心に響く本・詩歌・言葉・音楽・風景
私の読んだ本や聴いた音楽、出会った風景の中から心に響いたものを紹介します。
高野公彦氏の本3冊
高野公彦氏の著書および関連本
高野公彦氏は大好きな歌人の一人なのですが、故郷が同じ愛媛県(しかも比較的近い!)ということもあり、大変親しみを感じています。
今回は、ご本人の歌集ではなく、別のアプローチによるお勧めの3冊を(写真右から順に)ご紹介したいと思います。

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高野公彦著『北原白秋の百首』(歌人入門③・ふらんす堂・2018年5月・1,700円)

巻末にある高野氏の解説の題「言葉でありながら音楽であること」が、白秋の詩歌の特長を端的に表わしていると思いました。57歳の生涯で11冊の歌集を出し(別に長歌集1冊)、短歌の数は約8,000首とのこと。
この本には、「百首」を引いて丁寧な読みが添えてあります。私は何首覚えているかな?と思いながら読みました。結果は、残念ながら14首。声に出して読むと、心地よい調べで、五感を気持ちよくさせてくれる歌が多いのが、白秋の特長です。
白秋の若い時期の歌集『桐の花』『雲母集』『雀の卵』の順に、覚えているのが多かったのは、私があまり旅行詠に興味がないせいもあろうかと思います。

上記の三冊の歌集から、愛唱歌を一首ずつ。(『桐の花』からは三首)
春の鳥な鳴きそ鳴きそあかあかと外(と)の面(も)の草に日の入る夕
病める児はハモニカを吹き夜に入りぬもろこし畑(ばた)の黄なる月の出
君かへす朝の舗石(しきいし)さくさくと雪よ林檎の香のごとくふれ
石崖に子ども七人腰かけて河豚を釣り居り夕焼小焼
この山はたださうさうと音すなり松には松の風椎には椎の風

「歌人入門③」とあったので、ふらんす堂のHPで調べたところ、①は斎藤茂吉、②は石川啄木でした。
思春期に繰り返し読んだ「石川啄木の短歌」、著者の小池光氏の鑑賞と併せて読み直したく、早速注文しました。

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『高野公彦インタビュー ぼくの細道うたの道』(本阿弥書店・2017年10月・3,000円)

こちらも大好きな歌人の一人、栗木京子さんが【聞き手】で、高野氏にインタビューをするという、私にとっては最高に嬉しい本でした。
栗木さんの歌集『南の窓から』の中に何度も「今日は高野公彦さんにインタビュー」とあり、羨ましく感じていたのですが、それが400ページを超える一冊となりました。歌のこと、故郷のこと、どれをとっても心惹かれることばかりで、わくわくしながら読み進みました。
今、付箋を数えたら50ありました。これからも何度も読み返すと思います。

表紙の絵は、高野氏お得意の顔文字?ですが、皆さんはどなたの顔かわかりますか?裏表紙も含め6人の歌人が描かれていますが、名前を使って描いただけでなく、ちゃんと顔の特徴を捉えているのが楽しいです。

帯文から
歌人・高野公彦の水脈をたどるインタビュー集 
飄々として短歌に関わってきた氏が長きにわたって第一線で活躍し、指導力を発揮し、短歌界に多大な影響を与え続けているのは、なぜなのか。(栗木京子「インタビューを終えて」より)

四国山脈から流れくだって瀬戸内海にそそぐ肱川の河口の小さな港町に生まれた日賀志康彦という少年が関東に出てきて、やがて高野公彦という短歌の好きな人間になって自分の歌を探し求め、短歌に深入りしてゆく様子が、本書の中心的な流れである。(「あとがき」より)

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高野公彦著『短歌練習帳』(本阿弥書店・2013年第1刷/2016年第5刷・1,700円)

第一章「決まり文句を使わない」~第二十三章「高野短歌塾・卒業試験」まで、挙げられた歌についての問題を解きながら学んでゆくという、今までにない形式の入門書です。
書き込みながら解いたので汚くなってしまいましたが、納得しながら進んでいける楽しい時間でした。卒業試験は83点。80点以上出来れば卒業とありました。
でも、忘れやすい私は、時々復習した方がよさそうです。

