006年 9月 9日カウンター22222通過
2007年10月24日カウンター77777通過
2008年 5月23日カウンター100000突破 !
2008年 9月 8日カウンター111111通過
2011年 5月 4日カウンター200000突破 !
2012年 1月10日カウンター222222通過
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