最終章の「推敲は、仕上げ&創作」に、著名な作品がいくつか挙げてあり、推敲前と後が比べられるようになっています。例えば、与謝野晶子の有名な一首の原作と改作。
若ければふらんすに来て心酔(ゑ)ふ野辺の雛罌粟(ここりこ)町の雛罌粟(ここりこ)
ああ皐月(さつき)仏蘭西(ふらんす)の野は火の色す君も雛罌粟(コクリコ)われも雛罌粟(コクリコ)

こんな例がいくつも示してあり、それらを読んで勇気づけられました。自分の歌を見捨てないことが大事だと思いました。
鈴木竹志氏が丹念に検証された『高野公彦の歌世界』(柊書房・2013年・2,700円)は、推敲という点からも興味深い本でした。

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『世界でもっとも貧しい大統領ホセ・ムヒカの言葉』
佐藤美由紀著『世界でもっとも貧しい大統領ホセ・ムヒカの言葉』
(2015年/双葉社/1,000円)

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2012年リオ会議で「もっとも衝撃的なスピーチ」と話題になった大統領の言葉を集め、経歴なども記した本。以前より興味はあったのですが、ベストセラーを素直に手に取れない自分がいて、今まで読まずにきました。

 5月中旬、車で30分ほどの自然の中にある「テラスカフェ&ギャラリー ツリーハウス」http://treehouse.cc/に、行きました。前から行きたかったのですが、予想していた通り、お店の雰囲気もお店の方も、とても素敵な喫茶店で、すっかり気に入りました。焼きカレーもグレップル(グレープフルーツ+アップル)ジュースも、美味しかったです。7月からは、夏野菜カレーがあるようなので、楽しみです。
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       ツリーハウスの看板犬サンディー

 そこに、私も時々買う「ビッグイシュー」がたくさん置いてあり、その横に、冒頭に書いた本と絵本『世界でいちばん貧しい大統領のスピーチ』(くさばよしみ・編/中川学・絵/汐文社)がありました。まず絵本を読んだのですが、ここずっと、日本の総理大臣や副総理にウンザリしている私は、この本の大統領の裏表のない言動に感動しました。

帰宅してすぐ『世界でもっとも貧しい大統領ホセ・ムヒカの言葉』を注文しました。素晴らしい生き方に、世界中の政治家が、彼のようであれば、どんなに地球は世界は救われるだろうと、感嘆しきりでした。彼の言葉が、日本の総理大臣のように口だけの薄っぺらいものではなく、すべて行動を伴うことに深い感銘を覚えました。

南米ウルグアイで「格差のない社会と自由を夢見て」革命運動家となったムヒカは、軍部が台頭する中、1972年に逮捕され、約13年間も過酷な獄中生活を送りました。その後、1995年の議員選挙で初当選。2010年から大統領に就任。2015年に任期満了で退任してからは、一国会議員に戻っています。

 ホセ・ムヒカのスピーチから一部引用します。どれも共感を覚えるものでした。
「西洋の富裕社会が持つ傲慢な消費を、世界の70~80億の人ができると思いますか。そんな原料がこの地球にあるのでしょうか。可能ですか。・・・なぜ私たちはこのような社会を作ってしまったのですか。マーケット経済の子供、資本主義の子供たち、つまり私たちが、間違いなくこの無限の消費と発展を求める社会を作ってきたのです。・・・私たちは発展するために生まれてきているわけではありません。幸せになるためにこの地球にやってきたのです。人生は短いし、すぐ目の前を通り過ぎてしまいます。命より高価なものは存在しません。」

今の日本の政策にも当てはめて考えたい言葉です。大切なことをしっかり伝えてくれるこの本、もしも、まだ読まれていない方がおられたら、ぜひ!!とお勧めします。

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森まゆみ著『反骨の公務員、町をみがく』
森まゆみ著『反骨の公務員、町をみがく』
 (亜紀書房・2014年・1800円)
ⅰ ブンシュクさん、おおいに語る/ⅱ ブンシュクさん、内子を案内する

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帯文から
全国数百万の公務員の中でも、大過なく勤め上げて、退職金と年金をもらって事足れりとする人が大半だが、公務員という立場を生かして、住民と役場の板挟みになりながらも、本当にこの町にとっての未来は何か、を考え尽くす人もいる。岡田文淑はまさにそういう人であった。

岡田文淑さん(1940年生まれ。1958年~2000年まで、内子町役場職員。)は、森まゆみさん(1954年生まれ。1985年~2009年まで、地域雑誌『谷中・根津・千駄木』編集人。)が「谷根千」を通して出合った傑出した地方人。愛媛県の内子町役場職員として、誰にも顧みられなかった内子の町並みを、伝統的建造物群保存地区に選定させた。

内子座の保存、石畳地区での住民との村並み保存……過疎地集落で住民とともにどうやって持続的な経済を維持するか、公務員として考えぬき実践したのが彼の仕事だ。それは、そのまま高度経済成長以降の日本の地方の在り方に重なる。岡田さんの人生を追いながら、日本の町並み保存、地域づくりについて考える。


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         月乃家

 3月末に、故郷内子町に母の50回忌で帰省し、町並み保存地区にある月乃家に泊まりました。食材が新鮮で抜群に美味しい食事と、宿のご夫妻の優しく穏やかなもてなしに、ほっこりしました。母の里や、同級生とも関わりがあって、話も弾みました。ジブリのスタッフの色紙があったので、尋ねたところ、「月乃家」さんで合宿をされたとのこと。朝食の時一緒になった、埼玉から来られたご夫妻と、食事のおいしさはもちろんのこと、水の美味しさに感動したと話が弾みました。その宿に、この本が置いてあり、森まゆみさんの本(以前にも拙ブログで紹介しましたが)や生き方が好きな私は、興味をそそられました。

帰る日の朝、宿のご主人をはじめ、駅まで向かう道のあちこちで、清掃をされている人を見かけました。故郷を出てしまった私ですが、このように町を愛し、自分たちの力で町作りを頑張っている姿に、感謝の気持ちがあふれてきました。過疎化で見捨てられ、空き家が増え、住民も自信を失う村や町が問題になっている今、私が誇りを持って故郷の話ができるのは、皆さんのたくさんの努力があったから。このことは、涙の出るような嬉しさです。

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八日市・護国通りの朝

この想いに、ぐっと入り込んできたのが、この本でした。官僚や政治家の情けない現状を見るに付け、この本に登場する岡田氏や同級生、昔住んでいた家のご近所さんなど、故郷の人々の志の高さを思いました。山菜天ぷらのおいしかった石畳の宿も、帰省の折に買い物をする内子フレッシュパークからりも、とてもいいところ。今でこそ、古民家の宿や道の駅など似たところが出来ていますが、どちらも、そのさきがけです。

インタビューに基づいて書かれた本なので、懐かしい方言や食べ物の名前も嬉しく、一気に読んでしまいました。ⅱ部には、同級生も登場!私は、五十崎(いかざき)大凧合戦で有名な小田川の自然な風情が大好きなのですが、その訳を「朋友、亀岡徹」の項で知って、亀岡氏と岡田氏の大物ぶりに感嘆しました。若い時に、彼らのことを知りたかった…。それだけが残念ですが、彼らがいてくれて、ほんとによかった!と思いました。

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今も現役の「内子座」 詳細は内子町公式観光サイトまで。

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「TUNAGARART つながらーと」
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5月12日(土)大阪城野外音楽堂で「つながらーと」という、バリアフリーのイベントがありました。私は、午後から天満橋で歌会があったので、少ししか見られなかったのですが、障がいのある人もない人も、子どもも若者も年配の人も、心のびやかに楽しめる素敵なライブやパフォーマンスでした。
今回が3回目ということですが、もっともっといろんな人に広がって、多くの人に心温まる時間を過ごしてほしいなと思いました。

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オープニングは、緊急参戦の青木拓人の弾き語りで4曲。

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ポズック楽団(チンドン興行をメインにしている共同作業所のメンバー)による、明るく元気なパフォーマンス。

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RED RED MOHICAN(レッドレッドモヒカン)のパワフルなバンド演奏に、舞台に近づきリズムに合わせ踊る人たちが、とても気持ちよさそうでした。サックスの豊田朝日登さん(写真の赤いシャツの人)が、このイベントを主催。

詳しくは、「TUNAGARART つながらーと」のホームページで。
https://tunagarart.wixsite.com/tunagarart

テーマ:音楽のある生活 - ジャンル:音楽

俳句誌あれこれ
 皆さん、連休はいかがお過ごしでしたか。私は、近くの公園を散策したり、庭の手入れをしたり、衣替えをしたり…、インフルエンザが治りかけの夫と共に、静かな時間を送り、最終日の今日は若い友人と自然の中に出かけ、楽しみました。

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           ヒトツバタゴ(別名ナンジャモンジャ)の白い花。


 毎月、二ヶ月毎、三ヶ月毎、発行日はそれぞれですが、たくさんの俳句誌が届きます。

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こちらの3冊は、私が会員になっている俳句誌です。

「六花5」(りっか5月号)は、毎月初めに届きます。
兄の同級生が主宰をしていて、兄も短い文章を載せているので、応援を兼ねて購読会員になりました。会員の句に対する主宰の評が詳しくて、毎月これだけの量の文章を書かれる労に、頭が下がります。
主宰発行人・山田六甲氏の句「風よりも花にさらはれさうな貌」
名誉主宰・ことりさんの句「ボート漕ぐ櫂を暗きへ明るきへ」

「空」(SORA 77号)誌は、2ヶ月に1回の発行です。
友人の紹介で、2006年「空俳句会」に入会。2ヶ月に1回、12句出句します。自分が詠むのは難しいけれど、柴田先生の句をはじめ魅力的な句が多いので、読むのはとても楽しみです。元新聞社にお勤めだった川上氏の書かれるエッセイが、骨があって内容も深く心に響きます。2018年3月に創刊15周年を迎え、ますます力のある会員の数が増えています。
編集発行人・柴田佐知子先生の句「母ときにこの世を離れ日向ぼこ」
私の出詠句から「声にして草木ねぎらふ野分あと」

「青群」(SEIGUN47号)誌は季刊で、編集の美しいのが特徴です。
「空」の拙文に伊丹三樹彦先生の句を紹介したのがきっかけで、お住まいでの句会に誘われ、2011年入会。毎月2句の先生を囲んだ句会と、3ヶ月に1回7句の出句があります。5月5日には、先生の「白寿を祝う会」があり多くの参加がありました。全く創作意欲の衰えないお元気な先生からは、前向きに生きる力をいっぱい頂いています。
顧問・伊丹三樹彦先生の句「綿雲の 大小 遠近 冬日和」
私の出詠句から「草むらに息づくものら星月夜」

このほかに、ご縁があって贈ってくださる俳句誌が「蝶」「杭」「うろこ」「やまぐに」「吟坐(昨秋55号で終刊)」。皆さんの、俳句に対する情熱と注がれるエネルギーに感嘆します。
句会でご一緒する政野すず子さんは、昨年、90歳にして、新しく「颸(すすかぜ)」を創刊されました。内容の充実した、見やすい編集の素敵な俳誌です。

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ゼラニウムの花が大好きなハオ。食べてしまいます…。

テーマ:本、雑誌 - ジャンル:本・雑誌



プロフィール

大空の亀 

Author:大空の亀 
写真の猫は姉のハオと弟のミュー。
ハオは2006年5月5日生(伝)。
ミューは2008年10月10日生(伝)。

空と言葉と草木花が好き。
趣味は読書・文芸。

読書ノート歴34年。
年間読書冊数の平均は、学生時代は
300冊、就職後は100冊~150冊。

ブログ歴 12年3カ月
2006年 3月17日から始めました。
2006年 9月 9日カウンター22222通過
2007年10月24日カウンター77777通過
2008年 5月23日カウンター100000突破 !
2008年 9月 8日カウンター111111通過
2011年 5月 4日カウンター200000突破 !
2012年 1月10日カウンター222222通過
2014年 9月15日カウンター300000突破 !
2017年 9月26日カウンター343434通過



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